BanG Dream! S.S.B.N. - 少女たちとの生活 完結倉庫 - 作:津梨つな
テーマ「料理と姪」
はじめて
「料理って…難しい?」
「え"」
夕食後、食卓と台所の片付けをしていたところで姪の友希那に話しかけられる。
歌の練習場に、と我が家に来るのもすっかり見慣れた光景となっていたが
料理について訊いてきたのはこれが初めてだった。
…というより、料理を始めとする家事の類は一切できなかった気がするが。
「何なのその顔。何度か貴方の作ったものを食べているけど、アレくらいなら私にもできそうな気がするんだけど。」
「アレくらいってのが引っかかるけど…。友希那、料理したことあるのか?」
少なくとも俺は見たことがない、兄貴――友希那の親父も恐らく同じだろう。
その物言いから、さぞかし経験を積んでそうではあるんだが。
「いいえ、全く。授業でやらなきゃいけないことは何度かあったけれど、大体はリサが何とかしてくれていたわ。」
「リサ?…あぁ、あの茶髪の子か。面倒見は良さそうだけど、そんなおんぶに抱っこってなぁどうなんだ…。」
「ほっといて。リサがそれでいいって言うんだもの、私は食べることに専念するだけよ。」
さいですか。
「で?どうして急に料理なんか?」
「その…。そのリサなんだけど、8月が誕生日なのよ。
それで、私からのプレゼントとして何か手作りのものを渡そうと思ったのよ。」
「ほう?」
「手作りって色々調べてみたのだけれど、あまり手の込んだ物はできないし…私って、手先そんなに器用じゃないし。」
一応調べたりはしてるんだな。
――正直なところ、俺はまだこの子のことがイマイチ掴めていない。
昔はもっと子供っぽい子供だったはずなんだが、ある頃から急に変わってしまった。クールと言えば聞こえはいいが、それはまるで周りから孤立しようとするように見えて叔父という一つ置いた関係性ながら、心配な所ではあったのだ。
兄貴も色々あったみたいだし、こうして他人や新しいことに関心を向けてくれるのは
一つの嬉しい変化として受け取ろう。
「ほー。まぁそういうことだったら、簡単な料理とか…そうだな、お弁当なんかプレゼントにいいんじゃないか?」
「!!…お弁当…。そうね…それなら…。」
「まだ2ヶ月もあるんだし、ちょっとずつ練習してみるか。」
「えぇ。……お弁当、作ったことあるの?」
「なめんなよ?学生時代から自分の弁当は自分で作ってる。歴だけはそこそこだぞ。」
「へえ。それなら、教えてもらってあげてもいいけど。ただし、やるなら完璧なものにしたいのよね。」
「あぁ、そりゃいい心がけだな。…リサ?ちゃんに喜んでもらえるように頑張ろ。」
こうして友希那に料理を教える日々が始まった。
最終目標は8月25日のリサちゃんの誕生日に弁当をプレゼントすることだ。
今日は包丁の持ち方と、『タコさんウィンナー』は作れても『
…歌以外のことに前向きな友希那は、特に見守り・応援したくなる。
<今回の設定>
○○:主人公。
友希那の父親の年の離れた弟。
音楽は聞き専だが、本格的な音質で楽しみたいという理由から
防音室を持っている。
家庭的な面が有り、料理は卒なくこなす感じ。
友希那:Roseliaのボーカル。
完璧主義者で一人だと暴走しがち。
主人公か幼馴染のリサが居る時はセーブしてもらえるので
迷惑をかけているとは思いつつよく一緒にいる。
勿論可愛いもの好き。