ほとんど説明回ですねクォレハ…
※誤字報告ありがとうございます!(羞恥死)
「ソロモンに反応あり!リヴァイアサン型です!」
「何だとっ!?」
「それに…!謎の機体反応あり!これは……マーク、ニヒト…?」
「マークニヒトだとっ!?」
その言葉にCDCにいた全員が動揺を隠すことが出来なかった。なんてことだ、今日は厄日だと嘆きたくなるようなタイミングの悪さであった。
彼ら、否竜宮島は先程まで来主操と呼ばれる人型のフェストゥムが属するボレアリオスミールと戦闘状態にあった。ボレアリオスミールは竜宮島最高戦力であるマークザインを複製し、フェストゥムがファフナーを扱うといった考えられる中で最悪な状況であった。
来主操がこの竜宮島に来訪時に乗船していた黒船に皆城総士が残したデータからボレアリオスミールの現在地を特定し、残されていたファフナーパイロットたちは島の防衛とボレアリオスミールへの陽動隊とで別れた。
島の防衛には遠見真矢、羽佐間カノン、堂馬広登。陽動隊には近藤剣司、要咲良、西尾里奈、西尾暉らが当たることになった。
来主操が真壁一騎と対話途中に暴走し、彼を通じてボレアリオスミールはマークザインを複製し、来主操を搭乗させた。彼にはボレアリオスミールに抗う気力は無く、指令が下されるまま竜宮島のコアを同化しようとした。そこで本来のマークザインの搭乗者であり、先の北極大戦での同化現象も落ち着いた真壁一騎が彼と応戦。
来主操はザルヴァートル・モデルの性能を遺憾なく発揮し竜宮島を追い詰めるも、一騎との対話によって来主操はボレアリオスミールに抗った。同時刻にボレアリオスミールに接近していた日野美羽の能力によってボレアリオスミールと対話を試み、ボレアリオスミールらの竜宮島の同化を止めた。
その後、来主操はボレアリオスミールの元に行き、彼らと共に生まれ変わることを選択した。そして、北極大戦時に無の彼方へと行ってしまった彼らの仲間である皆城総士も無事存在を取り戻し、竜宮島に帰還した。
その後の出来事だった。遠方から人類軍の爆撃機の反応、人類軍よりも近くに巨大なリヴァイアサン型のフェストゥムにマークニヒトの反応。
もう為す術も無く蹂躙されるだけだと周囲が感じ取っていた。しかし、マークニヒトは竜宮島ではなく人類軍へ接近していた。
「マークニヒトが人類軍の爆撃機へ突入していきます…!」
「…どういうことだ?」
そのまま対消滅でもしてくれれば良いが、と心の中で臨時指令を任されていた溝口恭介は思った。
「人類軍が…戻っていきます!」
「…マークニヒトがやったのか?」
「リヴァイアサン型、まったく動きが見られません。いかがしますか」
誰もがマークニヒトの行動に疑問を抱き、次にリヴァイアサン型に頭を抱えることになった。本来のフェストゥムならばまったく動かない、という事は無いだろう。何かしらの行動を起こし、竜宮島に危害を加えてくる筈だ。
「…確か、今動けそうなのは一騎くらいだったか?」
「はい、マークジーベン、マークフュンフ共に機体の損傷が激しく動けそうにありません。…マークドライツェンが辛うじて動作可能です」
「一騎とカノンに行ってもらうか…」
あの激しい戦いの後だ、ゆっくり休ませてやりたい気持ちはあった。しかし、島の脅威となるものを見過ごす訳にはいかず、疲れ果てた子供の体に鞭打つ行為に辟易しながらも溝口は指示を飛ばした。
そうしてリヴァイアサン型、マークニヒトからは”クジラ”と呼ばれる特殊個体の元へ一騎とカノンが向かった。
「近付いても、同化しないのか…」
「攻撃もしてこないな…」
マークザインの手の中には、皆城総士が乗っていた。彼はフェストゥムの境界で存在を確立させたせいか、体はフェストゥムの力によって構成されている。彼からは無の力と呼ばれるソレが、眼下で佇んでいるクジラに妙な胸騒ぎを覚えさせた。
「しかし、このままという訳にもいかないだろう」
「…攻撃を開始するっ!」
マークドライツェンがルガーランスからプラズマ弾を放出した。水面から少し見えるように浮いていたクジラはその気配を察知し、巨体からは考えられないほど素早いスピードでルガーランスの弾を避けた。
「なっ!」
攻撃されても尚、クジラは水面からマークザインらの様子を窺っていた。榊が去る直前に言った「人は攻撃するな」という言葉を守っているからだ。本当ならば攻撃してきた奴らは同化してやりたいほどの感情を、クジラというフェストゥムははっきりと持っていた。そして、それを一人の言葉によって抑えることが出来ていた。
次々とプラズマ弾が放出されるも、ひたすらにクジラは避けた。しかし避けるだけでなく弾を大きな尾びれで跳ね返すといった動作もした。
次第にマークザインも攻撃に参加するようになる。
マークザイン、ザルヴァートル・モデルの一つであり武器と同化することによる武器の能力向上が凄まじい。そのような機体のルガーランスのプラズマ弾は弾ではなく、ビームとなってクジラに襲い掛かった。
プラズマ弾より素早く威力を持った攻撃と同時に、マークニヒトがクジラの元へ戻ってきた。
◇
(うっわ…)
マークザインの放ったルガーランスの弾…ビームを見て辟易とした気分になった。流石はザルヴァートル・モデル…、それにしてもデータに記録されている物よりもマークザインの能力が向上している気がする。
この場合、マークザインは俺の兄弟機とでも言ったところだろうか…?しかし、兄弟なんて単語に良い思い出は無いので却下だ。
クジラも避け切れずに自慢の尾びれが穴ぼこだ。
「--!----!---------!」
何となく声の激しさで怒っているのが分かる。まずはあのファフナーたちの注意を引く為と、連絡を取る為にアンカーユニットを三本射出。もう半分は暴れまくるクジラを抑える為に射出し、ぐるっと胴体に巻く。
(マークザインの手に人がいるのか。しかも、どっかで見た事ある顔……)
マークザインの手中にいる薄い茶髪の少年に既視感を感じながらファフナー目掛けてアンカーユニットを射出するも、中々掴まってはくれない。それにその手に持ったルガーランスで弾やらビームやらを放射してくる始末。流石アルヴィス産ファフナーとパイロットというか、人類軍とは格段に動きが違うな。
それからごめんクジラ。避ける時に一番振り回してる気がする。
オレンジ色のファフナーが射撃を止めてこちらに斬りかかってくる。なるほど、チャンスだ。
そこで避けることはせず両腕で受け止める。いつかのドラマで見た真剣白刃取りだ。その間に戻しておいたアンカーユニットを目の前の機体に一本だけ射出。今度は上手く刺さり、相手と通信が可能な状態になった。…有線でしか通信できないってのはデカイデメリットだよな。
<あー…、聞こえるか。こちらに攻撃の意思は無い、海中にいるフェストゥムにも攻撃の意思は無い。攻撃を止めてくれ>
<貴様は誰だっ!>
声からして女性か。しかし…、貴様は誰だと来たか。榊を名乗るべきか、マークニヒトを名乗るべきか…。
いや、ここでマークニヒトとか名乗ったら混乱しそうだな。無難に人間名の方を伝えておこう。
<俺の名前は石上榊。訳あってマークニヒトを操縦しているが、貴方方もとい竜宮島に危害を加えるつもりは無い。俺と海中のフェストゥムは即刻竜宮島から離れるので、今一度だけ偽装鏡面及びヴェルシールドの展開を止めて欲しい>
背後の方で見えた偽装鏡面が張られる際に見られる、ぼやけた瞬間を捉えながら目の前の機体にそう告げる。
…通信先で何やら動いている音がしている。
ヴェルシールドが張られてしまったら内部から出る事なんて出来やしない。じじじ、という音の後に先程の女性の声とは違って男性の声が聞こえてきた。
<司令官代理の溝口だ。竜宮島は海中のフェストゥム、及びマークニヒトの攻撃を取りやめる。
その代わり、そちらのマークニヒトの搭乗者との対談を求める>
<…要求に応えよう>
俺との対話だと?いや、一度は竜宮島を襲ったマークニヒトの搭乗者なんて気になるも当然か。
司令官代理とやらの溝口の指令はあのファフナー二機にも届いたのか、俺に向けていたルガーランスを降ろしこちらを見つめている。オレンジ色のファフナーとクジラからアンカーユニットを戻し、抑えていたクジラの元に行く。
海辺にむすっとした表情で佇む巨体に語り掛ける。
「クジラ、約束を守ってくれてありがとうな。…それから振り回してごめん」
声を掛ければクジラが振り向く。なんだ、と言わんばかりの態度に苦笑いが出る。
「すまないが、これからもその約束を守ってくれ…頼む」
俺はクジラに、人殺しになって欲しくない。俺に出会う前には当たり前の様に人も同化していたのかもしれない、それでも止めて欲しかった。人の命を奪うなんざ、きっと碌でもない場所に落とされるに違いない。
…クジラならきっと天国に行ける筈だ。根拠のない自信が俺の胸にそんな感想を抱かせる。人間にもあるのか分からない物にフェストゥムに適応するのか分からないが。
クジラは高く上げていた口で俺を突いた。それから小さく鳴いた。何となく「いいよ」みたいなニュアンスだった気がする。
海上から続く浜辺に機体の俺を降ろす。さっきまで応戦していたファフナー二機のパイロットとマークザインの手中にいた奴が近くにいる。彼らが案内でもしてくれるのか。
(急に銃を突き付けられたりなんてことは無いと思いたい)
人類軍じゃあ無いし、相手から対談を求められている訳だからそれなりの対応がある筈だ。
そう思いながら俺は機体の俺から出た。
降りた先では驚いた様な表情をしたパイロットたちがこちらを見ていた。
次回のコーナーは廃止じゃぁ…!
ちなみになんですけどマークニヒトはまだエヴァカラーリングじゃないです
いずれなる予定はあるんですがね