異世界無差別配信ラジオTS之型   作:ぴんころ

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第三回

 リセットに二人が立ち会ってからすでに数日。

 毎日のように起こるリセット。複数回観たことで、それに対してある程度の予想は立てられたのだが──あまりにも異常な現象を前に、それでも生徒たちの不安を煽らぬためにその情報自体は隠されている。

 だから当然、危険性がわからないという理由で外に出られないこの状況で、唯一可能な娯楽(イベント)に生徒の関心が向くのは当然のことだった。

 

『はい、そういうわけなので、第二回とわまじラジオっ! 出力過剰でスタートするよ!』

 

『始めちゃいますっ!』

 

 生徒たちに情報を漏らせぬ以上、そのラジオをやらないという選択肢は無く、こうして今日もラジオがスタートする。

 

 ”うわ、これって確かこのあいだの” ”あー……幻覚幻聴じゃなかったか……” ”ユーフォリアちゃんは可愛いなぁ……!” ”あれ、前回と違って制服じゃないんだ”

 

『ああ。せっかくラジオを届けるならば、パーソナリティーにあてがう見目麗しい少女たちは着飾ったほうがいい、と言われたからね』

 

 くすり、と小さく笑いながら口にした通り、幸とユーフォリアの服装は物部学園のものではない。

 幸は白いブラウスに膝丈の紺のスカートというシンプルな格好。ユーフォリアの方もシンプルに黒いTシャツと紺のショートパンツでボーイッシュに。

 ラジオを全世界に繋げる直前に着替えた二人の格好は、素材の良さを活かすような形。

 

『そういうわけなので、今回のパーソナリティーもあたし、ユーフォリアと』

 

『高柳幸の美人姉妹でお送りするよ』

 

 ”前回といい、こいつ自意識過剰じゃね?” ”割とマジで美人だから困る” ”あの目に見下されたい……見下されたくない?” ”切り抜きしてアップしたいから変な配信じゃ無くて普通に配信してくれ”

 

『あっはっは、それは無理だね。何せこれはぼくの永遠神剣の力で君たちの魂に強制干渉(ハッキング)を仕掛けているようなものなんだから』

 

『えっと、そういうことなのでごめんなさい。あたしたちのラジオは見て、聞くことはできても見直す、聞き返すことはできないんです』

 

 ”ハッキング!?” ”え、なんか一気に怖くなったぞ……” ”でもユーフォリアちゃんが可愛いのでオッケーです” ”ユーフィー、俺たちの防御を抜けるくらい強くなって……”

 

 幸の永遠神剣の力。ユーフォリアがラジオを全世界に届かせる出力を担うなら、幸は声を届けるラジオ部分を担っている。ユーフォリアの出した力に指向性を与える役割。

 その基本は永遠神剣間の思念の遣り取り。パソコンなどを利用することでコメントを受け取りながらも、その実パソコンすらも必要ない。

 ただ、全世界に向けられた思念が一気に頭の中に入り込んでパンクするだけだ。

 

『さて、それじゃあ第二回のラジオが始まったわけだけど……』

 

『正直な話、何をするのかまだ決まってません!』

 

『ということで、今回は生徒から募集した”やってほしいこと”を書いたハガキの中から選ぼうと思う。あまりにも酷いものはアウトだけどね』

 

『スタッフさーん』

 

 傍に控えていた生徒会の役員がユーフォリアの声に応じて、事前に生徒たちから集めていたハガキをまとめた箱を持ってくる。

 それにふにゃりと笑顔を浮かべて「ありがとうございます!」と元気よく口にしたユーフォリアにつられ笑みを浮かべたところで、少女を膝の上に乗せた幸のインターセプトが入った。

 鋭い眼光で睨まれた生徒はすごすごと戻り、隣の役員に慰められているのだが、そんな光景は目に入っていない視聴者たちは一瞬の殺気にコメントを加速させている。

 

 ”うわ、なんかイケメンな……” ”百合の男性の方” ”かっこいー”

 

『もう、ダメだよおねーちゃん』

 

『ユーフィーに手を出そうとする輩は全員敵だよ』

 

 ”溺愛してる” ”初めて意見があったな小娘” ”ユーフォリアちゃんの知り合いっぽい人、今日もキレてる……” ”なるほど、こういう形でコメントするのか。……久しいな聖賢者” ”な、お前は!?” ”なんか因縁の戦いっぽいことも始まってる……” ”賢者(笑)”

 

 流れるコメント欄に心臓によろしくないコメントが見え始めたところで、役員に与えられた箱からユーフォリアがハガキを一枚取り出す。

 

『えっと、ハンドルネームN.Nさんですね!』

 

『N.N……あーなんとなく察したよ。大変だねあの後輩……』

 

『私には好きな人がいます。幼馴染の彼は仮称Nくんとしますが、Nくんは私の気持ちに気がついてくれません。もしかして私の伝え方が悪いのかとも思いましたが、クラスの友人からすれば私の気持ちは見ててバレバレなレベルらしく、クラスメイトの方でも何やかんやで話題になっています。どうしたら気がついてもらえるでしょうか?……だって』

 

『ぼくの想像通りの人物だったら無理、諦めろとしか言えない、かなぁ』

 

『もう、考えもせずにそんなこと言うのはダメだよ!』

 

『普通なら距離を詰めて告白しろ、って言うところなんだけど……』

 

 今回の相談では生まれた時から幼馴染。距離はもうこれ以上ないほどに詰まっている。

 ならば距離を詰める余地のある外部の人間がNくんに手を出そうとした場合はどうなるのかと言われると、Nくんはやはり気がつかない。

 ユーフォリアが読み進めた詳しい内容を聞いて、ポツリと一言。

 

『こいつ、鈍感ハーレム野郎だろうしねぇ……』

 

『……?』

 

『真面目に答えるなら、幼馴染ってことでNの方は家族と同じ距離感で見ているのかもしれないよ。もう、こうなると最悪の場合はキスとかしても親愛の証と捉えられかねないので、相手の意識をガツンと変える一手を選ぶのがいいと思うな』

 

『おおー』

 

『ただ、その一手の内容次第では即ゴールインってことにもなりかねないことは気をつけておいてね』

 

『……? それは別にいいことだと思うけど』

 

『いや、ダメだよ。それは……あー、うん、そうだね』

 

 ユーフォリアに、ここでいう”一手”……要するに責任を取らせなければならないようなことを教えるわけにもいかず。

 少し言葉に悩んでから、幸は続きを紡ぐ。

 

『自分の好きだって気持ちに気づいてもらって、その好きに対して好きって感情で応えてほしいのに、責任感で応えられるのは嫌だろう、ってことさ』

 

『おおー!』

 

『ユーフィーも大きくなれば、これくらいはすぐに出てくるようになるよ……多分』

 

 ぱちぱちと拍手するユーフォリアを、純粋な尊敬の目に気恥ずかしさを感じる幸がわしゃわしゃと頭を撫でる。

 小学生、あるいは中学生程度の見た目の少女は、精神年齢もまた見た目に見合ったもの。

 唯一見合わぬのは実年齢だけ。生まれた時から不老の少女は、今の見た目になるまでにすでに数百年。

 時間の流れの規模が違う以上、最終的に彼女の方が恋愛相談、及び恋愛経験の蓄積が多くなり幸を超えて詳しくなるだろうというのは当然の思考。

 

『うん、それじゃあ次の質問に……といきたいところだけど。無理みたいだね』

 

 ”あれ……?” ”なんか音が聞こえづらい?” ”なんか今変な音入らなかった?”

 

 ザザ、とノイズが走る。

 パソコンをはじめとした機材には不調はなく、それ以外の何かから響いた音の正体は、学校であればあって当然のチャイム。

 

『あれ、これって……』

 

『集合だろうね。……そういうことなので、このラジオを続けてるわけにもいかなくなったのでここで今回は切らせていただきます』

 

『また今度、ちゃんと配信しますねー』

 

『というわけで、今回もここ”未来の世界”より元の地球へ向けての配信でした』

 

 ぷつん、と映像が途切れる。

 スイッチが切られたところで、前回とは違い永遠神剣を召還する形でそれぞれの武具に絡みついたコードを取り外して、二人は生徒会室へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 この『未来の世界』は、本来ならば来なくてもよかった世界である。

 だが、この世界に彼らを導きたかった敵がいて、その敵を見過ごすことができないというのが物部学園生徒の総意であって。だからやってきた、敵となった最後の生徒を迎えるために。

 

 『未来の世界』に降り立った神剣使いたちは、普段に比べて格段に降り立った世界への注意を払っている。

 どんな細かな異常も見逃さない、という覚悟で数日の散策。それだけの時間があれば、『未来の世界』で起きている現象が如何なるものか、ある程度の予想を立てることは可能だった。

 

 もとより、敵によって導かれた世界である。

 だから、この世界が何も問題などない普通の世界である、なんてことを思っている人間は誰もいなかった。

 けれど、一日が終わるたびに住民から記憶を消去される世界だと思っている者もいなかったことは事実で。

 

「この世界は、一日に満たない時間を永遠に繰り返している世界です」

 

 だから、より詳しい事実……この世界が一体どうなっているのか、どうして住民の記憶が消えるのかを聞いた時、神剣使いの集まった生徒会室が暗い雰囲気で包まれたのは、ある種当然のことだった。

 幸にとっては既知の再確認。それ以外の人間にとっては初めて知るこの世界の仕組み。

 

 されど、どちらも浮かべる表情はある程度は似通ったもの。

 

「貴方達がこの世界の外に出るには、次元鯨を押さえつける力の源、この世界の繰り返しを成し遂げる力を奪い取らなければなりません」

 

 古今東西、時間を繰り返す所業を行う理由なんてだいたい似通ったもの。

 表現の仕方は様々だろうが、一纏めにすれば『より良い未来を追求したい』から。

 そしてこの世界に関しては、それはとても切実なこと。

 

 繰り返しを終わらせた先の時間、この世界に待っているのは滅び。

 この世界の繰り返す一日は、滅ぶ直前の一日である。

 

 枯れた葉が木より落ちるように。増えすぎた枝を剪定するように。

 繰り返しを終わらせればこの世界も、滅ぶ。

 

「……」

 

 例えそうしなければならないとわかっていても、「はいそうですか。じゃあ滅ぼしますね」なんて言える人間が運良くいるはずもない。

 特に、物部学園に集った神剣使いはそのほとんどが世界を守るために戦った者達だから。

 お通夜のような雰囲気になったところで、これ以上顔を突き合わせていても建設的な案が出るとは思えないというリーダーの一言で、解散が言い渡された。

 

 そうして幸は個室に戻ることもなく一人、フェンスに背中を預け屋上から空を眺めている。

 

 考えるのは、この世界のこと。

 前世の知識として、この世界がすでに滅んでいることは知っていた。

 この世界から繰り返しの原因を取り除かないといけないことも。

 

「……」

 

 それでも、この世界の人間が普通に生きているとまでは思っていなかった。

 生きているのだから、どうにかして助けられないか、なんて思ってしまっている。

 この世界の滅びをどうにかできないか、なんて。

 

 空を、眺める。

 星の一つに至るまで人工の光で潰された、地球の未来に近しい世界の空を。

 世界を渡る巨大な鯨*1こと”ものベー”の背中に乗った学園の屋上でも、星は全く見えない。

 

「一つ、聞きたいことがある」

 

 屋上には自分以外誰もいないというのに、幸は言葉を零す。

 

「気づいていましたか」

 

「あれだけ気配を振り撒けばどれだけ鈍臭かろうと気づく」

 

 返答は背後から。

 幸が背中をフェンスに預けている以上、あとはフェンスの向こう側、足を踏み外せば落ちて死ぬような場所だけだというのに。

 けれど、この声の持ち主に限ってはそんなことありえないと断言できる。

 なぜなら彼女は守護神獣。物理法則など気にする必要はない。

 振り向けば、そこにはポケットに収まるサイズの少女の姿が。

 少女の名は、堕天使ナナシ。ものべーをこの世界へと導いた男、暁絶の持つ永遠神剣の守護神獣であり、リセットという現象について詳しい答えを持って来た存在。

 

「まあ、いいでしょう。こんな話をしていても仕方がありません。こちらも、聞きたいことはありますから」

 

「ふぅん……お前が俺にねぇ」

 

「それで、あなたの聞きたいこととは?」

 

「この世界について」

 

「……? この世界については先ほど語ったことが全てですが」

 

「この世界の存続は不可能なのか?」

 

「ええ、尋常な手段では。あるいは、『浄戒』に匹敵する力があればこの世界の繰り返しは続けることは可能かもしれませんが……」

 

「そんなものはない、か」

 

「いいえ、ないこともないです」

 

「なんだと?……いや、まさか」

 

 ナナシによる否定を聞き幸の中に一つの顔が浮かぶ。

 この世界がリセットの動力源としている『浄戒』は、幸たちが住まう時間樹……数多くの世界を内包した宇宙の中でも純粋な力としては最高峰。

 それを超える力など、この時間樹の中ではそう見つからないが──外から来た存在ならば話は別。

 

「ええ。ユーフォリア、と言いましたか。あの娘を使えば、もしかすれば可能かもしれませんよ?」

 

「いいや、それは無理だ」

 

「おや、試してもないのに無理だと言い切りますか」

 

「当然のことだろ」

 

 確かに、ユーフォリアならば可能かもしれない。

 だが、『浄戒』はこの世界を維持するために世界の中枢に存在するのだという。

 ユーフォリアが『浄戒』の代わりにこの世界を維持するとなれば、彼女は永遠にここに留まり続けなければならない。

 ならば、それは人柱と何が違うのだろうか。

 

「いいか。お前は知らないかもしれないが、あいつは俺の妹だ」

 

 ユーフォリアがそう呼んでいる以上、高柳幸はユーフォリアの兄である。

 

「だったら、俺はあいつの兄貴としてあいつを守るのが当然だろうが。あいつを使わないと滅ぶなら、滅んでしまえばいい」

 

 これが彼にとって大切なものだったならばともかく、見知らぬ世界が滅ぶ程度ならば悩むまでもなくユーフォリアを選ぶ。

 できることなら助けたいと思う気持ちに嘘はないが、それも一部の人間に被害が及ばない前提においての話。

 女性体になった時に前面に出てくるユーフォリアへの愛情をわずかに滲ませ断言したところで、幸はフェンスから背中を離す。

 この世界を崩壊させず、なおかつ他の世界への脱出ができるようになるためにはユーフォリアを犠牲にするしかない、という事実がわかっただけでも幸にとっては収穫だった。

 

「なるほど」

 

「で、お前の聞きたいことっていうのは何だ?」

 

「いいえ、そちらはもういいです。確かめたかったことは確かめられました」

 

「……そうか」

 

 その言葉を最後に、背後のナナシの気配は消え失せる。

 幸もこれ以上この場に留まる理由はない。

 屋上という、悩み事がありがちな人間が来る場所からはとっとと離れるとするか、と幸は屋上の扉を開いて──

 

「うぉっ!?」

 

「あぅっ」

 

 ごん、と開いた扉が誰かに当たった。

 

「すまん……ってなんだお前か」

 

 そこにいたのはユーフォリア。

 開いた扉がぶつかったのか額を手でさすっているので、ちょっと見せてみろと幸はその手をどかす。

 少女の額に触れた指先にほんのりとした光が宿り、それに触れたユーフォリアが気持ちいいのかふにゃりと相好を崩した。

 

「これでいいな」

 

「うん。ありがとう、おにーちゃん」

 

「……で、お前はなんでこんなところにいるんだ。そろそろ寝る時間だろう」

 

 時刻は、そろそろ日付が変わる頃。

 物部学園では規律を保つため、一部の例外を除いて就寝時刻も定められている。

 ユーフォリアは一応”例外”……神剣使いなのだが、それでも幼さを理由にその例外から外されていて。

 

 だからこそ、この時間帯にユーフォリアが屋上にいるのは珍しいことだった。

 

「えっとね、おにーちゃんに聞きたいことがあって」

 

「……お前もか」

 

「もしかして、あたし以外にも誰か来てたの」

 

「ああ。……で、お前が聞きたいことってのは?」

 

 どうせ、このタイミングで聞きに来るというのならば『この世界を滅ぼすかどうか』というところについて聞きに来たのだろう、と。

 ユーフォリアの誰が聞きに来たのか、と気にする表情を無視して本題に入ろうとする。

 

「おにーちゃん、大丈夫かなって」

 

「……は?」

 

 だから、少女の言葉は本当に意味がわからなかった。

 

「ここの皆は世界を守るために戦ってたんだから、世界を滅ぼすってことになった時に大丈夫なのかなって」

 

「大丈夫だ。問題ない」

 

「そうなの?」

 

「ああ。そういうお前はちゃんとできるのか?」

 

「うん、大丈夫」

 

 この世界に対して、彼らが取れる行動は二種類。

 『元の世界』に物部学園の皆を帰すためにこの世界を滅ぼすか。

 あるいは、『元の世界』に帰ることを諦めてこの世界が滅びるまで繰り返しに付き合うか。

 

「物部学園の人は皆いい人だもん。あの人たちが帰れないのはダメだよ」

 

 そして、それを知った上で物部学園の味方をすることを選んでいる。

 自分にとってどちらが大事なのかを考え、ユーフォリアはこの世界を滅ぼすと決めた。

 少女にとっては、物部学園の方が「大切」だから。

 ユーフォリアは、その大切が元の世界に帰れないというのならば、この世界を滅ぼすための戦いすら選べる少女だった。

 

「そうか……」

 

 その信念はとても強固。見た目は幼く、精神年齢もまた見た目相応の少女が持っていいものではない。

 だが同時に、生きて来た年月と蓄積された経験は物部学園の誰よりも長い少女でもある。

 そんな彼女の信念が幸の言葉一つでどうにかなる程度のものであるはずがない。

 

 だからそれ以上、何かを口にすることはできなかった。

 

*1
守護神獣と呼ばれるもの。永遠神剣の意思に形を与えた存在。





・聖賢者
 前作主人公、高嶺悠人のカオス・エターナルの一員としての名称。フルだと聖賢者ユウト。
 (珍しく!)剣型の永遠神剣、第二位『聖賢』の契約者。『聖賢』の固有能力はその知識。正確には、知識にユウトが意識を接続することで、彼の知識の中にある技術をまるで自分のものであるかのように扱える。ユウトの最強技、コネクティドウィルはこの能力あってこそ。
 ちなみに親バカ。超親バカ。

・聖賢者呼びした人
 前作の敵の人。

・N.Nさん
 聖なるかなのヒロインの一人、幼馴染枠。槍型永遠神剣、第六位『清浄』の契約者。貧乳。
 彼女がいなければもっと悲惨なことになっていた。けど貧乳。
 物部学園ごと生徒を運んでいる守護神獣、ものベーは彼女のもの。これがなければ、「生活圏がない」「生徒も無数の世界に散り散りになっていた」「世界を渡る手段がない」という、ある種の地獄。
 自分のルートでは、貧乳ではなくなる手段を発見したにもかかわらず、貧乳のままにされてしまったので、自分たちのリーダーに貧乳フェチなのでは……?という疑惑を与えることになった。

・幼馴染のNくん
 原作主人公。鈍感ハーレム野郎。双剣型の永遠神剣、第五位『黎明』の契約者。
 彼がいなければ原作は始まらない。というのも、まだ永遠神剣に目覚めていない彼を殺すために大量の兵士が送り込まれた際、彼が目覚めたことで物部学園は別の世界に飛ばされたのだから。
 だが、彼が悪いのかといえばそうというわけでもなく、「自分がいると皆を危険に晒してしまう……!」なんて口にする高校生は厨二病と思われるだけである。当時、永遠神剣関係の実害は、Nくんの頭痛ぐらいだったのだ。

・守護神獣
 時間樹エト・カ・リファにおける特殊ルール。
 永遠神剣一つに対して一つ、永遠神剣の意思に契約者の深層意識から読み取った形を与えたもの。
 名称は神獣なのだが、堕天使だったり、天使だったり、ゴーレムだったり、色々とある。
 ちなみにユーフォリアの神獣は双子龍。「青の存在、光の求め」。これは両親がカオス・エターナルに属する前に持っていた永遠神剣にまつわる名前。
 ちなみに、一人が二つの永遠神剣と契約した場合「永遠神剣に対応して別々の神獣が現れる」のか、「形が同じだけれど性格が違う神獣が現れる」のか、あるいは「神獣が増えない」のかは謎。

・浄戒
 原作主人公のカットイン技。正確には、これを獲得したことでSRPGパートでのカットイン技、『ネームブレイカー』を習得する。
 詳しい説明はまた今度。

・リセット
 未来の世界はすでに滅んでいる。滅んだ世界を滅ぶ1日前を繰り返すのは、そうすることで時間を稼ぎ、この世界が滅ばない未来を獲得するため。
 そのための動力源こそが、原作主人公の代名詞である『浄戒』であり、それを行なっているのがこの世界の中心、セントラル。そして、セントラルとは、スバル=セラフカの母でもある。
 リセットについては謎が多い。SRPGパートを見れば「世界ごと時間を戻している」ようにも見えるし、ものベーの中には通用していないことを考えると「『未来の世界』の人物だけに影響している」ようにも見える。
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