あべこべ世紀末、転生先は地獄だぜ   作:abc2148

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クラフトするなら先ずは素材を集めないと……

ソラの生きる世界は端的に言えば世紀末感漂う世界です。かつて起こった大戦にて世界は炎に包まれたといってもよいでしょう。そして人類は絶滅する事も無く今日までしぶとく生きているという感じでした。とは言っても人類の生存領域は縮まり人々は無数のコロニーや都市を築き上げてはその周辺で生活しています。その中には貧民街もあり、ソラが今まで生きていた場所もその中の一つでした。

 

そんなソラですが今現在は貧民街を遠く離れた場所にいます。そこは貧民街から遠く離れ幾つもの廃棄された建物が広がる無人地帯であり、そこは常日頃から無法者たちが争いや取引に利用する場所、まともな感覚の持ち主であれば絶対に近づかないような曰く付きの土地です。

 

しかしソラはその危険地帯の中に現在進行形で住み着いています。

 

「使える、使えない、使えない、使えない、……多分使える?」

 

そして廃墟の中にはガラクタの山が積まれていました。元々廃墟には無かったガラクタの山はソラが危険地帯をコソコソと歩き回って集めた物でした。そして今はある程度溜まったガラクタの検分を行っているところでした。そしてある程度選別が終わると使えないものは廃墟の隅に積み上げ、使えるものは分解、整備等を行います。

 

元々は廃墟を住みやすくしようと少しだけ素材を集める程度でした。しかし予想以上の収穫が出来た事から今ではガラクタ漁りはソラの日課になりました。

 

その成果の一つにソラが着ている服があります。今は廃墟に逃げ込んだ最初の頃に着ていた襤褸切れになりかけの服ではなく大きく丈夫なジャケットを着ています。それはガラクタ漁りの時に見つけた死体から頂いたものでした。かなりの年月が経ったのか死体は白骨化しており、ジャケットも砂まみれになっていましたが服そのものは対して劣化していませんでした。それを見つける事が出来たソラは襤褸切れ寸前の服を脱ぎ捨て死体から剥ぎ取り着ました。

 

かなり大柄な人が着ていたのか、まだ小さな子供のソラが着れば自然とワンピースの様になり移動に支障がでましたが、大きくダブつく服の何カ所かをベルトで縛ることで何とか着こなしました。何より沢山のポケットに丈夫そうな素材で作られたジャケットを着ないという選択肢はありませんでした。

 

このような感じにソラは日課と化したガラクタ漁りの中から使えそうなものを集めては廃墟に持ち帰り、生活環境を整える資材として扱っています。そのお陰で何も無かった廃墟の中も多少はマシになりました。

 

しかしソラには一つの懸念がありました。

 

それはガラクタ漁りは持ってあと数日という予想です。ソラの今いる場所が何処に位置するのかは分かりませんが貧民街は近くにあるはずです。そこに住まう彼らもソラと同じように困窮し、生活の糧にするために近いうちに此処までガラクタ漁りに来るでしょう。数日前に大きな戦闘が時ならまだしも沈静化した今ならと考える者はいる筈です。

 

だからこそ、ここ数日は日夜ガラクタ漁りに精を出していたソラでしたがそれも限界でした。廃墟付近のガラクタは可能な限り拾い集め終わり、これ以上集めるには廃墟から離れなければならず危険を伴うものとなるでしょう。そんな感じに見切りを付けたソラでしたが結果は上々、多くの使えそうなものをガラクタの中から見つける事が出来ました。

 

しかし喜んでばかりもいられませんでした、何故ならガラクタの中には今のソラでは活用しきれない物が幾つも入り込んでいたのでいたからです。

 

それは銃です。

 

それは血で汚れたり、大きく破損しているものもありますが、それは紛れもなく銃であり、無我夢中で集めたガラクタの中に幾つもありました。流石に新品のの様な物は無く何れも傷や汚れが目立ち、使えるもは限られてくるでしょう。それでも此処には多く無法者の死体と共にそれなりの量の銃器が破棄されていました。それに合わせて大量の弾薬も意図せず手に入れる事が出来ました。

 

それがソラの頭を悩ませました。例えば自動拳銃、小口径で、低威力とはいえ何とか今のソラでも使えそうな代物です。しかし、銃本体が拾い物であり、銃弾も同様です。

 

「暴発が怖いんだよな……」

 

しかし安全は保障されていません。引き金を引いたら銃弾が弾けず代わりに自分の手が弾ける、なんて可能性もゼロではありません。なので使いたくありません正直使いたくありません。

 

「でも捨てられない、面倒だな」

 

だからと言って捨てるのは非力なソラにしてみればあり得ません。なので当分の間は廃墟の肥やしにして、暇を見つけては銃の分解と整備の教材として使うのが関の山でした。

 

それでも切り札の一つにはなるでしょう。本職の無法者達にではなく自分と同じような貧民街出身者には脅しとして使えます。

 

そんな感じでガラクタを選別していればあっという間に時間は過ぎ去っていきました。

 

空腹を訴える胃袋には激マズワンコの肉を押し込みながら使えるものは引っ張り出していき使えないものは取り敢えず隅に積み上げておく忙しい一日。そのお陰で住処と化した廃墟も多少はマシになってきましたが解決していない問題はまだまだ沢山あります。

 

しかし解決したことも少なからずあります。今日であれば集めた衣類で作った即席の寝床であり、素材が優秀なのか冷たいコンクリートの床に直置きしても冷たくありません。

 

これで漸くコンクリートの冷たさに震えて眠らなくて済む、それが本日のソラの最大の収穫でした。

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