ファンキルコメディ集   作:荒ぶる異族

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3/13に実装された軍団戦のSSです。
本文の途中でimgurという画像投稿サイトのURLを貼って、ゲーム中の画像を見れる様にしています。
第一回軍団戦のネタバレが多分にありますので、それでも良ければ見てやってください。




教えて!リサナウトせんせー! 軍団戦編

 

 

○軍団戦、始動

 

リサナウト「レーヴァ、大変よ!ファンキルに新しいエンドコンテンツが追加されたわ!」

 

リサが私の部屋に押し入り、騒ぎ出した。

 

つい先程まで二度寝を堪能していたのに、その騒々しさで起こされてしまった。

 

レーヴァ「……そう。それよりまだ朝だから寝かせて欲しいんだけど…」

 

リサナウト「あら、私としてはぐーたらなレーヴァを起こしてあげたお礼を受けてあげてもいいくらいなのに」

 

私を起こした本人は、悪びれることなく毛布を取り上げてきた。

 

レーヴァ「……リサ、返して」

 

リサナウト「早起きは三文の徳、という言葉があるわ」

 

レーヴァ「早起きをしても三文しか得がないって意味でしょ…」

 

本当はまだ寝たかったけど、リサは強引な所がある上、口論している内に段々と意識が冴えてきたので話を聞く事にした。

 

レーヴァ「はぁ…、おっけ。それで今日は何しに来たの?」

 

リサナウト「やっとその気になったわね!軍団戦をどっちが先にクリアするか勝負よ!」

 

リサは指をこちらにビシッと指して、不敵に微笑んだ。 

 

レーヴァ「いいけど、軍団戦ってそもそも何…?」

 

リサナウト「ふふっ、軍団戦っていうのはね…、カクカクシカジカよ!(下記参照)」

 

 

 

 

 

○新コンテンツ 軍団戦

・複数あるステージを、決まった数のユニットをあらかじめ選別して挑むクエスト。

・一度使ったキャラは、それ以後のステージで使用不可

・キャラを選び直したり、ステージの最初からやり直せる「リセット」機能有り。軍団戦開催期間内ならいつでも可能。

 

 

 

レーヴァ「リサ、軍団戦って途中からやり直せないの?」

 

リサナウト「そんな機能、私には必要ないわ。時を巻き戻せるもの」

 

レーヴァ「…………やり直せないってことね」

 

面倒事の匂いに、私は深く溜息をついた。

 

 

 

 

 

○暴走ゲバイムシュリフト 1-1 斥候部隊

 

リサナウト「さあ、勝負開始よ!まずはキャラの選抜ね。今回は6ステージ・60キャラで光・風属性がオススメだから、その辺りを考えないといけないわ」

 

レーヴァ「風と光かあ…。ヘレナとソロモンを頼ることになるとして…、60キャラも用意出来ないんだけど…」

 

リサナウト「ふふっ、抜かったわねレーヴァ!私はこの日に備えて銃ティルを10人用意したわ!」

 

レーヴァ「……それ、イノセント足りるの?」

 

リサナウト「愚問ね。私の力に掛かれば15STEPで150人のティルフィングを引くことなんてお茶の子さいさいよ!」※時間操作があっても、実際はできません。

 

レーヴァ「……リサ」

 

なりふり構わないリサを思わず憐れんだ。

 

リサナウト「ど、どうしてそんな視線を向けるのかしら?早く勝負よ!勝負!」

 

レーヴァ「はいはい…」

 

リサにせがまれるままに、私達の闘い(?)の火蓋は切って落とされた。

 

レーヴァ「編成はどうしたらいいんだろ…。……。ねぇ、リサ」

 

リサナウト「ん、どうしたの?真剣勝負の最中に話しかけるなんて随分余裕ね」

 

レーヴァ「エネミー情報とステージ情報、見れないんだけど…」

 

リサナウト「仕様よ!」※一度でも挑戦したステージはリセットするまでの間だけ見れる様になります。

 

レーヴァ「……まぁ、撤退すればいいか」

 

リサナウト「撤退したキャラは「リセット」するまで使用不可になるわ!」

 

レーヴァ「…………」

 

やり直すのは面倒くさいので、リサ(通常★4)を一人で編成して出撃させた。

 

敵のステータスを確認した後、速やかに撤退。

 

特に難しそうでも無かったし手持ちが少ないので、カリスをメインにした雷属性のパーティでクリアした。

 

既に嫌な予感はしていたけど、私もリサもこの後理不尽に直面することになる。

 

 

 

 

 

○暴走ゲバイムシュリフト 2-1.2.3 その1

 

レーヴァ「システム面はともかく、初めのステージの難易度はそうでもないわね…」

 

リサナウト「あら、まだ初めのステージをクリアしたばかりなの?残念だけど、私の一歩リードね!」

 

レーヴァ「……あんまりのんびりもしてられないか。次は、……」

 

ステージは3つ開放されていた。

 

2-1 左翼部隊

 

2-2 中央部隊

 

2-3 右翼部隊

 

レーヴァ「例によってエネミー情報は見れない、か…」

 

リサナウト「あああああああっ!?」

 

どれから攻略するかなやんでいると、隣でリサが悲痛な声をあげた。

 

本気でヘコんでいるリサがあまりにもいたたまれなかった。

 

レーヴァ「リサ、何があったの?」

 

リサナウト「私の光銃パーティが…」

 

リサのスマホを覗くと、ステージは2-3右翼部隊。

 

エネミー情報を見て、リサが項垂れた理由を悟った。

 

https://imgur.com/lNpuASW

 

リサナウト「魔法封殺って、…何でよ!?」

 

レーヴァ(銃・杖のダメージ100%カットって…、エグい…)

 

レーヴァ「まぁ、この先物理封殺があるかもしれないし、取り敢えず物理キャラでクリアしたら?」

 

リサナウト「……ないの」

 

レーヴァ「?」

 

リサナウト「物理キャラ、育ててないの…」

 

レーヴァ「……下見って大切ね」

 

そんなリサに少しだけ同情しつつ、私は「2-2中央部隊」を選択し、リサ(Xmas★4)を一人で編成して出撃させた。

 

 

 

 

 

○暴走ゲバイムシュリフト 2-1.2.3 その2

 

リサナウト「よし、やったわ!クリアしたわよ、レーヴァ!」

 

私が2-2と2-3をクリアし終えた頃に、リサが嬉しそうに報告してきた。

 

レーヴァ「リセットした?」

 

リサナウト「ふふん、私の力に掛かれば小細工なんて必要ないの。銃ティルの戦闘後の追加ダメージ(50)で全員倒したわ!」

 

レーヴァ「……敵の体力、8000位なかった?何回やったの…」

 

リサナウト「……一匹あたり160回」

 

目を伏せて報告するリサが心底可哀相だった。

 

リサナウト「でっ、でも!銃ティルを二人積んでたから半分位の時間で終わったわ!」

 

レーヴァ「ボスの体力は?」

 

リサナウト「30000」

 

レーヴァ「…………」

 

リサナウト「し、心配ないわ!雑魚を殺してから時を速めてオート放置したから!むしろ一瞬だったわ!」

 

必死に虚勢を張るリサの為にも速く勝負を終わらせようと心に誓い、私は「2-1左翼部隊」を選択し、リサ(海上★4)を一人で編成して出撃させた。

 

リサナウト「次は2-1ね。同じ轍は踏まないわ!光物理パで鏖殺よ!」

 

レーヴァ(「魔法封殺」がトラウマになってる…)

 

ちなみに「2-1左翼部隊」ステージのエネミーの大半が「迅雷の障壁(風属性以外からのダメージ0)」持ちであることを、この時のリサは知る由も無い。

 

https://imgur.com/r28Jkyk

 

https://imgur.com/099WRu8

 

 

 

 

 

○暴走ゲバイムシュリフト 3-1 本隊

 

レーヴァ(あと2ステージか…。手持ちのリサ(ユニットの方)はもういないし、どうしようかな…)

 

残り2ステージまで迫った私は、エネミー情報の下見を誰にするかで悩んでいた。

 

ヘレナ(風)やソロモン(光)は有利属性なので元より、カリス(雷)を独りで戦場に放り出すのは忍びないので、仕方なく自分(闇)を単騎で出撃させた。

 

ちなみにリサは学習したのか、攻略に行き詰まったら出撃前に編成を巻き戻してリトライする様になった。が。

 

リサナウト「うっ…ぅ…」

 

リサは涙目で時を操作しながら、懸命に端末と戦っていた。

 

レーヴァ「リサ、大丈夫…?」

 

リサナウト「2-1、2-2、2-3…。何で3ステージ全部、エネミーが「魔法封殺」持ちなのよ!?」

 

レーヴァ「…………そうね」

 

レーヴァ(3-1も全員「魔法封殺」持ちなんて、言い辛い……)※最終ステージまで全員「魔法封殺☆」持ちです。

 

この不毛な勝負をいち早く終わらせる為にも、気持ちを切り替える。

 

レーヴァ(このステージは「迅雷の障壁」持ちと「冥闇の障壁持ち」がそれぞれいる…。光パで闇エネミーを掃討した後で、風パを出すか…)

 

とは言いつつ手持ちは限られているので、他属性の「ニンジャ」持ちや「サルビア」持ちを妨害役として採用した混成パーティで挑んだ。

 

レーヴァ「最終ステージ手前、流石に結構難しい、か…」

 

時間をかけながらも、何とかボスである「カオスリーパー」を残して敵を排除した。

 

レーヴァ「何気に「脆剣の障壁(剣ユニット以外からのダメージ0)」持ちね…」

 

しかも「迅雷の障壁」との掛け合わせなので、風・剣ユニットしかダメージが通らない。

 

レーヴァ(アロンダイトの覚醒キャラ、持ってて良かった…)

 

最終ステージのボスは十中八九アロンダイト・暴走と予想できる。

 

アロンダイト・暴走の属性は風、弱点属性は炎なので、風・剣ユニットをここで使っても問題無い筈。

 

そんな事を考えていたが…、

 

レーヴァ「…ん?」

 

https://imgur.com/Gy8MX7a

 

※神器と共にアニバーサリーリンクを持たせていたので、スクショのタイミングで装飾品の方が表示されていますが、キチンと神器を持たせています。

 

 

 

レーヴァ「………………」

 

https://imgur.com/uWDy7wE

 

アロンダイトの攻撃力 だいたい600

 

カオスリーパーの防御力 1000 OVER

 

レーヴァ「……リセットしよ」

 

結局、その日の内に私とリサの勝負はつかなかった。

 

 

 

 

 

○暴走ゲバイムシュリフト 4-1 終結の地

 

レーヴァ「これで、やっと……!」

 

リセット後、再びカオスリーパーに挑み、擬装ミネルヴァ(2体)で物功を4倍にしたありったけの風・剣ユニット達でカオスリーパーを葬った。

 

リサナウト「や、やった!流石私のライバルね!」

 

レーヴァ「えぇ、これで…。あと少しでやり遂げられる…!」

 

数々の理不尽に苦しめられてきたリサと私は勝負という垣根を超え、最後の決戦に臨む。

 

レーヴァ「残るユニット数は19…。風、光属性が8ずつ。そして、☆4ミネルヴァが3体…」

 

最終ステージのエネミー情報の下見を前に、胸騒ぎがした。

 

とてつもなく、嫌な予感。

 

レーヴァ(もしも。もしも、また「障壁」スキル持ちが現れたら…)

 

リサナウト「大丈夫よ、レーヴァ」

 

言いようの無い不安に震える私の手を、リサがギュッと包んでくれた。

 

リサナウト「この時の為に、光と風、それぞれに物理・魔弾キャラを残したでしょ?レーヴァと私のコンビに不可能なんて文字は無い。数十分後、私達は勝利の栄光をこの手にするわ」 

 

カオスリーパーとの戦闘で頼りだった風・剣キャラはもういないが、私達はまだ19人もの仲間がいる。 

 

自信に満ちたリサの表情は心強くて、何より握られた手から伝わる温もりが不安を攫っていった。

 

リサナウト「ーーーこれは予言ではない。確定事象の報告に過ぎないの」

 

だから、もう大丈夫。

 

 

 

 

 

アロンダイト・暴走 ステータス↓

 

https://imgur.com/XG7BFE2

 

 

 

 

 

アロンダイト・暴走

 

「脆剣の障壁(剣ユニット以外からのダメージ0)」

 

「迅雷の障壁(風ユニット以外からのダメージ0)」

 

風・剣ユニット以外からのダメージ0。

 

レーヴァ・リサナウト「……………」

 

大きく息を吸い、二人で仲良く天を仰ぐ。

 

レーヴァ・リサナウト「リセットしよ…」

 

エネミー情報は最初から見れる様にして欲しいと、私達は強く願った。

 

 

 

 

 

○闘いの後

 

ヘレナ「おーい、レーヴァ。もう朝だぞ……、とリサナウトも一緒だったか」

 

カリス「朝御飯できたよー!リサちーも一緒に食べよ!」

 

リサナウト「ありがとうカリス。ご相伴に預かるわ」

 

ソロモン「それよりもまずは朝の体操を…」

 

ヘレナ達が一斉に私の部屋に押しかけてきたので、端末から顔を上げる。

 

すると、3人の物珍しげな物を見る視線が私に向けられていた。

 

より正確には、私の手元にあった端末の画面へと。

 

カリス「あれ!レーヴァが育成厳選してる!?」

 

ヘレナ「……レーヴァは基本ログイン勢じゃなかったか?時々やっててもリリボンがめちゃくちゃ余ってた様な…」

 

ソロモン「大丈夫?体調が悪いのなら遠慮なくハッキリと言って」

 

レーヴァ「いや、そういうのじゃないから…。ただ、軍団戦をクリアして以来、少し頑張ろうかなって思っただけ」

 

からかわれると思い、視線を逸らしてぶっきらぼうに言ってしまう。

 

でも、3人の反応は私が想像していた様なリアクションではなく。

 

カリス「えぇ〜!?レーヴァすごい!軍団戦クリアしてたの!?」

 

ソロモン「えぇ、それでこそ私達のリー」リサナウト「それでこれ私のライバルね!」…被せないで!」

 

ヘレナ「ヘレナは3-1で詰まってるんだが、誰か親切な人はいないのかなぁ…。…くふっ」

 

皆が私を暖かく迎えてくれたことに口元が緩んだ。

 

レーヴァ「………はぁ、おっけ。皆の手持ち見せて」

 

仕様がどうだと言っても、皆でするファンキルはやっぱり楽しい。

 

多分、この先も色々な新コンテンツを実装して、その度により良くしていくのだろう。

 

だから、これからも続けていこう。

 

ヘレナ「おっ。レーヴァはヘレナ(バレンタイン)を厳選してたのか。☆がたくさん付いてて嬉しい限りだ」

 

リサナウト「私はもうすぐ学園キャラが実装されるから、その時は全☆をつけてね」

 

カリス「ねぇ、レーヴァ!私も最近新ユニット出たの!」

 

レーヴァ「はいはい、分かったから…」

 

皆にもみくちゃにされながら、その日は皆で一日中ファンキルを楽しんだ。 

 

 

 

fin

 

 

 

 

 

おまけ その後の一幕

 

レーヴァ「そういえばカリスに新ユニット実装ってことは、ヘレナ達も…」

 

ヘレナ・ソロモン「…………」

 

リサナウト「あら、皆どうしたの?」

 

レーヴァ「……ヘレナ?」

 

ヘレナ「あ、あぁ…。ヘレナはもうすぐ出ることに決まったよ。ソロモンとレーヴァはまだわからないが…」

 

ソロモン「そ、そうね!まだ全員実装が決まった訳じゃないかr」カリス「ヘレナの後はソロモンとグラ姉が実装される予定だよ!」カリス!!」

 

レーヴァ「グラ姉…?誰、その女…」

 

リサナウト「えいっ!」

 

一悶着になる前にリサナウトが時を巻き戻しました。

 

 

 

おしまい

 

 




軍団戦実装記念でSSにしました!
特定属性の大多数のユニットを揃えないといけないということで、普段使ってないキャラを育成・活躍させるのが楽しかったです!
皆様もこれを機に色んなファンキルキャラの新しい魅力を探して頂けたら嬉しいです!
最後まで見て頂きありがとうございました!

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