ゴトランドさんは指輪が欲しいようです。(初期艦縛り) 作:島国住み
主な登場人物
ゴトランド:Gotland級 1番艦 軽(航空)巡洋艦
スウェーデン生まれの航空巡洋艦。
自分の事を初期艦だと思っていること以外はいたって普通の艦娘。
自然な感じであればスキンシップをしてもいいらしい。
台頭著しく、練度の点ではかなり高い水準にいる。
電:暁型 4番艦 駆逐艦
いなづまと読む。初期艦。
鎮守府のなかで一番練度が高い。
提督(司令官)
いちばんえらいひと(雑な紹介)
熱しやすく冷めやすいタイプ。
提督歴自体は長いのだが、ブランクの期間があまりにも長く所有艦娘の練度は一部を除いて低め。
だが最近念願のゴトランドを手に入れ、育成に熱を上げている。
コンコン
「いいぞ」
「失礼します!」
「なんだ。ゴトランドか。こんな夜にどうしたんだ?」
「ゴトでいいって言ってるのに……その言い方はタニンギョウギで嫌だな……」
「ゴ、ゴト。どうしたんだ?」
「えっと……ゴトの部屋の明かりがチカチカしてて代わりの電球がどこにあるか聞こうと思ったの」
「電球か……どこにしまったっけな……」
「えー、提督もわからないの?……じゃあ、一緒に探しに行かない?」
「まだ今日の
「ゴト一人じゃ電球を見つけても、脚立を持ってくれる人がいないと不安で部屋の明かりを替えられないわ。ここで待ってるから任務が終わったら……」
「まぁ……それなら大丈夫だな。待ってろ。通常の三倍のスピードで終わらせてやる!」シュバババ
「はい♪」
「すまない……思ったより時間がかかってしまった……」
「私が勝手に待ってたんですから謝らないでください。……さ、行きましょ?」
こんこん
「いいぞ」
「お疲れだと思ってお夜食を持ってきたのです」
「電か。わざわざありがとう。でも、すまないが執務室で少し待っててくれ」
「……どこかに行かれるのですか?」
「ああ。ゴトの部屋の電球を替えるためにちょっとな。そういえば電球ってどこにあったっけ?」
「……鎮守府で使ってる電球なら第三倉庫に、特殊なものは明石さんの工廠に代わりがあるのです」
「そっか。ありがとう。」
「どういたしましてなのです。……ところであの申請書類の山はなんですか?」
「あの山は明日切り崩す予定で……」
「見通しが甘いのです。今から手を付けないと終わらないです。しょうがないから手伝ってあげるのです。だから……」
「デイリーはちゃんと終わらせたぞ!それよりもずっと座りっぱなしで疲れたんだ。ちょっとくr……「ダメなのです」
「でm「ダメです」
「……すまない、ゴト。場所はわかっただろうから後は一人で頼む」
「むぅぅ……わかったわ」
「ほら、電特製おむすびを食べてキビキビ働くのです!」
「ひえ~~っ」
バタン!!
…………………………まただ、またあの
私は演習に出たり、出撃したりと大忙しであんまり提督といることができない。それだけ提督が私に期待してくれているってことだから嬉しいけど……だからこそちょっとでも一緒に居る時間を大切にしたいのに、最近邪魔が入ることが多くなった気がする。
イナズマだ。あの娘が秘書艦をしている日は特にひどい。だからイナズマが秘書艦ではない日を狙ったのに……
私が初期艦なのに!どうして提督はそのことに気が付かないのかしら?
いや、この言い方は正確じゃないわ。
私が着任した時には既にイナズマたちはいたけどそんなことは関係ないわ。とにかく私が初期艦なのはこの世界の真理で間違っているのはこの現実の方!
こんな風に考えるようになったのにはもちろん理由がある。
……実は、私にはこの世界のシステムみたいなものが少し
進路が妖精さんによって決められていたり、遠征がいつも決まった時間で終わるのとかよく考えたらおかしい。でも提督を含めて誰も疑問を抱かない。
中破すると必ず提督が撤退を決断するのもこの世界のルールの関係でそうしているのだろう。
どうにかしてシステムに介入すれば、私が初期艦だった
この能力は間違った世界を正せとの天からの思し召しに決まってるわ!!
……っと、熱くなっちゃった。
今日は大人しく引っ込んで、電球を替えましょう。
あーあ、提督と一緒に夕飯も食べようと思ったけどしょうがない。お酒も飲みたいからホウショウの店で食べよう。
「あら、ゴトちゃん。今日は一人?」
「ええ。そういう気分なの」
ホウショウさんに注文をした品が来るまで手持ち無沙汰だったせいか他のお客の話し声が聞こえてきた。
「もう!千歳お姉はもっと提督を警戒したほうが良いよ!」
「警戒なんて……言い過ぎよ」
「そんなわけないわ!提督、千歳お姉が中破した時胸をガン見してたわ!」
「えっ……やだぁ……」
「グビグビグビ……あるだけマシやろ。なぁ瑞鳳?」
「あははははは…………………………はぁ……でも、私も改二になれば……」
「やめとけやめとけ。その理屈が通用するのは駆逐艦ぐらいや。そもそも提督は全然ウチを使ってくれへんからそのチャンスすらないねんけど……」
「提督、やっぱ巨乳好きだよね。千歳お姉然り……改二の優先順位とか恣意的なものを感じるわ」
「ウチみたいな
「ケッコンカッコカリ、かぁ……」
「何?千歳お姉、興味あるの?」
「そ、そういうんじゃなくて。その、最初は誰になるんだろうなーって思っただけ」
「やっぱ電じゃない?初期艦だし」
「はい。おまちどうさま。……ゴトちゃん?」
「え。あ、はい。ありがとう」
ケッコンカッコカリ……
提督は改二待ちの艦娘がたくさんいる中、私を
私が忙しいのはそのせい。バケツとマミヤのアイスでごまかされて出撃を繰り返すなんてよくあることだった。着任当初からそんな調子で始めは歓迎されてなくて殊更に辛くあたられてるのかと悩んだ時もあったけど、真逆だ。
今は分かる。提督は私に指輪を贈るためにこんなにも急いで私を出撃させてたんだわ!
でも私はまだ練度が足りない。
この鎮守府の中で一番ケッコンカッコカリに近いのは……イナズマだ。
練度は追いつける。というか、追いついてみせる。でも提督が情に流されて初期艦だと
それは絶対に阻止しなくちゃ
提督の好みにも私は合致してる。一緒に居た時間の長さがイナズマの拠って立つところなら、それを喪失させれば……ふふふふっ。私の勝ちだわ。
もちろんまだ勝ったわけじゃない。これから初期艦の地位を
盤上をひっくり返すには兎にも角にも準備だわ。
ゴトランドが自称初期艦だという話を聞いて、ひらめいてしまったので書きました。
まだまだ続きますがそんなに長くないはずです。