魔導物語 Seven Catastrophe   作:アヤ・ノア

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~前回までのあらすじ~

魔導世界に戻ってきたアルルは、見習い巫女・チコと出会う。
襲い掛かる魔物に防戦一方のチコを助けたアルルは、セイバーと共に彼女を仲間にした。
魔導世界の魔物が強力になる中、
果たして、アルルはプリンプタウンに帰る事ができるのだろうか。


07「闇覆う洞窟」

「いただきます」

 宿屋に来たアルル、カーバンクル、チコ、セイバーは、昼食を食べていた。

 アルル達はカレーを注文したが、チコはカレーが苦手なので代わりにパスタを注文した。

「いや~、まさかここでチコに出会うとはね」

「ぐっぐぐー」

「単なる偶然……かもしれませんし、精霊の導き……かもしれませんしね」

 チコはパスタを食べながらアルルにそう言った。

「ところで、セイバーさんってこの世界に住んでるんですか?」

「うーん、正確に言うとちょっと違うかな」

「どういう事でしょうか」

「昔の魔導世界って言ったら分かるかな?」

「? ? ?」

 チコは、セイバーの言葉に困惑した。

 セイバーは「分かりにくくてごめんね」と謝りつつカレーを食べていく。

 

 昼食を食べ終わった後、セイバーがこれから何をしようかを話し出した。

「この世界にカタストロファーセブンが来てる事は確実だから、討ち取るための準備をしよう」

 そう言って、セイバーはぎゅっと剣を握りしめる。

「居場所は分からないけど……近くに魔物がいれば、そこにいる確率は高い」

「どうしてですか?」

「カタストロファーセブンは魔物を撒き散らしてこの世界を混乱に招いている。

 その魔物の親玉が、カタストロファーセブンって事だよ」

「そうですか……」

 なら、地道に探すしかないね……とアルルは思ったが、

 その時、チコが精霊魔法を使える事を思い出す。

「そうだ、チコ! 精霊の力を借りて、どこにいるかを探す事はできる?」

「ええ、できますよ」

 そう言うと、チコは目を閉じて精神を集中させた。

「万物に宿りし数多の精霊よ、我が声を聴き、

 彼の者が探せし敵の居場所を今ここに指し示し、我に教え給う!」

 すると、チコの周囲に精霊が集まり、彼女に「声」を届けている。

 精霊の姿はアルルやセイバーの目には雲にしか見えなかったが、

 チコにははっきりと見えるようだ。

「敵はここから東に行ったところにいるようですね」

「本当!? ありがとう、チコ!」

「ぐーぐぐぐーぐー!」

 アルル、カーバンクル、セイバーは、チコの導きにより東に向かうのだった。

 チコも杖を持って彼女についていった。

 

 三人と一匹が東に向かっている途中で、セイバーはいきなり足を止めた。

「ど、どうしたのさセイバー」

「……一応、準備はしてきてるよね? らっきょとか、魔力を回復する薬とか」

「してるってば」

「ぐぐぐーぐぐ」

 アルルは鞄を開けて、中身をセイバーに見せる。

 その中には……ほとんど何も入っていなかった。

「……やっぱり、準備が必要みたいだね」

 

 店に行って道具を購入したアルル達は、敵がいると思われる場所に向かった。

 そこは、中から禍々しい気配が漂っている洞窟だった。

「なんか、いかにもって感じのダンジョンだね」

「ここに敵はいるみたいだ……みんな、行くよ!」

「うん!」

「ぐー!」

 アルル達は、その洞窟に足を踏み入れた。

 洞窟の中は暗かったので、アルルがライトの呪文を唱えて明るくした。

 ある程度歩いていくと、毒々しい色合いの魔物が襲い掛かってきた。

「気を付けて、これはポイズンスネークだよ! 牙に噛まれると毒が身体に回るよ。弱点は寒さ」

「じゃあ、氷魔法だね! アイスストーム!」

 アルルは吹雪を起こしてポイズンスネークを凍らせる。

「ぐぅっ!」

 ポイズンスネークに腕を噛まれたセイバーの顔が青ざめていく。

 セイバーがポイズンスネークが持つ毒に侵されたのだ。

「ピュリファ!」

「恩恵の雨!」

 すぐにアルルとチコが回復魔法で毒を治療すると、

 セイバーは剣を構え直してポイズンスネークに剣を振るがかわされる。

 ポイズンスネークは攻撃をかわした後、再びセイバーに噛みついて重傷を負わせる。

「あうぐ!」

 盾で防御した事により何とか毒は免れたものの、セイバーは重傷を負ってしまう。

「セイバーさん、無理はしないでください! ガイアヒーリング!」

 チコはセイバーを下がらせた後、高位の回復魔法でセイバーを癒す。

「ふぅ……ちょっと無茶をしちゃったよ」

「当たり前でしょ、キミを死なせたくないんだから! ダイアキュート、ア・アイスストーム!」

 アルルは増幅呪文を唱えた後、広範囲に吹雪を起こしてポイズンスネークを凍らせる。

「ガイアキューブ!」

 そして、チコが地震を起こすと、ポイズンスネークは全滅するのだった。

 

「大丈夫だった、セイバー?」

 アルルが疲れているセイバーを心配する。

 体力自体は魔法のおかげで回復しているものの、

 何度も毒を受けているためかスタミナが減少しているのだ。

「ちょっと疲れちゃった……。栄養剤でも飲んで、休もう」

 そう言って、セイバーは休憩できる場所を探しに行った。

 

「ここなら安全だね」

 アルル達は敵が入ってこない安全地帯を見つけ、セイバーは疲れを取るために栄養剤を飲んだ。

「ふー、生き返ったー」

「セイバー、世界を救いたいって気持ちは分かるけど、そればっかりに気を取られないでよ」

 アルルの心配に対し「大丈夫だよ」と答えるセイバー。

 やはり無理しているな……とアルルは感付いていたため、彼女の肩に手を置く。

「それが一番良くないんだよ、セイバー! キミが疲れてるの、ボク、お見通しなんだから!」

「あはは……友達の君にはバレバレか」

 アルルの言葉にセイバーは苦笑しながら頭をぽりぽりと掻いた。

 カーバンクルはな~に~? といった様子で首(?)を傾げている。

「友達、という事は……アルルさんとセイバーさんって、仲が良いんですか?」

「ボクはセイバーの事は全然知らないんだけどね、

 無茶してるセイバーを見たら心配になっちゃって……やっぱりボクってお人好しだよね~」

「ぐーぐぐー」

 お人好しなのは人間味があっていいじゃないか、というように鳴くカーバンクル。

 楽しく会話をしている時に、セイバーの疲れは心身共に取れてきていた。

 勇者としての使命、彼らならば共に請け負ってくれるかもしれない……と。

 

「じゃ、そろそろ休憩もおしまいにして、先に進もうか」

「ええ」

 

 休憩を終えたアルル、カーバンクル、チコ、セイバーは、

 魔物を倒しながら洞窟の奥に進んでいく。

 暑かったり寒かったりと極端な気温の変化はなかったが、

 辺りに漂う闇の影響で魔物が凶暴になっていた。

 それでもアルル達は負けないように、魔物と、環境と、戦っていく。

「よし、これでこの辺にいる魔物は全部倒したね!」

 ふぅ、とアルルが汗を拭うと、彼女の目の前に小さな鍵がからん、と落ちた。

「あ、これがもしかしてこのダンジョンの鍵なのかな?」

「そうみたいですね。あちら側から、邪悪な気配を感じますし……」

 チコが指差した先には、灰色の、禍々しい気を纏った扉があった。

「あ! 本当だ! もしかしたら、この鍵を使えば……!」

 アルルは扉に向かって鍵穴に鍵を差し込んだ。

 すると、ガチャリと鍵が開き、ギギィと扉が重い音を立てて動き出した。

「さぁ、行くよ!」

「ぐー!」

「はい!」

「うん!」

 アルル、カーバンクル、セイバー、チコは、この先にいる狂戦士を倒すため、

 この先の地に足を踏み入れるのだった。




~次回予告~

カタストロファーセブンの一人と遭遇したアルル。
世界を滅ぼそうとする狂戦士と、世界を守ろうとする剣士は反りが合わなかった。
油断しては、カタストロファーセブンの野望を許してしまう。
アルル達は、この狂戦士を倒す事ができるのだろうか。
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