余りの忙しさとネタ不足に悩まされどうしようと思った(真剣)
ロドスの訓練所、そこは今、氷点下になっていた、原因はそこで戦っている二人である、片方はヘッドホンを着けたヴァルポ、前衛オペレーターのフロストリーフ、もう片方はフードで顔を隠しているコータス、術士オペレーターの“スノウホワイト”、この二人は共に冷気のアーツを得意としている為に、訓練所の至る所にその余波が見られる
「そこっ!」
ビュン!!
「っと」
スノウホワイトの放つ冷気の弾丸を跳んで回避するフロストリーフ、彼女が先程まで居た位置は凍りついており、直撃していたら凍りついたのはフロストリーフだっただろう、もっとも【二回目】は無いだろうが、飛び上がったフロストリーフは空中への追撃を防ぐため、手に持ったハルバートを振るい、斬撃を飛ばす、斬撃はスノウホワイトの後ろにあった氷の結晶で防がれるが、その結晶はそこそこの大きさがあり、追撃をしようとすれば斬撃が当たるため、結晶で防ぎ続けるしか無いのである、互いに攻撃は当たらなかったが距離は取れた、しかし
「油断大敵だ!」
「ッ!?」
突如地面から氷柱が生え、フロストリーフの着地先で待ち構える形になった、それを咄嗟にハルバートを勢いよく振り、その勢いを利用して回避するフロストリーフ、着地してスノウホワイトの方を向くと踏み出した足の先から冷気を放ち、氷柱を出していた
「…器用だな」
「今のは決まったと思ったんだがな」
「あの時のリベンジだしな、流石に簡単に勝ちを取らせないさ」
「それもそう…か!」
スノウホワイトは防御に使っていた結晶を投げつける、それを弾くフロストリーフだが、次の瞬間には目の前にスノウホワイトが迫って来て手に持っているナイフで斬りかかる、フロストリーフは咄嗟に回避するものの、バランスを崩して倒れてしまった、しかし倒れる瞬間に転がりスノウホワイトの足元からすぐに逃げ、起き上がる際にハルバートを振るい、起き上がりに対する追撃を防ぐ、結果としてその行動は正解だった
パァン ピキィ!
追撃で放たれていた冷気の弾丸を防いだらしく、ハルバートが凍りついた
「あっぶな…振っておいて正解だったな」
「今のも決まったと思ったが、しかしどうする?もう斬撃は飛ばせないだろ?」
「なんだ?もう勝ったつもりか?」
「お前の戦い方は分かっているからな、斬撃にアーツを乗せて、相手を凍てつかせて動けなくする、それを封じられたらキツいはずだ、降参したらどうだ?」
武器が使えなくなったフロストリーフに降参を促すスノウホワイト、しかし彼女の瞳には勝機が見えていた
「斬撃が飛ばせないなら、別の方法だ!」
「っとぉ!?」
突如急接近してきたフロストリーフに驚いたもののすぐに氷柱を出して防御するスノウホワイト、しかし凍りついたハルバートの刃は潰れているが、鈍器として使えるため、体全体を使い、先の方にかかる遠心力と勢いで
バリィン!!
簡単に氷柱を割って見せた、更にはその衝撃でハルバートの氷が砕け、そのままの勢いで斬撃を飛ばした、その斬撃はモロに入り、スノウホワイトを吹き飛ばした、しかし
ガッ!
「グッハ!?」
当たる直前に結晶で反撃していた、互いに良いのが入っている、しかしその表情は楽しそうであった
「氷柱を砕くだけでなく、ハルバートの凍結も砕きながら斬撃を飛ばすとはな、そこまでは考えなかったな」
「そっちこそ、あの一瞬で反撃してたとはな、流石だな」
「お前もな」
呼吸を整えた二人は、表情を引き締めると、次が決着と言わんばかりにアーツを放出する、余りの余波に周囲が更に凍りつき、本人たちの体にも霜がつき始める、フロストリーフはアーツをハルバートに集め、スノウホワイトは左手に持っている棒を振るった、その棒には布が巻かれてあり、振るわれた勢いで布を閉じていた結び目が解け、広がった、その布にはロドスのマークであるルークの駒と刀身がその陰に隠れている剣、その剣の柄を掴んでいる竜の模様が描かれている、そう、その棒は旗であり、同時にスノウホワイトがアーツユニットの代わりにしているのだ、その旗に冷気が集まり、その先から氷の刃を作り出すと両手でしっかりと旗を持った
「…コレで」
「あぁ、決着だ」
フロストリーフはハルバートを頭上に持ち上げ、スノウホワイトは旗を水平に引いた、そして
「凍り付け、私の血のごとく!」
「凍て付け、何もかも!」
フロストリーフはハルバートを振り下ろし、冷気の斬撃を飛ばし、スノウホワイトは旗を横薙ぎに振るい、こちらも斬撃を飛ばした、二人の一撃は重なり合う軌道で飛んで行き、ぶつかり合う
「ストーップ!!」
その直前、放たれた熱気が二人の冷気の斬撃を焼き消し、訓練所の一部の凍結を溶かした、その熱気を放った人物はフロストリーフとスノウホワイトに怒鳴り込む
「ちょっと二人とも、訓練所壊す気?周り見てみなよ、ひどい有様だよ!?」
「なんだブレイズ、真剣勝負に水を差すな、はぁ、シラケたな」
「なんだじゃないでしょが!これ見られたら怒られんのなんでか私なんだよ!?フロストノヴァはなんで止めないのさ!」
「いや、そもそもあの日のリベンジの相手だし、あと名前間違えてるけど…」
「私らは君の正体知ってるから関係ないでしょうがい!」
気にしてないフロストリーフに叫び、スノウホワイトの一言にツッコミを入れたのはエリートオペレーターのブレイズであり、彼女はスノウホワイトの事を【フロストノヴァ】と呼んだ、そう、彼女の事を知っている人物は彼女が【スノウホワイト】と最初から【呼ばれていた訳では無い】事を知っている、スノウホワイトの正体、それは元レユニオン幹部の一人であり、伝説の反ウルサス部隊である【スノーデビル】のリーダー、【フロストノヴァ】、世間では死者になっており、それを隠すために、そしてロドスの新たなオペレーターとして、新たな名前で名乗り始めたのだ、尚今後は【スノウホワイト】明記とする
「いやほら、私、というか【私たち】は世間では死人になっているから、一応気おつけたほうが」
「そんな事よりもだよ!ほんとコレどうすんのさ!?」
「どうすると言われてもだな、私たちだとどうしようもないんだが…」
「…」
ブレイズに責められ困った顔になるスノウホワイトと聞いていないフロストリーフ、ブレイズはともかく、二人は凍らすことはできても溶かすことはできない、当たり前と言えば当たり前だが、すると
「おいスノウホワイト」
「?」
突如呼ばれてフロストリーフの方を向いたスノウホワイト、見ると彼女は目配せをして内容を伝え、その意味を理解したスノウホワイトはなんとも言えない表情になった、そして
「ちょっと、二人どうしたの?」
「悪いなブレイズ、後よろしく!」
「すまない、また今度何か奢るから!」
「え?ちょっ待っ」
二人は体を翻して走り出した、フロストリーフの考え、それは後片付けをブレイズに押し付けて逃げる事だった、突然の事に反応が遅れ、訓練所に取り残されたブレイズは、しばらく呆然とした後、息を吐き、大きく吸って
「ふっざけんじゃないわよォ!」
熱気を放ちながらキレた、その熱気の勢いは先程を大きく超えて、なんと訓練所の氷を全て溶かすどころか蒸発させ、訓練所の扉から勢いよく噴き出し
ジュウゥゥゥ!
「ふごぉ!?」
たまたま通りかかったエンカクを焼き尽くして、黒焦げにした、逃げていた二人はそれを見ると、突如使命感に駆られ、叫んだ
「エンカクが巻き込まれたぞ!?」
「この人でなし!!」
「…なんて言ってる場合じゃ無いな!」
二人が言い終わると同時に扉を蹴破り、どこから取り出したのか分からないがチェンソー片手に二人を全力で追い始めるブレイズの姿があり、それを見て二人は走る速度を上げた
「待てコラァ!絶対に許さないからね!」
「なんでだ謝っただろ!?」
「謝ったからって許すわけないでしょが!」
「まぁ今回のは正論だな!」
その後、ロドス内全体を走り回る程の鬼ごっこをした三人、流石に強襲オペレーターでもあるブレイズから完全に逃げる事は出来ず、二人は捕まってしまったが、ブレイズが二人を捕まえる頃にはケルシーに話が届いており、三人は頭に蹴りによるタンコブを作り、Mon3trに睨まれながら正座していた
「くだらない理由で訓練所を大破させた挙句に、あちこちで暴れて、何してるんだお前たちは」
「…すまない 」
「返す言葉も無い」
「ちょっと待ってケルシー先生!?私今回被害者!!」
「訓練所の扉とエンカクはどう説明する、それに訓練所の大破の原因が高熱による溶解や変形なんだが?」
「あ、はいすみません…」
二人は悪いと思っているのか反省の色を見せており、ブレイズは最初こそ騒いでいたものの、ケルシーに言われた事を聞くと大人しくなった、呆れた様子のケルシーは三人に処罰の内容を話す、とは言え、そこまで重いものでは無い
「ともかく、訓練所の修理費にエンカクの治療費、その他諸々込で給料の三割を引かせて貰う、ブレイズは四割引きだ」
「えっ!?なんで?」
「色々壊し過ぎだ」
「アッハイ」
「…それにしても」
「「「?」」」
「お前たち、ドクターに毒されすぎだ」
「…アイツには借りがあるし、気にかけてもらってるからな、変なとこ移ったか?」
「まぁ気は合うし、よく一緒に遊んでるからかな?」
「私は…」
ケルシーの指摘に考え込むフロストリーフに首を傾げたブレイズ、スノウホワイトはしばらく黙り、笑みを浮かべた
「なぜ笑ってる?」
「あぁいや、私もロドスに馴染めたかなと思ってな」
「…」
スノウホワイトの一言に納得したケルシー、その表情は変わらないが柔らかくなり、優しい気配を感じさせた、フロストリーフは笑顔を見せて、ブレイズは笑いながら言った
「大丈夫、最初から馴染めてるって!」
「そ、そうか?」
「そうだって!てか誰かがなんか言ってたら私がぶっ飛ばしてやるから!」
「それはやめろ、だが私刑は許す」
「許すのかケルシー先生、まぁ私もそうなったら手伝おう」
「あぁ、頼もしいな」
嬉しそうな笑顔を見せたスノウホワイト、きっとロドスでの生活は、彼女を幸福にしてくれる、その確信が、ケルシー達にはあったのだった
………
その後
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!足がァ!」
「フッグゥ…」
「ん"ん"ん"ん"ん"!」
「…すまん、座らせ過ぎた」
正座で足が痺れ、大変なことになった三人と、少し申し訳なさそうなケルシーの姿があったとか
エンカクはワルファリンとフィリオプシスに担架で運ばれたんで大丈夫です
そして次回はあるイベントの話を【ここのドクターの場合】で書くので前後編に別れます、旗のマークもこの話の後編で判明させます