アニポケ ガールズデイズ   作:R.N.

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エピソードヒカリ
01


「全くもう!本当にアスカってばっ」

「いででででででっ!」

 

そう言っているのは、シンオウ地方で一緒に旅することになったトップコーディネーターを目指す少女、ヒカリ。

只今絶賛お怒りモード。

その原因である俺は、消毒の痛みに耐えながら顔を引きつらせるしかなかった。

ヒカリはため息をつきながら、包帯を持った手を動かし、俺の腕へと巻いていく。

包帯を巻く度にヒカリから説教される。我ながらなんと情けないことか……

 

なぜこのようなことになっているかというと……

 

 

 

いつものように旅を続けていた俺たち。しかし…

 

「「「ナーッハハハッ!!」」」

 

と、高らかに恥ずかしい笑い声を上げてきたは、毎度お馴染みであるロケット団。

こいつらはあいも変わらずサトシのピカチュウを狙ってきた。

 

「早速、ピカチュウゲットだニャーっ!!」

 

そう言ってニャースが手元のボタンをポチッと押すと、あつらが乗っている気球から出てきたのは、これもお馴染み捕獲アーム。

 

「ピカ!」

 

大きな手は、一直線にピカチュウへと向かう。

 

「ピカチュウ!」

「任せろ!カイリキー!」

「リッキィ!」

 

ボールから飛び出したカイリキー。登場して早々、いつものようにビルドアップで自慢の筋肉を強調しつつパワーアップ。そして4本の腕で迫りくるアームを受け止め、粉砕する。

 

「「「んなっ!?」」」

「リキィ!」

 

驚愕するロケット団を尻目に、カイリキーはサイドチェストで上腕二頭筋を見せつけた。

 

「ったく、お前ら!いい加減つきまとうのはやめたらどうだ!?」

「うるさいわねジャリ兄貴!こうなったら、力ずくでピカチュウゲットよ!メガヤンマ、行くのよ!」

 

ムサシの投げたボールから、メガヤンマが飛び出す。

そして、早速ムサシが指示を出す。

 

「メガヤンマ、『ソニックブーム』!」

「ヤンガ!」

 

メガヤンマは羽根を羽ばたかせて、ソニックブームを繰り出す。

音速の衝撃波がサトシとピカチュウへ迫ってくる。カイリキーを向かわせようとしても間に合わない!

 

「あぶない!」

 

だから、1番近くにいた俺がサトシを突き飛ばした。

そのおかげで、ソニックブームは二人に当たらず、そのまま地面へと当たって消える。

 

「う"っ!」

 

だが一つだけ、俺の腕の腕に当たった。

傷自体は浅かったが、痛みで思わず疼くまってしまう。

 

「アスカ!」

「ピカ!」

「リキ!?」

「大丈夫か!?」

 

サトシ達が駆け寄ってくる。

 

「アスカ、血が…」

「かすり傷だ…問題ない」

 

血が流れる腕を押さえ、痛みに耐える。

 

 

「なんか、イヤな予感がするニャ…」

「「へ?」」

 

ニャースの言葉に、ムサシとコジロウはニャースを見た。

 

「イヤな予感?」

「なんだよ、ニャース。イヤな予感って?」

「わかニャイけど、何だかそんな感じがするニャ…」

 

いや、ニャースの言ってる事は正しい。

俺も今この瞬間、全身を悪寒が走り回っている…

そして悲しきかな、この予感は的中する。

 

「あんた達、よくもアスカに…!」

「グルァ…!」

「リッキィ…!」

「トルァ!」

「フィ…!」

「ソォル…!」

「ドラァ!」

 

ドスの効いたオーラが、辺りに漂う。

見れば、ロケット団の前に怒りの炎をメラメラと燃やして、ロケット団を睨み付けるヒカリ。

更にいつのまにかボールから出てきた俺のポケモンたちが、親の仇と言わんばかりの表情でロケット団を睨みつけている。

 

「あの、ヒカリ…みんな…?」

「ど、どうしたんだよ…?」

「ピ、ピィカ…?」

「2人とも、今すぐに逃げるぞ…!」

 

ヒカリとポケモンたちのただならぬオーラから、今この場にいる全員が本能的にヤバいと感じとった。

 

「ポッチャマ、バブルこうせん!!」

「ポーッチャマぁぁぁぁ!!!!」

 

ポッチャマのバブルこうせん(心なしかいつもより威力が高い。

 

「グルァァァァ!!!!」

 

リザードンのかえんほうしゃ(しかも最大火力)

 

「リッッッキィ!!!」

 

カイリキーのきあいだま(しかも生み出したきあいだまを殴って放つというちのカイリキーお得意のやり方で)

 

「トラァァァァイっ!!!」

 

ストライクのエアスラッシュ(しかもつるぎのまいで攻撃力を強化した上で)

 

「エェェェェフィィィィ!!!!」

 

エーフィのサイケこうせん(しかもねんりきでロケット団を拘束するというおまけ付き)

 

「ソォォォルっ!!!」

 

アブソルのあくのはどう(こいつもつるぎのまいで強化した上で)

 

「ドォォォォラァァァっっっ!!!」

 

ボーマンダのたつまき(まだちゃんと使いこなせないはずなのになぜか成功した)

 

いや、オーバーキルにも程があるだろお前ら!?

 

「「「ぎゃあああああ!!!」」」

 

大技の数々がロケット団の気球に直撃。大爆発を起こした。

 

「「「ヤなカンジ〜〜〜!!」」」

「ソォーーーーナンス!」

 

お約束のセリフとともに、あっという間に星となった。

 

「うそーん…」

 

女を怒らせたら怖いのはカスミやハルカの件で嫌というほど理解してはいたが、今回のヒカリはその上を行っていた。

 

そしてこの日、俺たち3人は固く誓った。

 

ヒカリを怒らせるのだけはやめよう。絶対に…と

 

 

 

 

 

 

ということがあり、ヒカリに怪我の手当てをしてもらっている。

別に手当てぐらい自分でできるのだが、ヒカリが"私がやる!"とわざわざ立候補。

さっきのこともあり、逆らったらなにされるかわからないという恐怖心があったので、されるがままである。

 

「大体アスカは、サトシにもっと慎重に動けとか言ってるくせに結局自分も無茶ばっかりして!少しは心配するこっちの身にもなってよね!」

「いや、ほんと、面目ない」

 

手当てしてもらいながらの説教。

助けを求めるように俺のポケモンたちの方を見ると、みんなヒカリに同意するかのようにうんうんとうなずいていた。

 

「全員ヒカリの味方かよ!?」

「当然でしょ!みんなアスカのことが心配なのよ!?少しは反省して!」

 

そういったヒカリは包帯をキュッと結んだ。

 

「いでっ!?ちょっ、キツくしすぎだろ…」

「男の子なんだから我慢する!」

 

お…おっかねぇ……そして何より情けねぇ……同い年の女の子に説教されるなんて恥ずかしいことこの上ない。頼むから早く終わってくれ…

 

「怪我だって、ひょっとしたら大きな怪我だったかもしれないんだよ?血だって出てたのに、それなのにかすり傷だとか言って…こっちは全然ダイジョーブじゃないっての!!」

「い、いひゃい!ほほをひっはるなっへ!」

 

おいなんだこの状況!?お前は俺の母親か!?

 

「本気で心配したんだからね…」

「…えっ?」

「アスカが困ってる人をほっとけないのは知ってる…!でも、もう少し自分も大事にしてほしい……本当に不安なの……もしアスカに何かあったら、あたし……」

「いや、あのっ、マジでごめんなさい!もうホント気をつけるから!なっ?泣くなって!」

 

えっ?えっ?なんで急に泣き出すの!?

なにこれ…俺が悪いの?俺のせいなの?俺が死ねばいいの!?

おいサトシ、タケシ!助けて……っていない!?どこ行ったあいつら!?

 

「本当に…?もう無茶したりしない…?」

「しないから!無茶したりみんなに心配かけたりしないから!」

 

頼むから泣き止んで!お願い!!

 

「…フフフッ」

「……はい?」

「アハハハッ」

「あの…ヒカリ、さん…?」

 

なんだ突然笑い出して……まさか…!?

 

「まさか…からかってたのか!?」

「だって…アスカったらすごく慌てるんだもん、アハハッ」

「はあぁぁぁぁ!?なんだそれ!?そりゃないだろ!?」

 

あーーーーー!!焦った!冗談抜きで焦った!!これだから嫌なんだよ女の子の相手って!!カスミ然り、ハルカ然り!俺こんなんばっかりか!!

 

「でもちゃんと謝ってくれたし、今回はこれで許してあげる。でも、また無茶しないでよねっ」

「はぁ……善処します……」

 

 

 

「2人とも、青春してるな〜」

「なあ、なんで隠れてる必要があるんだ?」

「ピカピ…」

 

 

 

因みに、後日アスカはまた怪我をしてしまい、ヒカリに説教されるのだが……それはまた別の話……

 




エーフィ ♀
イーブイが進化した姿。
進化した影響で天真爛漫から一転、大人びた性格になった。しかしアスカへの甘え癖は相変わらず。

アブソル ♂
ホウエンのジラーチを巡る事件の際にゲットしたポケモン。
群れることをあまり好まない性格だが、主人であるアスカには忠実。

ボーマンダ ♂
凶暴な見た目に反して、お茶目でおっちょこちょいな性格。
まだ自分の力をコントロールできていない半人前のドラゴン。
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