腐り目騎士の英雄譚   作:月村手毬ちゃん親衛隊

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社会人になって初めての更新となりました。

更新速度がやや落ちましたが可能な限り完結まで執筆しますのでよろしくお願いします


いざプールへ

一輝達とプールに行く当日、八幡は集合場所である覇軍学園の校門前に待ち合わせの15分前に来ていた。しかし八幡が到着した時には既に一輝とステラが来ていて、人目があることを忘れてイチャついていた。

 

 

うわぁ、今来たばかりだが猛烈に家に帰りたい。早めに来たのに目の前でイチャつかれるのを見なければならないとか本当に地獄なんだが。ていうか今の状況を写真に撮られてスクープになったらどうするんだよ、黒鉄の今の環境だとかなりマズイし注意しろよ。

 

 

俺は黒鉄達の危機感のなさにため息を吐きながらイチャついている二人に声をかけた。

 

 

「おはようお二人さん。もっと周囲を気にしろよ、誰が見てるかわからないんだからな」

 

 

八幡が突然話しかけたことで一輝とステラは驚き、肩を跳ね上げさせると素早くこっちを向いた。

 

 

 

「うわぁっびっくりさせないでよ八幡!心臓が止まるかと思ったよ」

 

 

「キャアッちょっとヒキガヤ!来ていたなら来てるって言ってよ、ビックリしたじゃない!」

 

 

「二人で何かしてるから声かけづらかったんだよ」

 

 

それにしても時間に余裕を持って15分前に来たのにもう集合場所にいるとか早すぎだろ。しかも俺が来たときに既にイチャついていたことを考えるとおそらく来てから時間が経っているのだろう。

 

 

「ところでどのくらい人が来るんだ?今日のプールの目的は昨日の鍛練の続きだって話だが俺は昨日いなかったし何人くらい参加していたのか知らないから気になるな」

 

 

「そうだなぁ、昨日は僕も含めて20人くらい来てたから今日も同じくらいの人数が来ると思うよ」

 

 

昨日の鍛練に20人近くが参加してたのか。普通は見下していた相手に教えを乞うのはプライドが邪魔してできないやつが多いがよく20人も集まったな。

 

 

このように俺と黒鉄が話している間にプールに行くメンバーは全員揃ったようだ。その中には黒鉄妹と有栖院の二人もいて、俺達を見つけるとこちらへ向かって歩いてくる。

 

 

「3人ともおはよう。今日もいい天気ね」

 

 

「お兄様おはようございます!」

 

 

アリスは一輝だけでなく八幡やステラにもしっかり挨拶をしていたが、珠雫の方は兄しか視界に入っていないようで兄の一輝にだけ挨拶していた。

 

 

「おはよう珠雫、アリス。二人とも水着は持ってきた?」

 

 

「ええ、持ってきたわ」

 

 

「持ってきましたお兄様。プールに着いたらお兄様に見せてあげますので楽しみにしててくださいっ」

 

 

「うん、楽しみにしているよ珠雫」

 

 

兄妹とは思えないやり取りをする二人にステラは不満をあらわにして会話に割って入っていったが、珠雫には相手にされておらず適当にあしらわれていた。

 

 

「ちょっと珠雫!イッキにベタベタしすぎよ!アンタたち兄妹でしょうが!」

 

 

「前にも言いましたが私達にはこれが普通なんです。なので兄妹ではない人は口出ししないで下さい。それに奴隷のステラさんにこれを止める権利なんてありませんよね?」

 

 

「確かにそうだけど・・・」

 

 

奴隷のことを引き合いに出されなにも言えないステラが言い淀むと、珠雫はさらに追い打ちでステラを煽る。

 

 

「それともステラさん、まさかとは思いますが私に嫉妬しているんですか?」

 

 

「べ、別に嫉妬なんかしてないわよ!シズクがイッキの近くにいて羨ましいとかそんなこと思ってないんだから!」

 

 

それを嫉妬と言うんじゃねぇか。ていうか黒鉄も見てないで止めろよ。

 

 

「あのさ、もうすぐバスも来るしステラと珠雫も喧嘩みたいなの止めない?」

 

 

「わかりましたお兄様。ここで喧嘩するのは他の生徒の邪魔になりますし私はここでやめます・・・ステラさんとは違って聞き分けがいいので」

 

 

「イッキがそういうなら・・・ってちょっとシズクッ小声で言ったって聞こえてるわよ!」

 

 

ステラと珠雫は一輝の言葉に従って言い争いを止めようとしたが、ステラの方は珠雫が小声で言った言葉を聞き逃しておらず再び詰め寄ろうとしたところを一輝に宥められたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステラと珠雫による言い争いが終わってから時間が経ち、現在八幡達はプールへと向かうバスの中にいた。

 

 

バスの座席は一輝とステラ、珠雫とアリスなどといったようにほとんどの生徒が仲のいい人と座って話をしたりしているが、八幡は自分と同じ余り物でほとんど関わりがない加々美と座り黙って窓の外を見ていた。

 

 

俺は一人でも問題なく過ごせるタイプの人間だから日下部との間にある沈黙は大して気にならないが、日下部の方は沈黙を気まずく感じているようで分かりやすいくらいにそわそわしている。そしてついに日下部は沈黙に耐えきれなくなり俺に話しかけてきた。

 

 

「それにしても比企谷センパイがこういうのに参加するとは思いませんでした。どうして参加してくれたんですか?」

 

 

「黒鉄が誘ってくれたからな。彼奴が誘ってくれるなら参加してもいいと思ったんだよ」

 

 

日下部の質問に対して俺は、ヴァーミリオンの護衛任務のことを省いて答えた。すると日下部は俺と黒鉄の仲の良さに驚き、仲良くなれたきっかけについて聞いてきた。

 

 

「本当に仲がいいんですね先輩方は。ところでお二人が仲良くなったきっかけってなんだったんですか?」

 

 

「仲良くなったきっかけか・・・やっぱりあれだな、桐原の決闘未遂事件だな」

 

 

「決闘未遂事件ですか・・・聞いたことないですけどどういった事件なんですか?」

 

 

この事件があったのは昨年だから日下部は知らないんだったな。となると黒鉄と本家の間にある確執とかの裏の部分を省いて分かりやすく説明した方がいいな。

 

 

「日下部に分かりやすく説明すると桐原が黒鉄に決闘しないかと提案し黒鉄が断った結果、周囲に人がいるにも関わらず桐原が黒鉄を一方的に攻撃した事件のことだ」

 

 

「選抜戦での二人の会話からなにか因縁があるんだろうと思ってましたけど、なんですかそのヤバい事件は!?それでどうなったんですか、桐原センパイはなにか処分を受けたんですか?」

 

 

「いいや、処分を受けたことは受けたがとても軽い処分でほぼ無罪みたいなもんだったな」

 

 

このときの桐原の処分には俺もかなり驚いた。小規模な事件ならともかく、大規模な事件なのにもかかわらずまともに処分もされないんだからな。

 

 

八幡は桐原の処分が決まった後に、一輝本人から黒鉄家との確執を聞いたため処分が軽かった理由にも想像がついたのだが、加々美は一輝と黒鉄家の確執についてなにも知らない。そのため加々美は桐原の処分が軽かったことに疑問を持ち、一輝の事情に詳しそうな八幡に処分が軽くなった理由を尋ねた。

 

 

「比企谷センパイ、なぜ学園は桐原センパイの処分を軽くしたのでしょう?人目があるところでその事件が起こったんですから、表向きだけでもしっかりと罰を与えなければ余計な詮索を受けると思うのですが」

 

 

「処分が軽くなった理由については黒鉄のことが大いに関係するからさすがに話せないな。だから理由を知りたいなら黒鉄に許可をとってからにしろよ。わかったな?」

 

 

「はい、そういうことならわかりました」

 

 

八幡が日下部の質問に対して一輝の事情にも関わるからと答えるのを拒否すると、日下部はそれ以上は追及して来なかった。そしてこのまま他愛のない話をしながらバスに揺られて鍛練を行うプールへと向かうのだった。

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