BanG Dream! S.S.B.N. - 少女たちとの生活 完結倉庫 -   作:津梨つな

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花園乱怒(恋人編)

 

 

「というわけで。」

「お泊まりに来ました!!」

「……あぁ、いらっしゃい。」

 

 

 事前に約束していた通り今日はうちに泊まる俺の可愛い可愛い彼女、戸山香澄。

 …と、…えーと。

 

 

「香澄いらっしゃい。…で、君はどちらさん?」

 

 

 冒頭の「というわけで。」を発した人物に問いかける。

 ロングの綺麗な髪のスラっとした少女。俺や香澄と同じくらいかな。

 少なくとも初対面だということはわかるし、今日泊まりに来るということも聞いていない。

 

 

「ん?花園たえですけど。」

「花園さんね…そのリアクションから察するに、香澄から話が来る予定だったのかな?」

「私から?そんな予定ないよ?」

「……じゃあ何で今この場にいるの。」

「おたえはねぇ、今日○○くんの家にお泊まりなんだ!って言ったら

 ○○くんにも会ってみたいし、一緒に泊まっていい??って言ったの。」

「それで?」

「だから連れてきたんだぁ!えへへ。」

「えへへじゃないよ全く…。どうして俺に連絡しないの君は。」

「えぇー?○○くん優しいから、いいって言ってくれると思って…。」

「………。」

 

 

 普通に泊まることに関しては別にいいんだけどさ。

 彼女がうちに泊まるって言ってるんだぜ?二人きりって思うとちょっと楽しみにしちゃうもんだろうがよ…。

 まぁ、連れてきたのがこんな可愛い女の子だったら…いや、言うまい。

 

 

「○○…だめ?」

「逆に訊こう、初対面の男の家に一泊するということに対して何の恐れもないのかい君は。」

「??なんで?」

「…えーっと…。」

「○○くん…もしかして、おたえのこと好きになっちゃうかもしれないってこと…?」

「香澄…それは絶対にないから安心して。

 …あと、ややこしくなるからちょっと黙ってて。」

「○○くぅん…」

 

 

 あぁもう!擦り寄ってくるな!!

 この子を説得することに頭が回らなくなる!!

 

 …撫でたい。

 

 

「えへへへへへ…もっともっとぉ…」

 

 

 撫でてしまった。

 目の前の花園さんに真面目に説教垂れながら彼女を撫で回している姿は実に滑稽なことだろう。

 

 

「…?私も、撫でてもらえるの?」

「何故そうなる。」

「…泊まっちゃダメ?」

「あー……。」

 

 

 もう正直どうでもいいんだが、飽く迄倫理的観点から止めているんだ。

 だってこんなに可愛い彼女プラスこんな(見た目だけは)可愛い女の子が一晩同じ家に泊まるなんて…。

 

 

「○○くぅん…手が止まってるよぅ。」

 

 

 あぁ、もういいや…。

 

 

「花園さん、上がんな…。」

 

 

**

 

 

 はぁぁぁぁぁぁぁ…。

 

 だめだ。

 この状況はダメすぎる。

 普通、彼女がいる人間が別の女の子と泊まるなど、言語道断だろう。立派な浮気だ。

 しかし、彼女も一緒に泊まるとなるとどうだろう。公認ということになるのか、はたまた信用からこうなっているのか。

 

 などと珍しく真面目なことを、風呂場から聞こえる二人の声を聞きながら考える。

 うーん、もうどうでもいいのかなこれは。

 

 

「あっははー!くすぐったいよぅ、おたえー!」

 

 

 精神衛生的に悪すぎる…。ドア越しに、「部屋にいる」と伝え逃げる。

 声が聞こえるだけでこれなら、この後なんかどうなってしまうんだ…。

 

 取り敢えずゲームでもして気を紛らわそう…。

 

 

「…それ、ガルパ?」

「んー?そうだけど…って!?」

 

 

 耳元で聞こえる声に慌てて振り返る。

 手元の端末は手馴れた流れでホームボタンを押しておいた。

 

 

「私もやってるんだ~。

 ○○も結構ランク高いんだね?」

「おっ、おま、おままま…おまえ…」

 

 

 目の前の花園さんはとっても楽~な格好でいらっしゃった。

 髪は拭いている途中なのか湿っていて、首にはタオル。Tシャツは体のラインをくっきりと表しており、下は…

 

 

「おまえ?…私は、"おたえ"」

「そうじゃない!…下…どこに置いてきたんだ…?」

「下??」

 

 

 下は下着のみ。

 自宅ならまだしも、ここは知らん男の家だぞ…。

 こいつには警戒心とか羞恥心とか、もうそういう必要な感情の類は無いのか。

 

 

「おったえ~!ズボン忘れていってるよぉ~」

 

 

 廊下から近づいてくる足音と声。

 

 

「おた……○○、くん…?」

「お、おぉ、香澄!早くそいつを履かせてやってくれ!」

「うぅぅぅぅぅうぅううううう」

 

 

 なぜ唸る。そして何故睨む。

 そのままドスドスと足を踏みならし近寄ってきて、

 

シュルッ

 

 履いていたズボンを一息に下ろした。

 

 

「な………ッ!」

「おー。」

「………っ!」

 

 

 何を考えているのかなこの子は。

 あぁ……白と黒のチェックだなんて、おしゃれなんだなぁ香澄は…。

 

 

「ずるい…ずるいずるいずるい!」

「…香澄?」

「ずるいよおたえ!○○くんには、私が先にパンツ見せたかったのに!」

「…見せてないよ?見られただけ。」

「おい。

 …か、香澄?花園さんのはその、全然見えてないし、香澄のパンツ以外に、俺は興味とかないし…。」

 

 

 どういう言い訳だ。

 

 

「え?みたでしょ。見えてなかった?」

「お願いほんと黙ってて…。」

「………。」

 

 

ヒラッ

 

 

「ちげえよ!黙って見せろって意味じゃねえ!めくるな!!」

「…Blue」

「言わんでいい!」

「もー!!だったら私、上も脱ぐ!!」

「やめなさい!」

「私も…。」

「競うな!」

「じゃ、じゃあ私、下着も…!」

「脱がんでいい!!」

「うぅぅぅぅぅぅぅうううううう!!!!」

 

 

 これ程までに身のもたないお泊まり会を俺は知らない。

 

 

 

 




<今回の設定>

○○:高校は別だがバンド等の繋がりから香澄と付き合っている。
   可愛い子には目がない。パンツよりパジャマの方がそそられる派。

香澄:元気いっぱいでかわいい。
   常識を何処かに置いてきてしまったバージョン。

たえ:歩く混沌。天然危険物。
   貞操観念・羞恥心・危機感その他諸々の常識が斜め上方向にズレている。
   お陰で一緒にいると少し楽しい。
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