魔導物語 Seven Catastrophe   作:アヤ・ノア

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~前回までのあらすじ~

謎の敵の襲撃でチキュウに戻されたあんどうりんご。
そこで彼女が出会ったのは、女言葉を操る剣士、ソードだった。
彼(?)の変わった口調に翻弄されつつも、りんごはプリンプタウンに戻るため、
ソードと共に冒険をするのだった。


05「召喚士、再会する」

「く……プリンプタウンに、こんなに魔物がいるなんて……!」

 アリアは、精霊を召喚して魔物達を倒していた。

 平和なはずのプリンプタウンに魔物が襲撃してきたため、アリアはその対処をしていた。

 だが、状況は良くなるどころかますます悪化してきていた。

「まったく……平和ボケし過ぎたから外部の侵入を許したのですよ……!」

 悪態をつきながらアリアは魔物を炎で焼き、風で吹き飛ばす。

 そんな彼女を嘲笑うかのように、魔物の数はどんどん増えていく。

「……仕方がありませんね。グラン、ミスティ、フェーゴ、エア、『具現化』を命じる」

 アリアは自身が契約している四体の精霊を具現化するように話した。

 具現化とは、精霊を一時的に呼び出すのではなく、

 精霊を具現化させて様々な願いを叶える上位精霊魔法だ。

 メリットは非常に大きいが、かなりの精霊魔法の能力がなければ使えない特殊な魔法だ。

 ルフィーネを具現化させなかったのは、今のアリアの技量では不可能だからである。

「四大精霊よ、ここに!」

 アリアが呪文を唱えると、彼女の周囲にグラン、ミスティ、フェーゴ、エアが姿を現した。

 精霊はそれぞれの武器を構え、アリアと共に戦う事を選んだ。

 

「断罪!」

 フェーゴは炎の大剣を構え、小さな羽が生えた魔物の群れに振り下ろした。

 エアは風を操ってフェーゴが倒し切れなかった分の魔物を切り裂く。

 アリアはというと、戦っている精霊のサポートに専念していた。

「皆さんは私の大事な仲間……死なせるわけにはいきません!」

 ゴブリンやインプの攻撃を杖であしらうアリア。

 その動きはぎこちなかったが、彼女なりに精霊を守る姿勢の表れであった。

「ド・ゲイト・デ・テラ・マ・ギ!」

 アリアは杖から魔法の矢を放ち、魔物を倒した。

 彼女は今、精霊を具現化しているので、精霊魔法を使う事ができない。

 なので、初級魔法で精霊を援護しているのだ。

「グォォォォォォォォ……!」

 スケルトンソルジャーがグランとフェーゴを剣で薙ぎ払う。

 グランは防御魔法で魔物の攻撃を防ぎ、フェーゴを庇ってダメージを受けた。

 フェーゴはゾンビの攻撃をかわし、

 炎のブレスを吐いてゾンビとスケルトンソルジャーを焼き尽くした。

 そしてエアとミスティが呪文を唱えると水と風の竜巻が起こり、ゴブリンは倒れた。

 

「……」

 どれくらい時間が経ったのだろうか。

 魔物の数は減ってきているが、アリアの魔力が尽きかけ、疲労していた。

 精霊を具現化し、彼らを魔法でサポートしたのだから、もう限界が来つつある。

「何故……何故、こんな事に……。私が……私がやらなくてはいけないのに……。

 ここも、私が守らなくてはいけないのに……。……お願い、みんな、助けて……」

 アリアが弱音を吐いた、次の瞬間。

 

「頼むぜ、ギスカン!」

 青年の声と共に青い精霊が現れると、残っている魔物が一瞬にして全滅した。

「その声は……!」

 アリアが、その声のした方を向いてみると――

 

「よぉーアリア、久しぶりだな」

 その魔法を放った張本人――青緑色の髪と橙色の瞳を持つ青年がやって来た。

「ベストールお兄ちゃん!」

 思いもよらない助っ人に、アリアはぎゅっと青年の胸に飛び込んだ。

 青年の名はベストール。

 アリア同様にシュルッツ出身で、精霊を召喚する魔法を覚えた一族の生まれである。

 アリアは幼い頃に8歳年上の彼を慕っていて、

 普段は冷静な彼女もベストールの前では年相応の振る舞いを見せる。

「見ないうちに随分大きくなったじゃないか」

「ふふっ、ベストールお兄ちゃんこそ、立派な召喚士になりましたね。

 ……あれ、そういえば他の皆さんはどうしましたか?」

 アリアはきょろきょろと辺りを見渡した。

 実はベストールの他に、アリアと仲が良い召喚士は四人いるのだが、

 今はその全員がいなかった。

「ああ、実は魔物の襲撃ではぐれちまってよぉ……。

 急だったから対応しきれず、俺だけがここに逃げてきたわけだ」

「みんな若いですからねぇ……」

 はぁ、と溜息をつくアリアとベストール。

 しかし、ここで立ち止まっている暇はなかった。

 アリアは、ベストールに優しい声でこう言った。

「そうだ、ベストールお兄ちゃん。

 良かったら、私も一緒に仲間を探しに行ってよろしいですか?」

「ああ、俺もちょうど探していたところだったし、目的が一致したな!

 一緒に行こうぜ、アリア!」

「……はい」

 

 こうして、アリアはベストールと共に、仲間を探す事にするのだった。

 まだ見つかっていない、四人の召喚士を。




~次回予告~

アルルと女剣士セイバーは、魔導世界で見習い巫女チコと出会う。
大量発生する魔物に、チコは防戦しかできなかった。
果たして、アルルとセイバーは、チコを助ける事ができるのだろうか?
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