魔導物語 Seven Catastrophe 作:アヤ・ノア
最初からぶっ飛んだ感じになっています。
「今日も平和だね~、カーくん」
「ぐー♪」
アルルは、いつものようにカーバンクルと共にふれあい広場で楽しく暮らしていた。
といっても、家がないアルルはここにいる事が多いのだが。
「やっほー! アルル、おはよう!」
「おはようございます」
「あ、アミティにりんご……に、アリア!」
「私はついでですか」
そんな彼女のところにやって来たのは、
同じAの頭文字を持つアミティ、りんご、アリアだった。
「ねぇ、今日は何して遊ぼっか?」
「今日は陽の日で学校も無いし、たまには未完の塔にでも行ってみようか!」
「塔かぁ……懐かしいなぁ」
アルルは、塔を舞台とした二度目のぷよ地獄を思い出した。
一方、未完の塔とは、ほほうどりが建設している未だ完成していない塔である。
「あたしも久々に行くし、りんごとアリアは初めてだよね?」
「はい……名前を聞いたのは初めてですから」
「私も、です」
二人にとっては初めてとなる、未完の塔。
一体、そこはどういう場所なのだろうか。
そんな期待を込めて、アルルと共に四人が未完の塔に行こうとした、その時。
「こ、この空は何……!?」
突然、空が暗雲に包まれた。
アルルが空を見ると、暗雲の中心から無数の魔物達が降り立った。
そして、それは四人の前にも立ち塞がった。
「ぷよぷよ~~~~」
四人の前に現れたそのぷよは、目つきがつり上がっていて、
明らかにアルル達に敵意を向けていた。
「こ、これって……あの時の!」
以前、アミティは凶暴化したぷよに襲われた事があり、既視感を感じていた。
「……倒しましょう」
アリアは杖を構え、戦闘態勢を取った。
アルルとりんごも凶暴化したぷよを倒す事にした。
「フレイム!」
アミティがぷよを炎魔法で攻撃するが、倒すまでには至らなかった。
そこにりんごのコサインが入り、ぷよは倒される。
「水の精霊ミスティよ、我が敵を薙ぎ払え! ミスティウェーブ!」
アリアは水の精霊ミスティを召喚してぷよを薙ぎ払い、ばたんきゅーさせる。
「あいたたたたた! でも、あたしは、負けたくないよ!」
アミティは、以前は襲い掛かってくるぷよを攻撃したくないと思っていた。
しかし、数々の戦いを経て、そんな甘い気持ちは今の間だけ捨てる事にしたのだ。
「ダイアキュート、ア・アイスストーム!」
アルルが増幅呪文を唱えた後、ぷよを吹雪で一掃する。
「ブラストビート!」
「タンジェント!」
アミティがぷよを風で吹き飛ばした後、りんごが電撃を放ってぷよを痺れさせる。
「地の精霊グランよ、我が敵を破壊せよ! グランクエイク!」
最後にアリアが地の精霊グランを召喚し、
地震を起こした事により全てのぷよはばたんきゅーした。
「……はぁ、まさかまたぷよぷよがこうなるなんて思ってなかったよ」
「それでも、敵はみんなやっつけたんだし、早く未完の塔に行こう!」
「ぐーぐぐ!」
「……うん、分かった!」
凶暴化したぷよを倒したアルル、アミティ、りんご、アリアは、
当初の目的通りに未完の塔に向かった。
今はこんな異変なんて、どうでもいいと思ったからだ。
「ホッホホーゥ! ん、アンタ達、見ない顔っスね」
未完の塔には、ほほうどりが立っていた。
どうやら、ほほうどりはりんごとアリアの事を知らないようだ。
「あ、私はあんどうりんごです」
「アリアと申します」
りんごとアリアはすぐに彼に自己紹介をして、ここに来るのは初めてと言う。
「ふーん。アンタ達も修行に来たっスか?
それならば是非、ここの天空の階段に挑戦してほしいっス」
「天空の階段、ですか?」
「無限に続く階段っス。修行には最適の場所っスよ」
「なるほど……。挑戦したいですね。私の実力が外で通用するか、を」
「無限に続くなら、興味深いです」
知的好奇心が旺盛なりんごは、天空の階段の謎を知りたがっていた。
アリアは、純粋に実力を試したいために挑戦しようとしていた。
「よし! じゃあ、早速天空の階段に……」
ほほうどりがそう言いかけた、その時。
―ピシャーン!
「ピヨッ!」
突然、未完の塔に雷が落ちてきた。
驚いたほほうどりが尻餅をつく。
「ど、どうしたの、ほほうどり?」
「か……雷が落ちたっス……。何かやばそうな気がするっス……」
「なーんだ、それなら大丈夫だね。よし、早く天空の階段を登るよ!」
そう言って、アルルが天空の階段に挑戦しようとした時。
「……あれ?」
何故か、元の場所に戻されていた。
「なんで……天空の階段に行けないの?」
「アルル、どうしたの?」
「あ、アミティ……あのね、どうしても天空の階段に進めないんだ」
「「どういう事(っスか)?」」
アルルの言葉に首を傾げるアミティとほほうどり。
その時、背後から不気味な笑い声が聞こえてきた。
四人と一羽が驚いて振り返ると、そこには黒い道着を着た金髪金眼の男が立っていた。
「この空間を閉ざしたのだ」
「空間を閉ざした……? どういう事なの?」
「ああ、名を名乗るのを忘れていたな。俺はブレイカー、世界を破壊する者……」
「なんだって!?」
「ぐぐぐー!」
アルルはブレイカーと名乗った男に怒鳴る。
「キミの勝手な行動、許さないよ! ファイ……」
アルルが炎魔法で攻撃しようとした瞬間、三つの悲鳴が彼女の耳に入った。
「みんな!?」
「ここで俺を倒すのならば、こいつらが死んでも文句は言えないな?」
アミティ、りんご、アリアは、ブレイカーの手によって拘束され、
アルルの目の前に突きつけられていた。
ここでファイヤーを唱えれば、三人は炎に焼かれてしまうだろう。
アルルはすぐに魔法詠唱を止めた。
「人質を使うとは、なんと卑怯な!」
「何とでも言うがいい。……さて、この後はどうするか?」
ブレイカーは顎に手を当て、首を捻る。
「……そうだ。確か、お前は元の世界に帰りたいのだろう?」
「どうして知っているんだ」
アルルが聞き返すと、空間が震え出した。
これは、ブレイカーが魔法を使ったのだろう。
「アルル……!」
アミティ達がアルルを助けようとするが、魔法の影響なのか身体が動かない。
「ああ、安心するがいい。他の世界にももうじき、軍勢が来る。
……さぁ、望み通り、お前を元の世界に返してやろう!」
「やめてぇぇぇぇーーーーーっ!!」
「ぐぅーーーーーーーーーーっ!!」
アルルとカーバンクルが絶叫すると同時に、空間が大きく揺れ、塔全体を飲み込んだ。
~次回予告~
謎の男・ブレイカーによってバラバラになってしまったアルル達。
アルルが飛ばされたのは、なんと、元の世界だった。
そこで彼女が出会ったのは、謎の女剣士だった。