代理人の異常な愛情、または如何にして私は心配するのを止め戦闘を愛するようになったのか。 おまけ集   作:イエローケーキ兵器設計局

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Twitterでの企画(?)中に思いついた小話。
…こんな感じでどうでしょうか?

企画↓
https://twitter.com/YCDO_PRO/status/1294245646522671105?s=19
実際にあった会話
https://twitter.com/station_captor/status/1294253083103358982?s=19


glacier girls 〜氷河少女〜

『CP、こちらフォックストロット1!災獣の射撃によりARMS損傷、我不時着セリ、至急救助を求む!』

「……こちら(ザザツ)かい……ひょう送レ。」

『座標は…(プツッ)(ツーー)』

「Ruth、無線機壊れた。」

『ついてないね。』

「ついてない。」

「あのクソリセッターが居なければ…」

『僚機とも逸れちゃったし…』

『どうしよう…』

 事の顛末は赤色十月同盟学連の哨戒機開発の支援の為に既にレーダーポッドが開発されていたコルセアとPB4Y-2プライヴァティア(Privateer=私掠船)の3機で向かっていた時のこと。吹雪の中、高空を飛んでいると対空種「琥珀」型が現れて…迂回したら今度は補足種の大群…弱点を目指して迂回することによって罠に引きずり込まれてしまった。

 

「リベレーターさん無事かな?」

『プライヴァティアさんでしょ?』

「プライヴァティアさんか。」

護衛機である以上PB4Y-2に近づくリセッターを排除、近づけさせないのが仕事なんだけど天候がそうはさせてくれなかった。

 

 

「プライヴァティア!引き返すか!?」

これはコルセアの声。

「いや、進む。私が先頭に立つよ。援護を!」

これはプライヴァティアさんの声。

「了解!」

「こちらも了解!」

私達は猛吹雪の中、飛行を続ける。罠に誘い込まれてからか吹雪はより一層強くなっていた。

 

 

「Ruth、眠い。」

『Kelly、寝ちゃ駄目。』

確かコルセアとプライヴァティア…面倒くさい…リベレーターさんが逸れる前、それこそブリーフィングの時にもし不時着したときの対策を説明してた気がする…

『穴を掘ろう。風を凌がなくちゃ。』

 風が身体に当たらないように雪を固めながら穴を掘って風を防げるシェルターを作る。低体温は人間にとってもDOLLSの私達にとっても脅威である。

Kellyが寒さに負けて眠ってしまったらもしかしたら…そう思うと泣きたくなってしまった。でも泣く訳には行かない。私達は仲間を見捨てない。助けが来るまで、動けなくなるまで希望を持って堪えることを学連は要求した。そして兵士はそれを達成する事を義務付けられている。生きる。生きて帰るんだ。

 

 

 穴を掘り、小さな洞窟を苦労して作った。目印は未だ煙を吐くARMS。F型だからまだ見やすい方だとは思うけれど雪に隠れてしまったら同じだろう。

 

 

『被弾!どこから!』

「遊び足りないな…」

「よく聞け!RuthにKelly!不時着したら……クソっ!ブリーフィングで言ったことを忘れるな!必ず助けに来る!待っててくれ!」

どっちが言ったのかわからなかった。

 

 

 

 罠に誘い込まれてからか何時間経ったのか分からない。燃料の消費量で計算もできるかも知れないが逸れた瞬間の量は記録していなかった。

「コルセアさん、双子を探しましょう。」

『ええ。プライヴァティアさん、貴女は…哨戒用レーダーを。私は護衛に回ります。』

 地上をレーダーで走査しながら敵襲に警戒するという事はできない。警戒は護衛機の仕事である。

 そして、私達はすぐに見つけた。

『煙だ!』

「この近くにいる…?」

『見てくる!』

 高度を下げて雪面スレスレを飛行する。スキーを履いてこれば良かった。

「そこだ!見えた!」

『…居た!おい!この声が聞こえていたら目を開けるか手を振ってくれ!』

何も反応が無い。間に合わなかったか?

『あぁ…スキーを履いてこれば良かった…』

靴に仕込まれた降着装置の故障を覚悟しつつ雪の上に降り立つ。案の定雪に沈み前倒しに倒れた。でもこの双子の背負った苦痛と(あるかわからない)恐怖と比べればこんなもの屁でもないだろう。

『おーい!返事を!』

 

 

「おーい!」

声が、聞こえる。でも、もう身体は動かない。凍えてしまった。姉妹寄り添ってにじりよってくる「死」を迎える。あと数分もすればどちらも機能停止するだろう。また後で。

 

 

『間に合わないか…そうだ…』

 奥の手があった。JATO(ジェイトー)があるじゃないか。過積載状態での離着陸支援や短距離離着陸を要求される時に装着する小型のジェットエンジンがそれである。

『今行くぞ!』

 倒れた身体を起こし、JATOに火を入れて上向きに吹かす。よし、脚は抜けた。飛行機なら胴体着陸状態で滑って状態な訳だが。

 雪の中に二人して座っている。体温は…機能停止寸前。熱源は……

『プライヴァティア…いや、リベレーターさん!私を投げてくれ!』

「正気?」

『狂ってると思ってもやってくれ!』

リベレーターさんが速度のついた状態で私を掴んで投げた。私は雪の上を自重で固めながら滑り…

『到着した!おい、起きろ!』

 携行した発熱剤の封を開ける前に穴の壁と天井を補強…開封。

 二人を毛布に包んで外に出る。

『リベ!居る!?』

「遂に略したわね。居るわよ。二人は?」

『死にかけだ。どっちが近い?』

「地図が正しければ…赤色十月だな。」

『二人を運べる?』

「わかった。運ぼう。」

 P-38FのARMSを爆破して離陸。その間警戒しながら空中待機してくれた元B-24には感謝しかない。私達はたとえ死体でも連れて帰ることを信条としている。

 

 

数日後…

 私達は生き残った。機能停止寸前で運び込まれた私達は低体温症等の低温に関する知識を持つ学連の基に運び込まれた。消費された資材は哨戒機開発の為のデータで賄われたらしい。

 

「お目覚めかい?"glacier girls(氷河少女's?)"。」

『「"glacier girls"?」』

「ああ。君は氷河の中から助け出された。プライヴァティアには感謝するんだよ。一番心配してたからな。Kelly、君を除いた3人の中では、ね。」

私達はひとしきり笑った。

 

 あれから戦線に復帰してからというものARMSにはノーズアートが描かれている。P-40に書いてもらった記念のノーズアートだから消える度に書いてもらっている。あれから時間が経ってJ型になってもエンジンナセルにはglacier girlsと書いてあったりして。

 

 

 




矛盾や違和感、それこそ活かしきれていないところはご容赦を…

glacier girl…1942年7月15日に6機のP-38と2機のB-17がグリーンランドに不時着。搭乗員は全員救出されたものの、回収できずに放棄されたP-38のうちの一つ。飛行可能機である。
出典…https://www.warhistoryonline.com/military-vehicle-news/15-p-38-glacier-girl-pictures.html

R-18(orR-18G)仕様は書いたほうがいい?

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