腐り目騎士の英雄譚   作:月村手毬ちゃん親衛隊

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お久し振りです。仕事すごい忙しくて全然執筆が進みませんでした。これからもゆっくりと執筆していきますので気長にお待ちください。


それではどうぞ。


ストーカー!?

 

 

 

 

取材が終わり通路から外へ出た八幡は一輝達を見つけようと周囲を見渡す。しかし周囲には試合を観戦していた生徒達は大勢いるものの一輝達の姿はない。

 

 

黒鉄達がここにいないということは既に別の場所へ移動したということになるな。それなら俺も移動するとするか。

 

 

 

八幡が出てきた闘技場から学園の校舎まではかなりの距離があった。そのことからこのままこの道を歩いていけば黒鉄達と合流できると判断した八幡はたくさんいる生徒達の合間を縫って移動した。そしてそのまま数分歩き続けると前方に見知った者の姿が見えてきた。

 

 

「今話題の1年生が4人集まっていると雰囲気があるな」

 

 

八幡が少し離れたところから声をかけると黒鉄はその声に反応して後ろを振り向く。そして八幡の姿を確認すると黒鉄はその場に立ち止まったまま八幡に声をかけた。

 

 

「来るの遅かったね八幡。もしかして途中で生徒に囲まれたりしてた?」

 

 

「いや、別にそういう訳じゃないぞ。新聞部の取材を受けてて遅くなっただけだ」

 

 

「そうだったんだ。取材があったのなら遅くなっても仕方ないね」

 

 

自身が受けた取材も八幡と同じように時間がかかっていたことを思い出した黒鉄は、遅れてきたことを特に咎めることはせずに八幡とそのまま合流した。

 

 

「ねえ一輝。あれ、いつまで放っとくつもりなの?」

 

 

「確かにそろそろ対処した方がいいと思うんだが」

 

 

アリスと八幡は右側にある木の方をちらりと見ると人が隠れているのを確認し一輝に伝えるが、どうやら一輝の方もそのことには気づいていたようだ。

 

 

「ああやっぱりアリスと八幡は気づいてたんだ」

 

 

そしてその人物は木の枝を持って木の陰に隠れているが、木の陰からは制服や顔がチラチラと見えていてあのような隠れ方では誰もが気づくだろうと思われた。しかしそんなバレバレな隠れ方に反して全く気づいていない者がこの場にいた。

 

 

「お兄様、一体なんのことですか?」

 

 

「ちょっとイッキ気づいてたってなんのことよ。アタシと珠雫にも分かるように説明しなさいよ」

 

 

それはステラと珠雫だった。その二人に説明を求められた一輝は木の陰に隠れている人物に聞かれないように声量を落とす。

 

 

「・・・実は僕、誰かに付け回されてるみたいなんだ」

 

 

「ええぇ!」

 

 

「それってストーカーですか!?」

 

 

「す、ストーカーってあれよね?手紙に髭剃り入れて送りつけたりする」

 

 

「・・・ステラさん剃刀(かみそり)の刃です、髭剃りのまま入れてどうするんですか」

 

 

「身だしなみに気を使えってことかよ。そいつは親切なことだな」

 

 

「ううううるさいわね二人とも!ちょっと分解し忘れただけでしょ!?」

 

 

ステラのストーカーに対する間違った認識に八幡と珠雫がつっこむと、ステラは自身の発言を聞いていた八幡達3人に必死になって弁解する。しかしステラのちょっとした言い間違いなど八幡達にとってはどうでもいいことだったようで一輝に話の続きを促した。

 

 

「ストーカーの話からずれていっているから話を戻すぞ。ストーカーされる理由に心当たりはあるのか黒鉄」

 

 

「少し前からああやって付け回されてるんだけど悪意のある視線ではないから特にはないよ」

 

 

黒鉄に心当たりはないのか。となると本人に直接ストーカーしていた理由を聞かないといけないな。まあ、教えてくれるかはわからないが。

 

 

「もう一週間になるわよね。一輝はなにも言わないからあたしも黙ってたんだけど・・・そろそろ確かめたら?」

 

 

「そうだね、何が目的なのか本人に聞いてみようか・・・そこで隠れてる人、僕に何か用かな?」

 

 

このままではいつまで経ってもストーカーが諦めることはないと判断したアリスと一輝は道路の右側にある木の方に隠れている人物に声をかける。すると木の向こうから覗き込んでいた人物は突然声をかけられたことに驚きバランスを崩すと転倒した。

 

 

「あわわっうわあぁぁっ!」

 

 

そうやって木の陰から飛び出てきたのは長い黒髪を持つ一人の女子生徒だった。

 

 

「ちょっと大丈夫ですか!?」

 

 

思いっきりお尻を打った女子生徒のことを心配した八幡達4人は、女子生徒に近づいて声をかけたところその女子生徒は木の枝を持ったままの状態で固まってしまう。その様子をまじまじと見ていたステラと珠雫は女子生徒を見てどこかで見たような感覚を覚えた。

 

 

「・・・この人が・・・」

 

 

「あれ?彼女どこかで」

 

 

ステラと珠雫の感覚は間違ってはいないようで八幡がどこで見たのかを正確に伝えた。

 

 

「そういえばこの人、プールでの鍛練の時にいたな」

 

 

「エ、ウソ!?そんなに前からイッキのことストーカーしてたってことっ!?」

 

 

「あっああ、違っこれは違うんだ!」

 

 

ステラのストーカーをしていたという発言を女子生徒が手を前に出して必死に否定している中、一輝と八幡はその手を見て何かに気づいたようだった。

 

「・・・・・っ」

 

 

「・・・あれは」

 

 

・・・竹刀だこか。となるとあの女の子は刀を扱っているということになるな。ということは黒鉄に付き纏っていたのはそういうことか。

 

「なぁ、用があるなら付け回さなくても」

 

 

女子生徒が一輝を付け回していた理由について察した八幡が口を開いた時だった。女子生徒はゆっくりと立ち上がると後退り、そして後ろに向かって走り出す。どうやら逃げるつもりのようだがそう簡単にうまくはいかないのが現実である。

 

 

「ぼ、僕は・・・」

 

 

「あ・・・あ、そっちは」

 

 

「ううう・・・キャアァァァッ」

 

 

女子生徒が逃げた先には池があり、そのことに気づいた一輝が声をかけようとするが間に合わず、池に落ちてしまい水飛沫が飛ぶ。そしてその少し後に落ちてしまった女子生徒がうつ伏せになった状態で水面に浮かんできた。

 

 

「・・・マジか」

 

 

その一部始終を見ていた八幡は額に手を当ててやれやれといった態度を見せている。そして一輝とステラは落ちた女子生徒を池から救出すると二人で学校の医務室に運び込むのだった。

 

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