ヨハネの黙示録 作:怒りのマジックカット
名も知らぬ誰かを帰した後にチャイムが鳴り、教室へ戻る。
教室は、中学で一緒だったのか仲良く楽しそうに話している人、遠くから来たのか一人の人等様々だった。
これがあと数ヶ月すれば友達関係が変わるのだろう。
俺は担任の元へ行き、帰った事を告げようと口を開いた。
「さっきの何か変な堕天使は体調悪いみたいで帰りました。」
名前を知らないので抽象的になったがしょうがない。名前、聞いておくべきだったな………
担任は察したみたいで優しく頷いた。
取り敢えずやるべき事はした。
自分の席に戻ろうと後ろを振り向くと栗色の髪を背中まで垂らした少女が立っていた。
「善子ちゃんはもう帰っちゃったずら……じゃなくて、帰ったんですか?」
「善子ちゃん……?」
「さっきの堕天使!って言ってた人ずら」
「あぁ、何か体調悪いらしくてね。友達なの?」
「幼稚園の幼馴染ずら。」
独特の語尾に多少驚いたが、面倒くさそうなので触れないで置いたら相手も気にしなくなったみたい。
『ずら?』
『あぁ、しまったず……じゃなくて』
『別に気にしなくていいよ。可愛いよ。』
『ずらぁ!』
的なの何か気持ち悪いじゃん。
イケメンがやるならまだ許されるけどね。
「まだ治ってなかったずらか……」
「まだ直ってなかった?」
「あれは幼稚園の頃からで昔は自分は天使だって言ってたずら」
「へぇ、でさっきから気になるんだけどさ、あの子ずっと遠くからこっち見てない?」
壁に隠れて赤髪の子がこちらを見ている。
仲間になりたそう……な訳では無いようだ。
見るからに怯えてる。
「あぁ、ルビィちゃん!ルビィは人見知りで……」
「そうなんだ。じゃあね、えっと……」
「国木田花丸ずら」
「国木田さん、教えてくれてありがとう」
男子に排他的だと思ってたが案外そうでもないのかもしれない。
✡ ✡ ✡
「え?僕がですか?」
職員室へと呼び出された俺はさっきの帰った何とかさんに届けて欲しいプリントがある様で、それを頼もうと僕に白羽の矢が立った。
なぜ?
「えっと、何で僕なんです?」
「何か仲良さそうだったから」
「別に仲良くはないですよ。初対面ですし、国木田さんの方が幼馴染で適任じゃないですか?」
「国木田さん図書委員で忙しそうだから。」
そこで暇そうで話した事のある俺に来たと。
確かに部活も女子向けばっかで帰宅部だけどさぁ……
年頃の男子が気軽に女子の家に行くのは如何なものか。
まぁ、何もしないけどね。
✡ ✡ ✡
バスに揺られながらふと窓の外を見ると砂浜で集まっている3人組を見た。
「いいな、ああいうのが青春って事だろうな。」
生憎女子は沢山居るが、逆に男子が居なくて寂しいものである。
心が何となく寂しい。バカを一緒にする男友達も欲しい。
なんて事を考えていると目的地周辺に着いたためお金を支払い降りる。
先生に渡された住所を頼りに向かう。
その後アパートに入り、階段を音を響かせながら歩いていく。
"津島"と下げられているドアに立ち、チャイムを押すと、パタパタと音が聞こえドアが開かれた。
「はい、なんの用でしょうか………」
「先生に頼まれたから、ほら、プリントとか入ってる奴。」
「何であんたなのよ!」
「知らん、先生に聞け。俺の仕事は終わった。帰る。」
「ちょっと待って!」
踵を返す所を引き止められる。
「………何も思わないの?気持ち悪いとか高校生の癖に!とか」
「別になんにも。クラスの人も気にしてなかったみたいだし。」
趣味も人それぞれだしな。
と呟いて去る。
去り際に消え入る声で彼女はぽつりと呟いた。
「えっと、プリントありがと。」
彼女はやはり根はいい子らしい。
明日の同じ時間にも3話目を投稿予定です