魔導物語 Seven Catastrophe   作:アヤ・ノア

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~前回までのあらすじ~

プリンプタウンの洞窟で、アリア達はカタストロファーセブンの一人、キラーと出会った。
召喚士を痛めつける彼女に、怒りが湧き出るアリア達。
キラーを倒して、プリンプタウンを魔物の脅威から救えるだろうか。


13「戦闘! キラー」

「行きなさい、ホブゴブリン!」

「ケケケケケーッ!」

「エアトルネード! フェーゴフレイム!」

 アリアは風の精霊エアを召喚し、キラーが使役しているホブゴブリンをまとめて攻撃する。

 続けて炎の精霊フェーゴを召喚してホブゴブリンを燃やす。

「ホブゴブリンはタフでとっても強いのよ。さぁ、こいつらを仕留めておやり!」

 キラーがホブゴブリンに指示を出し、アリアに棍棒をブーメランのように投げつける。

「く……グランウォール!」

 アリアはグランを召喚して攻撃を防御し、棍棒はホブゴブリンの手元に戻ってくる。

 だが攻撃は通ったらしく、アリアはそこそこのダメージを受ける。

 次に来るホブゴブリンの攻撃を、アリアはエアを召喚して受け流す。

「ラ・オシ・ド・スカト!」

「グオォォォォォ!」

「わぁぁ!」

 キラーはホブゴブリンに強化呪文を使う。

 攻撃力が増したホブゴブリンはベストールに近付いて思いっきり棍棒を振り下ろし、

 ベストールを吹っ飛ばし壁に叩きつけた。

「いってぇ!」

「ベストールお兄ちゃん、今回復します! ルフィーネヒール!」

 アリアは光の精霊ルフィーネを召喚し、傷ついたベストールの身体を癒す。

「ギスカン、こいつらを倒せ!」

 ベストールはギスカンをけしかけ、瀕死の重傷を負ったホブゴブリンにとどめを刺した。

「フェーゴアタック!」

 アリアはフェーゴを召喚し、炎によってホブゴブリンを焼き尽くした。

 そして、ホブゴブリンを倒したフェーゴは、

 その勢いで残ったホブゴブリンに突っ込んでとどめを刺した。

 

「ちっ、よくも私の魔物を! 次はこいつらよ!」

 キラーが鞭を地面に叩きつけると、二体のスライムが現れた。

「これは……物理攻撃は通りづらそうですね」

「俺達の攻撃は魔法攻撃だから問題はないが、問題は酸の攻撃なんだよなぁ」

 そう、スライムが飛ばす酸は、防御を貫通する効果があるのだ。

 なので、なるべく攻撃を受けないようにしなければならない。

「敵から距離を取って……ギスカン!」

 ギスカンは手から無数の弾丸を放ってスライムを撃ち抜く。

「ミスティレイン!」

 アリアはミスティを召喚し、スライムに雨を降らせる。

 集中できずに狙いを誤りそうになったが、その攻撃は何とかスライムに命中した。

「いきますよー、グランクエイク!」

 アリアはグランの力を借り、地面を揺らしてスライムをよろめかせる。

「……ところで、キラーさんは戦わないのですか?」

「この魔物に勝てないようじゃ、私と戦う価値もないって事よ」

「ちっ、んじゃあ遠慮はいらないって事だな!」

 言葉で分かり合えないと知ったベストールは、改めてキラーと全力で向かい合う事にした。

 しかし、アリアの様子はどこかおかしかった。

「どうした、アリア」

「うぅ……ベストールお兄ちゃん、もう魔力が切れかけています……」

 アリアは、何度も召喚術を使ったため、魔力が限界になりかけていた。

 もしここで魔力が尽きれば、キラー側が圧倒的に有利になるだろう。

「仕方ねぇ……とっておきだが、タイムバック!」

 ベストールが懐中時計を取り出して掲げると、アリアの表情が活気を取り戻した。

「ありがとうございます……今、何を?」

「この懐中時計を使って、俺とお前の時間を戻したんだ。

 消耗が激しいから一発しか使えねぇが……これでもう大丈夫だろ」

「ありがとうございます。これで召喚術をまた思いっきり使えますね」

「ふん、どうやろうと結果は同じよ! 行け!」

 キラーがスライムに指示を出すと、スライムが二人に粘液を飛ばしてきた。

 ベストールは攻撃を回避し、ギスカンを突っ込ませてスライムを倒した。

「うおっ!」

 だが、もう一発の攻撃をかわす事はできず、ベストールはダメージを受ける。

 その後、スライムは自らの傷を修復した。

「こいつ、再生能力まであるんだな」

「油断はできませんね」

「ほほほ、そのまま消えなさい」

「へ……消えるのはお前の方だよ! 行けっ、ギスカン!」

 ベストールはギスカンをキラーにけしかけるが、

 スライムがキラーを庇って代わりにダメージを受ける。

「馬鹿な! スライムは知性が低いはずだぞ!」

「知性は低くても私の命令には従うのよ。分からないのね、お・ば・か・さ・ん?」

 キラーに馬鹿にされたベストールが逆上しようとするが、

 アリアに「落ち着いてください」と宥められる。

「そうか……逆上したら相手の思う壺だな。ああ、落ち着きを取り戻したぜ」

「そうですね……フェーゴボム!」

 アリアはフェーゴを召喚し、フェーゴはスライムの前で爆発する。

「よし、このまま一気にいくぜ!」

 ベストールがギスカンに指示を出すと、ギスカンはエネルギー弾を放った。

 しかし、スライムはギリギリのところで回避し、エネルギー弾はあらぬ方向へ飛んでいった。

「ちっ、悪運の強い奴め。だが、これでとどめだ!」

 ベストールはもう一発、エネルギー弾を放った。

 今度はまともに命中し、スライムを倒す事に成功した。

 

「……やるじゃないの」

 キラーは、スライムとホブゴブリンが全滅したのを確認すると、

 羽の生えた小型の魔族を引き連れてアリアとベストールの前に現れた。

「どうやら、私も本気を出すしかないようね。特別に、私が直々に引導を渡してあげるわ」

 そして、キラーはインプと共に、アリアとベストールに襲い掛かった。

「ポイズンリキッド!」

 キラーは毒の体液を分泌させ、鞭に塗った。

 それは、彼女が人ではない事を証明するものであった。

「これで、おしまいよ」

「それはこっちのセリフだ! ギスカン、弾をばら撒け!」

「エアウィンド!」

 ベストールの指示でギスカンが弾をばら撒いて、インプの群れを攻撃する。

 続けてアリアがエアを召喚して鎌鼬に変え、インプを一体切り裂いて撃破した。

「よくもやったわね! スピンウィップ!」

 キラーは毒を塗った鞭を振り回してアリアとベストールを攻撃した。

「ぐぅっ!」

「きゃっ!」

 攻撃は命中し、アリアとベストールの身体に毒が回る。

「そのまま悶え苦しみなさい」

「誰が悶え苦しむものか……!」

「私達は……あなたに、絶対に負けま……せん! ルフィーネヒーリング!」

 アリアは光の精霊ルフィーネを召喚し、二人のダメージを全回復した。

 だが、回復したのはダメージだけで、毒までは治せなかった。

「うぅ……辛いぜ……」

「今、解毒をしますから!」

「そうはさせないわよ! やっちゃいなさい!」

「「キキィーッ!」」

 アリアが毒消しを使って毒を治そうとしたが、インプの魔法攻撃に阻まれる。

「解毒できないなら……とっとと片付けてから解毒するぜ!」

「そうですねっ!」

 ベストールは震えながらギスカンをけしかけてキラーを集中攻撃する。

 アリアも、威力が高いフェーゴを召喚して火柱に変えて燃やした。

「あちちち!」

「このまま一気に攻めますよ。フェーゴブラスト!」

「きゃぁぁぁ!」

「エアポゼッション!」

 アリアはフェーゴを爆発させた後、エアを自分の身に宿して杖を槍に変える。

「とどめは任せたぞ!」

「はい! さよなら……大人しく消えなさい。トルネードランス!」

「ば、馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 そして、アリアは槍を持ってキラーに突っ込み、彼女に槍を突き刺すと竜巻が起こる。

 竜巻に飲み込まれたキラーは、大きく空に吹っ飛び、地面に叩きつけられて戦闘不能になり、

 その後、マナとなって消滅した。

「ギィィィィィィィ!」

「キィィィィィィィ!」

 キラーが消滅したと知ったインプは、すぐさま魔界へと姿を消した。

 

「ピュリファ! ……よし、解毒は終わったぜ」

「……後は、倒れている皆さんを治すだけですね」

 アリアとベストールは解毒を終えた後、倒れている四人に回復魔法をかけた。

「……ん」

「あれ……」

「ここは……」

「どこだ……?」

 ティルラ、マーベット、ローゼマ、アルガーがゆっくりと起き上がる。

 四人はばたんきゅーしただけで死んでいなかったため、

 アリアとベストールは「よかった」と安堵した。

 ローゼマとアルガーは素直に二人に感謝し、マーベットは「良い展開になったっス」と言った。

 しかし、ティルラだけはどこか悔しそうな表情をしていた。

「私があんた達に助けられるなんて屈辱だわ」

「そんな、屈辱だなんて……」

 ティルラの言葉に対しアリアは困った表情になる。

 ベストールはアリアをフォローするために彼女にこう言った。

「ティルラはあまり仲間との協力を好まない性格だから、ああいう事を言ったんだ」

「そうでしたか……」

「失礼ね、冒険を通して少しは学んだわよ」

 そう言って、ティルラはベストールに軽く拳骨を浴びせた。

「そういえば、キラーを倒しましたので、その後はどうしますか?」

「しばらく、あなた達と一緒にいますよ。レイリーとジルヴァが見つかるまでね」

「レイリーとジルヴァって、誰っスか?」

 マーベットは二人の名前を知らないようで、アリアがその二人について説明する。

「私の仲間ですよ。今ははぐれていますがね」

「じゃあ、その二人が見つかるまで、わたし達と一緒って事ですか?」

「……まぁ、そういう事になりますね」

「ありがとうございます! あの……名前を教えてくれませんか? わたしはローゼマです」

「アリアです」

 喜ぶローゼマに、アリアはあの「愛を語る少女」を一瞬だけ思い出すのだった。

 

「では、そろそろ洞窟を出ますか」

「やっと明るい場所に出られるぜー」

「これでまた一歩、小説を進められるっスね」

「帰ったらコマーナの料理、食べましょうね」

「はいはい」

「みんな、本当に無事でよかったぜ……」

 召喚士達は、意気揚々と洞窟を出るのであった。




~次回予告~

プリンプタウンに帰るため、アルル達は魔導世界で冒険をする。
だが、魔導世界にいたのはアルルだけではなかった。
その人物と出会う時、アルルの運命が動き出す……。
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