BanG Dream! S.S.B.N. - 少女たちとの生活 完結倉庫 -   作:津梨つな

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北沢はぐみ編

テーマ「年の離れた妹」


【北沢はぐみ】Naughty small animals!!
おかいもの


 

 仕事終わり。

 

 少し年の離れた妹、はぐみと一緒にスーパーに寄る。

 学校終わりに友達と一緒に職場に来たので、解散後もそのまま待っていたそうだ。

 俺の職場は複数のショップが入った複合型の施設で、地元民も結構利用している。

 

 これといって何か約束がある訳じゃないが、学校と職場が近いこともあって

 仕事終わりの俺を待ち構えているはぐみに遭遇することは珍しくない。

 頻度で言うと週1,2といったところか。

 

 今ではすっかり、よくはぐみが待っているベンチを一度見てから帰るのが日課になっている。

 

 

「…にーちゃん聞いてる??」

「あ、あぁごめん、何だったっけ?」

「もー!折角迎えに来てあげたんだから、お話くらいちゃんとしてよねー!」

 

 

 ぶーっと膨れた顔をする。

 えーっと確か、先輩が迷子になった話をしていた気がするな…。

 

 

「あ、それ。そっちのネギ取ってくれ。」

「丸いの?長いの?」

「長ネギの方。」

「りょーかーい。…んしょっ。

 あ!見てにーちゃん!他のはここまで白いのに、これだけここまで緑だ!」

 

 

 母さんから頼まれていた食材達を買って帰らなければならないのだ。

 手始めに、入口から割と近いところにある青菜コーナーから回る。

 長ネギは特価らしく、フルーツコーナーの近くに一本ずつバラ売りされていた。

 

 はぐみはまだ、玉ねぎと長ネギの違いがあまりわかっていない。

 もう高校生なんだがな…。

 

 

「こらこら、振り回さない。

 ネギは武器じゃないぞ。」

「はぁーい。ごめんなさーい。

 それで、次はなに??」

「えーっと…。」

 

 

 スマホを取り出し母さんからのメールを表示させる。

 母さんはまだやっとガラケーを使える位なので、家族のトークグループにはいないんだ。

 

 

「ふむ…。結構あるな。」

「みせて!ねーねー!にーちゃん、はぐみにも!はぐみにもー!」

「わーったから、大きな声出さない。

 他のお客さんびっくりしちゃうだろ?…ほら。」

「へへー。…ふん、ふんふん。」

「じゃあはぐが買うもの見る係な?

 兄ちゃんがカゴ持ってるから、何買うか教えてくれ。」

「りょーかい!えっとね…あ!次はコロッケ買うんだって!」

 

 

 そんなこと書いてあったかな…?

 母さんは割と料理好きというか、出来合いの物をあまり好まないので

 惣菜の類を指示される事はまず無いはずだが…。

 

 …ははぁ。

 はぐみを見やると明後日の方向を向いており、手元のスマホなどまるで見ちゃいない。

 視線を追うと―――惣菜コーナー。

 

 

「はい、スマホ没収。」

「へっ?あっ!えっ、あーっ!

 なんで!?にーちゃんなんでー!?」

「今、ズルしようとしたろー。」

「う"…だって!にーちゃん!コロッケはほら!いつも、その…おいしい!」

「ん。言われたものだけ先に買っちゃうぞー。」

「むーっ!!!」

 

 

 はぐみは母さんの作るコロッケが大好きだったな。

 惣菜のは…食べたことは無いはずだしよくわからんが、まぁコロッケなら全部同じなのか。

 甘やかしてばっかりでもいけないし、ここは不機嫌なはぐみを引っ張って歩くしかないな。

 

 目的のものは、えーと…。

 うん、これだけなら場所もわかるしすぐ終わるな。

 

 

「よし、はぐ。

 今から言うものをさっさと買っちまおう。手分けして集めるんだ、いいな?」

「ふーん、しらないもん。

 にーちゃん一人でやればー?」

「ほう…。じゃ、ご褒美は兄ちゃん独り占めしちゃうからな。

 …じゃーな!」

「えっえっ、まって!ご褒美って何!?

 にーちゃんはどうしてもらえるの??」

「兄ちゃんはちゃんと頼まれごとをこなせるからな。

 でもはぐは駄目だ。」

「えー!はぐみもできるよ!

 …じゃ、じゃあ!さっき見たもの、全部カゴに入れたらいいんだね!?」

「どうかなー。」

「かして!

 にーちゃんはここにいてね!!」

 

 

 ネギが一本ぶっ刺さっただけのカゴをひったくられる。

 走り出す背中を多少の不安感から見送り、自分の買い物に向かった。

 

 その後、ここで待てと言われた場所まで戻ってきたが…

 流石にこんな道の真ん中に突っ立っている訳にもいかないので、お菓子のコーナーで暇をつぶす。

 

 やがて…

 

 

「もー!にーちゃん!

 どうして動いちゃうの!!はぐみ、すっごい探したんだからね!」

 

 

 汗だくのはぐみが現れた。

 

 

「なんだ、随分早かったな…。

 どれ、見せてみ。」

「ん!」

 

 

 突き出されたカゴを受け取る。

 お前はカンタか。

 

 ……おぉ、マジで一度でリストを暗記していたのか。

 全て母さんの要望通りだ。俺なんか未だに迷っちまうコーヒーの種類も正解を入れている。

 

 

「よし。よくやったはぐ。

 会計して帰るぞー。」

「へへー。はぐみ、すごい?すごい??」

 

 

 やんちゃな笑みを浮かべて体を摺り寄せてくる。

 こちらを見上げている頭をぽんぽんと軽く弾ませるように撫でてやる。

 

 くすぐったそうに受け入れ、えへへと小さく笑った。

 

 その後レジを通過。

 何故かいつもやりたがる袋詰めを任せ、店を出る。

 

 帰り道、先ほど不機嫌だったことなどもう忘れてしまったのか

 上機嫌で今日の出来事を教えてくれる。

 

 

 

 無事に家に着き、夕食。

 食卓には当初予定していなかったコロッケも並んでいた。

 

 母親に習って初めて作った俺のコロッケ。

 妹よ、これが褒美だ。

 

 

「たんとお上がり。」

「いっただっきまぁす!

 ……にーちゃん、これなんか違う。」

 

 

 普通に売り物をプレゼントしたほうが良かったかもとちょっと後悔した。

 

 

 




<今回の設定>

○○:主人公。
   実家暮らし。道の駅のような施設で働いている。
   妹の良さを語らせると数時間はトークできるほど妹を溺愛している。
   実家は何も経営しておらず、稼ぎはほぼ主人公と父親に頼っている。

はぐみ:高校2年生。
    年の割に幼い。幼すぎる。
    ハロハピ結成済みだが、兄も楽器をやっていないためまだまだまともに
    弾けない。
    コロッケなら何でもいいという見境のなさを持つが、ベッタリ甘やかして
    くれる兄だけはオンリーワンでナンバーワン。大好き。
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