魔導物語 Seven Catastrophe 作:アヤ・ノア
伝説の三剣士と七人の狂戦士、この十人の戦士が動きます。
この世界は、人の生活に交じって人ならざる者が暮らしている。
人に危害を加える魔物も、人に友好的な亜人も、この世界には存在する。
それでも、大きな争いはほとんど起こらない、絶妙なバランスで平和が保たれていた。
だが、その世界のバランスは、異世界から様々なものが来ている事で、
今や危ういものとなってきている。
一つ歯車がずれれば崩壊してしまう……そんな危機に立たされていた。
もちろん、それを狙う存在が、いないわけではない――
「……この世界は今、バランスが崩壊している」
泉の中から世界の様子を見ているのは、白いローブを纏った性別不明の人物だ。
その人物の傍には、同じローブを纏った七人の人物が立っている。
「……ふむ、確かにこの世界は穢れているな。一度破壊する必要がある」
「ねぇねぇ、ちょっと面白い事になってきたんじゃない? 私達で滅茶苦茶にしましょうよ」
女性が男性に甘えるように話しかける。
「キラー、口が過ぎるぞ」
「あ、ごめ~んクラッシャー」
キラーと呼ばれた女性がクラッシャーと呼ばれた男性に注意され、口を塞ぐ。
「……しかし当然、邪魔者は入ってきますよね?」
「そうだ。故に、お前達カタストロファーセブンが邪魔者を排除し、世界の終焉を手伝うのだ。
よいか、絶対に失敗は許されないぞ」
「御意」
ローブを纏った人物がそう言うと、人形を持った男性はその人物に敬礼をした。
彼が連れている人形も、カタカタと笑っていた。
「さぁ、世界を終わらせるぞ!」
『はっ!!』
七人が敬礼すると、その姿は消えた。
一方、その様子を見ていた三人の剣士がいた。
「まずいわね……」
「これは、本格的に動くしかなさそうだな」
茶髪に青緑の瞳を持つ中年男性と、
金髪碧眼の女性的な魅力を持つ青年が危機感に満ちた表情をしていた。
「「セイバー」」
「うん、分かってるよ」
セイバーと呼ばれた緑の髪と黒い瞳の少女剣士が、二人の言葉を聞いて頷く。
「私達トライブレードは、世界が危機に瀕した時のみ動く存在だ。つまり、そういう事だよ」
トライブレード――それは、人間でありながら神の領域に近付いた、伝説の三剣士の事である。
絶大な力を持つ代わりに、世界が危機に陥らなければ動く事はできない。
つまり、彼らは世界にとっての白血球と言える。
「私はアルルを探しに行くよ。エッジとソードは、他に仲間がいないか探してね」
「ああ」
「ええ」
エッジと呼ばれた中年男性と、ソードと呼ばれた青年は、空間を破って飛び出したのだった。
「世界の破滅……必ず阻止してみせる!」
「世界の終焉……必ず実現してみせる!」
こうして、世界を破滅に導こうとする七人の狂戦士と、
世界を守ろうとする伝説の三剣士が動き出した。
~次回予告~
いつものように平和に暮らしていたアルル、アミティ、りんご、アリア。
しかし、そんな彼女達を、ある大きな脅威が襲う。
そして四人は、様々な世界に散り散りになってしまった……。