アニポケ ガールズデイズ   作:R.N.

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エピソードカスミ
01


「アスカ……あんた、この世界の美少女カスミちゃんとの約束をすっぽかすだなんて…いい度胸してるじゃない?」

「いや、別にすっぽかしたわけでは……」

 

この小説を読んでくれてる読者の皆さんはじめまして。そしてもう間も無くさようならするかもしれない。

俺は今、目の前のオレンジ髪の少女に説教されている。

 

こんな状況だが、とりあえず自己紹介はしておいた方がいいだろう。

俺の名はアスカ。マサラタウン出身のトレーナー。

最初のポケモンのヒトカゲ…今はリザードンにまで進化してるけど、そいつを相棒に、双子の弟のサトシ、ニビジムのジムリーダーのタケシ、そしてハナダジムのジムリーダーのカスミ。この4人で旅をしている。

 

今日は旅の途中で立ち寄った街でカスミと買い物をする約束だった。しかし慣れない土地や諸々事情があって約束の時間に大幅に遅刻。親切な人に道案内してもらいなんとか合流したものの、

当然カスミは大激怒。そして今に至る。

 

「アスカとカスミのやつ、またケンカかよ?」

「ピカチュ〜…」

「まあ今回に関しては完全にアスカが悪いからな」

 

おいコラそこの外野2人。傍観者を決め込んでないで、このオコリザル並みに怒り狂うおてんば人魚から俺を救出してくれ、お願い!

 

「しかも、また知らない女の人にデレデレして…」

「い、いや、あの人はただ案内をしてくれただけで…ていうかまたってなに!?」

「なによ?話を逸らすつもり?」

「いやそういうわけじゃないって!」

「問答無用!」

「いだだだだだだ!?千切れる!カスミさん耳が千切れる!」

 

カスミのやつ、耳を思いっきり引っ張ってきやがる。これはあくまでもタケシの専売特許だから俺にまでするのはやめてほしい。

 

「俺も別に専売特許にしたつもりはないぞ!」

「タケシ?なに1人で叫んでるんだよ?」

「いや、何か失礼なことを言われた気がして…」

 

だから外野2人、人の心を読んでる暇があるなら大至急助けてほしい!

もう耳が限界だから!ほんとにお願い!

 

「ふん!しばらくあたしに近寄らないで!」

 

ようやく解放されたかと思えば、カスミは不機嫌なまま何処かに行ってしまった。

 

「ったくカスミのやつ…」

「まあまあ。カスミだって今日を楽しみにしてたんだ。しっかり謝って償うのが男ってものだぞ」

「そりゃまあ…そうなんだけど…」

「とにかく、はやくカスミに謝ってこいって。あんなんで一緒に旅するなんて俺嫌だぜ」

「ピカピッカ」

 

この能天気な弟め…人の苦労も知らないで…!あの状態のカスミを相手にするなんて生身でギャラドスに立ち向かうのとほぼ同義だぞ?俺にあの世への片道を踏めというのか?

……なんて心の中で文句を言ってはみたものの。俺が悪いのは紛れもない事実だし……

 

「仕方がない、ちょっと行ってくる」

 

「やれやれ、カスミも素直になればいいものを」

「なにがなんだ?」

「サトシには、まだ早いかもな」

「?」

「ピカチュ〜…」

 

相棒の鈍感っぷりに呆れるピカチュウだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、

 

「はぁ…またやっちゃったなぁ…」

 

カスミは近くの池の辺りに座り込み、深くため息をついていた。

アスカだって悪気があったわけではないのはわかっている。それでも怒らずにはいられないのだ。

実はカスミは、男を誘うというのは初めてのことだった。普段の自分ならしないようなことに緊張しながらも、意を決してアスカを誘った。

それ故に今日は乙女にとって一世一代の大勝負。そう意気込んでいたというのに、肝心の相手は遅刻した上に知らない女性に案内されてるという許しがたいものだった。

しかしそれとは別に、アスカを案内していた女性の姿を思い出した。

 

「アスカも、ああいうのが好みなのかな…」

 

背が高く、おしとやかで大人びた女性。お転婆で気の強い自分とはまるで正反対。

初めてアスカに出会った時にも、早とちりでビンタをするとという、今にして思えば第一印象最悪の出会い方をしてしまった。それ以降も度々嫌味な態度を取ってしまい、その度にか口喧嘩(というよりカスミが一方的に攻めて、アスカが一方的にやられてるだけ)が絶えない日々。

考えれば考えるだけ、自分の行いを思い出しては後悔して、どんどん気分が沈んでいくカスミ。

 

「ここにいたのかよ、カスミ」

 

気がつくと、そこにアスカがいた。

 

「…なによ。近寄らないでって言ったわよね?」

 

またキツい態度をとってしまう。本当は探してくれたことがすごく嬉しいはずなのに。自分の気持ちと違うことを言ってしまうのがますます嫌になる。

そんなカスミの心情を察してか否か、アスカはカスミの隣に黙って座り込んだ。

 

「まあ、なんだろ…ほんとにごめん…カスミは今日の買い物すごく楽しみにしてたってのに…」

「そうよ…ちゃんと反省してくれなきゃ、許さないんだから…」

「やっぱりそうだよなぁ…。あ、そうだ忘れてた、はいこれ」

 

懐から何かを取り出すアスカ。そしてそれをカスミに手渡した。

 

「これって?」

「買ったんだよ。水ポケ好きのカスミはこういうの似合うと思ったから」

「ふーん…」

 

キラキラと光るピンクのネックレス。

それはサニーゴの角で作られた特製ネックレスだった。

 

「これ結構高かったんだぞ?」

「女の子へのプレゼントに値段なんて言わないでよ…」

「俺はそういうのよくわからんからなぁ…」

「まあ、でも…ありがと」

「埋め合わせはまたちゃんとするから、今はこれで…」

「……うん」

 

2人の間に変な空気が漂っている。いつも強気なカスミが妙にしおらしいのも相まって余計に気まずさが漂っている。

 

「そろそろ戻るか。サトシたちが待ってる」

「それもそうね。あ、そうだ、アスカ」

「なんだ?」

 

振り返るとカスミは先ほどのネックレスを突きつけてくる。

 

「このネックレス、つけてくれない?」

「へ?いや、自分でつけれるだろ?」

「いいからさっさとやる!」

「は、はい!」

 

さっきまでのしおらしさは何処へやら。いつもの勝気な態度で強要してくるカスミ。その迫力に逆らわない方がいいと判断したアスカはネックレスを受け取ると、カスミの首にネックレスをつける。

 

「どう?似合ってる?」

「ああ、もちろん。選んだ甲斐があるよ」

「そっか…ふふっ」

 

自然と笑みをこぼすカスミ。その様にアスカは思わずドキッとした。

 

「さあ、みんなのところに戻るわよ!」

「え?ちょっ、ちょっと待てって!」

 

走るカスミの後を追う。今回の一件で2人の仲は微妙に縮まったが、これ以降いつものように口喧嘩する日々が待っているのは、また別の話…




アスカ
サトシの双子の兄。
猪突猛進で熱血漢なサトシとは対象的に、温厚かつ理知的な性格。しかし身を挺してポケモンを守ろうとするところはやはり兄弟。
タケシには及ばないものの料理もできる。絵が絶望的に下手。
困っている人がいたら最後まで付き添う性分なために、好意を寄せる女性やポケモンは意外と多い。
キャラクターモチーフは湊カツミ

アスカのポケモン 現時点

リザードン ♂
アスカがオーキド博士からもらった最初のポケモン。パーティの頼れるリーダー。
サトシのリザードンとはヒトカゲだった頃からの仲だが、現在では一方的にライバル視されている。

ゴーリキー ♂
見ての通りの脳筋だが、意外と冷静沈着でパーティのまとめ役。バトル前に必ずポーズをとりたがるクセがある。

ストライク ♂
荒くれ者だが義理堅い性格。自身のスピードに絶対の自信を持っており、相手を翻弄するバトルスタイルを得意とする。
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