BanG Dream! S.S.B.N. - 少女たちとの生活 完結倉庫 -   作:津梨つな

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はぐみ と かいて おくりびと と よむ

 

 

「にーちゃん。…だめだったね。」

「うん…。どーしよっか。」

「さあ………かのちゃん先輩に連絡しないと。」

「ちょ、ちょっと待とう?な?」

 

 

 イベントが、終わりました。

 同時に、花音ちゃんだけガチャで引けないという事実は覆らず…俺の人生も終わりそうです。

 結局昨日は連絡できず、今日こっそりはぐみに相談しようとしたところ、逆にはぐみから切り出されてしまったと…今そういう状態なんだ。

 …だって怖いんだもん。花音ちゃん。

 

 

「はぐみは待てるけど…でも、かのちゃん先輩からいっぱい連絡来てるんじゃないの?」

「うん…全部怖くて無視してる…。」

「あーあ。ムシはいけないって、先生が言ってたよ??」

「…んー、お前は世界一可愛いなぁ…。」

「んぅ……。はぐみをなでなでしても、かのちゃん先輩は許してくれないと思うよ??」

 

 

 そうだよなぁ…。でもな妹よ。今は精神安定のためにも、大人しく撫でられていておくれ。

 

 

「はぁ……。わかったよ。」

 

 

 意を決して、見ないようにしていた通知アイコンを押す。

 うわぁ……。通知の数が"99+"になってる…。家族しか登録していなかった俺にとってみたら最早未知の領域なんだけど、若い子ってみんなこうなの?

 

 

「う"…」

 

 

『おにーさん?』

『定時連絡のお時間ですよー』

『おにーさん?』

『既読もついてないんですケド?』

『無視はよくないって、学校でも習いましたよね?』

『後ろめたいことでもあるんですか?』

『おにーさーん』

『ひどいです』

『おにーさん、私のこと弄んで…』

『おにーさんのばか』

『連絡くれるって言ったじゃないですか』

『嘘つき』

『嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき』

『ごめんなさい』

『取り乱しました』

『でもおにーさんが悪いんですよ?』

『私のこと、無視するから』

『どうせまだ引けてないんでしょう?』

『おにーさん』

『これも見てないんですよね』

『おにーさん』

『嘘つき』

『裏切り者』

 

 

 いやいやいや……。ちょっと見てないだけでひどい言われようなんですけど。

 ほらみろ、あの"天真爛漫"を地で行くような最愛のスイートリトルシスターことはぐみがドン引きだ。

 

 

「あちゃぁ、こりゃ彼氏さんも長続きしないわけだよね…。」

「…そうなの?」

「うん、いっつもすぐふられるって。」

「…うん、何か納得。」

「でも、これはにーちゃんも悪いかも。」

「そうかな。」

「だって、一個も見てないんでしょ??」

「うん。こないだはぐみと見たっきりかな。」

 

 

 だって怖いんだもん。こんな子初めてなんだもん。

 ちょっとチャット見ないだけで裏切り者呼ばわりだよ??

 …ちょっとチャットって、響き面白いよな。ははっ。

 

 

「ははっ。」

「…にーちゃんが恐怖のあまりおかしくなった…!!」

「わかった…もうおっかないから電話かけちゃうよ。」

「…勇気あるね。」

 

 

 ごくりと唾を飲み込むはぐみの手をギュッと握り締めながら、恐る恐る通話ボタンを押す…。

 

 

『おにーさぁん??』

 

 

 うわぁワンコールも鳴らずに出た。

 

 

「も、もしもし??花音ちゃん??」

『ダメだったんでしょ?』

「うっ……」

『それで怖くなっちゃって、連絡取れなかったんでしょう??』

「うぅ……」

 

 

 ほんとなんなんだよこの子…。全部当ててくるよ…。

 年下相手に威圧されて声も出せない自分が本当に情けない。…ごめんなはぐみ、こんな兄ちゃんで。

 

 

「…ええんやで。」

 

 

 笑顔のサムズアップが胸にいたい…!兄ちゃん泣きそうだよ…。

 

 

『図星なんですね?そうなんですね??』

「……はい。スミマセンデシタ」

『はぁぁぁん……怖かったんですか?何かされると思ったんですか??』

「………はい。」

『あはぁぁぁん…………かわいい。』

「…へ?」

 

 

 今なんつった?

 

 

『…でも、私だけ引けなかったっていうのは、許せませんねぇ…。』

「……ほんとごめんね花音ちゃ」

『お仕置きが必要ですね。』

「ん……んん??」

『お仕置き、ですよ。ふふっ。』

「ええと…一応訊くけど、何されるの?」

「わっ…やっぱりなにかされるんだ…。」

 

 

 そうみたいだよはぐみ…死んだら骨は拾ってくれ。

 

 

『そうですねぇ……』

「あ、あんまりハードなのは勘弁してね??…仕事もあるし…。」

『わかってますよぉ……』

「………。」

『ふぇぇぇぇっ!!』

「!?」

 

 

 びっくりした。鼓膜がどこか飛んでっちゃうかと思った。

 また例の鳴き声か。

 

 

『…決まりましたよぉ。』

「……う、うん。」

『おにーさんはぁ、今週一週間、お仕事の後私と過ごしてください。』

「えっ」

『やっぱり、ガチャに対して本気じゃなかったと思うんですよぉ。』

「……」

『だから、ガチャに使えたであろう元気と時間を、一週間分私にくださぁい。』

「………うーん。」

『分かりましたかぁ?おにーさん。』

「……まぁ、一週間なら…。」

『ふえぇ…。おにーさんが優しい人でよかったですよぉ…。』

 

 

 優しいとかそういうのじゃなくてもう強制やん…。

 

 

『楽しみにしてますね??…おにーさぁん。』

「………切れた。」

「にーちゃん、災難だね。」

「お前も最初は乗り気だったじゃないか…。」

「………帰ってきたらはぐみがいい子いい子してあげるから。ね?」

「うーん…それなら頑張っちゃおうかなお兄ちゃん。」

 

 

 ちょろいと思われてんのかな。でもはぐみ相手なら何でもいいか。嫌われない限りは。

 …でも問題は花音ちゃんだ。

 罰とは言え、毎晩毎晩女子高校生とおっさんが二人で過ごすわけだろ…?

 あ、社会的に死ぬ未来が見えるわ。

 

 

「ごめんなはぐみ…。兄ちゃん死んじゃうかも。」

「……かのちゃん先輩とデートするのがそんなに嬉しいの??」

「違うよ。」

 

 

 妹よ、急に察し悪くなるんじゃないよ。

 兎に角、今週一週間は花音ちゃんの罰を受けることが決定しましたとさ。まる。

 

 

 







<設定更新>

○○:運は最初だけだった模様。
   音ゲーは上達した。

はぐみ:全人類の妹。
    最近どんどん空気が読める子に育ってきた。
    花音とは仲がいいつもり。表面上は。

花音:ふぇ?…ふぇふぇ?
   ふぇぇぇええええ!!(σ゚∀゚)σ<フェ♪
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