予想以上にヒカリと宇佐美のアンケートがデットヒートを繰り広げていて、見ててめっちゃ楽しい。御協力、ありがとうございます
そして、感想ありがとうございます! 感想のおかげで更新出来てる節はある。本当に!!マジで!!ありがとうございます!!!!
「トリガーを解除? あなたバカなの?」
トリガーを解除した静雅を見てミラは嘲笑った。彼女の目には静雅と殺意しか映っていなかった。
「死ね!!」
そうミラは叫ぶと棘のような物体を繰り出し攻撃してくる。静雅はそれをサイドエフェクトをフル活用して間一髪で避け続ける。
「…中々にしぶといけれどトリガーを解除した今、あなたのスタミナはすぐに切れるでしょう? 諦めた方がラクだと思うんだけれど」
ミラの怒涛の棘攻撃は静雅を襲い、肩や腹、足に傷をつけていく。
「(ここまで私の攻撃を避け続けるなんて少し興味深いわね。ギリギリのところで止めて持って帰るのもいいかしら…)」
『ミラ』
『…隊長』
静雅に攻撃を繰り出しながらも考えることをやめていなかったミラの元にひとつの通信が繋がる。それは、今回の作戦の指揮を執っているハイレインからだった。
『至急こっちに来い。金の雛鳥だ』
『…
『………金の雛鳥を優先させる』
『…了解』
ハイレインから通信が切られるとミラは静雅を見つめ、静雅を囲むようにして棘を出した。しかし、それは全てすんでのところで避けられてしまう。トリオン体じゃないはずなのに身体能力がずば抜けている。本当に、惜しい。
「…小賢しい。けれど命拾いしたわね」
「アン…!?」
「出来ればあなたごと連れて帰りたかったのだけれど…呼び出されたから
ミラはそう不穏な言葉を残すと「窓」を使ってハイレインのいる場所へとワープした。近くにミラがいないことをサイドエフェクトで感じ取った静雅は深い、深いため息を吐く。
「はああああああ…」
長かった。ようやく張り詰めた空気が霧散する。静雅の肩の力が抜けた。それと同時にアドレナリンまで霧散してしまったのか、身体中がドクドクと痛み始めた。
「…やべ、死ぬかもなこれ」
意外と重症な身体を客観的に感じ取った静雅は一人、呟いた。
* * *
時は数十分前に遡る。
仁礼はひたすら走っていた。静雅が繋いでくれたバトンをここで離すわけにはいかない。そんな使命感を持って、ひたすらに。走って走って走った。
「…ここだな」
ボーダーから近い警戒区域内のありふれた一軒家。ここに静雅が必ず救けると約束したエネドラがいるはずだ。辺りを警戒しながらも、仁礼は家の中へと入っていった。音に敏感になっていたらしいエネドラは仁礼が家に一歩踏み入れただけで気づいたらしい。「誰だ」と声がする。
「影浦静雅から応援を頼まれた仁礼光だ! えーっと、人型、で間違いないよな!」
「にれ…?」
敬礼と当たり前だと言わんばかりの自己紹介。突如現れた仁礼を目の当たりにしたエネドラは自分が彼女の仲間になったような気がした。そして、それをすぐに打ち消し、警戒心が無さすぎると呆れる。
「ヒカリでいいぞ!!」
「……テメェ、つかお前らは警戒心をドブにでも捨ててきたのか?」
「はあ!? お前、しつれーなヤツだな!?」
「急になんだよ!」と憤慨する仁礼にエネドラは当たり前だと言わんばかりに鼻を鳴らした。エネドラの言いたいことも分からなくもない。元々
「お前、戦闘員じゃないだろ」
「な、ッ…!」
「俺がどれだけ戦闘に身を沈めてきたと思ってんだ。戦えるヤツかなんて目を見ればわかんだろ。…お前は綺麗な澄んだ目をしてやがる。ちっ、イラつくぜ」
「テメェ、俺のためだけに非戦闘員のクセに出張って来るとか…バカだろ」
「バカとはなんだ、バカとは!! …ま、間違いなくカゲ達には怒られるだろーな。想像するだけで怖い。でも、アタシは静雅さんにのびのびと戦闘をして欲しい。お前の存在が静雅さんの気を散らせるなら、どーにかしなくちゃいけねーだろーが! 今は戦闘員達が出払っててお前を回収に来れるヤツがいなかったんだ」
「だからアタシで我慢してくれ」仁礼はそう言って笑った。
──戦闘員ではないが心は強い、か。いい戦士が揃ってるじゃねぇか
「そろそろ行くぞ。あんま長居はよくねーだろーしな!」
「…けっ。………何かあったら俺は置いて逃げろよ」
「ん? 何か言ったか?」
エネドラの数十年に1回みせるかみせないかの優しさはどうやら仁礼には届かなかったらしい。「なんでもねぇ!!」と突如怒り、一人ズンズンと歩き始めたエネドラを見て仁礼は困惑した。
エネドラと仁礼のコンビは案外と仲良くなるのが早かった。口の悪いエネドラに物怖じしない仁礼と、仁礼のバカっぷりにド肝抜かれたエネドラの間にはギスギスとした雰囲気は一切流れていなかった。
「…多分、こっちだ!」
「おいヒカリ、多分ってなんだ」
「し、仕方ないだろ!? アタシのトリガーは本部とは通信出来ねーんだよ!! オペのアシスト受けられねーの!」
「だったらなんで来たんだよ!? バカか!!」
「いや、なんつーか、勢いだったんだよ…。アタシも静雅さんの役にたちたかったの!!」
「……ヒカリ、まさかおめぇあの男が好きとか抜かすんじゃねーだろな」
「え゙っ、何故バレた!?」
「…見る目ねーなお前…」
「はああ!? エネドラ、お前静雅さんに救けられた分際で何を言うか!!」
遂には恋バナを始める始末である。お互いのことを「ヒカリ」「エネドラ」と呼び合う姿はもはや傍から見ると友にしか見えない。
「おい、ヒカリ! 止まれ」
何かを感じ取ったエネドラは一歩前を歩いていた仁礼の肩を掴み、歩みを止めた。
「うおっ、急にどうした…?」
「気配がする。誰か近くにいるぞ」
「…敵か?」
「…複数人だな。さすがに敵かどーかは分からねーよ…」
二人は頷き合うと近くの物陰に隠れる。息を潜ませ、攻撃手段を持たない二人は相手が通り過ぎるのを待つしかなかった。
「…おい、おサノ。本当にここら辺にいるんだろーな!」
『ヒカリちゃんのトリガー識別反応はそこら辺で点滅してるから、いるはずなんだけど…』
「あー!! 諏訪さんだー!」
「うわああ!!」
物陰からひっそりと覗いていた仁礼だったが、前方から諏訪達が来るのを見ると、隠れていたのを忘れ飛び出した。あまりにも勢いよく飛び出したので、笹森が肩をビクつかせ大声を出してしまう。
「うおっ、日佐人ォ!! 急に大声出すんじゃねぇ!!」
「す、すいません!!」
突如現れた仁礼に驚く笹森。笹森の大声に驚く諏訪。そして怒られる笹森。笹森が不憫すぎる。
「つーかヒカリ出てんじゃねーよ!!」
「エネドラ、安心しろ!! 諏訪さんは確かに犯罪臭のする顔してっけど意外といい人だぞ!」
「誰が犯罪者の顔だどつくぞ!!」
「まーまー、とりあえず落ち着きましょ諏訪さん」
堤にあだめられた諏訪は大きく深呼吸すると、物陰から出てきた仁礼にドスドスと近づく。仁礼は首を傾げ諏訪の行動を見守っている。諏訪は、仁礼の目の前で止まると、拳を握りそこそこの力を入れて仁礼の頭を殴った。
「心配かけてんじゃねーぞ仁礼!!」
「痛いっ!!」
「(諏訪さんが女の子に手を出した…)」
「(体罰…?)」
諏訪に殴られた頭を涙目で擦りながらも仁礼は大人しくお説教を聞き入れる。
「お前が静雅を慕ってんのは知ってる。けど、お前が今回やったコレは静雅を救ける行動じゃねぇ。命を投げ捨てたんだ」
「…」
「トリオン体だからどうにかなるって思ったか。付け上がるなよ。お前のそのトリガーには攻撃手段がねーんだ。一発食らえば生身になっちまうんだよ…!」
「はい、ごめんなさい…」
ボロボロと仁礼は泣き始めた。さすがにキツく言いすぎたかと不安になる諏訪だったが、本当に死んでも可笑しくない場面だったのだ。これぐらいが丁度いいし、本気で反省してもらわないといけない。
「でも、まあ、よくやった」
ぶっきらぼうに、諏訪はそっぽを向いてそう言うと乱雑に仁礼の頭を撫でた。そんな諏訪の行動に涙腺が崩壊したらしい仁礼はドバッ!と涙を流すと諏訪に抱きついた。
「すわさーん!!!」
「おい、コラ仁礼っ!! 鼻水付けんじゃねー!!」
「(女子高生の抱擁を受け入れる成人男性…犯罪だ)」
「(とりあえず、ヒカリちゃん見つかってよかったぁぁ)」
ぐじゅぐじゅと顔を諏訪の胸元に押し付ける仁礼の行為は顔から出ている水分を諏訪のトリオン体に擦り付けているのと同意義だった。
そこから数分ほど仁礼が落ち着くのを待ち、諏訪はその場で即席のチームを作って命令を出した。
「日佐人、お前は仁礼につけ。本部まで護衛だ」
「笹森了解」
「…ぐすっ、ずっ、……すわさん、たちは…?」
「俺たちは静雅の元へ行く。…アイツお前らを救けるためにトリガーオフりやがった」
「…!!!!」
「おサノ!! おめーは日佐人に安全なルートをナビしてやれ!!」
『小佐野了解っ!!』
「堤と俺は静雅の回収に向かう。とりあえず、アイツのトリガー識別反応を追うぞ」
「堤了解」
* * *
ボーダーには沢山の隊員がいる。その為、ボーダー隊員は分かりやすく年齢で括られることもしばしあった。21歳組、そう年齢で括られているのは風間、影浦、諏訪、木崎、寺島の5人である。そして彼ら5人の仲は、ボーダーの中でもかなりいい方だと称され、暇があればすぐに飲み会などを開き顔を合わせるほどの仲だった。
諏訪は顔を歪めた。
肩、腹、足からドバドバと血を流す友を見て。諏訪はずっとB級中位をグルグルと居座っているので遠征を経験したことは無かった。それ故に、こんなにも大量の血を見るの機会は今まででほとんど無かった。まあ中位を居座っている、と言っても本人は遠征に特に興味を示していないこともあって、A級というものにあまり必要性は感じていなかったのだ。ちなみに、固定給は超羨ましいと思っている。遠征には興味ないけどA級にはなりたい。
人の血を見る機会なんて普通に生きていたらそうと無い。それこそ、その機会なんて鼻血を出しただとか指を紙で切った、膝小僧を擦りむいた、それぐらい軽いものだろう。しかし今、諏訪の目の前にいる男はそんな軽い怪我ではなかった。血の止まらない肩を抑え、足を引き摺りながら「生きてたンか」と諏訪を嘲笑している。そんな同期を見て諏訪は怒鳴りたい衝動に駆られた。いや、実際に怒鳴った。
「オイコラ静雅ァ!! 何トリガー解除なんかしてんだ!!」
「ア? これが最適解だっただろーが」
「お前ッ…死ぬかもしれなかったんだぞ!!」
「光が死ぬぐらいなら俺が死ぬわ」
ケラっと。悪びれもなく、それが当然かのように静雅は言った。そんな静雅をジッと見つめていると静雅は「ンだよ…」とちょっとバツが悪そうな表情をする。
「諏訪、お前だって自分の命かお前んとこの…確かオサノ、だっけ? どちらかの命が高確率で救けられるってなったらオペの方取るだろ」
「それはそうだけどよ。それでも、お前に死んで欲しくねーって思うことは当然のことだろーが!!」
諏訪はガン!!と静雅の頭を殴った。もちろん、静雅は怪我人なので力は一切入れていない。が、ガクッと俯いた静雅は色々な意味で相当堪えているだろう。そうだと信じたい。まあ、静雅を叱るのは
「こってりと風間や三上に叱られるんだな」
「きっと影浦隊のみんなも怒りますね」
「それで済めばいいけどな。…なんやかんや言ってお前はみんなに好かれてるよ。疲れるからっつー理由で滅多に怒らない雷蔵がキレるぐらいにはな」
「分かったらしゃんとしろ!!」と諏訪は静雅に喝を入れた。横で堤が「まあまあ」と言うがどうやらそれは諏訪に聞こえていないらしい。
ふと、堤が「静雅さんまさか自分で歩いて帰るつもりじゃないですよね…?」と呟いた。
「アン? 当たり前だろーが」
「怪我人ですよ!? それはダメですって!!」
「そーだそーだ静雅。大人しく堤に姫抱きされろ」
「え、俺ですか…?」
「俺がやると絶対ェに太刀川ら辺が爆笑すんだろ…」
『諏訪が姫抱きして連れてこい』
「オイコラ風間ボケェ!! テメェ他人事だからって余計なこと言うんじゃねー!!」
『諏訪が静雅を姫抱きすることで静雅の罰にもなる。メンタルは削れる時に削っていけ』
「鬼だ…」
「俺のメンタルも考えろよ…」
トリオン体の諏訪と堤とは違って静雅は生身である。その為、風間の通信が静雅には聞こえていない。が、諏訪達の反応を見る限り絶対ロクなことじゃない。長年の勘でそれぐらいはわかる。静雅は一人、バレないようにUターンしようとした。
『あ! 静雅さんが逃げようとしてます!!』
『野生の勘が働いたらしい。…全く小賢しいな』
「…風間さん、口悪くないですか?」
「まあ、下手すれば死んでたからな。流石の風間でもヒヤッとしたんだろーよ」
「オイ逃げてんじゃねーぞ静雅ァ!!」そう言って足をズルズルと引きずりながら逃亡を図ろうとしていた静雅の襟を掴み、諏訪はそれを阻止する。
「分かった、静雅。こうしよう。俺がテメェに鉛玉ぶち込んでテメェを気絶させる。そして俺らが運ぶ、これでどうだ」
「諏訪さん、それを怪我人の静雅にやると流石の静雅さんでも死にます」
「マジか」
「諏訪さんは静雅さんをなんだと思ってるんですか…」
「…まあ、なんでもいい。とりあえず傷縛って日佐人と仁礼を回収しに行くぞ!!」
諏訪隊が静雅と合流する前に、仁礼と一旦合流していた。しかし、静雅の安否がかなり危ういこともあって、お説教も程々に念の為護衛として笹森を置いて静雅の回収を優先させた。あいにくと、ここら辺にネイバーは出ていないので、笹森が仁礼と捕虜として捕まえたエネドラを連れて本部に足を進めているらしい。陣形を整えるためにも、早急に合流したいところだ。
「…オイ、静雅。テメェ、実はギリギリだろ」
「ア?」
「血がだいぶ抜けてる。それに…熱があんのに身体が冷たい。よく見れば汗も尋常じゃねーじゃねーか!!」
「ブラックトリガー戦を2回、それに大量のネイバー出現によるサイドエフェクトの副作用。万全な状態じゃないのに更にそれを多用しましたよね…? 負担はいつも以上…下手したら遠征に行ってる時と同じぐらいじゃないんですか?」
「それに精神的負担もあったろーな。コイツがしくったら少なくとも二人の首が飛んでた」
雷蔵に「
「…ちっ、堤。静雅を抱えろ。早急に本部に連れていく」
「了解」
「静雅さん、乗ってください」そう言って堤は静雅の前に屈みおんぶの態勢に入る。が、静雅はそれを眺めるだけで堤の上におぶさろうとはしなかった。
「いい加減にしろよ」
諏訪の静かな怒気を悟ったらしい。静雅は若干嫌そうに顔を歪め、堤の上におぶさった。
そして5分も経たずに静雅は気絶した。
「…傷に障らない程度に急ぐぞ!」
「はい!!」
Q.ミラ怖くね?
A.原作でもそこそこやばいヤツだったけど、この小説でもそこそこにやばいヤツになった。完全に静雅に目をつけたらしい。この女なら地獄の底まで追いかけて来そうなので静雅はサイドエフェクトをフル活用して本気で逃げた方がいい。
アンケート、ミラ追加した方がいいのかな…?
Q.あれれ? 光とエネドラいい雰囲気じゃね?
A.戦争中の吊り橋効果でそう見える…だけ、多分。きっと。そう信じてる。
Q.諏訪さんカッコイイね?
A.諏訪さんにはたくさんの夢とロマンが詰まってる。あー見えて文系なので本当に侮れない。
Q.どうして諏訪じゃなくて堤が静雅を抱えたの?
A.諏訪が抱えるよりも堤が抱えた方が安定するという考えから。いかにも冷静かつ確かに〜と思わせるこの考えは実は建前であり、本音は「ブチギレ風間に巻き込まれてたまるか」「太刀川のアホが絶対に何かしら突いてくる」「後々揶揄われた時に逆に静雅に殺されそう」etc...と保身的意味も兼ねている。ま、堤なら大丈夫だろという謎の絶大な信頼は外れることなく、諏訪は平和な未来を手に入れた。
Q.21歳組は仲がいいの?
A.普通に仲がいい。風間と静雅は言わずもがなだし、口は悪いけどノリも良くて面倒見のいい諏訪に、お母さんのような包容力のある筋肉木崎、とりあえず飯を与えておけば大人しい寺島。仲が悪いはずがないと思う。ちなみに裏設定で19歳組を真似て旅行計画を立てたけど頓挫したという設定がある。
Q.勝手な独り言とは?
A.こんなことを考えてる暇があるなら早く話を先に進めろって言われそうなんだけれど、静雅のイメージCVを考えました。個人的案としては小野大輔さんとかいい感じじゃね?と思うんですけど、皆さんはどんな声で再生してくれてるんですかね? 私がイメージしてるのはとにかく低めの声です。だってカゲも声低いし。それに小野大輔さんと杉田さんの兄弟構図は考えるだけで個人的に萌える。
オチについて(必ずしも反映されるとは限らない)
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宇佐美栞
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二礼光
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オチなし
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他の誰か