BanG Dream! S.S.B.N. - 少女たちとの生活 完結倉庫 -   作:津梨つな

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犯゜屋「策士の山吹」

 

 

 

「にーちゃん、勉強はいいから遊ぼうぜ…」

「だめだ。それに、勉強っつったって宿題だろ?提出するものくらいちゃんとやらなきゃな。」

「ねーちゃんより厳しい…」

「ねね、おにーちゃん見て!」

「おぉ、今度は何作ったんだ??」

「なんでしょ~」

「これは…カニさんだな?」

「ぶっぶー。かにぱんでしたー。」

「くそぅ、謎のパン屋補正だなぁ。」

 

 

 放課後。

 すっかりいつも通りとなってしまった沙綾との下校を終え、流れるように山吹家の居住スペースへ。

 今日は沙綾の弟、純君が多めの宿題に追われているとのことで、監督役を引き受けている。そしてその傍ら、紗南とも折り紙をして遊んでいる、が…。あぁ、こんな妹欲しかったなぁ。

 

 

「義妹にならできるじゃん?」

「心を読むなお姉ちゃん…」

「おねーちゃん!!見てこれー!」

「お、たくさん作ったねえ。おにーちゃん優しい??」

「うん!これね、全部パンなの~。」

「なるほど、海鮮パンシリーズだね。」

「そうだよ!これがマグロのでしょ、こっちがわかめパンでこれはたこ焼きパンといか焼きパン。

 あとこっちがヒトデパン。」

「それ全部店で売ってるパンってところが恐ろしいよな…。

 まじ山吹ぱねぇ。」

「ヒトデパンは○○の案だったよね。お父さん、気に入っちゃって…。」

 

 

 某名作のあのパンだ。

 沙綾のお父さんに…あぁ違った、お義父さんって呼べって言われたんだっけ。

 お義父さんに作品ごと紹介したのがきっかけで、今店にはちょっと特殊なパンコーナーができてしまっている。

 …恐ろしいことに売上は順調と来たもんだ。

 

 

「虹色パンは発売に至らなくて残念だったな。」

「貴方にもレインボーってね。キャッチコピーは良かったんだけど…。」

「ほぼまんますぎるから通らなくて寧ろよかったよ。

 …おい純、お姉ちゃんが来てからイヤに静かだな。」

「う…うっせぇ。」

「そんな急に真面目になるなら最初から沙綾が先生やれば…」

「あはは…。この前ちょっとキツく怒りすぎちゃったのかも。

 お陰ですっかり怯えられちゃって…。」

「ふーん…?…おい純、お姉ちゃんこんなんだけどな、俺と二人でいるときは宿題とか全然やらないんだぜ。」

「そうなの…?」

「おう。「折角一緒に居るんだから遊ぼうよぅ」とか言っちゃってな?

 俺が怒る役になるんだ。」

「へぇー。」

「ちょ、ちょっと!そういう裏事情は話さなくていいんだってば!!」

「裏w事w情ww」

「も、もう…後でおぼえとけよぉ。」

 

 

 恨めしそうに睨みつけて店の方に戻っていった。

 なんだ、手伝い終わったのかと思ったけど、様子見に来ただけだったか。

 

 

「ねえ、にーちゃん。」

「ん。」

「宿題終わったから訊くけど…。ねーちゃんって、にーちゃんの前だと女なの?」

「ブッ…!お前、どこでそんな言葉覚えた…?」

「もーおにーちゃん、紗南の作品飛ばさないでぇ。」

「おう、すまんすまん。」

「なんか、にーちゃんがうちに来るようになってから、ねーちゃん変なんだ。

 すげえ服とか気にするようになったし、にーちゃんの話ばっかりするようになったし…。」

「ほーん…。」

「あ!紗南ね、前におねーちゃんと一緒にお風呂入った時ね! 

 おにーちゃんが本当のおにーちゃんになったらってお話してたんだぁ!」

「ほーん…?」

「紗南はね、おにーちゃんがおにーちゃんになってくれたら嬉しいな~って。

 毎日おにーちゃんと一緒にいたいし、おねーちゃんもニコニコしてるから嬉しいの!」

 

 

 なんだこれ…無邪気さが恥ずかしさに変換されてめっちゃ刺さるぞ…。

 つかあいつ日頃どんな話してんだ。まじ外堀から埋めてくのやめろ。

 

 

「俺も…にーちゃんがいると、宿題忘れないで済むから、助かるっていうか。」

「…男のツンデレって、結構マニアックな需要狙うなお前。」

「なにそれ。」

「大きいお姉さんたちが喜ぶなって話だよ。」

「は??」

「まぁいいや、お前もデレるんだな。よーしよし。」

「ばか!撫でるのやめろ!!うんこうんこ!!」

「あっ、てめえ、次それ言ったらぶっ飛ばすっつったろ?」

「ひぃっ!…う、うんこー!!!」

「あっ」

 

 

 あいつ、すぐ逃げるな…。

 その捨て台詞は育ち悪く思われるからやめろと何度も言って…。

 

 

「…おっ」

 

 

 奥の方に走って行ってしまった純から視線を前に戻すと、いつの間にか沙綾が戻ってきていた。

 ニヤついた顔と正面から対峙することになる。

 

 

「へへへへへ…」

「何だその笑い方気持ちわりぃ。」

「すっかり馴染んできたね、()()()()()()。」

「…お前の策略だろ。」

「えー?なんのことかなぁ??」

「顔、顔よ。」

「しらなーい。

 あ、そうだ、紗南。お兄ちゃんに訊きたかったことあるんでしょ??」

「う、うん。…おにーちゃん?」

「どうした?」

「おにーちゃん、いつ苗字変わるの?」

「………。」

「………フフッ。」

 

 

 山吹沙綾。お前こんな小さい子に何教えてんだ…。

 抗議の意を込めて黒幕を見るも、そんなに幸せそうな顔されたら何も言えないだろ…。バカ野郎。

 

 

 




<今回の設定更新>

○○:もうすっかり山吹家で過ごすように。
   今や2~3日に一度、荷物を取りに行く程度しか自宅に戻らなくなっている。
   毎日沙綾の部屋に寝泊まりしているというクソ羨ましい野郎。

沙綾:相変わらず強引な戦法で主人公を落としにかかるパワープレイヤー。
   まぁ、本人が幸せそうだからいいよね。

紗南:すっかり主人公になついている。
   そりゃこんな可愛いオプションが着いてくるなら結婚も待った無しでしょう。

純:実は主人公大好き。
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