01
「サトシ!なんであそこでアイアンテールなのさ!接近戦ではヤルキモノの方が有利なんだから、10まんボルトで牽制していくべきだよ!」
「何言ってんだよ!あそこは多少ダメージを受けてでも一気に攻めるべきだろ!?」
ホウエン地方と言う新天地で、一緒に旅をしているハルカの弟のマサトと、我が弟サトシのポケモンバトルについて喧嘩していた。
「サトシはいつも無鉄砲すぎるんだよ!もっとテクニックを重視しなきゃ!そうだよねアスカ!」
「え?なんで俺に振るの?」
「テクニックは根性でカバーできるんだよ!だよなアスカ!」
「だからなんで俺!?いや、別にバトルスタイルは人それぞれだろ?」
「「答えになってない!」」
「えぇ〜…」
事の経緯を説明すると、
旅の途中で出会ったトレーナーとサトシがバトルをすることになったが、結果はピカチュウが相手のヤルキモノをアイアンテールで倒してサトシの勝ち。
しかし、マサトはサトシのバトルに対して接近戦ではなく遠距離戦で戦うべきだったと意見した。
一方サトシはサトシで、自分には自分のバトルスタイルがあると譲らない。
正直もう見慣れた光景なのだが、2人の言い合いにいちいち俺を巻き込むのはやめて欲しい。
「ちょっと!サトシもマサトもやめなさいよ!アスカが困ってるかも!」
「いや、ハルカ…かもじゃなくて困ってるんだよ」
もっとはっきり言ってくださいお願いします。
「まあ、二人とも。喧嘩もほどほどにして、そろそろお昼にするとしようか」
「さんせーい!お腹ペコペコかも〜!」
さすがタケシ、昼飯を理由に事態をうやむやにしてくれた。いつも助かる。
というわけでランチタイムへと洒落込んでいく。
本日のメニューはサンドイッチ。
「うめぇ〜!」
「美味しい〜!」
そうだろう?タケシと共同で作った自信作だからな。
「にしてもさ、タケシがいなかったら今頃は缶詰め生活待ったなしだったよな。ほんとにありがたいよ」
「いやいや、アスカだって料理は一通り出来るだろ?」
「流石にお前には及ばないよ。ポケモンフーズ作りとかもやっと慣れてきたばっかだしな」
最近はタケシの指導のもと、リザードンたちに合った特製ポケモンフーズ作りに力を入れている。こう見えても凝り性なものだからついつい夢中になってしまう。
「ブイ!」
「ん?どうしたんだイーブイ?」
さっきまでピカチュウたちと一緒にご飯を食べていた俺のパーティーの新入りであるイーブイが足元にすり寄ってきた。
「ブイ、ブイ!」
「欲しいのか?」
「ブイ!」
元気よく鳴き声をあげて肯定するイーブイ。
このイーブイは、ジョウトを旅していた時に貰ったたまごから生まれた赤ん坊ポケモン。最初に見た俺のことを親だと思っているため、こうしてちょいちょい甘えてくるのだ。
「美味いか?」
「ブイ〜♪」
貰ったサンドイッチを美味しそうに頬張ってるイーブイ。その愛らしい姿を見るとすごく癒される。
「よしイーブイ、ブラッシングの時間だ」
「ブイブイ!」
手に持ったブラシを片手に、膝に乗ったイーブイの毛をとく。
イーブイも女の子だからな。身嗜みはしっかりしとかないと。
「ブイ〜…」
か、可愛すぎる…!うちの子が可愛すぎる!…我ながら親バカだなこれ…
「……いいなぁ」
「ん?何がいいんだ?」
「えっ!?いっいや別に!な…んでもないかも///」
「いや、その反応は明らかに何かあるだろ?」
そんなあからさまに顔を真っ赤にして誤魔化せると思うたか?残念だが俺は誤魔化されんぞ。サトシは別だろうけども。
「お姉ちゃんもしかして、イーブイが羨ましいの?」
「わぁぁぁ!!!マサト何言ってるの!!全然そんなんじゃないんだから!!!」
ハルカが大慌てでマサトの口を塞ぐ。
ほんとにどうした?イーブイが羨ましい?あ…もしかして…
「なるほどそういうことか」
「え!?」
「ちゃんと言ってくれればよかったのに。恥ずかしがることないって」
「そんな…でも…えぇぇぇ!?」
「ほら」
俺は余ってたサンドイッチをハルカに差し出す。
「……へ?」
「サンドイッチ、まだ食べ足りなかったんだろ?俺の分やるよ」
ハルカが人よりたくさん食べるのは周知の事実だ。俺もそこまで腹が減ってたわけでもないし、たいした問題でもない。
「「「「………」」」」
あれ?変だな…周りの空気が冷え切ってる。しかも何故か全員黙り込んでるし。
タケシとマサト、なに"やっちまったよこいつ"みたいな顔してんだ?
ってかハルカも俯いてるけど大丈夫か?
「あ…」
「あ?」
「アスカの……バカァァァァァァ!!!!」
「あべしっっっ!?」
突然ハルカからの強烈なビンタが俺の頬にクリーンヒット。曲線上の軌道を描いて地面に倒れ込んだ。
「サイテー!ニブチン!おたんこなす!信じられないかも!人のこと食いしん坊扱いして!!」
突然浴びせられる罵倒の嵐。
「もうアスカなんて知らない!うわぁぁぁぁん!!!」
「お姉ちゃん!?」
その言葉を最後に涙目のハルカは向こうに走り去ってしまった。
「おいアスカ!大丈夫か!?」
「ブイ!?」
サトシとイーブイがこちらを心配そうに覗き込んでくる。
「アスカ…お前またやってしまったな」
「ピカチュ〜…」
「タケシ…またって何…ガクッ」
タケシに哀れみの目を向けられながら、俺の意識はここでフェードアウト。
その後、機嫌を損ねたハルカをなんとかなだめたものの、女心を傷つけた罰とかで、買い物に付き合う(しかも全部俺の奢り)ハメになった。
女の子ってわからない…
アスカのポケモン。現時点
リザードン ♂
カイリキー ♂
ストライク ♂
イーブイ ♀
ジョウトで入手したたまごから生まれたイーブイ。天真爛漫でパーティーの癒し担当。まだまだ甘えん坊だが、バトルへの意気込みは十分。
このキャラとの絡みが見たいや、このキャラとこんなふうにしてほしいという意見のお持ちの方は是非リクエストください