このカレイドなスレイヤーズに祝福を!   作:猿野ただすみ

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今年分最後の投稿です。


分断

~カナ~

とりあえずの危機は去った。ただ、敵の方のクロエちゃん、あれは本気を出していたんだろうか? 何となくだけど、所々で手を抜いていたような気がするんだけど。

まあ、それはいい。それよりもクロエちゃん、それにゼロスさんが話していた城のことだ。どうやらその城に、この固有結界を創った人物がいるみたいだ。

わたし達はとりあえずの目標として、その城を目指すことになった。他に手がかりも無いし、まさかわたしの術で、わたしがいる世界のみんなだけ連れて帰るなんて、そんな薄情なことをするわけにもいかない。

 

「……ねえ、カナさん。表情がおっかないわよ?」

 

森を脱けるために突き進む中、わたしは声をかけられ。

 

「リナちゃん。……あ、ええと」

 

名前を言ってから、稲葉リナが二人いることに思い至った。

 

「あー、もう面倒だから、いっそのことリナ子でいーわよ。リナちゃんはちゃん付け、リナさんは呼び捨てかさん付けでいいでしょ。ついでにカズマさん達は、イリヤちゃん側がA作で、もうひとりはB作!」

「A作って、歴代首相のひとりかよっ!」

「B作って、芸能人かよっ!」

 

和馬くん達がそれぞれにツッコミを入れてる。確かにA作(栄作)もB作も、苗字は佐藤だっけ。

 

「……A作…くん?」

 

試しに口に出して言ってみたけど、何だか違和感が物凄い。

 

「いや、いつものメンバー同士は構わないって。結局は区別するための一時的なモンだから。という訳で、こっちのイリヤはプリヤで、イリヤちゃんはそのままって事で」

「ええっ! どうしてプリヤ!?」

『いやー、【プリズマ☆イリヤ】、略して【プリヤ】の主人公なんですから当然でしょう』

「それは向こうも一緒でしょ!?」

「はいい!? 何ソレ、イミわかんないんだけどーッ!?」

 

うん。ただ聞いてるだけのこっちも、意味がわかんない。でも、さっきの【スレイヤーズ】とか【ロスト・ユニバース】の(くだり)からすると、もしかしてイリヤちゃんも、何かの作品の登場人物…とか? 例えば魔法少女ものみたいな。

 

『『『あの、わたし達はどう呼ばれるのでしょうか?』』』

「あんたらは、羽根ルビー以外はそのままでいーんじゃない?」

『『ヒドっ!?』』

 

リナちゃ…リナ子ちゃん、ルビーに対しては厳しいなぁ。気持ちはわかるけど。

 

「あと、重複してるのは…神名とカナさんか。そんじゃあ神名はロリ神名で、カナさんはカナ大さん」

「ロリはひでぇって!」

「神名、合流したらどう思うんだろ?」

 

リナ子ちゃんのあまりにもなネーミングに、青川くんと星見さんが突っ込んだ。いや、わたしだってカナ大にはもの申したい気分だ。

 

「とまあ、ひと通り呼び方が決まったところで」

 

どうやら、このまま押し通すらしい。別にいいけど。とか思ってたら。

 

「カナ大さん」

 

早速あだ名で声をかけられた。……って、わたし?

 

「おっかない顔してたのは、なんで?」

 

……あ。もともとそういう話題だったっけ。

 

「ええと、ね。これから敵の懐に飛び込む訳でしょう? きっと命懸けの戦いになるんだろうって思ったら、表情が硬くなって…」

 

わたしは心情を吐露する。と。

 

ぎゅむ

 

「痛っ!? え、リナ子ちゃん?」

 

リナ子ちゃんがわたしの頬をつねったのだ。

 

「まったく、『命懸け』なんて後ろ向きな考えでどーすんの。たとえ勝てる確率が1%しか無かろーが、そんな後ろ向きな気持ちで戦ったらその可能性だって0になる。あたしは死にたくなんてない。だから、必ず勝つつもりで戦うわ。……これは、あたしがリナ=インバースだったときから変わらないし、これからも変える気がない持論よ!」

「あ…」

 

彼女の話を聞いて、神名ちゃんがわたしに言ったことを思い出した。

わたしが青川くんとミリィちゃんを、命に替えても守ると応えたあの時。

 

---そんな消極的な考えは駄目です。必ず、自分も生き残るつもりでいてください

 

彼女はそう言った。その後、リナさんに聞いてください、とも。

つまりは、リナ子ちゃんが今言ったことなんだ。神名ちゃんがわたしに言いたかったことは。

 

「カナ大さん?」

「……神名ちゃんに言われたんだ。わたしが今みたいな発言をしたときに、そんな考え方は駄目だって。そしてリナさん…貴女に聞いてとも言われたんだよ」

 

彼女はどちらのリナとは言っていないけど、おそらくリナ子ちゃんの方で合ってるだろう。

 

「……そーいう事ね」

 

リナ子ちゃんは軽くため息を吐きながら言った。というか、なんか呆れてもいる様な…。あ、そうか。神名ちゃんがリナ子ちゃんに、説明を丸投げしたからか。

 

「……なんだか物凄く身につまされるんだが」

「……確かに」

 

和真くん二人が、そんなことを言っている。まあ、仕方がないけど。

 

「……なんであんたらが身につまされるのよ?」

「……あー。カズマってば、向こうでは何度も死んではアクアに生き返らせてもらってるのよ。それだって、本来蘇生はひとりに対して1回だけの所を、アクアが女神エリスを脅して強引に」

「えっ!? そっちって蘇生できんの!?」

 

リナさんの説明に聞き返すリナ子ちゃん。……まあ、あんなことを言った傍から蘇生可能って言われたら、驚きもするだろう。いや、普通に蘇生自体が驚きだけど。

 

「……あたしも最初は驚いたけどね。とは言え原則1回、しかも蘇生の術が使える高い能力を持ったアークプリーストがいる前提だし、命の重さはやっぱり変わらない。あたしとしては、どうも好きにはなれない方法ね」

「そうね。簡単に生き返れる状況じゃ、命を懸けた…ううん、命を捨てた戦法だって簡単にとれるようになってしまう。それは、生き抜こうとする生物の本能から外れた、歪な行動よ。……否定こそしないけど、簡単に肯定できる事じゃないわね」

 

リナ子ちゃんがそう言ってから、ちらりと和真くん二人を見る。

 

「カズマさん」

「カズマ」

 

イリヤちゃんとめぐみんちゃんが、それぞれの和真くんへ追い撃ちをかけるように名前を呼んだ。

 

「「返す言葉もございません」」

 

素直に非を認める二人。うん。わたしも思うところがあったし、少しは気持ちが晴れた。……それでもまた、やらかしそうな気がするけど。

 

「あ、そういえばなんだけど」

 

うん? クリスちゃん?

 

「ここって異世界…って言うか異空間って言うか、そういう場所なんだよね? だったら最悪、エリス様の所に繋がってないかも知れないよ?」

「え? それって下手したら、カズマが生き返れないって事じゃない!」

「何で俺前提なんだよっ! いや、俺が一番可能性が高いのは認めるけどっ!」

 

かず…B作くんがアクア様にツッコミ入れてるけど、うん。本当に一番心配だ。

 

「カズマくん。[いのちをだいじに]だよ」

「わかってるよ!」

 

クリスちゃんが言うとおり、和真くんにも本当に注意してもらいたい。……うん? リナ子ちゃんやイ…プリヤちゃんが訝しんでるけど、どうかしたのかな?

 

「……クリスさん、ちょっと」

 

リナ子ちゃんがクリスちゃんを呼ぶと足を止め、自身とクリスちゃんにプリヤちゃん、美遊ちゃん、クロエちゃんを含め円陣を組むようにして内緒話を始めた。内容は、内緒話だから当然聞こえない。ただ、時々「えっ!」とか「本当に?」といった声が聞き取れる。やがてクリスちゃんが困ったときの癖、右頬を指で掻く仕草をして、再びの内緒話を始めたかと思ったら。

 

『えええええっ!!!?』

 

クリスちゃんの話を聞いたらしい全員が、大きな声を出して驚いた。一体何があったんだろう。アクア様が凄く興味深そうにしてるけど、B作くん達が近づけないように引き止めている。B作くんも言ってるけど、気持ちはわかるんだけどね。

そんなアクア様の様子を気にかけている間に、内緒話は終わったようだ。未だ驚きが冷めやらぬという表情のプリヤちゃん以外は、既に普段どおりの雰囲気に戻っているけど、これは単に、気持ちの切り替えの早さの問題だろう。本当に、どんな話をしたのかな?

 

 

 

 

 

それから森の中を更に進んで行くと、ようやく開けた場所に出ることが出来た。小高い丘になったここから見下ろしたその先には、敵のクロエちゃんが言っていたとおり、西洋風の立派なお城が建っている。

 

「……あれ?」

「ん? どうしたの、クロ」

 

何か疑問に思ったのだろうクロエちゃんに、プリヤちゃんが尋ねる。

 

「いや、なんかあのお城、見たことある気がするのよねー」

「え、そうなの?」

 

あのお城の事を知ってる?

 

「……リナ?」

 

と、今度は美遊ちゃんが尋ねた。って、リナ子ちゃん? なんだか、彼女の顔色が悪い様に見える。

 

「あのお城は、まさか…。いや、あの時ははっきりと見たわけじゃないし、結論付けるには早いわね」

「リナ子ちゃん、なにか知ってるの?」

 

わたしが尋ねると、リナ子ちゃんは小さくため息をついてから答えた。

 

「そうね。もしかしたらってのはあるけど、まだ確証が持ててないわ。だから今はまだ…ね?」

 

確かに、下手な考え休むに似たり。余計なことを言って混乱を来すよりも、確証が持てるまでは口に出さない方がいい場合もある。

 

「わかった。この事は、今は保留にしとくよ」

「そうしてもらえると有難いわ」

 

やや困り顔の笑顔を浮かべ、リナ子ちゃんは言った。

 

「それで、どうするのだ? しばらく様子を見るのか、それともすぐにでも乗り込むのか」

 

ダクネスさんが尋ねると、めぐみんちゃんがフッと笑い言った。

 

「ならばいっそうの事、我が爆裂魔法で灰燼に帰するのはどうでしょう」

「いやいや、めぐみんさん! それはダメだからっ!」

 

おそらく爆裂魔法を撃ちたいだけのめぐみんちゃんの意見に、プリヤちゃんが激しく突っ込む。

 

「何故、駄目なのです。あそこは悪の居城。ならば諸共吹っ飛ばしても、問題無いではありませんか」

「いやだからっ! あそこには既に、ゼロスさんとカナが潜入してるかも知れないじゃない!」

「……あ」

 

めぐみんちゃん、爆裂魔法が撃ちたい一心で、そこまで頭が回らなかったんだね。紅魔族随一の天才の名が泣くよ?

 

「という訳でめぐみん、爆裂魔法は原則禁止よ。もちろん、あたし達やシルフィールが使う竜破斬もね」

 

リナさんが締め括るように言った。というか。

 

「ドラグ・スレイブ?」

「あ。カナさんは見てないんだっけ。ドラグ・スレイブはリナ=インバースが得意とする術で、爆裂魔法とよく似た性質の呪文だよ」

 

なるほど。イリヤちゃんの説明でよくわかった。とにかくオーバーキルな術だって事が。

 

「まあ、どちらかって言うと、爆裂魔法の方がぱちもんだけどな」

「なっ、カズマ!? ぱちもんとはなんですか! それは(われ)が愛する爆裂魔法への最大の侮辱! いいでしょう! ()が爆裂魔法の威力、とくと見るがいいっ!!」

「って、やめろっちゅうとろーがッ!!」

 

すっぱあああん!

 

リナさんがスリッパで、めぐみんちゃんの頭を思い切り引っぱたいた。でも、なんでスリッパ?

 

「あと、カズマも変に煽らないっ!」

「リナに言われるのは不本意だけど、スミマセンでした」

 

B作くんも素直に謝った。

 

「それで話は戻るが、これからどうするのだ?」

 

再びダクネスさんが尋ねると、リナさんが僅かばかり考え込んでから口を開いた。

 

「そうね。このままここで様子を伺っていても、敵から奇襲されるだけで、お城自体には何の動きもないんじゃないかしら」

「どういう事ですか、リナさん」

 

シルフィールさんが質問をすると、リナさんはルビー…いや、羽根ルビーを見て問うた。

 

「ねえ、羽根ルビー。代表としてアンタに聞くけど、固有結界っていうのは人の心象風景を具現化させた世界なんでしょ? だったら、向こうからこちらの動向ってわかったりするの?」

『なるほど、そういう事ですか。そうですねー、固有結界の性質にもよるとは思いますが、言ってしまえばここは創造主の心の中のようなもの。位置を把握する程度の事は出来るかも知れませんねー。ただし、確約は出来ませんよ?』

 

そうか。この質問こそが、シルフィールさんからの質問の答え。

 

「……って事らしいわ。つまりここで待機していても、向こうは準備万端で待ち構える上に敵を送り込んで、こちらはどんどん疲弊してゆく。そんな事になりかねないって事よ」

「そうね。クロエやナーガは別にしても、黒化した泥の英霊達なら幾らでも呼び出せそうだし」

 

リナさんの話を補足するようにリナ子ちゃんが説明した。

 

「「ええとつまり、どういう事」だ?」

「「要はとっとと、カチコミに行くって事よ!」」

 

アクア様とガウリイさんの疑問に、リナさんとリナ子ちゃん(ふたり)は身も蓋もない事を言う。まあ、これほど単純でないと伝わらない相手ということなんだろう、多分。

 

「……なんかリアルのリナって、随分とパワフルだよな」

「だろ?」

 

和真くんの呟きに、同調するB作くん。実際わたしも、なんてパワフルな人なんだろうと思っている。なんて考えてたら。

 

「だってリナだぞ?」

「リナさんですから」

「リナはリナだよ」

「それがリナらしいところ」

「元気じゃないリナなんてリナらしくないじゃない」

「むしろ、パワフルじゃないリナの方が気持ち悪いんだけど」

「稲葉から元気取ったら、ウザいだけだぞ?」

 

ガウリイさん、シルフィールさん、プリヤちゃん、美遊ちゃん、クロエちゃん、星見さん、青川くんの順にツッコミを入れられてしまった。というか、青川くんのはディスってるよね?

 

「あー…。えっと、みんな。びみょーなフォロー、ありがとう?」

 

リナ子ちゃんが曖昧な表情でお礼を言った。……あれってフォローなんだろうか?

 

 

 

 

 

ともかくも、リナさんの発案どおり城の前までやって来たわたし達。目の前には閉じられた、大きな門戸がある。

 

「とりあえず、ふんぬーっ!!」

 

二人の和真さんが、それぞれ扉の右と左を思い切り押してみたが、ウンともスンとも言いはしない。

 

「うーん。扉が開かないって事は、ゼロスさんとカナは中にはいないって事かな?」

 

プリヤちゃんが言うと、リナ子ちゃんは首を横に振る。

 

「ほら、よく見て。扉の下の接地面。積もった雪が変な風に盛り上がってるでしょ? これって扉が開けられて再び閉めたときに、向こう側から雪をかき取って、こちらの雪が押し付けられて盛り上がったのよ」

 

なるほど、なかなかの洞察力だ。

 

「まあ、向こうは神の眷属と魔族の二人連れな訳だし、強引に開けられてもおかしくはないでしょ。て言うか、ゼロスならゴリ押しで開けられそーだし」

 

リナさんもそんなことを言う。何だか変な意味で信頼度が高いみたいだ。

 

「……それじゃあ、どうすんの?」

 

リナちゃんの疑問に、リナさんとリナ子ちゃんが不敵に笑い。

 

「「こうすんのよ! ……振動弾(ダム・ブラス)ッ!!」」

 

どぐおおおおおん!

 

同時に放たれた術が、扉に大きな穴を開ける。

 

「さすがはリナ、ダイナミックねー」

「いや、クロも大概だからね?」

『そう言うイリヤさんも、人のこと言えませんけどねー』

 

クロエちゃんは知らないけど、確かにプリヤ(イリヤ)ちゃんは、時々とんでもないこと仕出かすね。

 

「そっかー、こういう時は破壊しちゃえばいいんだ」

「待て、もうひとりの稲葉! あれは真似するべき所じゃないぞっ!」

「そうよ! はっちゃけるのはいいけど、ゴリ押しは最終手段だからねっ!」

 

憶えなくていい事を憶えようとするリナちゃんを、青川くんと星見さんが必死で思い止まらせようとする。確かに、安易にやる行動ではないと思う。ああいう行動するのは、リナさん達とめぐみんちゃんだけで充分だ。

 

「おい、城に攻め込むのではないのか?」

『……あ』

 

ダクネスさんに言われ、わたしを含めた全員が思わず声を上げてしまった。

 

コホン!

 

リナさんが小さく咳払いをし。

 

「さて。余興はこれくらいにして、早速乗り込みましょうか」

『お、おー!』

 

わたしとダクネスさん以外が声を上げて鼓舞する。ってさっきまでの流れ、無かったことにしたっ!?

 

「仲いいな、お前達…」

 

ダクネスさんは少し寂しそうに言う。どうやら、みんなに合わせられなかったのが残念だったようだ。彼女には悪いけど、ちょっと可愛いと思ってしまった。

 

「ダクネスさん、落ち込まないで。あなたのお陰で軌道修正できたんですから」

「……ああ。カナ、気遣い済まない」

 

並行世界の存在とはいえ、ドMモードに入っていないダクネスさんは、やっぱり真面目だな。少し聖名(せいな)お兄ちゃんを彷彿とさせて、好感が持てる。

 

「ほら、二人とも。くっちゃベってないで行くわよ」

 

……リナさんは、一体誰のせいだと思ってるのだろう。まあ、いいや。とにかく、早く事件を解決しないと。

そう思って、扉に空いた穴を潜り抜けると。

 

「……なによ、これ」

 

そう呟いたのは星見さん。それもその筈、次の瞬間には、見渡す限りの雪原に[どこでもドア]の様に扉が1枚立っている、そんな場所にいたのだから。それに。

 

「……あれ? 他のみんなは?」

 

リナちゃんがキョロキョロとしながら言った。そう。ここにはわたしと星見さん、青川くん、そして羽根ルビーを握りしめたリナちゃんだけしかいなかったのだから。

 

「どうやら、分断させられたみたい。多分他のみんなも、何人かのグループに分けられて分断されてると思う」

「つまりこれが、()()クロエが言ってた『おもてなし』ってやつなんだろ」

 

へえ。青川くんって、結構冷静に判断が出来るんだね。

 

「そうだね。でも、わたし達は多分、別の理由で集められたんだと思うよ」

「別の理由?」

 

聞き返したリナちゃんに答えたのは羽根ルビー。

 

『おそらくこの世界の創造主は、後からやって来た異物であるわたし達を一箇所に集めたんでしょう。先に潜入したゼロスさんとロリ神名さんは、また別の場所に移動させられたのか、ここにはいませんが』

「なるほどな。つまり…」

 

そう言って、青川くんが一点を見つめる。いや、それよりも前から、わたしも気づいてはいた。濃密な魔力と、感情を伴わない殺気を。

わたしもそちらへと視線を向ける。そこには。宙に浮き、紫色のローブを目深に被った、ひとりの女性の姿が。

そして青川くんは言った。

 

「あいつを倒せ、って事だな!」

 

と。




作者補足
以前も名前が挙がっていた聖名は、神名(カナ)の二番目の兄の名前です(因みに一番目の兄は真名(まきな))。不幸体質で一級フラグ建築士でもあります。
神名は恋愛感情こそ抱かないものの、二番目の兄に対してはかなりのブラコン。なので、男女問わずに兄と比較することがあります。
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