魔導物語 Seven Catastrophe   作:アヤ・ノア

20 / 41
~前回までのあらすじ~

プリンプタウンに戻るため、りんごとソードは冒険していたが、
二人は廃墟となったショッピングモールの中に入る。
魔物を退けながら探索していくと、まぐろとりすくませんぱいと再会する。
そして、りんご、まぐろ、りすくませんぱいの物理部三人が揃うのだった。


19「謎の少年ナイアック」

「んじゃ、俺達はここまでだな」

「皆さん、ありがとうございました」

 アリアは、冒険を終えた召喚士に別れを告げた。

 ティルラ、マーベット、ローゼマ、ベストール、アルガーはシュルッツに帰っていった。

 

「さて、私もそろそろ、プリンプタウンに戻りましょうかね。どうなっているかは知りませんが」

 アリアは、精霊と共に第二の故郷、プリンプタウンへ行く道を歩いていた。

「……っ!」

 その時、足に痛みを受け、アリアは蹲る。

「誰がこんな事を……! く、魔物ですか!」

 アリアの足に噛みついたのは、巨大な蜘蛛の魔物、ビッグスパイダーだった。

「魔物め! 消え失せなさい!」

 アリアはその魔物の弱点が炎だと見抜き、炎の精霊フェーゴを召喚してけしかけた。

 しかし、ビッグスパイダーは機敏な動きでアリアの攻撃をかわす。

「かわされた!? なら、こうすれば……!

 地の精霊よ、彼の者を縛りたまえ! アース・バインド!」

 アリアは地の精霊グランを召喚し、蔦を呼び出してビッグスパイダーの動きを制限する。

「フェーゴフレイム!」

 そして炎の精霊フェーゴを召喚して巨大蜘蛛を炎で包む。

 巨大蜘蛛は炎に弱く、大ダメージを与える事に成功した。

「よし、このままいけば! フェーゴボム!」

 その後、フェーゴが爆発し、巨大蜘蛛は消滅した。

 

「せっかく帰りたかったのに、なんで魔物が……。早くプリンプタウンに戻りたいのに……」

 アリアはぶつくさ言いながら、プリンプタウンへの道を歩き続ける。

「何事もなければ、いいのですが……」

 しかし、今のこのプリンプタウンで、何かが起こらないわけがなかった。

 アリアの目の前に、暴走したサラマンダー、ウンディーネ、シルフ、ノームが現れた。

「……っ! 精霊!? 暴走してますね! これも異変の影響でしょうか。

 ですが、私が取る事はただ1つ! 行きなさい、ミスティ!」

 アリアは杖を構え、水の精霊ミスティを召喚する。

 彼女はミスティを水に弱いサラマンダーにけしかけて大ダメージを与えた。

 暴走した精霊はアリアに魔法を放ったが、アリアは攻撃を全てかわす。

「ミスティレイン!」

 アリアが杖を振りかざすと、ミスティが雨を降らせる。

 サラマンダーは大ダメージを受け、マナの塵と化した。

 

「まずは一体倒しました、次もいきましょう!」

 アリアはもう一度杖を構え直し、精霊を召喚して攻撃しようとする。

「きゃあ!」

 しかし、暴走したノームの攻撃を受けて詠唱が中断される。

 さらにウンディーネの水の鞭を受けたアリアは転倒し、シルフの追撃が入ってしまう。

「あいたたた……こんなに連続で攻撃が来ると、持たないかもしれませんが、私は諦めません!

 フェーゴボム!」

 アリアはフェーゴを召喚し、ウンディーネに向かって放つ。

 ウンディーネは爆発の衝撃で大きく吹き飛ばされ、

 アリアはその隙に杖からエアが変化した風を放つ。

「これで、倒れるはずで……あぁっ!?」

 アリアが安心したのも束の間、ウンディーネは起き上がって水の鞭を振りかざした。

「しまった! 当たる……っ!」

 アリアが思わず目を閉じた瞬間、ウンディーネは何者かにより真っ二つになった。

 

「え……?」

 アリアは目を見開いた。

 彼女の傍らにいた緑髪の少年剣士は、静かに長剣とレイピアを納めた。

「あなたは……?」

「僕はナイアック。世界を救うために来た」

 ナイアックの、少年とは思えない落ち着きぶりに、アリアは何も言えなかった。

「カタストロファーセブンの進撃は、もう、君一人では止める事はできない。

 僕達が止めなければ意味がない」

「ナイアック……」

「だから、少女。一緒に戦ってくれ」

「分かりました。ナイアックさん、私の名前はアリアですよ」

 アリアは突然現れたナイアックに困惑しつつも、彼と共闘する事にした。

「ミスティヒール!」

 アリアは水の精霊ミスティを召喚し、自身の体力を回復する。

「グランクエイク!」

「ツインスラッシュ!」

 続けて、アリアは地の精霊グランを召喚して岩を飛ばし、シルフに大ダメージを与える。

 ナイアックは双剣から衝撃波を飛ばし、ノームを切り裂いた。

「僕は足が速くてもそんなに打たれ強くはない」

「私もです」

「だから、短期決戦で行くよ! 撃鉄撃連刃!」

 ナイアックは右手の長剣でシルフを斬った後、左手のレイピアでシルフを貫き、

 暴走したシルフをマナの塵に変えた。

「あと一体! エアブレード!」

 アリアは風の精霊エアを召喚してノームを切り裂き、大ダメージを与える。

 その隙にナイアックが双剣を振るってノームを斬りつける。

「とどめです! エアトルネード!」

 そして、エアが竜巻に姿を変えるとノームを包み込み、切り刻んだ。

 竜巻が消えると、ノームはマナの塵と化した。

 

「まさか、こんなところにも魔物が現れるなんて」

「だから言っただろ? カタストロファーセブンの進撃は止められないって。

 ほら、世界は徐々に崩れているし」

「あ……」

 アリアが建物の壁を見ると、亀裂が走っていた。

 少しつつけば、間違いなく建物は崩壊するだろう。

「嘘でしょう?」

「事実だ。もう、平和な世界じゃなくなっている。早くしなきゃ世界は崩壊してしまう」

「もう、安全地帯はないという事ですか……」

 はぁ、と溜息をついて落胆するアリア。

 ナイアックは彼女の肩に手を置いてこう言った。

「全ての希望が失われたわけじゃない。僕達が希望の光になるんだ。

 カタストロファーセブンという闇を払う、ね」

「……そうですね、ナイアックさん。希望が潰えるのは、嫌ですからね!

 さあ、私と共に戦いましょう、フェーゴ、ミスティ、エア、グラン、ルフィーネ!」

 

 こうして、アリアは謎の少年剣士と共に、世界を守るために戦うのだった。




~次回予告~

ルルーとシェゾと再会したアルルは、食事をとりつつこれからの事を考える。
戦いが続く中、アルル達はひと時の休息を取っていた。
だが、その休息の最中にも、魔物は容赦なく襲い掛かった……。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。