腐り目騎士の英雄譚   作:月村手毬ちゃん親衛隊

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こんばんは。すぐできると言いながら少し遅くなってしまいました。それではお待ちかねの最新話です。


道場破り開戦

 

 

 

外にいた不良達を一人残らず気絶させた一輝達は閉まっていた扉を開けて中に入る。その視線の先には新たにここの道場主となっていた倉敷蔵人がソファで横になっていて、道場内に誰かが入ってきたことに気づくとこちらに視線だけを向けた。そして入ってきた者が誰かわかると蔵人はソファから体を起こした。

 

 

「テメェあん時の腑抜け野郎か?」

 

 

「倉敷くん。君に決闘を申し込む」

 

 

「ハッ!そこの女に唆されてここまでやってきたってことかよ。しかし前はあんなに消極的な態度を見せていた癖にいったいどういう心境の変化だ?」

 

 

「学生騎士が固有霊装(デバイス)を出すことができる場所には制限があるからね。だけどここでなら霊装を出すことができる。ただそれだけの話だよ」

 

 

本来学生騎士が校外で霊装を出すには許可が必要だ。黒鉄がそのルールを破ってしまえばそれを口実に伐刀者への道が閉ざされてしまうことになる。だからファミレスでは霊装を出すことができなかった。しかし魔導騎士連盟から認可を受けた道場であれば話は違い、道場主が許可を出せば霊装の展開をすることが可能になる。そしてここは認可を受けている道場であり、現在ここの道場主は倉敷蔵人だ。そのため倉敷蔵人から許可を得られれば霊装の展開を行うことができるようになるということなのだ。

 

 

「まさか断りはしないよね」

 

 

「フッ面白え。だがその前に俺と戦う資格があるのか見せてもらわねぇとなぁ」

 

 

「これじゃあ不服かい?」

 

 

倉敷蔵人に問われた黒鉄は自身の懐に手を入れるとバラバラと戦利品である生徒手帳を床に落とす。

 

 

「・・・ほう?外にいた連中全員のやつじゃねぇか。いいぜ受けてやるよ、来い大蛇丸!」

 

 

黒鉄の提案を受け入れた倉敷は自身の霊装を展開した。

 

 

「来てくれ隕鉄」

 

 

そして黒鉄も倉敷の後に続けて自身の霊装を右手に呼び出した。

 

 

「じゃあ審判は俺がしよう。いざという時に間に割って入れるのは俺だろうからな」

 

 

綾辻先輩では2人を止めることはできないしヴァーミリオンでは黒鉄がボロボロにされたら止める際にやりすぎてしまうだろうからな。

 

 

「構わないよ」

 

 

「テメェも剣客だろうしなぁ。止めることくらいはできるだろう」

 

 

2人から許可が出たため俺は緊急時に二人を止められるように2人から少し離れた位置に立つ。

 

 

「決まったなら今から合図するから準備をしてくれ。それじゃあ・・・試合開始!」

 

 

そして俺が試合開始の合図をし倉敷が黒鉄に接近したところから戦いが始まったのだった。

 

 

 

戦いが始まったと同時にまず攻撃を仕掛けたのは倉敷だ。

 

 

左から荒々しく力任せな袈裟斬りが放たれる。対する黒鉄は倉敷の一撃を刀で受け止めるが予想以上の威力に驚きの表情を見せた。しかし続けて放たれた一撃は攻撃の受け方を斜めに透かすような形に変えることでしっかりと対応してみせた。

 

 

攻撃自体は力任せの素人剣術だが攻撃の一つ一つがとても鋭いな。だが黒鉄には鋭いだけで技術の欠片もない力任せの剣は通じないぞ。

 

 

黒鉄が攻撃を防いだことで鍔迫り合いになるがこのままでは互いに剣を振るうことはできないため距離を取ろうと倉敷が黒鉄を押し返すと黒鉄の方も距離を取るつもりだったようで抵抗することなく押し返されると体勢を崩されないように注意しながら離れた場所に着地した。

 

 

ここから本格的に黒鉄と倉敷の戦闘が始まるな。さてどちらから先に攻撃を仕掛けるんだ?おっと先に攻撃したのは倉敷か。

 

 

魔力を込めた足を踏み込んで少し空いた距離を一瞬にしてなくすと黒鉄に連続攻撃を仕掛ける。

 

 

力任せの連撃は一つ一つが高威力を持ち一つでも当たれば大ダメージだ。しかしそれも当たらなければ意味はない。倉敷が放つ連続攻撃を黒鉄は次々と防御していった。

 

 

「ハッハッハッ良い反応だっ」

 

 

黒鉄の防御力に感心する倉敷にできた隙を突いて胴へのカウンターが黒鉄から放たれるがそれを倉敷はまるで読んでいたかのように大蛇丸の刃を立てることで完璧に防いだ。

 

 

「ハハッ残念!」

 

今のタイミングは完璧だったし普通なら防ぐことはできないんだが倉敷はどうやってあれを防いだんだ?なんか今の反応って少し前にファミレスで起きた一件で倉敷が見せた反応に近いような気がするんだよな。

 

 

俺が二人の試合を見ながら考えていると黒鉄と倉敷の戦いに進展があった。倉敷の一撃を回避した黒鉄が後ろに跳んで距離を取ったところ倉敷の霊装が伸びて離れた位置にいる黒鉄を襲ったのだ。

 

「追い殺せ蛇骨刃!」

 

 

しかしそこは黒鉄といったところか、不意討ちで襲ってきた剣も上手に受け流した。しかし倉敷の方も黒鉄の動きに負けずどんどん大蛇丸による攻撃が激しさを増していた。

 

 

「ハッハッハッハッハッ!大蛇丸は変幻自在、あらゆる剣客の間合いを侵食する」

 

 

なるほどこれが剣士殺しと呼ばれる所以か。剣の攻撃が届かない範囲から刀身を伸ばして一方的に攻撃する。確かにこれなら剣士を相手取って勝利するのも難しくない。だが黒鉄はそれだけで勝てる相手ではないぞ。

 

 

蔵人の攻撃を上手く躱しながらもこのままでは遠い場所から一方的に嬲り殺しに合うだけだと判断した一輝は蔵人による連続攻撃の僅かな合間を縫って蔵人へ接近する。そして一輝が自身の刀の間合いまで距離を詰めたその時、伸ばされていた蔵人の大蛇丸が一輝の背後から襲いかかった。

 

 

完璧な死角で黒鉄に気付かれずダメージを与えられると思われたがここでも黒鉄の超人技が光る。攻撃を一切見ることなく後ろから来ていた大蛇丸の剣先をサイドステップで避けたのだ。

 

 

今のはまさか完全掌握(パーフェクトビジョン)か。なるほど倉敷の思考を読んで行動を読んだのか。これなら倉敷の攻撃を避けるのも可能だな。

 

 

そして黒鉄は倉敷の方へと突進した勢いそのままに突きを放つ。しかしその突きも倉敷には届かず逆に反撃を許してしまう。倉敷は黒鉄の攻撃を避けるために大きく仰け反らせた背中を元に戻すとその反動を使って跳ねるように移動すると上から剣を振り下ろした。その一撃を受けるため黒鉄は防御の体勢に入ったがその瞬間黒鉄はとても驚くことになった。倉敷の攻撃が目の前で消えたのだ。

 

黒鉄のやつ倉敷の攻撃を一瞬見失った。これはかなりまずい状況だ、斬られるぞ。

 

 

誰の目から見ても斬られると思われたが黒鉄はなんとかギリギリで後ろに跳んで倉敷の一撃で回避に成功した。

 

 

「ははははっ今のを躱すとはやるじゃねぇか」

 

 

蔵人が感嘆の声を上げるが一輝にはその声に応える余裕はなかった。なぜなら蔵人から目を離さないままで今までの攻防から得た情報を頭の中で整理していたからだ。そして情報の整理が終わると一つの答えにたどり着く。

 

 

「なるほど。これが最後の侍(ラストサムライ)を倒した君の本当の力というわけか」

 

 

「フンッどうやら気がついたみたいだな。言ってみろ」

 

 

倉敷が答えを促すと黒鉄は答えた。

 

 

「君の剣士殺しとしての強さを根底から支えている能力。それは反射速度だ」




すみません。昨日から遊戯王のワールドチャンピオンシップが始まっていてそれの予選に参加するので暫く創作できません。なので投稿には少しだけ時間を置かせていただきます。お待ちしていた方はすみませんが終わるまでお待ちしていただけると嬉しいです。
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