魔導物語 Seven Catastrophe   作:アヤ・ノア

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~前回までのあらすじ~

アミティは謎の敵の襲撃により、別世界へ飛ばされてしまった。
彼女が飛んでいったのは、プリンプタウンのパラレルワールド。
そこには、伝説の三剣士の一人、エッジがいた。
アミティはエッジと共に、この世界を抜け出すために冒険する。


04「チキュウへの帰還」

 りんごが飛ばされた場所、そこは……。

 

「チ……チキュウ!?」

 彼女の故郷である「チキュウ」だった。

「私、もしかして……本当に、故郷に帰って来たんでしょうか」

 りんごはきょろきょろと辺りを見渡す。

 自分はさっきまで未完の塔にいたはずなのに、何故いつの間にかチキュウに帰ってきたのか。

「どうしよう……プリンプタウンに戻れない……」

 りんごが困っていると……。

 

「あ~ら、可愛い女の子がいるわね~」

「うわっ!」

 長い金髪と、青い瞳を持つ青年がやってきた。

 その端麗な容姿に似合わず、女性のような言葉遣いをしている……所謂、オカマだった。

「だ、誰ですか貴方は!」

「誰ですか、って……。アタシはトライブレードの一人、魔導剣士のソードよ?」

「なんでそういう口調なんですか?」

「こんな見た目だからこうなったのよ♪」

 ソードと名乗った青年がりんごに向かってウィンクする。

 りんごは若干それに引いたが、ソードに今聞きたい事を話す。

「……で、ここは本当にチキュウなんですか?」

「ええ、そうよ。こっちにも敵が攻めてきてるみたいだし……アタシが何とかしないとね♪」

 こんなところに敵なんていたっけ、とりんごは首を傾げた。

 すると、向こうから足音が聞こえてきて、それと同時にソードは腰に携えていた大剣を抜いた。

「……と、話の途中で悪いけど、早速敵がおでましみたいよ」

「な、なんですか!」

 剣を構えているソードは、あの明るい表情とは打って変わって真剣そのものだった。

 りんごが驚いていると、体長1mほどの蟻が大量に現れた。

「ぎゃあああああああ! 蟻がぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 蟻自体はそんなに怖くなかったが、

 巨大化していてしかも数が多かったためりんごはパニック状態になった。

「アナタは下がってなさい、アタシが全部片付けてやるわ」

「お、お願いしますっ……!」

 恐怖しているりんごに代わって、ソードが巨大蟻の相手をする事にした。

 

「せぇいやぁっ!」

 ソードが勢いよく巨大蟻に大剣を振り下ろすが、巨大蟻は素早い動きでソードの攻撃をかわす。

「ったくもう、ちょろちょろと! 消えなさい、サンダーストーム!」

 ソードが呪文を唱えて巨大蟻の群れに手をかざすと落雷が発生し巨大蟻に大ダメージを与えた。

「あれ、ソードさん、その魔法……」

「気にしたらダメよ! サンダーブレード!」

 りんごがソードの魔法に既視感を覚えたが、

 ソードは剣を構え直して巨大蟻の群れに突っ込み、雷を纏った剣で薙ぎ払う。

 巨大蟻を切り裂いたソードは飛び上がり、今度は炎を放って巨大蟻を焼き払った。

 その威力は剣に勝るとも劣らないほど高かった。

「ソードさんって、剣も魔法も得意なんですね……」

「当然よ、アタシは魔導剣士なんだから。さ、もうちょっとで敵は全滅よ♪」

 そう言ってソードは大剣を振り回し巨大蟻をなぎ倒していく。

 オカマなのにこんなに強いなんて……りんごは少し悔しくなり、ぎゅっと拳を握る。

「あの……私は……」

「アナタ、あのでっかい蟻が怖いんでしょ? だからアタシが守ってあげてるのよ」

「……」

 確かに自分はソードの言う通り、巨大蟻の前に怯えてしまった。

 しかし、何もできずに黙って見ているだけなのは、りんごのプライドが許さなかった。

「……私も、戦います!」

「ちょっと、お嬢ちゃん!?」

「お嬢ちゃんじゃありません! 私にはあんどうりんごという名前があるんです!」

 りんごはソードの制止を振り切り、本を構えて呪文を詠唱した。

「タンジェント!!」

 りんごが手を突き出すと、雷が現れ、巨大蟻に命中すると電光が弾け、周囲を襲った。

「やるじゃない、りんごちゃん!」

「私も戦えます。守られてばかりじゃないんです! ネオスペル、マ・マグマチュード!」

 りんごは増幅呪文を唱え、マグマを噴き出して巨大蟻の群れを攻撃した。

 これにより、巨大蟻は残り一体となった。

「後はアタシがやるわ! ファイアスラスト!!」

 そして、ソードが炎を纏った剣を振り下ろすと、最後の巨大蟻は真っ二つになり、

 炎に焼かれ灰になった。

 

「怖くなかった? りんごちゃん」

「正直、怖かったです……。美味しいところも持っていかれましたし……」

 何とかソードのおかげで巨大蟻を倒せたが、

 チキュウでこんな魔物と出会うなんて想定しなかったらしく、

 りんごの胸はまだドキドキしていた。

「大きな蟻とオカマの剣士がいっぺんに出たら、そりゃ誰でも驚きますよ」

「ごめんなさいね~、でもどうしてもここに来なきゃいけなかったのよ」

「なんでですか?」

「ここに、もしかしたらアタシ達が追ってる敵が来てるかもしれないからよ」

「敵?」

「世界を滅ぼそうとする狂戦士集団、カタストロファーセブンよ」

 そう言って、ソードはどんどん前に進んだ。

 りんごは彼女……ではなく彼の言っている事が分からず、

 きょとんとしながら後ろを歩いていた。

「要は、放っておくとアナタの世界も滅亡しちゃうって事!」

「……よく分からないけど分かりました」

 りんごは、プリンプタウンで多くの危機を友と共に救ってきた。

 しかし、この世界にも敵が来ているため、りんごはもう呆れてしまっていた。

「大丈夫よ! いざとなったらアタシが守ってあげるわ。この剣と魔法で、アナタを、ね」

 ぽんぽんとりんごの肩を叩くソード。

 ソードは奇妙な口調だったが、意外と優しい性格だった。

「……はい。ありがとうございます」

「ふふ、りんごちゃんは素直ね~♪」

 

 こうして、りんごは奇妙なオカ魔導剣士と共に、チキュウの危機を救う事にしたのだった。

 りんご本人は、まだ乗り気でなかったが……。




~次回予告~

唯一、正史世界のプリンプタウンに残ったアリア。
しかし、プリンプタウンにも、魔物は襲来していた。
ピンチに陥るアリアの前に現れたのは……。
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