魔導物語 Seven Catastrophe 作:アヤ・ノア
アルルは、プリンプタウンに戻るために魔導世界でセイバー達と冒険していた。
だが、戻るための手掛かりは見つからず、魔物も強くなるばかり。
そんな中で、アルルは腐れ縁であるルルーとシェゾと再会。
彼らを仲間に加えて、戻るための手掛かりを探すのだった。
プリンプタウンの並行世界も崩壊しつつあると知ったアミティは、
おしゃれなお店で準備をしていた。
「うん、これで十分だね。ありがとうございます、おしゃれコウベさん」
「どういたしまして」
アミティの鞄には、たくさんの薬草と魔法薬が入っている。
もちろん、この世界のおしゃれコウベは別人ならぬ別骸骨なのだが、
アミティは物怖じせずに話していた。
「アナタの顔はどこかで見た事があるような気がするけど、全然違う人なのね」
「う~ん、あたしまだ元の世界に帰れてないし~。ところで、この世界のあたしって……」
「おーい、アミティー。もう終わったかー?」
アミティがそう言いかけた瞬間、エッジが向こうで自分を呼ぶ声がした。
「はーい! あ、今行くからね!」
アミティはすぐに、エッジの下へと向かった。
その頃、プリンプ魔導学校では、生徒達がアコール先生とロージィ先生から訓練を受けていた。
「では、次にこの的を破壊してください」
「はーい」
アコール先生が魔法で的を作り出す。
「それじゃ、ラフィーナ! これを壊してねっ」
「はい。ネージュ!」
ラフィーナは氷を纏った掌底を繰り出して的に打ち付けた。
しかし、的は壊れなかった。
「え、なんで壊れませんの!?」
「多分、これは氷属性に耐性があるからかな。よし、ここは……イグニス!」
クルークが鬼火を放つと、的は呆気なく壊れた。
「この的には、炎属性の魔法が良く効いたのさ」
「そうだよ。敵を知るにはまず、弱点を知る事」
「そうしなければ、この先の困難は乗り越えられませんよ」
「はーい」
「では、次の人……」
「お待たせ、エッジ」
アミティは買い物を終えた後、エッジのところへ向かった。
「おう、これで十分のようだな。さて、まずは異変がどこで起こっているかを探そう。
ああ、それと、アミティ、オレからは離れないでくれ。魔物がいない場所を通るから」
「うん、分かった」
アミティがエッジの言う通りに進んでいくと、魔物に一度も会わずに道を通り抜けた。
「エッジ、すご~い。魔物に一回も会わなかったよ」
「今、凄く死にやすくなっているからな」
アミティ達が戦ってきた魔物は、質も量も今まで以上に強くなっている。
なので、エッジは戦闘を避け、目標となるカタストロファーセブン討伐を優先している。
「無駄な戦闘はなるべく避けろ。やり過ごせる敵はやり過ごせ。これが、オレの今の言える事だ」
「あたしも元の世界に帰りたいしね」
「そうだったな、すっかり忘れていた。
やはりトライブレードをやっているとこういうところに手が回らないんだ」
トライブレードが戦うのは、世界のため。
アミティが戦うのは、自分のため。
守るべきものがそれぞれ異なるために、このような事になっている。
「……」
「どうしたの、エッジ?」
アミティがエッジに声をかけるが、彼女の声が耳に入っていないのかエッジは何も言わない。
5分後、エッジは小さくこう呟いた。
「……プリンプ魔導学校が騒がしい。一度、プリンプ魔導学校に戻るぞ」
「えっ、なんで?」
「向こうから、魔物の臭いがするからだ!」
「魔物だって!?」
エッジはいきなり方向転換すると、プリンプ魔導学校の方に走り出した。
アミティは彼の突然の行動に驚きつつも、彼についていくのだった。
「皆さん、絶対に私から離れないでください!」
「魔物が大量に出るなんてね……でも、勝てない相手じゃないよ。気を抜かないで!」
「フラーム!」
「セルリアン」
「テクトニック!」
「ウラガーノ!」
「スタンプ!」
「ファイアボール!」
「アイスニードル!」
「ライトニング!」
「フォトン!」
アコール先生とロージィ先生に守られながら、この世界のラフィーナ達は、
技や魔法でプリンプ魔導学校に襲撃してきた魔物を倒していく。
前衛型のラフィーナとタルタルは前に出て、シグ、オーディ、アポロは二人の遊撃を担当する。
クルーク、リデル、ジュディ、メーガンは後衛から五人の援護を行った。
ゆらゆらと歩くゾンビはシグの光魔法とラフィーナの炎技が焼き尽くし、
無数の虫を、アポロの雷魔法がなぎ倒す。
「アレ・クロア!」
「紅時雨!」
アコール先生とロージィ先生は、生徒達が倒し損ねた魔物のとどめを刺した。
「こんな時に、アミティさんがいれば……っ」
「でも、アミティーはいないー」
「一体どうすれば……きゃあ!」
「ラフィーナ!」
いきなり出てきたゾンビの爪に引っかかれ、ラフィーナは転倒してしまう。
オーディは急いで彼女の救援に入り、剣でゾンビの攻撃を防御した後に切り裂く。
だが、ゾンビは物量でラフィーナとオーディを攻めていき、二人に浅くない傷を負わせていく。
「ヒーリング!」
何とかアコール先生が回復魔法で傷を治すが、その間にも敵はどんどん襲い掛かる。
「ウオォォォォォォォォ……!」
別の方向から異形の戦士が最前衛のタルタルに襲い掛かってきた。
しかし、異形の戦士が斧を振り下ろそうとした次の瞬間、
風を纏った剣が異形の戦士を真っ二つにした。
「今、助けに来たぞ!」
「アミティさん!」
エッジとアミティが、ラフィーナ達を助けるために姿を現したのだ。
~次回予告~
この世界のプリンプ魔導学校を守るため、アミティ達は救援に入る。
魔物は容赦なく襲い掛かるが、諦めずに立ち向かうアミティ達。
そして、魔物を率いていたのは、なんと……!?