腐り目騎士の英雄譚   作:月村手毬ちゃん親衛隊

36 / 49
取材の描写書くの難しすぎる。取材だけで2ヶ月以上も時間がかかってしまいました。


それではどうぞ。


試合終了と取材

 

 

 

 

 

 

鷺沼は足元で魔力を爆発させると一瞬で八幡に接近する。

 

 

(俺の魔力がほとんどなくなっている以上これが能力を発動させられる最後の一撃だ。ならばここで剣技の中で最も速いとされている突きを放つしかないだろう)

 

 

そして鷺沼は威力を累積させた状態の剣で八幡よりも先に突きを繰り出した。

 

 

身体能力の強化を行っていない八幡と、足元で魔力を爆発させたことによる機動力の上昇及び威力の累積という能力の発動を同時に行っている鷺沼とでは、攻撃力と機動力において鷺沼の方に分があった。そのため鷺沼の突きを防ぐことができずに勝負が決まるかと思われた。

 

 

しかし鷺沼が走りながら放った突きは八幡によって受け流されてしまう。そしてそのまま背後に回り込まれると首に峰打ちを受けて鷺沼は走り抜けた先で気絶したのだった。

 

 

「ここで試合終了ですっ。剣士同士の戦いを制したのは比企谷選手だ!鷺沼選手の威力を累積させる能力を生かした剣術をものともせず鮮やかなカウンターで勝負を決めましたぁぁぁ!」

 

 

実況の試合終了を告げる声が響き渡り闘技場が歓声に包まれる中、解説を務めていた先生は八幡が最後に行った攻撃の詳細を解説する。

 

 

「最後のカウンターはよかったな。あえて魔力を使わずに接近し遅い方の速さを目で覚えさせた後、魔力によって身体能力を強化し背後に回り込み攻撃する。このように急激な緩急をつけた動きをするだけでも難しいのに、加えて魔力を一切使用していない状態から必要な分の魔力を一瞬で使うという全くタイプの異なる二つの高等技術をあっさりやってのけるとは驚きだ」

 

 

鷺沼と八幡による最後の攻防に隠された八幡の戦闘技術を説明した解説の先生は、八幡がこの試合で見せた圧倒的な強さを称賛する。

 

 

こうして解説に褒められた八幡だったが、当の本人は言葉を最後まで聞くことなく出口へと向かうとそのまま闘技場を出ていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合が終わり闘技場を出た八幡は外へと繋がる通路を歩いていた。そこへ新聞部に所属している女子生徒の漆原此花が現れると八幡に労いの言葉をかける。

 

 

 

「お疲れ様です・・・選抜戦観てました・・・6勝目おめでとうございます比企谷くん」

 

 

「俺の試合を観てくれてありがとな。魔術戦と比べると地味だからあまりおもしろくなかっただろう?」

 

 

 

炎や雷などの派手な攻撃が飛び交う魔術戦は誰が観ても楽しむことができるが、武術戦は武術の知識を持つ者でなければ戦いを理解することができないため素人の目には地味に映る。そのことを知っている八幡だったがとりあえず試合の感想を素人の此花に聞いてみると此花からは意外な答えが返ってきた。

 

 

「武術のことはよくわからないですけど・・・二人の動きを目で追っていた感じだと・・・凄くいい戦いをしていたことは・・・わかります」

 

 

なんと此花が八幡と鷺沼の戦いをしっかりと目で追えていたというのだ。それを信じられなかった八幡は此花を観察するが嘘をついているような感じは見受けられなかった。

 

 

 

「どうやら俺と鷺沼の動きを目で追っていたというのは本当のようだな。それに楽しく試合を観戦することができたみたいでよかった。さてとそれじゃあ俺の方は準備できたから此花も準備ができたら取材を始めてもいいぞ」

 

 

「わかりました・・・今から準備を始めるので・・・少しお待ち下さい」

 

 

八幡に取材の準備をするように言われた此花はポケットからメモとペンを取り出すと取材の準備を整える。そして準備ができた此花が八幡に一つ目の質問をぶつけてきた。

 

 

 

「それでは・・・準備ができましたので・・・取材を始めます・・・まずは・・・6勝目を挙げた時の・・・率直な感想を・・・よろしくお願いします」

 

 

「今日の試合は選抜戦が始まってから初めてのまともな戦いで緊張していたけど勝ててよかったです」

 

 

八幡が言うには初めての強敵を相手に緊張していたということらしいのだが、試合を観戦していた此花からすると緊張しているようには全く見えなかったため八幡のポーカーフェイスの完成度に此花は驚きの言葉を吐く。

 

 

「緊張しているようには・・・見えなかった・・・比企谷くんでも・・・緊張するんですね・・・」

 

 

「此花さん?でもってどういう意味なんですかね俺のことどのように思ってたの?」

 

 

此花の口から出た言葉に八幡が反応するが此花には届かず次の質問に移っていく。

 

 

「・・・それでは・・・二つ目の質問です・・・今回の試合は剣士同士の戦いでしたが・・・魔術を得意とする人が相手の場合には・・・どのように戦いますか」

 

 

「詳細は教えられないけど現時点では今まで通り能力は使わないだろうと答えておきます」

 

 

八幡の言う通り今まで戦った6試合の中には魔術主体の伐刀者が何人もいたのだが、その全員を伐刀絶技すら使わずに刀1本で斬り伏せてきた。そのため余程の相手でない限り八幡が能力を使うことはないだろうということが八幡の言葉から明らかとなった。

 

 

そしてこの後も此花による取材が続き、八幡がそれに一つ一つ答えていくと次で最後の質問となった。

 

 

「それでは最後に・・・残りの選抜戦の意気込みを・・・よろしくお願いします」

 

 

「これからどんどん強敵との戦いは増えていくと思うので一戦一戦真剣に戦っていきたいです」

 

 

此花が最後にした質問に八幡が答えて、此花がその答えをメモ帳に書き込むとメモ帳とペンをしまい八幡への取材を終了した。

 

 

「・・・質問は・・・以上になりますので・・・これで取材を終了します・・・」

 

 

取材が終わりメモ帳とペンがしまわれたのを確認した八幡は此花にこの後の予定について訊ねた。

 

 

 

「俺はこの後知り合いに用事があるからもう行かなければならないが漆原はどうするんだ?」

 

 

「・・・メモした内容を・・・記事にする・・・作業があるので・・・私は部屋に帰ります」

 

 

人見知りが激しいとはいえ俺以外にも取材に行かなければいけない人はいるだろうから、取材後すぐに寮へ帰って記事を作り始めないと時間が足りなくなるか。俺のしたことがすっかりそのことを忘れていたな。

 

 

 

「漆原の記事楽しみにしているから記事作るの頑張れよ」

 

 

「はい・・・頑張ります・・・比企谷くん・・・今日はありがとうございました」

 

 

 

そして互いに予定があることを知った二人は一言二言だけ言葉を交わすとそれぞれ別の方へ歩いていくのであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。