BanG Dream! S.S.B.N. - 少女たちとの生活 完結倉庫 - 作:津梨つな
「○○!!来たわよ!!」
「へいへい…。あれぇ、俺鍵かけてなかったっけ??」
「鍵なんかかかってなかったわ!
黒服の人が開けてくれたもの!!」
ヤロウ…一般人のセキュリティとは言え蔑ろにするんじゃないよホント…。
そういえば、チャイムも鳴らさずに入ってきたのは初めてでなかろうか。
あのインターホンの画面いっぱいに覗き込むこころも可愛いんだがな。
「今日は何をしてたの??あ!また随分と散らかってるわね!」
「何故嬉しそうなんだ。あ、こら、そのへんに触るんじゃない。」
「今日も○○の部屋を探検するのよ!
きっと面白い発見がいっぱいだわ!!」
話している時間も惜しいといった様相でぴょんぴょんと飛び跳ねている。
だからその足元が危ないんだってば…。
「わーったから、家に入ったときはまず何するんだっけ?」
「?挨拶はしたわ?」
「来たわよーは挨拶じゃねえだろうが。」
「じゃあ今言うわ!ハロー○○!!」
「はいはいハロー。
……で?まだすることあったろ?」
「うーんと……あっ!テアライウガイね!!」
「そんな"ちちんぷいぷい"みたいなイントネーションで言うな。
手洗いと、うがいな?この前教えたろ?一人でできるか??」
「もー!またそうやって子供扱いする!
いい?私だって日々成長してるの!手だって一人で洗えるようになったもの!!」
高校生にもなって威張る内容じゃないんだよなぁ…。
でもその胸張った誇らしげな表情は可愛いぞ。カメラがあれば速写してる。
「一人で洗ってくるわね!一人で!」
そんなに広くない家だというのにこの子は走り回るんだよな。
猫か。
「ご機嫌だなぁ…。」
姫は今日もゴキゲンなようで。
何やら口ずさんでノリにノっている。
あれも即席で歌ってるのかな?しばらく聞いていよう。
………。
どっかで聞いたな。なんだっけこの歌。
音程が不安になってきた。
声色は怖いほど朗らかで楽しそうなのだが。
あー、なんか思い出した気がする。
CMかどこかで流れていた曲だろう。
……この子世代じゃない気がするが。
………。静かになったが、洗い終わったのだろうか?
手がアワアワの間は水を止めるんだよと教えて以来、きちんと守れているようで結構だ。
普段は自由なのにそういうところはちゃんと言う事きくんだよな。
家に入ったらまず手洗い・うがいを教えたのも俺だが。
ん。
「大変だわ○○!」
「どした。っておい!何故びしょびしょのまま来る!」
どたどたと走ってきたこころは、キョンシーのように両手を前に突き出し焦った表情をしている。
その両手は水がぼたぼたと滴っており、「まさに今手を洗っています」という体を表していた。
「タオルがないのよ!
前に掛かっていた場所にも、後ろのカゴの中にもなかったわ!」
「あぁ、洗濯に出したところだったか…。あと、後ろのカゴは汚れた服を入れるところだから
あっても使っちゃダメだぞ?」
「わかったわ!」
「…ほれ、バスタオルだけどこれでいいか。」
「ふいて!」
満面の笑みで両手を掲げる。
水滴が手首・腕と戻っていき擽ったそうな素振りを見せる。
「じゃあここのせて。
……………よし。完璧だな。」
「まだよ!…えっと…。
タオルでふいたらいただきまぁす!!♪」
「…終わり?」
「えぇ!これで完了よ!」
「そうかい。」
そのニコニコ顔があまりにも可愛らしかったので、その無防備な頭をぐりぐりと撫でてやる。
「んふふ。…あ!ごちそう!
○○、あたしお腹すいたわ!」
「急だな…。まぁあんだけ騒げば、な。
何食べたい?いつものか?」
「そうねぇ、今日は―――」
**
因みに、その歌をどこで仕入れたのか聞いてみたところ
「美咲が教えてくれたのよ!
手洗いの歌なんですって!素敵よね!!」
良くしてくれる同級生がいるらしい。
お母さんみたいな子だな。
<今回の設定更新>
○○:締め切り前で若干苛立っていたがこころの来訪によりかなり和んだ。
最近じゃ来てくれないと逆にソワソワしてしまうそうな。
こころ:少々音痴なことが発覚。
未だハロハピは結成していないが、美咲に面倒を見てもらっている。
こころが美咲を振り回すわけではなく、飽く迄美咲がこころを可愛がっている状態。