腐り目騎士の英雄譚   作:月村手毬ちゃん親衛隊

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時間に余裕があり、すぐに投稿することができました。


狩人との邂逅

「手柄を横取りするなんてこの僕の好みじゃないんだけどねぇ」

 

 

「思ってもないことを平気で宣うんだな桐原は」

 

 

この男の名前は桐原静矢(しずや)。覇軍学園の2年で学園の次席だった者だ。俺の次に入試の成績が良く、学園内でも有名な男だ。そして学園でも上位に位置するほどモテる。俺はただ首席というだけで有名でもなんでもないため声をかけられることはほとんどないのだ。桐原みたいにモテたいとかそんなことは欠片も思ってないからな?本当だからな?・・・ちっリア充は爆発しやがれ。

 

 

とまあそれはさておき、目の前にいる桐原は次席であり前年度の七星剣武祭の覇軍学園の代表だ。おそらくここにいるのは友達と遊びに来ててテロに巻き込まれたからであろう。そして来ているかどうか定かではない友達を置いてここに来たのは騎士としての自覚があるからであろう・・・そうであると信じたい。

 

 

「おや、そこにいるのはヒキタニくんじゃないか。君は僕を差し置いて首席になっているというのに落第だなんてそこにいる黒鉄くんと一緒にいるからではないのかい?首席には首席の、落第生には落第生にふさわしい立場というものがあるんじゃないかい?みんなそう思っていると思うよ」

 

 

・・・騎士としての自覚があるとはとてもではないけど言えないな。

 

 

「みんなって誰だよ。みんなの中に俺が入ってたことなんて一度もねぇよ」

 

 

八幡の軽口めいた重い発言に周りが無言になる。それは目の前にいる桐原も同じだった。

 

 

「・・・それはともかくとしてだ。俺が誰と一緒にいるだとか桐原には関係ないだろ。そんなくだらないことを俺に言う暇があるなら友達のところにでも戻っていったらどうだ」

 

 

 

「まあ、それもそうだね。じゃあ戻る前に黒鉄くん」

 

 

八幡にいっていた視線が一輝に向かう。そして八幡と喋っていたときの雰囲気とはうって変わって一輝を明らかに蔑みながら口を開く。

 

 

「君、まだ学校にいたんだ。あれだけ痛い目を見た上に学園の授業すら受けられず留年したというのによく頑張るね。僕だったら恥ずかしくて退学してるよ」

 

 

「そうまでしてでも叶えたいことがあるからね。こんなところで立ち止まってはいられないよ」

 

 

「ふーん」

 

 

一輝の言葉に興味無さそうに鼻を鳴らす。そして心底バカにした声である言葉を放った。

 

 

「でもさ、一般人と大して変わらないその惨めったらしい力でなにを叶えられるというんだい?」

 

 

桐原の言葉に我慢できずステラが桐原に詰め寄ろうとした。

 

 

「ちょっとアンタいい加減にしなさいよ!」

 

 

「ステラ!いいんだ」

 

 

しかし一輝に右手で止められステラは立ち止まる。しかしステラは桐原の言葉に腹を立てたままだった。

 

 

「良くない!イッキは強いんだから!アンタなんかイッキの足元にも及ぶもんですか!」

 

 

そしてステラの発言に桐原は固まる。そして少しして復活した桐原が大声で笑いだす。

 

 

「・・・フッ、アハハハッ、ハハハハッ!!」

 

 

「な、なによ」

 

 

桐原の笑い声に一瞬呆けすぐに桐原が笑い出したことを咎めるが桐原は笑い続ける。そしてひとしきり笑うとステラに一歩近づき言った。1年前のことを。

 

 

「これは傑作だ、自分のことを随分と格好よく吹き込んでいるみたいだねぇ・・・ちゃんと教えないとダメじゃないか・・・君がかつて僕と戦うのが怖くて逃げ出した臆病者だということをさ」

 

 

桐原の言葉に一年前のことを思い出した八幡が目をさらに腐らせた。八幡は当時のことを知っているため目を腐らせただけで動揺はしていないが、ステラは思いがけない言葉に動揺する。そして桐原は思い出したことがあったのか話を切り替える。

 

「そういえば、生徒手帳は見たかい?」

 

 

切り替えられた話に出てきたのは生徒手帳を見ろという一言。一輝はポケットの中のデバイスを取りだし電源を入れる。そして届いていたメールを確認すると七星剣武祭の予選の相手の名前があった。

 

 

『黒鉄一輝様。選抜戦第1試合の対戦者は2年3組桐原静矢様に決定しました』

 

 

桐原静矢と。

 

 

「見たかい?そう、君の一戦目の相手はこの僕、去年七星剣武祭で覇軍の代表を務めた桐原静矢だ。今度は逃げないでくれよ、落第騎士(ワーストワン)

 

 

最後に七星剣武祭の初戦の相手が自分だということを伝えるとガールフレンド達を連れてショッピングモールを出ていったのだった。

 

 

 

 

その後、警察に事情聴取されたり人質だった人たちにお礼を言われたりして時間を多く消費した俺たちは遊ぶといったことをしようとは思えず、結局このまま現地で解散になった。俺はヴァーミリオンの護衛であったため、ヴァーミリオンのルームメイトの黒鉄を含めた三人で寮へと戻った。そして二人と別れて自分の部屋に戻ると生徒会長の東堂先輩が戻ってきていた。

 

 

「比企谷くんお帰りなさい。今日は大変でしたね」

 

 

ショッピングモールでの出来事については既に知っていたようで帰って来ると東堂さんに労われた。

 

 

「え、えぇ。解放軍の使徒と戦いはありましたが傭兵時代に比べると楽でしたので問題はありませんでしたよ」

 

 

俺は小さい頃に両親を亡くし、それからは妹の小町を守りながら国を転々としていた。その時に比べれば休む時間もしっかり取ることができていて、危険も当時に比べれば少ないため肉体的にも精神的にも楽だ。

 

 

「そうですか。今回の件で魔導騎士連盟も比企谷君の強さを把握したことですので特別召集がかかることもあるかもしれませんね」

 

 

俺にはヴァーミリオンの護衛もあるから厳しいところではあるんだよな。まあ、あれ使えば同時に出来ないこともないしその時になったら考えるか。それに黒鉄もついてるし余程のことがない限り大丈夫か。

 

 

「それと、今日は色々と忙しかったようなのでデバイスの方はまだ見ていないですよね?」

 

 

「はい、まだ見れていないですね。それがどうかしましたか」

 

 

「いえ、七星剣武祭の予選の組み合わせが今日発表で対戦相手の名前がデバイスに送られてきていますのでみてみたらどうですか?」

 

 

そういえば黒鉄の対戦相手が桐原だってことが送られてきてたな。それと同じ感じのやつが送られてきてるってことか。どれ、対戦相手は誰かね。

 

 

『比企谷八幡様。選抜戦第1試合の対戦者は大杉剛様に決定しました』

 

 

こいつは1年の始め頃の桐原の取り巻きか。桐原みたいに手は出さなかったが黒鉄が一方的にやられてたのみて笑ってたな。まあいいや、印象は薄いし向こうも俺のことなんて覚えてねぇだろ。

 

 

「見ましたよ。選抜戦2日目の第8試合でした」

 

 

「そうですか。比企谷くんなら余程のことがない限り負けないとは思いますが頑張ってくださいね」

 

 

生徒会長から直接エールを受けた八幡は頷くのだった。こうして七星剣武祭の選抜戦が始まっていくのであった。




話に一区切りできたので次のところで八幡の情報開示を行います。
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