ステラがビショウによって脱ぐことを強制されステラが下着を脱ごうとしたその時、上から男が落ちてきて、その後を追って八幡も降りてくる。
男はなんとか足から着地しすぐさま後ろに跳び、八幡は着地とともに男が移動した方に移動しようとする。その途中で八幡は珠雫の方をチラッと見ると伐刀絶技を発動させようとしているのを確認し、大声で伐刀絶技の発動を促した。
「黒鉄妹、準備している伐刀絶技を使え!」
「障波水蓮!」
八幡の大声に反応し、珠雫は伐刀絶技を発動させ人質たちの周囲に水の壁を展開する。そして八幡は足元の影を立体化させ手の形に変えるとテロリスト達へ向けて放った。攻撃を吸収することができるビショウの方を手動で操作し、その他のテロリスト達を自動で攻撃させている。
「
テロリスト達は影で縛られるがビショウと男はそれぞれ大法官の指輪と、指先から出された鉄線で防ぐ。
「第7秘剣・・・雷光」
一輝はあらかじめ2階で伐刀絶技の一刀修羅を発動させ、その状態で2階から駆け降りビショウに接近すると八幡の伐刀絶技を防ぐのに手一杯なビショウの左手を斬り落とした。
「がぁぁぁぁっ!!」
能力で作られた影の腕を左手で吸収していたことから考えて攻撃を吸収する能力だったんだろうな。目で見えるものでなければ吸収できないとかいった感じのやつか。それとさっきまで俺と戦っていたやつは逃げたみたいだし、こいつらは組織的に用済みってことか。
「てってめぇよくもっ」
「お前がステラにやったことを考えればこれでも生温いくらいだ」
おおー、黒鉄のやつ怒ってるなぁ。まあそれも仕方ないか、ヴァーミリオンの服をひん剥いて見世物にしてたし。
「くっ、このガキィッ!んぐっ」
ビショウが大声を上げようとしたときビショウの影に短剣型のデバイスが刺され、動けなくなった。
「はい、お遊戯の時間は終わり」
「くっクソがっ!おいっ誰でもいい!こいつらを」
自分も捕らわれ伐刀者も他にいないっていうのに諦めが悪いなこいつ。
「比企谷くんがお仲間を全員捕らえたから助けなんて来ないわよ?もう1人いた伐刀者もとっくに逃げたしね」
アリスの言葉に周囲を見渡したビショウは仲間たちが全員気絶させられていることに気づくと項垂れた。
「ステラ!」
「え!?な、なに?どうしたの一輝?」
ステラは一輝が一刀修羅を解いて自身を抱き締めてきたことに驚くが冷静さを取り戻し柔らかい声でどうしたのと問いかける。それに対して一輝は静かに謝る。
「ごめんよ・・・本当にごめん」
一輝の謝罪にステラは抱き締められたまま一輝の名前を漏らす。
「イッキ・・・」
さっきまで戦闘があって張り詰めた空気だったのに一瞬にして壊したなこいつら。このボッチの俺にイチャコラ見せつけやがって、このリア充がっ。
俺の心の声と同じ事を思っていたのか黒鉄妹も若干呆れているようだ。いや、呆れていた。
「まったく軽率にもほどがあります。なんの考えもなしに飛び出すなんて・・・でも、立派な行動だったと思います」
「そっちこそみんなを守ってくれたじゃない」
珠雫が姑のように小言を言うがすぐにステラを讃える。そしてステラも珠雫の行動のおかげで被害をある程度気にせず戦うことができたと珠雫を誉めていた。そして一輝は二人の様子を眺めていた。その瞬間一輝は体の力が抜け足元に片膝をつく。一刀修羅の反動だ。
「心配するなヴァーミリオンと黒鉄妹、これはただの伐刀絶技の反動だ。時間が経てば回復するぞ」
「そうなのね」
「そうですか」
ステラと珠雫が一輝に近寄ろうとするが一輝の様子を見抜いた八幡が反動でこうなっていることを伝えると二人は平静を取り戻した。
さて、革命軍の使徒の1人には逃げられたが実行犯の男の方は無力化したし一件落着か?
そう思っていた俺は人質達の方を見たその時1人の女から悪意が発せられた。悪意を感知した八幡はすぐにその場を移動し影の能力を使って女をいつでも拘束できるように準備を整えた。
「全員動くな!余計なことをしたらこの女を殺す」
女は近くにいた女性に銃を突きつける。八幡の後にその事に気づいたステラ達は動きが止まり驚きの声が漏れる。
「人質の中に紛れていたのはお前達だけじゃなかったんだよマヌケが!」
しまったな。人質の中に仲間が混じっている可能性があることを忘れていたわ。俺は伐刀絶技で咄嗟に影を身に纏って影を薄くしたから大丈夫だと思うが他のやつは動けないだろうな。
そんなことを考えながらも状況は進んでいく。女がビショウを解放することを要求し、ステラ達は女の要求を呑むしかなく困惑していた。そしてこのままでは埒が明かないと判断した八幡は女を拘束するため動き出そうとした時だった。
「射貫け・・・朧月」
蠱惑的な男の声が響き女の銃を持った手と背中、ビショウの手や肩を魔力でできた矢が貫いた。その間姿はおろか、気配や匂いすらも感じ取れずただ矢が放たれるのを見ているだけだった。
「なに?今のどこから!?」
ステラと珠雫は突然の出来事に周りを見渡す。しかし周囲には矢を放った人間の姿や気配は感じられない。そんなことができるやつは俺の記憶では1人しかいないな。そいつの名は
「桐原くん・・・」
「・・・桐原」
八幡と一輝の言葉と同時に出てきたのは紫がかった髪色の青年・・・桐原静矢だった。