物凄く独自解釈混ざってる割には彼女の深い所までは触れられてないです。すいません。
「……立っているだけだが、暇じゃないか?」
「いいえ? ドクターのお側ですから……ふふ」
ふわふわとした笑顔を浮かべたまま、自身の三歩後ろを歩く彼女へこの質問を投げ掛けるのは何度目だろうか。今日もう三回は言った気がする。
気にしなければ良いだけの話と思うかもしれないが、される側としてはどうも落ち着かないのだ。彼女が何故か足音を一切立てずに歩くのもそれをまた助長させているのかもしれない。あとアーミヤの視線が痛い。
これが他のオペレーターだったならばどうにか説得して止めて貰うのだが……
「無理について来なくとも、執務室で待っていて良いんだぞ」
「……お邪魔でしたか?」
「いや、そういう訳では…………っ、分かった。どうせ後は事務室に寄って帰るだけだ。このまま着いて来ようと一度部屋に戻ろうと然程違いは無いだろう」
……彼女の様な美人に上目遣いで聞かれて「邪魔だ」と答えられる人物が居るなら会ってみたいものだ。とにかく、こういった反撃を喰らうせいで今日一日彼女を連れ回して基地内を歩く羽目となっているのである。
「……了解した。ありがとう、オーキッド。残りの分が終われば後は次の担当に引き継いでくれて構わない」
こんな夜遅くまで仕事をしてくれていたオペレーター達へ感謝を告げつつ、漸く終わった仕事に疲労が篭った深い吐息が溢れる。いや、まだもう一つ残っているか。
執務室へと戻れば、備え付けのソファへどっかりと腰掛ける。精神的な疲れからか、眠気を訴える頭を切り替えようと頬を数度叩いた後に、彼女に隣へ座るよう促す。
「……さて、スペクター。遅くなってすまないな」
「良いのです。ドクターがこうして時間を取ってくださるだけでも嬉しく思っていますから」
つい最近、ロドスの中で彼女に二度目の昇進をさせるべきだという意見が出始めた。レユニオン屈指の実力者であろうフロストノヴァを、ただ一人で足止めし、他オペレーターの撤退時間を稼いだ事が評価されたのだ。
しかし、そこに待ったを掛けたのが彼女と関わりが深いオペレーター、サイレンスである。
彼女が患っているらしい重度の精神障害を考慮すると昇進は難しいのではないか。ましてや、数少ない二度目の昇進者ともなれば、隊長としても任命されかねない。彼女の現状ではそれが非常に厳しいのだ。という話だった。
結果として、様子を見ない事には始まらないと私ことドクターが表向きはカウンセリングと称して彼女と対話し、判断する事になったのだ。
「最近は、亡霊達の声に煩わされる事も減りましたので、カウンセリングが必要だと私自身は思っておりませんけれど……ドクターが心配してくださるなら、良いとは思っております」
「心配はするさ。ロドスに来たばかりの時、君はかなり不安定だったからな……しかし、亡霊か。私には見えないのだが……何時も居るのか?」
「はい、ずぅっと。今も私の傍に居ます」
ふむ。報告書にあった通り、彼女には通常見えないものが見えているらしい。それが精神的疾患から来るものなのか、未だに不明である彼女のアーツと何らかの関係があるものなのかは分からないが……というか、無理じゃあないか? 専門職が数ヶ月掛けても取っ掛かりすら掴めなかったんだ。専門では無い上に、記憶喪失で知識が丸ごと抜け落ちている私が一晩でどうにかなるものでは無いだろう。
……嗚呼、そう考えると一気に馬鹿らしくなってきたな。
「……ドクター、やはり随分とお疲れのようです。私との時間はまた取れますから、今はお休みになっては如何でしょう?」
時々、彼女は異常なまでの察しの良さを見せる。今のように、マスク越しですら感情を読まれるのだ。こういった所もまた、彼女が抱えているものが単なる精神疾患では無い事の証なのだろうか。
「すまない、君に気を使わせてしまったか」
「……私には構わず、お休みください」
言葉と同時に、何処か呆れた表情にも見える彼女の膝の上へと引き倒される。え?
「っ……何、を」
「此方の方が休めるでしょう?」
私からすれば非常に美味しい展開だが、それでは君が休めないだろう。その言葉が出てくる前に、心地良さが全身の力を奪い去っていく。
自身の意思とは反対に閉じていく瞳が最後に映したのは、降ってくる彼女の掌だった。
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「……フフ、余程疲れてらしたんですね」
腿に顔を埋めるようにして寝息を立てる彼の頭をゆっくりと撫でる。
普段見ることのない彼の無防備な姿を幸運にも占有できた事に対する喜びを噛み締めるようにゆっくりと口角が持ち上がっていくが、仕方のない事だろう。ただのオペレーターである自身は作戦に参加する機会こそあれど、話す機会は少ないのだ。
「ドクター、今の私は、あなたがくれる悦びで潤っているのです」
起こしてしまわないよう、ゆっくりと剥がしたマスクの下。不健康さを醸し出す青白い頬へそっと自身の唇を寄せては、込み上がってきた熱を振り払うように窓から微かに覗く満点の星空へと視線を逸らす。
「────今日も、月が綺麗ですよ、ドクター」
ドクターラブ勢でした。まる。
口調も上手く掴みにくくてボイスを聴きまくってる内にスペクターさんがクトゥルフ神話の住人にしか見えなくなってきました。実はSAN値0になった探索者なんじゃ…?
他に書きたいものもあるのでこちらの投稿はスペクターさんが昇進2を果たしてからとなります。龍門幣ください。
※6/9 ドクターの口調なんか強い気がしたのでちょっと柔らかくしました
各オペレーターの第二話以降をでRー18版を書いてみるのはアリかナシか
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正座待機(アリ)
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煩悩を捨てよ(ナシ)
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NLなら許してやろうじゃないか
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百合ならいいゾ
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や ら な い か(男同士なら)