魔導物語 Seven Catastrophe   作:アヤ・ノア

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~前回までのあらすじ~

プリンプタウンホールを守るべく、アミティとエッジはブレイカーに戦いを挑む。
最初に出会い、またアルル達をバラバラにした張本人である彼に、
アミティ達は気合を入れて戦いを挑む。
苦戦はしたものの、アミティ達はついに、ブレイカーを撃破したのだった。


23「異界の塔で」

 りんご、まぐろ、りすくませんぱい、ソードは、

 ショッピングモールのB館4階に上がった。

 このフロアには鍋や包丁といった、台所で使う道具が散乱している。

 上への階段は瓦礫で埋もれて登れなくなっており、

 隣のフロアに移動する連絡通路も途中で亀裂が入っていた。

 だが、亀裂には椅子がかけられているため、隣のフロアに移動はできそうだ。

「台所用品は落ちてるけど、今の私達に必要はありませんね」

「ボクがちゃーんと持ってるしね★」

 まぐろが調理道具を取り出して一行に見せる。

「うむ。それで、上に行きたいのだが……」

「階段は登れませんし、連絡通路も亀裂が入ってますし……」

「亀裂がある場所を登るしかなさそうね」

 そう言って、ソードは折り畳み椅子を使い、亀裂がある場所を乗り越えようとした。

「あ~らよっと★」

「おっ、とっ、と!」

 まぐろは華麗な動きで向こう側に渡る事に成功。

 りんごもあまり運動神経は良くなかったが、何とかまぐろと共に向こう側に渡った。

「問題発生っ!」

「りすせんぱい!」

 しかし、りすくませんぱいが渡ろうとした瞬間、

 りすくませんぱいは足を踏み外して落ちそうになる。

「危ない!」

 ソードは急いで彼の腕を掴み、ダッシュで折り畳み椅子を駆け抜けた。

 結果、全員が落ちる事なく、隣のフロアに移動する事ができた。

「はぁ、ひやひやしましたね」

「危うく落ちるところだったな」

 

 一行はC館4階に辿り着いた。

 このフロアは様々な道具が置かれていたようだが、

 ケースが割れていて、その多くが持ち去られていた。

 しかし、あら荒れている割に裕香はとても綺麗で、塵一つ落ちていなかった。

 そして、その床に何か丸い物体が動いており、

 赤いランプを点滅させながらだんだんとりんごに近付いてきた。

「あ、これ知ってます! ロボット掃除機ですね。でも、トラブルが発生してますね……」

 エラー番号は一応表示されているが、りんごに対処方法は分からなかった。

 床が綺麗だったのは、ロボット掃除機が掃除したからだ。

「直せる手段はありませんし、上がりましょ」

「はい」

 

 A館5階には多数の動物用の檻やケース、水槽といったものが並んでいた。

 それらの檻やケースの多くは倒れており、中身は空であった。

「うわぁ……酷い有様だね★」

「ここって、動物がたくさんいた場所でしょうか」

「……」

 ソードはりすくませんぱいをじっと見つめたが、りすくませんぱいは何も言わなかった。

 天井からは看板らしきものがぶら下がり、何か文字が書かれていた。

 だが、それを調べるよりも早く、床を這うようにして多数の蛇が姿を見せて襲い掛かってきた。

「そんな攻撃、通じないわよ! ソードブラスト!」

 ソードは大剣から衝撃波を放って毒蛇を切り裂く。

「ふりけん★」

 まぐろは弱った毒蛇に剣玉を叩きつけてばたんきゅーさせた。

「サイン!」

「アイラブユー」

 りすくませんぱいはりんごの援護を受け、雷を纏ったフラスコを投げつける。

 フラスコが爆発すると毒蛇は痺れ、その隙にソードは毒蛇を連続で斬りつけた。

「きゃあ!」

 しかし、ソードは油断して腕を猛毒の牙で噛まれてしまう。

 幸い、利き腕ではなかったが、身体に毒が回りソードの顔が青ざめる。

「ソード!」

「うぐっ……毒がきついわ……」

 ソードは毒でどんどん体力を失っていく。

 りすくませんぱいはすぐに解毒しなければと走り出す。

「ソード君、ぐぅっ! そこをどけ!」

 だが、りすくませんぱいの行く手を蛇が阻む。

 りすくませんぱいはフラスコを投げて攻撃するが、大したダメージにはなっていない。

 このままでは、ソードが毒で戦闘不能になってしまう。

「ピュリファ!」

 その時、りんごがりすくませんぱいに解毒魔法を唱えて毒を治した。

「すまない、あんどうりんご君」

「後はボクに任せて★ 稲妻落とし!」

 まぐろは雷を纏った剣玉を毒蛇に振り下ろし、毒蛇の頭を潰してばたんきゅーさせた。

 

「毒蛇はみんな倒しましたし、看板を見ましょう」

 りんごが天井の大きな看板を見ると、「世界の様々な蛇ペットフェア」と書かれていた。

 ここはどうやら、動物を扱っていた場所らしい。

 見たところ、他に動くものは見当たらない。

 上への階段は2つあり、どちらも問題なく登れそうである。

「どっちに行こうかな?」

「でも右の階段、瓦礫で埋まっちゃってるわよ」

「ホントだ★ じゃあ、左に行こう★」

 

 四人は左の階段を登った後、もう一つの階段を登ってA館7階に着いた。

 どうやら食堂が多数ある場所のようだ。

 人はいないようだが、食堂の外には美味しそうな料理がたくさん置かれている。

 また、階段も見えるが片方は瓦礫で埋もれているため、もう片方しか使えないようである。

 そして、その階段はどうやら外に繋がっているようだ。

「わぁ、美味しそうな料理ね! これ、食べられるの?」

「ふむ……。いかにも食べたら美味そうだな。だが、これは食品サンプルだ。食べられない」

「なんだ、残念。じゃあ、もう少し調べてから階段を登りましょう」

 りんごが部屋を調べてみると、生肉、野菜、果物、さらに簡単な傷薬が3つが出てきた。

 階段を登るとこの建物の屋上らしきところに出た。

 見ると、テーブルや椅子が多数並んでおり、屋台のような小屋やステージらしき場所があった。

 隣の建物も同じような感じだが、本来あるはずの連絡通路が壊れているため、

 行くためには建物と建物の間を飛び越える必要があるようだ。

 だが、その隣の建物には、黒い煙のような姿をしたモノがいた。

「エコロ!」

「やあ、りんごちゃん。君とここで会うなんてね」

「りんごちゃん、この人は誰なの?」

 ソードがエコロを見た後、彼が一体どういう存在なのかをりんごに聞く。

「ああ、この人はエコロって言って、色んな世界を旅しているんだ。

 ……ちょっと、性格に問題はあるけどね」

「なるほどね、大体分かったわ」

 うんうんと頷くソードに、エコロは悪い印象を植え付けられたと落胆した。

「ちょっと、君達に話したい事があるんだ」

「話したい事?」

「一度しか言わないからちゃ~んと聞いてね」

 エコロの言葉に四人はとりあえず彼の方を向いた。

 

「カタストロファーセブンは、種族としての人間じゃないんだよ。

 神様が作った、人間のようなものなのさ。

 彼らは今の世界を嫌っていて、世界を自分の都合の良いように作り替えようとしている。

 世界が崩壊しているのは、その余波からさ」

えぇぇぇぇぇ!

 カタストロファーの野望を知って、まぐろは驚く。

 エコロは話を続ける。

「今のところ、生き残っているのはイレイザー、クラッシャー、スレイヤーの三人で、

 イレイザーはアルカ遺跡、クラッシャーはシャッテン霊廟、スレイヤーはサタンの塔にいるよ」

 エコロから、残りのカタストロファーセブンがどこにいるのかを教えてもらった。

 しかし、りんごは情報源がどこからなのか知りたかった。

「エコロ、それをどこで知ったの?」

「サタンっていうおじさまからだよ」

「やっぱり……」

 エコロが教えてくれた情報に、りんごは落胆した。

 しかし、この世界を救える鍵になるかもしれないという希望も抱いた。

 アルカ遺跡とサタンの塔はこの世界にはないが、

 アルル、アミティ、アリアが何とかしてくれるとりんごは信じていた。

「じゃあ、この建物はもう用済みだから壊すね~!」

「えっ……!」

 その時、エコロが指パッチンをした。

 すると突然、爆発が起こり、建物が傾き始めた。

 倒壊に巻き込まれる前に、急いで脱出する必要がありそうだ。

「に、逃げますよ~!」

「は~い!」

「みんな、アタシから離れないでね!」

「無論!」

 

 りんご、まぐろ、りすくませんぱい、ソードは、何とか倒壊する建物からの脱出に成功した。

 エコロはテレポートで姿を消したのだろう、彼の姿はどこにも見当たらなかった。

「次に私達が倒すべき敵は、クラッシャーですか」

「そういう事になるな」

「りんごちゃん、もしもカタストロファーセブンを全員倒したら、どうするの?」

「今は別の世界にいるアルル、アミティ、アリアとまた会いたいです」

 アルル、アミティ、りんご、アリアはカタストロファーセブンのせいでバラバラになった。

 だから、カタストロファーセブンを倒して、みんなを取り戻さなければならない。

「カタストロファーセブンを倒すのはアタシ達トライブレードの役目でもあるの。

 だから、アタシに最後までついていくという事になるのよ。

 みんな、分かったわね? 今は絶対に、離れちゃダメよ」

「「「はい(うむ)!」」」

 

 残る敵はあと三人。

 果たして、りんごは仲間と共にカタストロファーセブンを撃破し、

 アルル達と再会できるのだろうか。




~次回予告~

謎の少年ナイアックと出会ったアリアは、戦いのために準備をする。
情報収集や物品の購入など、冒険者らしく万全の態勢を整える。
そして情報収集をしようとした時、アリア達が出会ったのは……。
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