では、ほんへです。
どぞー。
コアガンダムがアースリィガンダムへと姿を変えた同じ頃、天龍たちは戸惑いを隠せずにいた。
無理もない、いきなり助けに来たと思えば奇っ怪な装甲を身に纏い、一回り大きくなって彼女らを守るように目の前に立ったのだから。
「青い‥‥‥ロボットになった‥‥‥」
「でっかくなっちゃったっぽい‥‥‥!」
「お、おいお前!お前いったい─」
「下がっててくれ、後で説明する。俺が何処までやれるのか試したい」
「ちょっ、バカ言うなって!」
天龍が引き止めようとするもアースリィはスラスターを噴かし、盾女に接近する。
後数メートルと言ったところで背部に装備されているビームサーベルの柄を掴み、引き抜いて起動する。
するとその柄から光の刀身が発振され、形成完了する。
「出力十分、やれるか──!」
「何ダ、貴様ッ──!?」
目前まで接近した瞬間、アースリィがビームサーベルを振るう。
本能で危険を感じたのか、咄嗟に盾を構えるが構えられた盾はバターを切るかのように簡単に溶断された。
「何、ダト‥‥‥!!」
「す、すごい!ル級の盾をあんな簡単に斬るなんて!」
「マジかよ‥‥‥あの光の剣がやったのか‥‥‥?」
これならやれる、そう確信した時だ。
突然空中から爆撃が開始され、咄嗟に避けたが盾女を仕留めることができなかった。
爆撃機らしきものが飛んできた方向を見やると、頭に巨大なクラゲのようなものを乗せた杖を持った女が佇んでいた。
まさか、援軍か?
「ま、まずいです!空母ヲ級を確認!」
「くそっ、ここで援軍かよ‥‥‥!おいアンタ、早く逃げろ!でなきゃまた──!」
「確かに、厄介だな‥‥‥!」
だが、ここでみすみす見逃すような真似はしない。
一気に距離を詰め、盾女の目の前に迫る。
盾女は距離を一気に詰められた事に一瞬動揺したのか、咄嗟に盾を構えて防御姿勢に移ろうとする。
しかしその一瞬の動揺が命取りだ。
下段からビームサーベルを振るい、盾ごと溶断しようとする───が、ここで誤差が生じた。
なんと盾女は即座に盾を捨て、後ろへ飛び退いたのだ。
しかし振るったビームサーベルの切っ先が頬にかすったのか、白い肌が少しだけ焼け切れていた。
その焼け切れられた頬のかすり傷から青い血が少し流れるが、盾女はそれを拭いアースリィを睨みつける。
まだ来るか、と気を張ったアースリィだが、奴等は引き際をわきまえていたのか、撤退していった。
「‥‥‥覚エテイロ、流星。次ハナイ」
「流、星?」
「貴様ノ、ソノ胸ニ聞イテミロ。引キ上ゲルゾ」
流星‥‥‥なるほど、この胸部の発光装甲か。
そこまでの異名をつけられるような事をしてしまったという訳か‥‥‥。
「敵艦隊、撤退していきます‥‥‥」
「‥‥‥ぶはぁっ、マジで死ぬかと思った‥‥‥おいアンタ、意外とやるじゃねぇか」
「何、助けたくて勝手にしただけだ。そこまでのことはしていないよ」
「それでも、だ。ありがとな」
「‥‥‥ああ」
アースリィは照れくさそうに頬のあたりをポリポリと掻く仕草をしてみせる。
しかしその直後、頭の上に輪を浮かべた女性が槍をアースリィへ向け、警戒の色を露にする。
「ところでぇ‥‥‥貴方は何者なのかしらー?」
「‥‥‥っ」
「お、おい龍田!いくらなんでも‥‥‥!」
「だって天龍ちゃんおかしくなぁい?私たちが危険にさらされているタイミングで貴方が現れて‥‥‥まるで、狙って現れたようにしか思えないんだけど?」
「だけど助けてくれたのは事実だろ!そんなヤツが敵な訳‥‥‥!」
「無くはない、でしょ?」
「ぐ‥‥‥」
確かに、そう思われても仕方ない。
さて、どう誤解を解いたものか‥‥‥。
とりあえずまずはアーマーを排除、武装解除せねばならないだろう。
そう考えるのが早いか、俺の意思に反応してアーマーが外れ、コアガンダムへと姿を戻す。
そして、武装解除し、交戦する気はないことを伝える。
「こちらに敵対の意はない。できれば貴女方の上官に話をしたいのだが‥‥‥」
「上官ってことは‥‥‥オレらの"提督"にか?」
「そういう事になる。どうかお願いできないだろうか‥‥‥」
「‥‥‥」
「龍田‥‥‥」
「まぁ、私は旗艦じゃあないから天龍ちゃんが決めて?貴女が納得してそうするなら私も従うわ」
「‥‥‥わかった。じゃあ、オレたちの監視付きになるけどそれでいいならついてきてくれるか?えーと‥‥‥名前、何だっけ」
「"今"はコアガンダムだ。好きなように呼んでくれ」
「じゃあコア、オレは天龍だ。よろしくな‥‥‥今から提督に報告して何とか話せるようにしてみるからちょっと待っててくれ」
「感謝する」
「礼を言うのはこっちですよ!危ないところを助けてくださりありがとうございましたっ!」
「ありがとうっぽい!」
何だろう、素直に感謝されると慣れていないからかこう、むずむずするな。
それから天龍と名乗った女性から上官と話せるようになったそうなので彼女らについていく。
その間、吹雪と名乗った女性と夕立と名乗った女性、それから漣と名乗った女性から物凄い質問を投げ掛けられ続け、若干疲弊したことは秘密だ。
ただ、その間曙と紹介された女性からはずっと睨まれ続けていたが。
「そういえばコアさんって何処からやって来たんですか?」
「わからない。無人島で目覚めたのは覚えているぞ」
「艦種は何なんだろね、空母っぽくはあるけど」
「でも飛行甲板がないっぽい」
「そもそも艦娘なのかしらー?」
「男っぽい声ではあるんすけどねぇ」
「じゃあ新種ってことですかね?」
「あるいは戦闘機ってこともあり得るっぽい!」
「もしそうなったらさらに分類分けが大変ですね‥‥‥」
─────────────────────
そうしてようやく到着した俺は天龍の案内にて鎮守府を歩いていた。
もちろんコアガンダムの状態だが。
「‥‥‥着いたぜ、ここだ。この先で提督が待ってる」
「助かる。あとは信用してもらえればな‥‥‥」
「大丈夫だ、オレらの提督は優しいからな。じゃ、さっさと行こうぜ。提督、入るぞー」
『いいぞ、鍵は開いてるから入ってこい』
部屋の中から男の声が聞こえ、天龍は扉を開く。
開くと同時に入った彼女に続いて、俺も入室する。
入って目の前の執務机をまたいで椅子に座っている男からは、若くも荘厳な雰囲気を醸し出していた。
「第一艦隊、帰還したぜ。あとついでにおもしれぇ拾い物だ」
「ご苦労様、天龍。報告終わり次第入渠して傷を癒してくれ‥‥‥それから、そこのキミ。はじめまして、だね」
「お初にお目にかかる。コアガンダム‥‥‥もとい、"ヒロト"だ。よろしく」
「僕はここ呉第七鎮守府の提督、氷川一輝だ。よろしくね、ヒロト君。さて‥‥‥まず君にいくつか質問がある。いいかな?」
「構わない」
「いい返事だ。では‥‥‥まず、君は何処から来た?」
「わからない。無人島で目覚めた」
「なるほど。艦種は?」
「わからない」
「ふむ、では君は僕らの敵かな?」
「敵ではない。敵対するつもりもない。協力しろと言うのなら惜しみ無く協力するつもりだ」
「‥‥‥なるほど、君とはいい友人になれそうだ。歓迎するよ、ヒロト君‥‥‥あぁ、今度は君が質問する番だね。僕ばかり質問するのも良くないし」
「わかった。では‥‥‥」
それからいくつか質問を繰り返し、気がつけば他愛もない話で笑っていた。
そして俺は氷川提督にあることをぶつける。
「‥‥‥氷川提督」
「なんだい?」
「これを」
「これは‥‥‥記憶媒体?何か大事なデータが?」
「先程話した"プラネッツシステム"に関することだ。そのUSBにはアースアーマー以外のアーマーのデータが封入されている」
「ふむ、それで?」
「このデータに封入されているアーマーを、作ってほしい。もちろんタダとは言わない、何か手伝えることがあるなら言ってくれ」
「なるほど‥‥‥だけどこれは流石に僕の専門外かな。大淀、ちょっと」
「はい、提督」
氷川提督が大淀と呼ばれた女性を呼ぶと、"明石"と"夕張"を連れてきてほしいと伝えたようだ。
データにはないが恐らく機械系に強い女性なのだろうと予測した。
そうして数分後、女性が三人入室してくる。
「提督、お連れしました。ヒロトさん、紹介します。ここの工作艦の明石さんと夕張さんです」
「どうも!ご紹介に預かりました明石と!」
「夕張です!よろしくね!」
「あ、ああ」
「早速なんですけどその武器?艤装?ちょっとバラしてもいいですか!?」
「こらこら、いきなり詰め寄らないの」
「ああすみません提督、私たちこの未知の存在を前にしちゃうと少し興奮しちゃいまして。てへへ」
「そういえば格納庫に運ばれてきた貴方の戦闘機、見せてもらったわ。スゴいわねあれ、とても強固な装甲で頑丈な作りになってて‥‥‥見習いたいくらいだわ」
「だが作ったのは俺じゃないぞ?」
「それはそうかもしれないけど、そんなものの片鱗を作れると知ったら驚くどころじゃないわよ」
「そういうものなのか‥‥‥」
「でもでも、作るにしても貴方のデータが必要ですし、まずは精密検査しましょうか」
「わかった」
ここで断っても仕方がないし、素直に精密検査に応じることにした。
ただ、その精密検査で明石が物凄く興奮していたことだけは特筆しておこうと思う。
To be continued.
という訳で若干駆け足ながらコアガンダム加入回でした。
長くなったなぁ‥‥‥(白目)
次回またポツポツと進めて行きます( ´-ω-)
では、次回更新でお会いしましょう。
感想等お待ちしてます。
ではでは( ´-ω-)ノシ