腐り目騎士の英雄譚   作:月村手毬ちゃん親衛隊

28 / 49
私事ですが3月に大学の卒業と就職先が決まりました。それにより一旦投稿ペースが上がると思われますが4月には投稿ペースが戻ると思いますので短い期間ですがよろしくお願いします


取材交渉 後編

あの後クラス担任である折木有里が来たことで話は終わり帰りのホームルームが始まったのだが、早々に血を吹き倒れてしまったため代わりの教員がホームルームを行った。こういったことは折木先生が病弱であるためかなりの頻度で起こるらしく、そういった時には今日のように別の教員が素早く対応し業務を引き継ぐのだ。

 

 

ていうかあの人本当にすごい病弱だよな。吐血して医務室に運んだ時に本人から聞いたが、1日1L吐血する体質で普段から輸血パックが手放せない他、患っていない病気が少ないレベルの虚弱体質らしい。学校もそのことを知っているからこそ倒れた時の対処が早いのだろう。

 

 

こうしていつものホームルームは終わり教室は再び騒がしさを取り戻す。騒がしさの中で俺は教室から出ると少し離れたところにある空き教室に入る。扉を閉めて振り返ると部屋の中央には、今朝のホームルーム前の時間に俺とある約束をした漆原が来ていた。

 

 

「・・・その・・・来ていただいて・・・ありがとう

・・・ございます」

 

 

「別にお礼を言われるようなことではないぞ。それよりもなんで俺に話しかけようって思ったんだ?自分で言うのもなんだが俺って目付きが悪いし一度留年していて周囲よりも年齢が上だからクラスでは浮いてる感じだろ?だから見たところ気の強いタイプではない漆原が俺に話かけてくるなんて思わなくてな」

 

 

向こうも俺が来たことに気づいたようで、少し離れた位置まで近づいてくると一度頭を下げた。それに対して俺は気にするなと伝えると漆原の途切れ途切れだった話し方が僅かに滑らかになる。

 

 

「いえ・・・目付きは悪くないです・・・なので別に怖くないです」

 

 

「そうか、怖くないならいいや。それはそうと今朝の新聞部の取材についてだが詳しく説明してくれないか?」

 

 

怖がらせないように口調に気を付けながら説明を求めると漆原はゆっくりと取材について話し始めた。

 

「はい・・・覇軍学園の生徒について調べていたら比企谷くんがAランク騎士だって偶然知って・・・比企谷くんの選抜戦を観戦して興味が湧いたので取材したいと思ったんです」

 

 

選抜戦を観て俺に興味を持ったのか。そうなるとあの演説も聞かれていたということになるが、変なことは言ってないと思うし問題ないはずだ。まぁ反応が気になるといえば気になるがそれは置いといて取材についての話をしなければいけないな。

 

 

「俺の選抜戦や演説からなにか感じることがあったのならよかった。それで取材についてなんだが取材を受けるのは全然いいぞ。俺も一応日本の数少ない学生のAランク騎士だし情報を一部公開するのは義務みたいなものだからな」

 

 

「ありがとうございます・・・実は自分の足で取材をして記事を書くのに憧れていて・・・そんな時に加々美さんに新聞部に誘われて・・・こうして記事を書くことができるようになって本当に嬉しいんです」

 

 

意外とアクティブだなこいつ。そうなるとただ取材をするだけでは終わらないような気がしてきたんだが大丈夫か?ほぼ初対面の相手と長時間一緒に活動とするのは個人的に少し難易度高いんだが。

 

 

「期待に答えられるかはわからないがやれるだけやってみるな。それで取材はいつやる予定なんだ?」

 

 

「そうですね・・・・・試合の後はどうですか?」

 

 

試合の後か・・・時間的には悪くないな。ただ記事ができるまでにやや時間がかかることを考えると早めに取材を行った方がいいと思うだよな。その辺を漆原はどう考えているのか聞くか。

 

 

「時間的には悪くないけど次の試合までに記事を書くの間に合いそうなのか?」

 

 

「はい・・・取材をした2日後くらいに・・・記事ができることになるので間に合うと思います」

 

 

選抜戦は3日に一回あるからそのくらいのペースであれば書くことは不可能ではないか。ただ毎日書くのは時間の都合上厳しいだろう。

 

 

「なあ、選抜戦の記事って毎試合後に書くわけではないんだよな?」

 

 

「はい・・・対戦相手が強い人の時に・・・記事を書くことになります」

 

 

俺は漆原に選抜戦の記事をどのタイミングで出すのか聞くと漆原は既に記事を出すタイミングは決めていたようで詳しく教えてもらった。俺の観た感じだと強敵だと感じたのが俺と交流のある生徒を除くと生徒会長や副会長くらいで戦いになりそうなのは二人を含めて10人いるかいないかで同じグループにいるのはその中の3人だけだ。

 

 

「なので比企谷くんの対戦相手が判明してから・・・取材する日を決めるのはどうですか?」

 

 

「わかった、そうするか。じゃあ対戦相手が決まったらまたこの場所で話をするからその時はよろしくな」

 

 

俺と漆原の取材についての話し合いは取材を試合後に行うということで双方同意し、日にちは対戦相手が決まってから再び話し合いで決めることになった。

 

 

その後寮に戻るとすぐに、俺の持つデバイス端末に次の対戦相手に関する連絡が来た。俺は端末の電源を入れて選抜戦関連のメールを開くとそこには6戦目の対戦相手の名前が記されていた。その名前を見て面倒なやつを相手にすることになったと溜め息を漏らした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。