魔導物語 Seven Catastrophe 作:アヤ・ノア
プリンプタウンホールを守るべく、アミティとエッジはブレイカーに戦いを挑む。
最初に出会い、またアルル達をバラバラにした張本人である彼に、
アミティ達は気合を入れて戦いを挑む。
苦戦はしたものの、アミティ達はついに、ブレイカーを撃破したのだった。
りんご、まぐろ、りすくませんぱい、ソードは、
ショッピングモールのB館4階に上がった。
このフロアには鍋や包丁といった、台所で使う道具が散乱している。
上への階段は瓦礫で埋もれて登れなくなっており、
隣のフロアに移動する連絡通路も途中で亀裂が入っていた。
だが、亀裂には椅子がかけられているため、隣のフロアに移動はできそうだ。
「台所用品は落ちてるけど、今の私達に必要はありませんね」
「ボクがちゃーんと持ってるしね★」
まぐろが調理道具を取り出して一行に見せる。
「うむ。それで、上に行きたいのだが……」
「階段は登れませんし、連絡通路も亀裂が入ってますし……」
「亀裂がある場所を登るしかなさそうね」
そう言って、ソードは折り畳み椅子を使い、亀裂がある場所を乗り越えようとした。
「あ~らよっと★」
「おっ、とっ、と!」
まぐろは華麗な動きで向こう側に渡る事に成功。
りんごもあまり運動神経は良くなかったが、何とかまぐろと共に向こう側に渡った。
「問題発生っ!」
「りすせんぱい!」
しかし、りすくませんぱいが渡ろうとした瞬間、
りすくませんぱいは足を踏み外して落ちそうになる。
「危ない!」
ソードは急いで彼の腕を掴み、ダッシュで折り畳み椅子を駆け抜けた。
結果、全員が落ちる事なく、隣のフロアに移動する事ができた。
「はぁ、ひやひやしましたね」
「危うく落ちるところだったな」
一行はC館4階に辿り着いた。
このフロアは様々な道具が置かれていたようだが、
ケースが割れていて、その多くが持ち去られていた。
しかし、あら荒れている割に裕香はとても綺麗で、塵一つ落ちていなかった。
そして、その床に何か丸い物体が動いており、
赤いランプを点滅させながらだんだんとりんごに近付いてきた。
「あ、これ知ってます! ロボット掃除機ですね。でも、トラブルが発生してますね……」
エラー番号は一応表示されているが、りんごに対処方法は分からなかった。
床が綺麗だったのは、ロボット掃除機が掃除したからだ。
「直せる手段はありませんし、上がりましょ」
「はい」
A館5階には多数の動物用の檻やケース、水槽といったものが並んでいた。
それらの檻やケースの多くは倒れており、中身は空であった。
「うわぁ……酷い有様だね★」
「ここって、動物がたくさんいた場所でしょうか」
「……」
ソードはりすくませんぱいをじっと見つめたが、りすくませんぱいは何も言わなかった。
天井からは看板らしきものがぶら下がり、何か文字が書かれていた。
だが、それを調べるよりも早く、床を這うようにして多数の蛇が姿を見せて襲い掛かってきた。
「そんな攻撃、通じないわよ! ソードブラスト!」
ソードは大剣から衝撃波を放って毒蛇を切り裂く。
「ふりけん★」
まぐろは弱った毒蛇に剣玉を叩きつけてばたんきゅーさせた。
「サイン!」
「アイラブユー」
りすくませんぱいはりんごの援護を受け、雷を纏ったフラスコを投げつける。
フラスコが爆発すると毒蛇は痺れ、その隙にソードは毒蛇を連続で斬りつけた。
「きゃあ!」
しかし、ソードは油断して腕を猛毒の牙で噛まれてしまう。
幸い、利き腕ではなかったが、身体に毒が回りソードの顔が青ざめる。
「ソード!」
「うぐっ……毒がきついわ……」
ソードは毒でどんどん体力を失っていく。
りすくませんぱいはすぐに解毒しなければと走り出す。
「ソード君、ぐぅっ! そこをどけ!」
だが、りすくませんぱいの行く手を蛇が阻む。
りすくませんぱいはフラスコを投げて攻撃するが、大したダメージにはなっていない。
このままでは、ソードが毒で戦闘不能になってしまう。
「ピュリファ!」
その時、りんごがりすくませんぱいに解毒魔法を唱えて毒を治した。
「すまない、あんどうりんご君」
「後はボクに任せて★ 稲妻落とし!」
まぐろは雷を纏った剣玉を毒蛇に振り下ろし、毒蛇の頭を潰してばたんきゅーさせた。
「毒蛇はみんな倒しましたし、看板を見ましょう」
りんごが天井の大きな看板を見ると、「世界の様々な蛇ペットフェア」と書かれていた。
ここはどうやら、動物を扱っていた場所らしい。
見たところ、他に動くものは見当たらない。
上への階段は2つあり、どちらも問題なく登れそうである。
「どっちに行こうかな?」
「でも右の階段、瓦礫で埋まっちゃってるわよ」
「ホントだ★ じゃあ、左に行こう★」
四人は左の階段を登った後、もう一つの階段を登ってA館7階に着いた。
どうやら食堂が多数ある場所のようだ。
人はいないようだが、食堂の外には美味しそうな料理がたくさん置かれている。
また、階段も見えるが片方は瓦礫で埋もれているため、もう片方しか使えないようである。
そして、その階段はどうやら外に繋がっているようだ。
「わぁ、美味しそうな料理ね! これ、食べられるの?」
「ふむ……。いかにも食べたら美味そうだな。だが、これは食品サンプルだ。食べられない」
「なんだ、残念。じゃあ、もう少し調べてから階段を登りましょう」
りんごが部屋を調べてみると、生肉、野菜、果物、さらに簡単な傷薬が3つが出てきた。
階段を登るとこの建物の屋上らしきところに出た。
見ると、テーブルや椅子が多数並んでおり、屋台のような小屋やステージらしき場所があった。
隣の建物も同じような感じだが、本来あるはずの連絡通路が壊れているため、
行くためには建物と建物の間を飛び越える必要があるようだ。
だが、その隣の建物には、黒い煙のような姿をしたモノがいた。
「エコロ!」
「やあ、りんごちゃん。君とここで会うなんてね」
「りんごちゃん、この人は誰なの?」
ソードがエコロを見た後、彼が一体どういう存在なのかをりんごに聞く。
「ああ、この人はエコロって言って、色んな世界を旅しているんだ。
……ちょっと、性格に問題はあるけどね」
「なるほどね、大体分かったわ」
うんうんと頷くソードに、エコロは悪い印象を植え付けられたと落胆した。
「ちょっと、君達に話したい事があるんだ」
「話したい事?」
「一度しか言わないからちゃ~んと聞いてね」
エコロの言葉に四人はとりあえず彼の方を向いた。
「カタストロファーセブンは、種族としての人間じゃないんだよ。
神様が作った、人間のようなものなのさ。
彼らは今の世界を嫌っていて、世界を自分の都合の良いように作り替えようとしている。
世界が崩壊しているのは、その余波からさ」
「えぇぇぇぇぇ!」
カタストロファーの野望を知って、まぐろは驚く。
エコロは話を続ける。
「今のところ、生き残っているのはイレイザー、クラッシャー、スレイヤーの三人で、
イレイザーはアルカ遺跡、クラッシャーはシャッテン霊廟、スレイヤーはサタンの塔にいるよ」
エコロから、残りのカタストロファーセブンがどこにいるのかを教えてもらった。
しかし、りんごは情報源がどこからなのか知りたかった。
「エコロ、それをどこで知ったの?」
「サタンっていうおじさまからだよ」
「やっぱり……」
エコロが教えてくれた情報に、りんごは落胆した。
しかし、この世界を救える鍵になるかもしれないという希望も抱いた。
アルカ遺跡とサタンの塔はこの世界にはないが、
アルル、アミティ、アリアが何とかしてくれるとりんごは信じていた。
「じゃあ、この建物はもう用済みだから壊すね~!」
「えっ……!」
その時、エコロが指パッチンをした。
すると突然、爆発が起こり、建物が傾き始めた。
倒壊に巻き込まれる前に、急いで脱出する必要がありそうだ。
「に、逃げますよ~!」
「は~い!」
「みんな、アタシから離れないでね!」
「無論!」
りんご、まぐろ、りすくませんぱい、ソードは、何とか倒壊する建物からの脱出に成功した。
エコロはテレポートで姿を消したのだろう、彼の姿はどこにも見当たらなかった。
「次に私達が倒すべき敵は、クラッシャーですか」
「そういう事になるな」
「りんごちゃん、もしもカタストロファーセブンを全員倒したら、どうするの?」
「今は別の世界にいるアルル、アミティ、アリアとまた会いたいです」
アルル、アミティ、りんご、アリアはカタストロファーセブンのせいでバラバラになった。
だから、カタストロファーセブンを倒して、みんなを取り戻さなければならない。
「カタストロファーセブンを倒すのはアタシ達トライブレードの役目でもあるの。
だから、アタシに最後までついていくという事になるのよ。
みんな、分かったわね? 今は絶対に、離れちゃダメよ」
「「「はい(うむ)!」」」
残る敵はあと三人。
果たして、りんごは仲間と共にカタストロファーセブンを撃破し、
アルル達と再会できるのだろうか。
~次回予告~
謎の少年ナイアックと出会ったアリアは、戦いのために準備をする。
情報収集や物品の購入など、冒険者らしく万全の態勢を整える。
そして情報収集をしようとした時、アリア達が出会ったのは……。