魔導物語 Seven Catastrophe   作:アヤ・ノア

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~前回までのあらすじ~

アリアとナイアックは、エコロから情報を手に入れた。
行方不明になったアルル、アミティ、あんどうりんごを呼ぼうとするが、
エコロが三人を呼び戻そうとしても呼び戻せなかった。
どうやら、異世界に飛ばす力は封印されているらしい。
アリアは落胆しながらも、ナイアックと共にアルカ遺跡に行くのだった。


25「遺跡探索」

「久しぶりに、アルカ遺跡に来ましたね……」

 アリアとナイアックは、カタストロファーセブンの一人、

 イレイザーを倒すためにアルカ遺跡に入ろうとした。

―おーい!

「その声は……!」

 すると、背後から声が聞こえてきた。

 その声は、アリアには聞き覚えがあるようだ。

「レイリーさん、ジルヴァさん!」

 その二人は、アリアの仲間のレイリーとジルヴァだった。

「どうしてここに?」

「あの変な生き物がアリアの居場所を知らせてきたからなのだ」

「きっと俺達の仲間だろうと言ったからな」

「……そうでしたか。ありがとうございます」

 レイリーとジルヴァの言葉を聞いて、アリアはエコロが言ったんだな、と思った。

 とはいえ、仲間が揃ったアリアは素直に喜んだ。

 

「うわ、魔物がいますね……」

 既に入口の扉は開かれ、その周辺では多数の魔物が周囲を警戒している。

 入口を守る魔物達を倒さないと、遺跡の中に入るのは難しそうだ。

「人間ども、遺跡の探索にでも来たか? 残念だが、ここから先は通行止めだ」

「近付く者は始末しろと命じられている。この日、この場所を訪れた事を悔やめ!」

「来るのだ! ソードダンス!」

 レイリーはゴブリンの群れに突っ込んで小剣で舞うように切り裂いた。

「ワイドスラッシュ!」

 ナイアックもレイリーに続けてゴブリンの群れに剣とレイピアを振る。

 しかしゴブリンの一体はナイアックの攻撃をかわした。

「くそ、何故当たらん」

「イレイザーサマノ カゴダ!」

「ダカラ クラエ!」

「うあぁぁぁぁっ!」

 オーガはナイアックを殴りつけ、かなりのダメージを与えた。

 今の魔物はイレイザーの加護によって強化されている。

 動きも速くなり、力も強くなっているようだ。

「ゴブリンの攻撃も速いのだ~っ!」

 レイリーはゴブリンの攻撃を、その身軽な動きでギリギリながら回避する。

「ぐあぁぁっ!」

 しかし、ゴブリンの攻撃がナイアックにクリーンヒットし、大きく吹っ飛ばされる。

「大丈夫か、ナイアック!」

「ああ、僕はまだ大丈夫だ……うぐっ!」

「無理はするな、今回復するぞ。ド・オヴァ・デ・シー!」

 そう言って、ジルヴァは回復魔法を詠唱し、ナイアックの体力を回復した。

 アリアはその間に風の精霊エアを召喚し、ゴブリンやオーガを切り刻む。

 だがイレイザーの強化は続いているのかゴブリンを一匹だけ撃ち漏らしてしまった。

「くぅ……速い!」

「アリア、敵は俺が攻撃する! ホーリーアロー!」

 ジルヴァは弓を構えた後、聖なる力を纏った矢を、アリアが撃ち漏らしたゴブリンに射る。

 矢はゴブリンを貫いてダメージを与え、怯ませる。

「えぇい、当たるのだー!」

「ギャア!」

「ギャアア!」

 レイリーは小剣を振り回してゴブリンを二体倒すが、

 それでもオーガとゴブリンには当たらず、苦戦する。

「はっ!」

 ナイアックは剣から衝撃波を飛ばしてオーガを切り裂いた。

 痛みを感じながらもオーガはナイアックにパンチを繰り出す。

「ううぅ!」

 そこにゴブリンの追い打ちが入ろうとした。

 しかし、ゴブリンは足を滑らせ転んだため、攻撃は命中しなかった。

「大人しくしなさい! フェーゴボム!」

「アローレイン!」

「ギャアアアアアアアア!!」

 そして、アリアは炎の精霊フェーゴを召喚し、ジルヴァは弓から大量の矢を射る。

 火柱と矢が魔物の群れに命中すると魔物は叫び声と共に倒れるのだった。

 

「……さて、魔物は倒し終えましたし、遺跡の中に入りましょう」

「オッケーなのだ」

 

 アリア達がアルカ遺跡に入ってしばらくすると、そこそこの広さがある部屋に出た。

 部屋の中央には亀裂が走っており、これを越えないと先には進めなさそうだ。

「どうやって渡るのだ……?」

「何もないように見えるな」

「でも、何かがあるはずです。サモンスピリット!」

 アリアは下級精霊スピリットを召喚し、この亀裂に何があるのかを探してもらった。

 すると、透明な材質で作られた床を発見した。

「見てください。亀裂の上に、透明な床があります。

 ここを渡っていけば、亀裂を飛び越えられますよ」

「やるな、アリア」

 流石は14歳の秀才召喚士アリア、見えないところも発見するとは。

 全員、余計な手間をかけずに先に進む事ができた。

 

 亀裂を越えてさらに先に進むと、分かれ道に行き当たった。

 通路には魔物の足跡が無数に残されている。

 アリアが足跡を調べると、通路に残った足跡は二手に分かれており、

 左の通路へ進んだ集団の方が数が少ない事が判明した。

「左に行っても魔物を叩ける確率は少ないですね。なら、右に行ってみましょう」

「アリア、凄いのだ~」

「俺達より年下なのによく色んなところに気づくな」

「流石は召喚士だね」

「……いえ、私はただ精霊と暮らしただけです」

 レイリー、ジルヴァ、ナイアックは、アリアの勘の鋭さに感心した。

 繰り返すが、アリアは14歳で、レイリーやジルヴァより年下である。

 

 分かれ道の先に行くと、広い部屋に出た。

 そこに、魔物の姿はなかった。

 閑散とした部屋の中で目を引くものといえば、

 隅っこに転がっている木箱と、奥に見える扉ぐらいだ。

「よし! わたしもアリアに負けないように、あの箱を調べてみるのだ!」

 そう言って、レイリーが木箱を調べてみると、毒ガスの罠が仕掛けられていた。

「ん、罠がかかっているのだ。わたしは罠を外すのは苦手だから……ジルヴァ、

 この中で手先が一番器用なきみがやってみるのだ」

「……ああ」

 ジルヴァは木箱に近付き、毒ガスの罠をギリギリで外す事に成功した。

 木箱の中には、ポーションが2つ入っていた。

「みんな、良い役割分担ができているね。

 僕は戦闘しかできないから、探索が得意な君達がいて助かるよ……」

 ナイアックが一人一人の様子を見ながらそう言う。

 一人だけでは、このダンジョンを突破する事は難しい。

 しかし、仲間がいれば、ダンジョンを突破できる。

 ナイアックは、改めて仲間が大切だという事を知るのだった。

 

「あ、鍵がかかっていますね……」

「わたしが調べるのだ」

 そして、レイリーは先に行くための扉を調べる。

 すると、魔法を放つ砲台の罠が仕掛けられていた。

 もし、罠が発動すれば、パーティのうち誰かが大ダメージを受けてしまうだろう。

「罠を外すのは俺がやるんだろ?」

「そうなのだ!」

「任せろ」

 そう言って、ジルヴァは罠を外し、扉を安全に開ける事に成功した。

 

 魔物との戦いと罠を突破して奥に飛び込むと、

 そこには黒いローブを纏った男と、無数の死霊が宙に浮いていた。

「う……お化けがいっぱいいるのだ……!」

 幽霊があまり好きではないレイリーは、アリアの後ろに縮こまりながら隠れる。

「あなたが……カタストロファーセブンの一人」

「イレイザーだね……!」

 アリアとナイアックが真剣な表情で武器を取る。

 二人の姿を見た男はにやりと口角を上げた。

「そうだ。私は死霊使いのイレイザー。最近、雑魚の相手ばかりで退屈していてね」

 どうやら、今までにイレイザーと対峙した相手は皆、倒されてしまったらしい。

 雑魚だった魔物を強化したほどだから、どれほどの強さか分かるだろう。

「ストレス解消に、お前達を血祭りにあげてやるよ。せいぜい、楽しませてくれるんだね」

 イレイザーはそう言うと、さらに高く浮遊してアリア達に近付く。

 死霊達も、彼に付き従うように浮遊した。

「こいつ……今まで私達が戦ってきたボス以上に強い気を感じます。ですが、私は……!」

 アリアはイレイザーが放つプレッシャーに押し潰されそうになる。

 しかし、ここで屈するわけにはいかない。

 世界のためにも、仲間のためにも、彼を倒さなければならない。

 

「精霊よ、私に力を貸してください!」

 死霊使いイレイザーとの戦いが、始まった。




~次回予告~

アリア一行はカタストロファーセブンの一人、イレイザーと遭遇した。
死霊を操る彼の戦法は、狡猾にして、卑怯だった。
果たして、イレイザーを倒す事ができるのだろうか。
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