「私のおじいちゃんはリオレイアに殺された」って言うと、ほとんどのハンターは「あぁ、じゃあ弱かったんだね」とでも言いたげな顔を浮かべるのが嫌いだ。
私がまだ6歳だったころ、ジャンボ村という小さな小さな村でモンスターハンターをしていたおじいちゃんのことはおぼろげにしか覚えていないが、いつもとても穏やかで、やさしくて、慈悲深い人だったことだけは忘れない。食事のために動物を殺した時なんて何分も祈りをささげていた。
おじいちゃんは自然を愛し、人を愛し、自然から愛され、人から愛されていた。
おじいちゃんが死んだと知ったのは寒冷期でも特に寒い日だった。詳しいことは分からないが、見るも無残な姿になって帰ってきたようで、葬儀でも棺を開けることはできなかった。
それから十数年が経ち、今私は新大陸調査団の一人として調査拠点「アステラ」に向かう船に乗っている。
軽食をつまみながら周りに目をやると、誰もかれもわくわくとした、遠足にでも行くような気軽さで陽気におしゃべりを楽しんでいる。一体このうち何人が生き残れるやら。
「なああんた、あんたは向こうについたら何をするんだい?」
ジョッキに入った飲み物の雫をまき散らしながら陽気な声をかける男に、たまらず私の目は冷たさを帯びる。だがそんな私の気持ちに気づかないのか、それとも気づいていながら虫をしているのか、目の前の男は陽気に、馬鹿みたいに笑う。
「そうね、とりあえず活動拠点とその周辺の探索、それに生態調査でもしようかしら。もちろん、ギルドの指示があればそれを優先するつもりだけど」
陽気な男が椅子に座ったのを確認して私は席を立つ。足元のオトモ、三毛の「がんも」は私の意をくんでくれたのか私の足にほおずりすると素早く駆け上がり、私の肩に乗る。
「おい、せっかくなんだし――」
「ごめんなさいね。夜風を浴びたいの」
嘘偽りない本心だ。
だが私が船外に出るよりも早く地震のように足元が揺れ、たまらず私は前向きに転がる。さっきまでの陽気な雰囲気の代わりに困惑と不安が船内を支配している。
「地震……なわけないわよね」
ふと船外に目をやると、女が船外に放り出され、それを男がおって自分も船外に飛び出す。とんでもない大馬鹿野郎がいたものだと驚愕すると同時に、誰ともなく状況を掌握しようと指示を出し、その指示に従い始める。
私もその指示の通り、周囲の状況を観察しながら行動し、右往左往するものには指示を飛ばす。何よりもまず、陸に足をつけたい。