ヨハネの黙示録 作:怒りのマジックカット
あのプリントの渡す事があってから俺はしきりにその不登校の子、津島善子の家に通うようになった。
ゲームの趣味等が案外合い、本人のある程さっぱりとした性格のせいか気軽に話せるくらいにはなっていた。
「あんた毎日のように来てるけど友達居ないの?」
コントローラーをカチャカチャと動かしながらそう尋ねてきた津島。
「生憎女子しか居ないしな。」
「ぷッ、ボッチって訳ね!」
「話せるやつくらいは一応………いる。」
「ふ~ん、誰よ、想像のお友達?」
「国木田さんと黒澤さん。」
「ずら丸ねぇ……」
思いを馳せている様に上を見上げる。
しかし、その隙を逃さない。
「にゃあぁぁぁああ!反則よ!」
「お前がよそ見してるのが悪い。」
津島の画面にはYou loseとデカデカと表示される。
コントローラーを置いて一息つく。
「そう言えばコンビニ行こうと思って外出たらこんなの渡されたんだけどあんた知ってる?」
と言ってカバンから取り出されたのは、手書きで書いたのであろうチラシ。
日付や場所の他に空白の場所には可愛らしいイラストが書かれており、何とも女子っぽい
「スクールアイドル?」
デカデカと書かれているそこには浦の星女学院スクールアイドルと強調して書かれていた。
「何か学校でスクールアイドルが出来たらしくてね。ビラ配りしてて私にも渡されたのよ。ふっ、このヨハネの姿が見えるものがいるとは……」
「はいはい。スクールアイドルねぇ、何か黒澤さんが似たような雑誌を読んでた記憶はある。ライブに興味あるなら言ってくればいいじゃないか。」
「べ、別に興味は無いけど。言ったら笑われるだろうし……」
顔に影が指し、俯く。
この顔を見ると何故か自分は笑顔になってもらいたいと思ってしまう。
やっぱり暗い表情をしてるより明るい方が彼女に似合うのだろう
「ま、行ってくればいいさ。気分転換にでもな。」
カバンを持ち、お邪魔しましたと言う言葉共に津島宅を出た。
✡✡✡
バスに乗るため沼津駅に行くと、そこで浦の星女学院の制服を来た女子3人組がビラ配りをしていた。
あれがさっき、津島が言ってたスクールアイドルの子達なのだろう。
サッと通り過ぎようとした所で目の前にチラシを1枚差し出される。
それは桜色の少女から差し出された物だった。
「あ、あの!私達体育館でライブをやります!是非来てください!」
差し出された物を取り、軽く眺めるとやはり、さっき見せてもらったものと一緒。
「スクールアイドル………」
「はい、精一杯歌って踊って頑張ります!是非来てくださいね」
彼女がふわりと微笑む。
その笑みは、まるで聖女の様な微笑みだった。
つい少しの間眺めてしまった。
「あ、あの何か付いてますか?」
「ごめんなさい、なんでもありません。」
知らない人の顔をじっと見つめるなんて変態だ。
そっと目をそらす。
「頑張って下さいね。」
謝罪をしてからその場を立ち去った。
『『梨子ちゃんが渡せた……!』』
『も、もうバカにしないでよぉ!』
と後ろから聞こえたがそんな事は耳に入らなかった。
彼女の笑みが頭から離れなかったのだ。
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