自分が思うに、神様とはそこまで大層な存在ではないと考えている。というのも今自身が体験していることこそがその証明となるからだ。
「・・・・・・」ジー・・・
「・・・・・・」
もうお察しだろう。私は転生した。
転生させた存在曰く、命が増えすぎてあの世が満帆になり始めたためらしい。これをそのままにしておくと現実世界で死者が遺体に憑依し生きてるものの温もりを求めて群れをなすという。そのため現在の魂をあらゆる下の次元世界にばら撒きあの世のパンクをふせぐのだとか。
やってることは人間と変わらない。外来種を持ち込み放流するのと一緒だ。
とはいえ自分とて真っ当に暮らしてきた男。流石に自分の生きた世界に地獄が顕現となると協力せざるを得ない。
「・・・・・・」スリッ
「・・・・・・⁈」
転生させる世界はくじ引きによって決められた。箱の中から一つカプセルを引いて、それを開けた瞬間目の前はもう異世界って寸法だ。なるほど。そういうバラエティを入れることも転生を楽しませる一つの手というわけだ。
「・・・・・・」ムニムニ
「・・・・・・⁈⁈」
・・・・・・
そろそろ本題に入ろう。
虚の世界に転生しました。
「あ、あの・・・・」
「・・・・・」ジー
短編!
ブラック★ロックシューター
さて、まず知らない読者諸君のために説明せねばなるまい。
虚の世界とはアニメ「ブラック★ロックシューター」において登場する主人公ブラックロックシューター等思念体の少女たちの暮らす世界である。
この世界は数多の現実世界の少女達の思念によって生まれた世界でそこに暮らす少女達は彼女達のマイナス思考を背負って戦い続けている。
自分の名はハイプリエステス。タロットカードにおける女帝に相当するカードの名前を持つ男だ。
なぜ男なのに女帝なのかって?それにはまず自分の存在について語らねばならまい。何度も言うようにこの世界は少女達の思春期の様々な思いによって構成される。思春期となれば誰しも一回は考えるだろう。
そう、恋愛である。
この体は数多の少女達の青春全力疾走の青臭い妄想によって生まれた理想の体なのだ。
しかしそれだけではただの入れ物。命は生まれない。だがその体に自分の魂が入り込んだことで本当の意味で生まれることになった。まずこの世界は数多の少女の思念で出来ている。つまりこの世界において虚の少女達こそが戦士である。その戦士たちとは正反対という意味でこの名を授かった。
ハイプリエステス誕生の瞬間である。
(いつまでこのままなんだろう・・・)
「・・・・・♩」
目が覚めた瞬間は驚いた。
あたりは薄暗く機械のいばらのようなものがあたり一面に広がっている。地面は黒と白の格子模様がどこまでも続きその至る所が崩れかけている。
『あ、あれ?俺生き返ったんじゃ・・・・』
当然困惑した。目が覚めたらまるで地獄や気分が悪い時に見る夢みたいな世界が広がっていたのだから。
しばらくはその衝撃によってその場を動かなかったが、やがて心細さを感じてあたりの探索を始めた。
『危険な世界なのかな・・・・』
一面どこを見渡してもその景色は続く。そして考える。自分はどの世界にうまれたのだろうかと。実はこの世界はすでに何かを終えた後で自分はそんな世界でたった一人生きていくことになるのではないかと。
そんなマイナス方向に考えが進み出したその時
コツ
少し離れた場所から何か硬いものが落ちたような音が響いた。
『(!人?それとも獣?)』
思わず音の下方を向いたまま固まってしまう。動物とは想定外の事態が起こった時、なぜか身体が固まる。
どんな世界かもわからない今の状況で自分のこれは自殺行為。わかっているはずなのに状況を見極めようと視線が音のした方向へと向いてしまう。
『な、何が起こった?この世界の第一住人?頼むからそうであってくれ・・・』
そうしてゆっくりと視線を向けたその先にいたのは
瞳に蒼い炎をともした少女だった。
自分のテリトリーに何かがいる。
そのことに気づいたのはつい先程のことだ。
自分は宿主である少女を守るため、その少女の痛みを背負うために生まれた。その為の自分の世界に何者かの侵入。これはつまり敵対する存在がいる可能性がある。
駆け足にて現場へと急ぐ。
幸いそこまで距離は離れていなかったため目的の存在はすぐに見つけることができた。
一度大きくジャンプしてその存在の近くに立つ。そして目の前の存在を視界に入れた瞬間ーーーー
世界が変わった。
話のテンポを無視して解説を入れることを許して欲しい。この世界で生まれた少女達に感情はない。あるのは戦い続ける本能のみ。
そう本能。
彼女達には本能のみ。生物における本能および欲求とは主に三つある
食欲、性欲、睡眠欲である。
食欲はない。なぜなら彼女達は何かを口にせずとも生きて行けるからだ。
では残りのふたつは?
その答えはーーーー
「あの、黒岩さん?」
「・・・」ぷにぷに
あれから目の前に現れた少女の姿を見てここがどの世界かわかった。最初は死ぬかと思った。というのもこの世界において自分は異物。勝手にテリトリーに入っておいて無事でいられると思わなかったからだ。
だが彼女は自分を見て一度目を大きく見開いた後自分に背を向けて歩き出した。疑問に思った思ったのも束の間、彼女は一度後ろを振り返る。
(ついてこい、ということだろうか)
再び前を向いて歩き出した彼女を見て早足についていく。そうしてしばらく歩いているうちに比較的崩れていない道にたどりつく。すると彼女は腰ほどの瓦礫を指差すと自分に視線を向けた。
(?すわれ、ばいいの、かな・・・?)
その岩の面を手で少しはらいゆっくり腰を下ろす。一体何なんだろう?そう考えた瞬間ーーーー
「⁈⁈え?!」
現在の状況を説明しよう。彼女ーーーーブラックロックシューターは岩に座ったのを確認すると膝にまたがってきたのだ。
しかも背中を向けているのではない。自分の方を向いてじっと見つめてくる。
(どういうこと⁈)
瞳を見たかと思ったら急に顔を近づけてきたり
「ちょ、近い!」
急に太ももを撫でてきたり
「⁈⁈」
二の腕を揉んできたり
「⁈⁈?⁈」
まさにされるがままにされていた。
「あのー、えっと・・・ちょっと近いかなー・・・・なんて」
「・・・・・」ジー
(うう・・・・いい匂いと血生臭い匂いが・・・・)
主人公ことハイプリエステスは現在ブラックロックシューターに驚くほど接近されている。本体が中学生とはいえ流石はアニメの主人公。その顔はとても高いレベルで整っている。
思わず赤くなるが時折漂う血生臭さによって恐怖も同時に上がってきている。まさに混乱状態である。
「・・・・黒岩さん?あの、はんのうにこまるとぶうぅ」
今度は両頬を摘んでむにむにしてくる。あれからだいぶ時間が経つが後どのくらいまでこのままなのだろう。
(この人喋んないし足痺れてきた・・・役得だけどそろそろ離れてほしい)
しかしそれは予想外に早く終わることになる。
(ん・・・・・?)
唐突に摘んでいた手をはなし両頬に手を当てる。そして再び彼女はじっと自分に視線を遣す。なんだろう、と思ったのも束の間。
「え?!ちょ、近い近い近い!黒岩さんマジで近いです!」
今度は先程とは比べ物にならない勢いで顔を近づけて来たのだ。その勢いに思わず上体を後ろに下げてしまう。一瞬視界からブラックロックシューターが見えなくなるがすぐまた目の前に現れる。
気がつけば、彼女にまたがられていた。
え・・・
近、顔・・、
綺麗
相手は中学生
なんで
また、え、
混乱状態!
当たり前だ!主人公はただこの世界を歩いていただけである。にもかかわらず目の前の少女はあってまもない男の顔に急接近している。
読者の方々はこれを見て安っぽいラブコメと考えるかもしれない。
だが!かんがえてみてほしい!
最初に記載した通り彼女達には三代欲求のうちふたつはいまだに残っているのだ。ではなぜこれまで彼女達は平気だったのか。
それはこの世界に男がいなかったからだ!
女性といえど性欲は少なからず存在する!それがこれまで平気でいられたのは性欲を知らなかった。男がいなかったからにほかならない。
しかし彼女が目にしているのは数多の少女達が夢見る超がつくほどの美形!
その上虚の世界には似合わないほどのおっとりとした雰囲気!
なんだろう。目の前の存在を見ていると、胸の奥がおかしい。
冷たいはずのこの体に異様に熱が篭る。
これは何?
触れているのが心地いい。
もっと触れ合いたい。
もっと
もっと
もっと
ブラックロックシューターの脳内は現在これまでに感じたことのない多福感と湧き上がる何かを制御できずにいた。
ハイプリエステスの脳内はもはや混乱しすぎて機能しておらず、ブラックロックシューターの脳内も自身を制御する気がない。
二つの影はどんどん近づいてゆく。
そしてそれらがついに重なり合う。次の瞬間
轟音と共に地面から巨大な剣が生えてきた。
「ええええええええええええええええええ!?」
衝撃によって空に跳ね飛んだハイプリエステスは再び起動した脳を動かし現場を理解する。
そう
「今のはまさか・・・!ということはこの世界はまだ、第一話⁈」
地面を貫いた剣。その根本に巨大な赤い瞳がこちらをのぞいている。その瞳は先程のブラックロックシューターと同じく驚愕を示しているがハイプリエステスはそれに気づかない。
「うわあああああああああッ!死ぬ死ぬ死ぬぅ!」
気付くわけがない。彼は絶賛大混乱中である
彼は元の世界ではごく普通の中学生だった。これまで生きてきた15年の人生において天高くまではねあげられるなんて経験あるはずがない。
せっかく転生したのにこれで終わり?
視界の端に赤の瞳に向かって専用の大砲ロックカノンを撃ちまくるブラックロックシューターが映る。
もしかしたら助けてくれるかも!本来で有れば彼はそんな単核的な考えはしない。しかし今この状況、自分の身体能力を考えても助かるのは不可能。
先程の反応を見る限り彼女は自分に対して友好的?だった気がする。
このまま死ぬよりかは!
そう思ってブラックロックシューターに助けを呼ぼうとした瞬間。
「おぼぁ?!こ、今度は一体」
瞳の向こう。炎の上がる地面の向こうから大量の鎖が自分の体を巻き取ったのだ。そうして全身をぐるぐる巻きにしたかと思ったら今度は凄まじい勢いで引っ張ってくる。
その際ブラックロックシューターと目が合う。彼女は自分に気づくと最初に出会った時のように瞳を見開きながら自分に向かって手を伸ばした。
しかし時すでに遅し。
「ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
転生してまだ2時間もたってないのに
いったいどうしてこんなことに?
これからいったいどうなっちゃうんだ?!
あらゆる物語史上もっとも早くトラブルに巻き込まれた男、ハイプリエステス。
彼はこれから自信を狙う5人の少女達を相手に奮闘することになる。
そんな彼にどんな未来が待ち受けているのか・・・・。
小鳥飛ぶのは青の空。
海に映るは空の青
絵空の青に空の涙
涙の青に小鳥飛ぶ。
「いや飛べませんけどぉおおおおおお?!」
ブラック★ロックシューター二次小説!
作者のラブコメ練習作
俺が虚の女王様?!
始まります!
「まとさあああん!助けてくれええええええええ!」
・・・・むくり
「・・・えぇ・・・何?今の夢・・・」
まとー!遅刻するわよー!
「あ、はーい!」
評価が良ければ続けるかも?