魔導物語 Seven Catastrophe   作:アヤ・ノア

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~前回までのあらすじ~

アルカ遺跡でレイリーとジルヴァと再会したアリアは、
カタストロファーセブンを倒すべく、遺跡を探索する。
ナイアックの活躍もあって苦戦せずに進み、ついにイレイザーと出会う。
アリア達はイレイザーを撃破するが、ナイアックの正体が明かされる。
彼の正体は、なんと、人類最強の戦士カインだった。


27「ナイアックの正体」

「カイン……!? あなたは……ナイアックじゃ、なかったんですか……!?」

 アリアが青ざめながらそう言った途端、ナイアックの身体が突然光り出した。

 あまりの眩しさにアリア、レイリー、ジルヴァは目を覆う。

 そして、光が消えると、目の前に鎧を着た大柄な双剣士が現れた。

「……そうだ。私が人類最強の剣士、カインだ」

 そう、ナイアックの正体は、ソードマスター・カインだったのだ。

「あなたが……ソードマスターなんですか?」

「いかにも。セイバーは私の娘だ。……そして」

「そして?」

「ありがとう」

 カインは屈むと、アリアの頭を撫でた。

「え……どうして……? 私、あなた達に感謝される覚えなんて……」

「私がナイアックに姿を変えていた時、人々は皆、私を疑っていただろう。

 しかし、君達は私を疑っていなかった。それが、嬉しかったんだ」

「じゃあ、なんで偽名を使って姿まで変えていたんですか?」

「万が一娘と出会った時、私との関係がばれないようにだ」

 カインの言う通り彼とセイバーは親子関係にある。

 もしも出会ってしまったらセイバーは勇者の宿命に押され、しょげてしまうと思ったからだ。

 幸い、今はセイバーとカインは別の世界にいるため、ここで変身を解いても平気なようだ。

「……今、忙しいところ申し訳ないのですが」

「なんだ?」

「私はアルルさん達が少し心配なんです」

 アルル、アミティ、りんご、アリアはカタストロファーセブンのせいでバラバラになっている。

 アリアは、それについて心配しているのだ。

「皆さんがカタストロファーセブンの力によって別々の世界に飛ばされてしまっているんです。

 皆さんを集める方法はありませんか?」

「安心しろ。そのためにこれを持って来てある」

 そう言ってカインが取り出したのは、キラキラと光る小さな石だった。

「これは?」

「次元を移動できる魔石『次元石』だ。これさえあれば、周辺の世界を自由に行き来できるぞ」

「本当か!? ちょっと貸してくれ!」

 ジルヴァがカインの持っている次元石を取って掲げる。

 しかし、次元石が僅かに太陽光に当たって光っただけで、何も起こらなかった。

「何も起こらないぞ! 不良品か!?」

「持っていく途中でカタストロファーセブンに襲われて魔力を奪われてしまってな。

 彼らを倒して魔力を取り戻すしかない」

「はぁ……。私達には、戦うしか道はないのですね……」

 やはり、カタストロファーセブンを全滅させるという目的は変わらなかったようだ。

 アリアは落胆し、渋々戦いの準備をしようとした。

 

「はーい! ユウちゃんでーす!」

「レイくんでーす……」

 その時、アリア達の前に、ユウちゃんとレイくんが現れた。

「ふ、二人とも! どうしたんですか?」

「聞いて聞いて、幽霊達からいい情報が入ったんだ」

「本当か!?」

 どうやら、ユウちゃんとレイくんは幽霊ネットワークを通じて情報を収集したらしい。

 ジルヴァは食いつこうとしたが、ユウちゃんは「ちっちっち」と指を振る。

「まぁまぁ、慌てない慌てない。『泡出ないシャンプーは役立たず』ってねぇ!」

「……」

「や、やめるのだジルヴァ!」

 意外に短気なジルヴァは、懐から弓矢を取り出そうとした。

 レイリーがジルヴァを制止した後、彼女は落ち着いて二人に話しかける。

「二人とも、すまないのだ。ジルヴァは短気なのが玉に瑕だからなのだ。

 だから、もう少し落ち着いてから話すのだ」

「はーい!」

「はーい……」

 

 ジルヴァが落ち着きを取り戻した後、ユウちゃんとレイくんは幽霊ネットワークを開く。

「というわけで【朗報】プリンプタウンとパラレルワールドが繋がりました!」

「どんどんどん!」

「ぱふぱふぱふ~」

「な、な、なんなのだ?」

 パラレルワールドという言葉を聞いて、レイリーは首を傾げた。

「あ~、パラレルワールドっていうのは、似てるけど違うような世界の事です!」

「事で~す」

「そこにはなんと! アミティが飛ばされた、とパラレルワールドのアタシから聞きました!」

「!」

 アリアは驚くと同時に期待感を抱いた。

 アミティがパラレルワールドに飛ばされているという事は、

 世界が繋がった今、再会できる可能性があるからだ。

「で~も~、あくまで繋がっただけで、そこに行くためのゲートはまだ開いてません!」

「開いてません」

「そう、なのだ……」

 レイリーは残念そうに肩を落とした。

 レイくんは彼女を慰めるためにそっと近づくが、レイリーは叫び声を上げて後ろに下がった。

「だ、だからわたしは幽霊が苦手だと何度言ったら分かるのだ!」

「ごめんね」

「ただ、幽霊達の情報によれば、ゲートの根源は隣町の魔導学校にあるそうで」

 どうやら、隣町であるコメートに行けば、

 プリンプタウンとパラレルワールドを繋げるゲートを開く事ができるらしい。

 だが、そこに行くには広大なピット砂丘を越えなければならない。

「移動魔法が使えればいいのですが」

「私なら使えるが」

 そう言って、立候補したのはカインだった。

「カイン?」

「確かに砂漠は歩きにくいが、フロートという魔法をかければ、地面に浮いて歩きやすくなる」

「本当ですか!? ありがとうございます!」

 カインが助けてくれる事に喜ぶアリア。

「まぁ、魔法はこれくらいしか嗜んでないがな」

「それでも、歩きやすくなるだけで助かります」

 

 長丁場が予想されるため、

 回復アイテムは多めに用意しておいた方がいいと思ったアリアは、

 おしゃれなお店で薬草などの回復アイテムをいくつか買った。

 そして、アリア達はコメートに行く準備をした。

「コメートに行けば、アミティ達に会えるのだ。そして、必ず世界を救ってみせるのだ!」

「「「「おーーーーー!!」」」」

「お待ちなさい……!」

「ん?」

 コメートに行こうとしたアリア達の背後から声が聞こえてくる。

 振り向くと、そこにはラフィーナ、シグ、クルーク、リデル、タルタル、

 そして担任のアコール先生、ルゥ先生が立っていた。

「プリンプ魔導学校の皆さんじゃないですか!」

「皆さん、世界を救うために必死なんですって?」

「はい……でも、どうして皆さんが私達のところに来たんですか?」

「あの黒い奴から情報を聞いたんだよ」

 どうやら、ラフィーナ達はエコロから情報を貰って、ここに来たらしい。

「わたし達は何もできませんが、皆さんを待つ事だけはできます」

「オイは一生懸命におまえを応援するんだなぁ~」

「アミティさんがいなくて寂しいですが、貴方達の存在が、私達を元気づけます」

「必ず世界を、みんなを、守ってほしい」

「がんばれー」

 ラフィーナ達は、四人の勇者を応援した。

 彼らがついていっても、足手まといになるだけだ。

 世界を救うのは勇者達に任せ、自身は彼らの帰りを待つ。

 それもまた、ラフィーナ達の役目なのだ。

 

「それでは、行ってきます」

 こうして、四人の勇者は、アミティと再会するために旅立った。




~次回予告~

アミティと再会するために、
アリア達はいよいよパラレルワールドのプリンプタウンに行った。
飛ばされた彼女は、隣町・コメートにいる。
ピット砂丘を抜ければ、ついにアミティと再会できるのだ……。
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