ナイチンゲールは支えたい   作:織部よよ

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今までちらほらとした感じに書いてきましたが、ほんの一部の人しか取り上げてなかったですね。

ということで今回は「いろんなオペレーターから見たドクター」の話です。イベント「青く燃ゆる心」において意外とオペレーター同士の交流もなくはない印象を受けたので、せっかくならここいらでそういう第三者視点の話も入れておこうかなと。


ちなみに、無事リズをレベルマ全スキル特化3出来ました。出来た記念にフレ募集でもしてみようかなと思います。→36498124






今回はかなり難産でしたね……。人がたくさん登場するので大変でした。



#14.5 オペレーターたちの所感

 

 

「そこまで!今日の訓練は終わりだ。お疲れ様、フェン」

 

「はぁっ…はぁっ……ありがとうございました、グレース教官!」

 

 

おおよそ17時くらいだろうか。

 

私はいつものように訓練をこなし、グレース教官に師事していた。今日はドーベルマン教官は用事があってロドスを離れているため、彼に代わりに担当してもらっていたんだ。

 

ロドスでの訓練は本当に厳しい。だけどその分しっかり質の高いものを受けられていると感じているし、教官の皆さんによれば、私もA1の皆も着実に成長しているみたい……実感はないけれど。

 

 

「ちょっと見ない間に随分と成長したな、フェン。びっくりしたよ」

 

「そんな…もったいないお言葉です。これもドーベルマン教官のおかげですよ」

 

「これは俺もいつか抜かれるかもしれん。お前たちの成長は本当に目ざましいな……今日はもう帰って夕飯でも食べるといい」

 

「いつか越えられるように頑張ります。ありがとうございました!」

 

 

グレース教官に別れを告げて訓練場を出る。

 

訓練場から共用の食堂までの15分ほどの道のりを、いつもより疲労で重くない足取りで歩いていく。今日のご飯は何にしようか……。

 

 

「あっ、フェン隊長」

 

「ビーグルじゃないですか。どうしたんです?」

 

 

同じ行動予備隊A1のメンバーであるペッローのオペレーター、ビーグルと偶然通路で出くわした。何故か今日はA1の皆は予定がバラバラで、訓練の時間もずれているので何をしていたのかは知らないけど……ビーグルならまあ大人しかっただろう。クルースとかよりもよっぽど真面目だし。

 

 

「さっきまで本を読んでて……夢中になっちゃったから、お腹が空いちゃって」

 

「私も丁度食堂へ向かおうと思ってたんですよ。それで、どんな本なんです?」

 

「ミステリーなんですけど、ちょっと普通のミステリーとは一風変わっていて__」

 

 

私たちA1は、それなりに仲が良いと思う。サボり魔が2人くらいいるけど、皆良い人ばかりだし。

 

そのまま話をしながらゆったりとしたペースで歩いていき、20分ほど後に食堂に着いた。いつもに比べて人の数が少ないように見える……あれ、あのグループは。

 

 

「クルースとハイビスとラヴァがいますね」

 

「あっ、本当ですね。お~い、皆さーん!」

 

「ん~?その声はビーグルちゃんかな~?」

 

 

ビーグルが皆の方へ呼びかけると真っ先に反応したのはクルース。ついでラヴァとハイビスもこちらに気付いたようだ。

 

 

「皆さん、こんばんは。揃って食事ですか?」

 

「そうだよ~。やっぱり自然と集まっちゃうよね~」

 

「さっき偶然会ったばかりなんだ。だからまだ何も頼んでいない」

 

 

そうだったのか。それはある意味タイミングが良かったと言える。結局一度集ってしまえばそれなりに盛り上がるので、食事をしながらでいいだろう。

 

 

「では、先に夕ご飯を持って来ましょうか」

 

 

 

 

 

*************

 

 

 

 

 

思い思いのものを食して、それなりに場が盛り上がってきた頃。

 

 

「そういえば~……最近、ドクターの様子が変わったよね~?」

 

 

ふと、クルースがそんなことを言い出した。突拍子もない発言と話題に、A1の皆が__もちろん、私も含めて__首をかしげる。

 

 

「…そうか?前とあんまり変わらないように見えるが…」

 

「やっぱり、クルースちゃんもわかりますか!実は私も前々からドクターの体調の変化に気づいていたんですよ!」

 

 

…なるほど、ラヴァはともかく、細かいところまで気が付くハイビスはクルースの言うことに心当たりがあるようだ。いや、別にラヴァが悪いとか、そういうことじゃないけど。

 

とはいえ私もドクターの変化についてはあまり心当たりがない。

 

 

「そうなのですか?ハイビス」

 

「はい!数か月前から薄々気が付いてはいましたが、確信を持ったのはおよそひと月ほど前ですね!以前に比べて声音や肌の色が健康になってきているんです!」

 

「……そんなの、分かるものなのか?」

 

「もちろんだよラヴァちゃん!普段からよく見ていれば、医療チームの皆さんでなくても気付く人は気付く……それくらい、明らかに改善されているのです!」

 

「それほどですか…?」

 

 

なんだかいまいち理解しづらい話だ。たまにドクターは私たちの訓練を見に来てくださっているが、いかんせん、普段からあの金属製のマスクにフードを被っていて素顔が分からない人だ。

 

それだけではありません、とハイビスが続ける。

 

 

「皆さんご存じ、現在のドクターの秘書をなさっているナイチンゲールさんも、最近かなり印象が変わりました」

 

「……それなら、私も気付いています。明らかに以前と違うように思えますね」

 

「それ、私も思ってました。雰囲気が変わりましたよね…」

 

 

そう。

 

ドクターのことに関しては、確かに観察不足だったと言える。あの人の素顔があまりにもわかりにくいというのも相まって、少なくとも私たちのような新米には分からなかった。

 

 

けれど、その秘書であるナイチンゲールさんに関しては、私たちを始めとして多くのオペレーターたちが気になっている…ように見える。私には。

 

当然、ハイビスも気付いているということだ。

 

 

「はい。以前までは…少し、近寄りがたい雰囲気だったんです。医療チームで一緒に仕事をさせていただいているときも、シャイニングさん以外の人と話すことはあまりなかったんですけど………最近は、まるで別人みたいにいろんな人と関わっているように私には見えているんです」

 

 

普段の押しが強いハイビスがなりを潜めている。私の知る限り、こんなローテンションなハイビスは数回しか見たことがないのだから、どれほど珍しいか。

 

ただ、その目には彼女の生来の他人を慮る優しさが、いつにも増してありありと見えていた。

 

でも、ハイビスの口ぶりからして、今の2つの話題に関連性があるようにしか聞こえない…。

 

 

「……要するに、ナイチンゲールとドクターの間で何かがあったって、そう言いたいんだろ」

 

「何か……って、なんでしょう?」

 

 

どうやら、ラヴァとビーグルも同じような推論が出たみたい。

 

 

「そりゃあ~1つしかないでしょ~」

 

「1つ?クルース、それは何なのですか?」

 

 

随分ともったいぶった言い方をするクルース。ハイビスはハイビスで苦笑いしているし…。

 

 

「そ、れ、は~男女の関係ってことだよ~~」

 

 

未だに見当のついていない私たちに、クルースがとんでもない発言をしてきた。

 

え、っと…男女の関係って言うと……恋人とか、そう言ったものだろうか。

 

 

「だ、男女の関係ってことは、いわゆる、その…」

 

「…バカげた話だ。よりにもよってドクターと、()()ナイチンゲールが?」

 

 

いつも持ち歩いている杖状のアーツユニットを片手で弄ぶラヴァは、どうにも懐疑的だ。うーん……正直なところ、私も「ドクターとナイチンゲールさんが恋仲にある」ということをスッと信じることは出来ないかもしれない。

 

もちろん、ロドスの中で全く色恋沙汰が起こっていない…というわけではない。共用の掲示板にはサベージさんにお誘いを断られた男性職員の愚痴が書き込まれているらしいし、演習作戦で最近一緒の編成になるイグゼキュターさんに関する黄色い声もよく耳に入る。

 

けれど…ラヴァの言ったように、どう視点を変えても()()ナイチンゲールさんがそういったことに興味を持つとは考えにくいのだ。

 

 

 

 

 

ナイチンゲールさんは、ロドスの中でも特に謎めいていることで知られている。医療オペレーターとしての能力は、何も知らない素人から見ても相当高い技術を持っているとわかるが、何分あまりにも無感情なことで有名だ。職員の皆さんは一様に彼女に畏敬と畏怖を抱いている、というのを噂に聞いた記憶がある。

 

 

彼女が体を満足に動かせない人であることもまた周知の事実だ。特に最近、通路などで彼女を見かけるときは、必ずと言っていいほどドクターが歩行補助を手伝っていらっしゃる。

 

…確かに、それを鑑みるのであればドクターとナイチンゲールさんの仲が良いというのも信ぴょう性が増すみたいだ。

 

 

「…最近のご様子を見る限りでは、あのお2人は仲がよろしいと思いますが…邪推するほどでしょうか?特にナイチンゲールさんは、秘書に任命されてからもうそれなりに経ちますし」

 

「あっ…確かに。ロドスにナイチンゲールさんが来てから、すぐに任命されてましたよね」

 

「もう数か月前の話か…まあ、そりゃそんだけありゃ多少は絆されるか。良くも悪くもドクターは素直な物言いをする奴だからな」

 

 

……それじゃあ、やはりドクターとナイチンゲールさんはそういうことになっているのだろうか。

 

だんだんとA1の皆の中で「ドクターとナイチンゲールさん恋仲説」が固まりつつある空気の中、ふといつかの日にアンセルさんに聞いた話を思い出した。それを言ってみよう。

 

 

「……そう言えば、少し前にアンセルさんから『A4の皆に買うお土産を店で選んでいたら、ドクターとアズリウスさんに遭遇した』という話を聞きました」

 

「アズリウスさん……って、確か狙撃のピンクの髪の人でしたっけ。あまり良く知らないんですけど…同じ小隊に属しているクルースさんは、アズリウスさんのことを何か知っていますか?」

 

「え~っとね~…簡単に言うと優しい人だよ~」

 

「……それだけか?」

 

「ん~と。後は~毒を使うかな~。私たちが苦手な重装甲の敵もどんどん溶かしていって~」

 

「アズリウスさんは医療チームにもたびたび貢献してくださっているんです!毒の知識に関しては彼女の右に出るものはいませんよ!」

 

「へぇ……そのアズリウスさんは、ドクターにどういった接し方をしているかわかりますか?ハイビス」

 

「それが……アズリウスさんは医療チームと協力こそしますが、それ以外のプライベートではあまり話をしないんです。ですから、私にもあまり…」

 

「…なんだか、ドクター共々謎に満ちていますね。もちろん、プライベートを詮索するのも良くないとは心得ていますが」

 

「…ま、クルースの言うようにアタシたちの指揮官が調子いいってんなら文句はねーな」

 

「ラヴァちゃんもなんだかんだでドクターのことを心配してるんですね!」

 

「う、うっさい!」

 

 

結局、その日にはそれらしい結論は出ず。話題は他のものへと移っていって、2時間ほど経ってからお開きになった。

 

 

 

 

 

*************

 

 

 

 

 

「はっ!」

 

「遅い」

 

 

今日も今日とて剣の訓練をする。

 

今まで鍛え上げた強さを弱らせないように、精神面も兼ねて鍛錬を積む。それが俺のポリシーであり、日課だ。

 

相手になってくれている同じA6のメンバーのスポットは、俺よりもはるかに強い。まったく訓練のし甲斐がある、頼れる仲間だ。

 

 

「…今日はここまでにしよう」

 

「ふぅ…分かったよ。付き合ってくれてありがとう、スポット」

 

「気にするな。漫画を読む時間さえ確保してくれればいい。それより、前よりも更に動きが鋭くなっているな」

 

「そう見えるかい?それは嬉しいね」

 

 

感想戦を行いながら訓練場を出る。もう20時と良い時間だ、彼には申し訳ないが食事に誘ってみようか。

 

 

「どうだい、スポット。俺と一緒に食堂にでも行かないかい?奢るよ」

 

「……そうだな、漫画を読もうと思っていたが、存外に腹が空いている。いいだろう」

 

「おや?珍しいじゃないか」

 

 

いつもは何より漫画を読もうとするスタンスで、お腹が減っていても自炊をするような生活らしいのに。

 

まあ、人それぞれに事情はある。ここはあまり深く聞かないというのも、円満な人間関係を築くにあたって大事なことさ。

 

そうして食堂への道を、談笑も交えてゆるりと歩いていると、よく見慣れた後ろ姿を前に見かけた。

 

 

「カタパルトさんじゃないか」

 

「おっ、その声はミッドナイトだね。それにスポットまで」

 

「お前も食堂か?」

 

「そのとーり。今日の日替わりメニューが私の大好きなやつでねー。“も”ってことは、言わずもがな君たちもそうなんだね」

 

 

そのまま流れるようにしてカタパルトさんが俺たちに加わり、少し賑やかになる。適度に彼女の様子を見ながら話をするのは手馴れたことだが、話の内容は自然と溢れてくる。ホスト時代にはなかったことだ。いいね。

 

 

 

 

 

丁度の時間帯ということもあってか、今日も食堂にはそれなりに人がいる。おっと、今日はマッターホルンさんがいるみたいだ。

 

彼は料理への造詣が深く、その知識と経験はロドスでもトップクラス。彼の作るのはどれも絶品ばかりだ。俺も度々食しては舌鼓を打つばかり。

 

 

「それなりに混んでいるね…ああ、あそこが空いている。先に行っててくれ、俺は水を取ってくるさ」

 

「おっ、気が利くねミッドナイト。それじゃあ、お言葉に甘えちゃおう」

 

 

 

 

 

*************

 

 

 

 

 

「ここに来てからずっと難しい顔をしているけど、何か悩み事かい?スポット」

 

 

宴もたけなわに差し掛かろうかというところで、俺はさっきから気になっていたことを彼に訊ねた。言葉数もいつにも増して少なかったから、漫画を読む時間を減らしてしまって後悔しているのかな。

 

 

「…いや。ここに来てから気になることを思い出したんだ」

 

「気になること?食堂でかい?」

 

「ああ。ドクターと…その秘書についてだ」

 

 

……おっと。これはまた随分と意外な話題が出たね。

 

 

「ナイチンゲールさんだろう?彼女は随分とミステリアスは女性だと思っているが」

 

「そういや、彼女に関してはそれ以外のことをあんまり知らないなぁ。そんなに見かけないからかね?」

 

「俺は足があまり良くないとも聞いているよ。そのせいで行動に制限がかかってしまうというのは、あるかもしれないね。それで、その彼女とドクターがどうしたんだい?時折食堂で見かけはするが、傍から見ている限りでは仲が良さそうだけど」

 

 

とは言うものの、実はあの2人を見かける頻度はそう高くない。ナイチンゲールさんは先にも言った通りだし、ドクターも日々仕事に追われていてなかなか執務室から姿を見せないことで有名だからだ。

 

ナイチンゲールさんを“敢えて”一言で表すのであれば、「人間離れした美しさ」だと言える。実際にはそれだけで済ませられるものではないが。しかし同時に、生気のなさもひしひしと感じられてしまう随分と何かありそうな女性だ。

 

 

しかし、だ。

 

 

「ああ。俺が言いたいのはそこだ____あの秘書、ドクターとの距離が近くなっていないか?」

 

「…それは、君がナイチンゲールさんに嫉妬しているという話ではないだろう?」

 

「当たり前だ。もうお前らも察しが付いているだろうし、もっと言うならロドスにいるオペレーターのほとんどが大なり小なり感じていると思うが……少し前までは、外で見かけることはあったものの必ずナイチンゲールはドクターの少し後ろに立っていた。顔も感情をそぎ落としたように無表情だったし、正直いるかいないか分からなかったほどだ」

 

「…それが、今や普通の人みたいに見えるんだもんねえ。そりゃ何かあったんだなあって、あたしは邪推しちゃうよお」

 

 

そうこぼす2人の目は対照的だ。かたや純粋な疑問から、かたや旺盛な好奇心から。

 

かくいう俺も多少気になっていた。

 

 

「そうだな…女性の雰囲気が変わるのにはいくつか理由があるけど、やっぱりその最たる原因の1つには“恋”が挙げられるね。プラスとマイナス、どっちに変わっていてもそれは間違いないよ。そういう観点ではナイチンゲールさんは()()()()()()なんだろうけど…俺は、ちょっと違うんじゃないかと睨んでいる」

 

「どういうことだ?」

 

「これはメテオリーテさんから聞いた話なんだけど…以前宿舎の同じ部屋にサルカズ族が5人集められたことがあって、彼女はそこで共同ミッションをこなしたらしい。もちろんナイチンゲールさんも加わっていてね。終わってからドクターが様子を見に来たそうなんだが、そのときに違和感を感じたらしいんだ」

 

「違和感?」

 

「ああ。なんでも『ナイチンゲールさんがドクターに寄り添おうとしているように見えた』んだそうだ」

 

 

サルカズ同士のよしみで酒でも交わそうということになったときに、メテオリーテさんがぽつりとこぼした言葉。そこに宿る感情こそ特段強いものではなかったが、やけに猜疑心が強く表れていたような気がする。

 

 

「…そんなことがあるのかい?ミッドナイト」

 

「…にわかには信じがたい話だが」

 

 

案の定2人も驚いたみたいだ。あの普段から寡黙なスポットでさえ、珍しく目を見開いている。

 

 

「俺も最初は驚いたよ。けれどその話を聞いてから2人を見かけたらよく観察することにしてね。そしたらナイチンゲールさんだけじゃない、ドクターも彼女のことをよく支えようとしていたのさ………だから俺はこう推論した。『何かしらの事情や問題がドクターに発生した結果、深いレベルでの相互補助をしているんじゃないか』ってね」

 

「何かしらの事情って言われても…何かミッドナイトは知っているのかい?」

 

「いいや、流石にそこまでは知らないさ。けれど俺たちは日々ドクターの働きで支えられている。当然、ストレスや疲労も溜まっていくだろう?他人を支えようとするのは難しいことなのさ。それをしようとするなら、ナイチンゲールさんの変化にもある程度説明が付く」

 

 

そのとき、奥の入り口の方から扉の開く音が聞こえた。一旦話を切って振り返ってみると、ちょうど話題の当人たちがいるじゃないか!

 

 

歩行補助もしているのか、ナイチンゲールさんの手を取りながら歩いてくるドクター。確かにこれでは一見すれば恋仲のように見えるが、彼らの間にはそう言った浮ついた感情は見えない。経験則でわかる、あれはそういう仲ではないだろう。

 

 

そのまま適当に空いている席に座ると、ドクターはいくつか彼女とやり取りをした後1人だけ立ってカウンターへと向かっていった。どうやら彼女の分の料理も取ってくるみたいだ。

 

 

「ああ、噂をすればお出ましか」

 

「丁度いいじゃないかい。このままするりと観察させてもらおう~」

 

 

やはりそうなるか。だけど、せっかくのタイミングだ。

 

ほどなくして料理を受け取り席へと戻るドクター。途中で水を確保しつつ戻ると、何故かはわからないが、なんとなくナイチンゲールさんの顔が綻んだように見えた。この俺の目をもってしてもとても分かりづらかったが、ドクターは大丈夫かな。

 

 

 

 

 

 

その後もつつがなく食事は進んでいったが、特にドクターとナイチンゲールさんが特別なアクションを起こしたわけではなかった。なんてことない、日常の一幕。少し前まではあまり見られなかった光景。

 

いいね、ドクターに何があったかは知らないけど、いつも大変であろう上司が気を休めている姿を見ると俺も嬉しくなってくるよ。今度2人に一杯奢りたいくらいだ。

 

2人が食事を終えて、すぐに食堂から出ていく。

 

 

「__というわけで、あの2人に恋仲のような浮ついた雰囲気がなかったのは、見てもらえたかな」

 

「そうみたいだねぇ。ま、あたしにはなんだか恋人というより夫婦に見えたけどね」

 

 

夫婦……夫婦か。確かにそれでも当てはまるかもしれないが、やはりまだちょっと違う気がする。

 

 

「今日は存外に面白い話が出来たよ。俺が奢るからもっと頼んでもいいよ、2人とも」

 

「そうか。それならお言葉に甘えよう」

 

「お、気前がいいねえミッドナイト」

 

 

追加で料理を頼みに席を立つ2人。俺もそれに続いて立ち上がった。

 

 

 

 

 

後日、今度こそはっきりとナイチンゲールさんの表情が変わるのを見たのはまた別の話だ。

 

 

 

 

 

 

 




オペレーターたちって言っておきながら予備隊の面々の会話になっていました。動かすのがたやすいっていうのもありますが。



ミッドナイトがいい人すぎるんですわ。



たぶんリズの表情の変化って、ドクターには結構しっかり判別出来てるけど他のオペレーターは全然分からない気がするんですよね。ミッドナイトもちらっと言ってましたが、女性との接し方が上手い彼でさえかろうじて見えるかどうかというレベルだと思います(強めの妄想)。



すみませんサブ垢のフレンドが全然いないので募集していいっすか…

31#での世界線と同一なので…是非… →02394383
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