失踪せず少しずつ進めていく予定なのでよろしくお願いします。それではどうぞ。
「今日も対戦相手の降参により1年Aランク比企谷八幡選手の勝利!これで選抜戦無傷の5戦5勝、腐った目と雰囲気のある構えで戦意を喪失させる様子はまさに
選抜戦の初戦が行われてから2週間ほどが経ち、俺は初戦以降一切戦うことなく不戦勝で選抜戦を5戦全勝していた。これまでの試合では1度もまともに戦っていないため良い二つ名が付けられず、最終的に
腐眼ってもっと他に良い二つ名があるだろ、ハッキリ言って腐眼はダサいわ。黒鉄の無冠の剣王とか見習えよ。
俺は自分の二つ名のダサさを嘆いたまま闘技場の外に出ると、先に外に出てきていたデネットさんや黒鉄兄妹と合流した。合流する時に3人がなにか話をしていたのを見た俺はなんの話をしていたのか気になり黒鉄に聞いた。
「なぁ、黒鉄。俺がいない間に3人でなんの話をしてたんだよ」
「二つ名の話だよ八幡。八幡の二つ名が腐眼ってどうなのかってね」
どうやら俺の二つ名の話のようだ。個人的にはダサいと思うが他の人から見たらどうなのか気になってつい聞いてみた。
「なぁ、俺の二つ名ってお前らから見てどう思う?」
「ダサいね」
「その二つ名はかわいそうだと思いました」
「面白いわ~」
なんとなく予想はついていたがやはり想像通りだ。他の人から見てもダサかった。もっと深く聞いてみると3人はこのように答えた。
「Aランクといったらそれは大層な名前になると思っていたけど、ただ外見の特徴を英語にしただけで強者感がなくてこんな二つ名でいいのかって感じだね」
「今まで能力を一切使わず戦ってきたとはいえ、これからついて回る二つ名は考えて決めるべきだと思いました」
「別にいいんじゃないかしら~。向こうでも同じように呼ばれてるんだし今更じゃない~?」
黒鉄兄妹は俺の二つ名にやや否定気味であるがデネットさんはどうやら肯定的なようだ。確かに前から腐眼なんて呼ばれ方してたし今更っていえば今更なんだよな。
「八幡は~自分の二つ名のことはどう思う~?」
「そりゃダサいと思うがもう決まったんだし変えようがねぇよ」
二つ名が腐眼だと実況されたのはたくさんの人がいるところだったため、新聞部の耳に入り記事で掲載されることになるのはほぼ確定だろう。その時までに心の準備をしておく必要があるのは秘密だ。
「それにしても黒鉄の二つ名が
「確かにそうですがお兄様が認められた証なので私のことのように嬉しいですっ」
黒鉄は黒鉄家から認められず、いないものとして扱われ周囲にバカにされてきた。そんな状況を黒鉄妹は間近で見ていたのだ。関わっていた時間が僅かしかない俺でも嬉しいのだから、その家族であり兄を慕っている黒鉄妹の喜びは更に大きいだろう。だが当人の黒鉄は目標の高さだけに気が抜けないようだ。
「二つ名が変わって強さを認められるようになってきたとはいえ、僕の目標は魔導騎士免許の獲得だから目標が達成されるまで一切油断はできないよ」
俺は黒鉄の言葉を聞いて少し力が入っているなと感じ、気を抜くように伝える。黒鉄妹も俺の後に続いて黒鉄の身を案ずる。
「黒鉄の目標が難易度の高いものだってことはわかってるが試合が終わったばかりの時くらいは気を抜けよ。まだ選抜戦は前半戦が終わったばかりなんだからな」
「そうですよお兄様。試合が終わったその日くらいは身も心も休めてくださいね」
「僕も少し肩に力が入りすぎていたみたいだよ。ありがとう八幡。珠雫も心配してくれてありがとう」
ようやく気を緩めたか。まったく俺だけでなく妹にまで心配かけさせるなよ。俺や妹の言葉に従って黒鉄が気を緩めたところで黒鉄妹がある疑問を俺にぶつけてきた。
「ところで、先程向こうでも同じような二つ名で呼ばれてるって聞こえたんですけどどういうことですか?」
聞こえていたのか。まあ俺と同じ領域には立っていないしそもそも敵って訳でもないからな。一部は教えてもいいだろ。
「いやなに、この学園に入る前とか学校に行ってない時とかは違う国にいたからな。その時に同じような二つ名で呼ばれたことがあるっていうだけだ」
学園にいない時の話をすると付け加えるようにデネットさんが俺の個人情報を一部ではあるがバラしてきた。
「そんなこと言って~。ハチマンくんは有名人でしょ~、向こうにいた頃は二つ名に釣られて1度に何十人もプロの伐刀者を相手にしていたじゃない~」
おい、それは言っちゃダメなやつでしょうが。普通に考えてただの学生騎士が何十人ものプロを相手に1度に戦えないんだしここは惚けておくか。
「ちょっとなにを言ってるかわからないな。俺がそんな強く見えるか?」
「強く見えるもなにも八幡はAランクだよね。それにここまで選抜戦を勝ち上がっているんだから弱いわけないよ」
「だとしても学生騎士が何十人ものプロを相手に戦えないだろ?」
「それはそうだけど・・・」
黒鉄的にはまだ納得いっていないだろうがここら辺で話を切っておくか。
「はい、この話はここで終わりだ。黒鉄の話に戻るが黒鉄は気を緩めるところは緩めて気持ちにメリハリをつけること、いいな?」
俺は半分強制的に話を打ち切ると一言言ってこの場を離れる。
「この後少し用事があるから俺とデネットさんはこの辺で帰るな」
「わかったよ。それじゃあ次は月曜日だね」
「比企谷君また今度」
こうして俺とデネットさんは黒鉄兄妹と別れるとデネットさんを泊まっているホテルへ送るのだった。