上弦の壱と弐、死線を焦がすーー
※刀鍛冶の里戦終盤、切り札まで。
不死川玄弥に背負われた時透無一郎がその場に到着した時、辺りは凍った砂煙に巻かれ、家の軒先に灯された灯りの乱反射する煌めきが視界を満たしていた。薄い膜を通したような中で黒い影が三つ、判別できないほどの速度で交差する。無一郎の目でもかろうじてそれらが人型をしていることしかわからなかった。
「玄弥、止まって!」
「お、おう…… あの中に入るつもりなのか?」
「まだ行かない。戦況を確認してからね」
あたりの空気が異様に冷たい。ぴりぴりと頬に刺す感覚は紛れもなく殺気であり、風にのって漂っているのは夥しい量の血液の臭いだ。すぐ傍にある里長の館は静まり返っている。里の民全員が籠っているその場所に傷一つないのは何よりだが、余波ひとつ受けていないのはどういうことか。
浅葱の瞳をこらして三つの人影を見定める無一郎だったが、ひときわ強力な斬撃の余波で視界が開けた瞬間、玄弥の耳に鋭く囁いた。
「下ろしてさがって。玄弥は絶対に近づいちゃ駄目だよ、死んじゃうから」
「時透さんだって毒が回ってるのに、俺だけ」
「舐めないでよ。これぐらい平気。それに俺は、まだ死ねない理由があるから」
広い背から降りて地面を踏みしめた無一郎の顔色は悪い。しかし惡鬼滅殺の刀を手に深く呼吸を刻む姿は、鬼殺隊の柱にふさわしい戦意を発していた。厳しい横顔で見据えた先には、侍のような着物姿の六つ目の鬼と奇妙な白橡の髪をした美男の鬼、そして二体の足元に転がった三分割された護鬼の姿があった。
「狛治さん、まずいんじゃないのか」
「どう見ても劣勢だよ。あの鬼、どっちも上弦の肆より格上」
このまま加勢に入っても意味はない。玄弥は気づいていないが、すでに三体の鬼から一瞬の視線が飛んでいた。悪鬼二体のそれはまるで興味なさげにそらされたが、狛治から向けられた「来るな」という無言の圧が無一郎を押し留めたのだ。
「無一郎くーん!! 玄弥くーん!!」
「時透さん! 玄弥!」
後方から近づいてくる足音と気が抜けるような女の声に、ぴくりと美男の鬼が反応し、剣士らの方に目を向ける。妖しい虹色の瞳には上弦の弐の文字が刻まれていた。
「わあ、凄い女の子だ! ごらんよ、黒死牟殿、あの見事な体! あんなご馳走そうそうないよ」
鉄扇を携えた両手をぽんと合わせて笑う上弦の弐。よく通る美しい声によって、その場の全員の注意が近づいてくる女―恋柱・甘露寺蜜璃へと逸れた。誰一人として隙はなく、しかし駆け寄ってくる彼女の姿に無一郎と玄弥はぎょっと目を剥いた。
「嘆かわしい……年頃の娘が……なんと破廉恥な」
「甘露寺さん、もっと羽織の前を合わせてください! 乳房が零れ出そうです!」
もとより色々と露わな隊服が体中に攻撃を受けたことで一部布くずと化し、もはや蜜璃の上半身はほとんど隠れていない。共にやってきた炭治郎の羽織を借りて裾をへそ辺りで結んでいるものの、白い胸の谷間からへそまで見えていた。見た目通り古風らしい六つ目の鬼が物申してしまったのも無理はない姿だった。ただ一人、最初に言葉を発した鬼だけがにこにことしていた。
「猗窩座殿は黒死牟殿だけで十分だろう? 俺はあの子と遊んでくるよ。ついでに周りの子たちともね」
「童磨……目的を忘れるな……」
「わかってるさ。でも柱と炭焼きの家の少年の首を持って帰れば、あの方はよりお喜びになるんじゃないかな。大丈夫、大丈夫」
そう言って剣士らの方に足を向けようとした上弦の弐・童磨だったが、下方から伸びた脚に頭の上半分を吹き飛ばされ、無事な口元が「おお」と感心の声をあげた。
童磨の頸を狙った狛治の蹴りは、黒死牟に軸の右腕を斬り飛ばされたことで狙いが外れてしまった。そのため仕方なく宙で体制を整え、上弦二体と剣士らの間に降り立った。右腕を再生して構える姿は鬼ゆえに傷ひとつない。しかし袖なし羽織は戦いの中で失われ、白いズボンも血と土に塗れて黒ずんでいた。
「狛治さん、加勢します!」
「上弦の壱と弐か。次から次へと、アブラムシみたいだね」
「まだまだいけるわよ! 悪い鬼は倒さないとね」
「俺もっ」
「いや、玄弥は館に向かってくれ。主が特注した銃が完成しているはずだ。可能ならそれで援護を頼む。蜜璃殿、無一郎、炭治郎……一体任せる。生き残ることを最優先であたってくれ」
口々に言う少年少女たちに応える狛治の表情は硬い。美々しい目元に余裕はなく、しかしその全身からは闘気がみなぎっていた。
「俺たちはどっちの相手をすればいいの?」
無一郎の問いかけはどこか冷ややかだ。それだけで何か察したらしい狛治はうすらと苦笑いを浮かべ、顎で上弦の弐を示した。
「アレを頼む。馴れ馴れしく性悪で女好きな上に、氷の血気術で広範囲を凍結させてくるクソ野郎だが、かなり強いぞ。目に見えない氷の粉を辺りに撒いて肺を凍らせてくるから、やつの近くでは呼吸に気をつけろ」
真面目で良識ある大人といった狛治がそこまで言うのに、剣士らはうわぁという顔で上弦の弐を見やった。言われた方は、大げさに太い眉を下げて「ひどいぜ猗窩座殿!」と涙ぐんで目元を拭っている。誰が見ても嘘泣きだった。
「性悪なのはなんとなくわかった。行こう、甘露寺さん、炭治郎」
「はいっ。狛治さん、ご武運を!」
「さっきから変な目で見てるのは女好きだからなのね。いやらしいヒトにはきゅんとしないわ!」
ばらばらと上弦の弐を取り囲むべく走り出す無一郎らを見送り、玄弥はじりじりと館の玄関までの距離を図る。六つ目の鬼は彼をいないものとして、狛治だけに注意を払っていた。
「玄弥、走れ」
「はいっ」
――陸ノ型 常夜孤月・無間
――護鬼術・羅針 鬼芯八重芯
狛治の足元に氷雪の文様が広がり、火花のような衝撃波が三日月の斬撃を迎え撃つ。上弦の壱の刃が玄弥に届くことなく、かわりに欠損と再生を繰りかえす手指が血しぶきを舞わせた。
狙いすまされた一刀が狛治の両足首を切断する。その攻撃に合わせて琵琶の音が響き、崩れる体の真下に障子が開いた。すでに幾度も繰り返されている、狛治を鬼舞辻無惨の前に連れ去ろうとする連携だ。
「馬鹿の一つ覚えか、黒死牟!」
狛治はくるりと宙で体を返し、脇の地面に着地する。連続して現れる障子も襖も彼を捉えることなく、再び黒死牟との接近戦にもつれこむ。鳴女の血鬼術による奇襲があるからこそ、鬼殺隊の剣士らを童磨の方へ向かわせたのだ。たとえ柱であっても、一人で無限城に落とされては生存を見込めないゆえに。
黒死牟はただ静かに刀をふるっており、焦る様子もない。夜明けはまだ遠く、実力差は明確。であれば、後はその時を待つだけだ。よく見える三対の目を眇め、果敢に振るわれる拳を、鋭い蹴りを、何より素晴らしい体幹を誇る胴体の動きを見据える。そして、ついに動いた。
――月の呼吸 拾陸ノ型 月虹・片割れ月
「しまっ……」
同時に放たれた六つの軌跡が狛治の四肢と頸、胴体を切り分け、その一秒にも満たない無防備な瞬間に黒死牟は黒髪の頭を鷲掴んだ。鬼の再生はどの部位からでも可能だが、脳が収まった頭部は欠損時の優先度が高い。吹き飛びでもしない限り、回復は頭側から始まるのだ。ここまでの短くない立ち会いで、黒死牟は狛治の回避速度も体が再生する様も見切っていた。
「馬鹿の一つ覚えは……お前の方だ」
無惨の命は、太陽を克服した鬼を目の前に引き立てることだ。最初から、この場での出来事は追い込み漁でしかなく、標的の頭を捕まえた黒死牟は特に感慨もなく鳴女に呼びかけようとした。その開けすぎた視界の端に、ありえない光景を見なければ、それで全て完了するはずだったのだ。
「馬鹿な……」
黒死牟がその端正な顔を埋め尽す瞳を見開き、思わず呟く。その手に掴まれたまま、同じ光景を目にした狛治は、万事休すであるというのに感嘆の声をあげた。
「流石です、主!! 見事な切り札だ!!」
二人から少し離れた通りの先で、凍りついた辺り一面が熱されたように崩れていく。空気がぬくもりを取り戻していく中、剣士らに囲まれ、唖然とした表情で膝をついた美しい鬼の半身がどろりと溶けていた。
※ ※ ※
上弦の弐は優しげな顔立ちと優雅な佇まいに反し、これまでに類を見ないほどの殺傷力の塊だ。何度目かの応酬を経て、炭治郎、無一郎、そして蜜璃の認識は見事に一致していた。上弦の肆の毒に侵されているとは言え痣者三人を相手取って、まるで物ともしない。にこやかに童磨と名乗ったその鬼は、足元に小さな氷像の童を二体侍らせながら剣士らを見つめていた。
「厄介な術だな。甘露寺さん、炭治郎、本体を優先して叩くよ」
「ええ。あの人形が邪魔するなら私が斬るわね」
「氷の粉の範囲が広がってる。気をつけてください!」
無一郎と蜜璃は柱としての経験と才覚から、炭治郎はその優れた嗅覚から、それぞれ童磨の初見殺しの技を正しく解析していた。結晶ノ御子と粉凍り。いずれも反則級の血鬼術だ。
「君たちなかなか優秀だねえ。でも俺には勝てないよ」
くすくすと扇で口元を隠して童磨は笑う。細めた虹の瞳が蜜璃の体を愛で、しかし食欲以上の興味もなく猫のように舌なめずりをひとつ。そうして対の扇で舞うように宙を一閃すれば、御子たちもそれに習い、いくつもの氷の乙女が広範囲に冷気を吐き出した。
「その吐息、凍ります!」
「そうだろうねっ」
「任せて! えいっ!」
炭治郎が言うまでもなく、柱二人は迫る術から逃れ、蜜璃の日輪刀が冷気を弾く。紙一重で粉凍りを吸い込まない位置取りで薄い刃をしならせる彼女の脇から、無一郎が童磨目掛けて刺突を繰り出した。
――霞の呼吸 壱ノ型 垂天遠霞
「おお、速い速い」
目前に迫った切っ先を鉄扇で防ぎ、童磨はもう片方の扇で斬りつける。粉凍りが充満している中でも無一郎は肺の中の空気を使い、何合か打ち合ってから飛び退いた。息が続く限りしか接近戦を行えない。そのもどかしさに少女めいた顔立ちが忌々しげに歪む。
「これならどうだ!!」
――ヒノカミ神楽 飛輪陽炎
炭治郎の燃える軌跡を描く刃が童磨に迫る。愚直な正面からの攻撃を薄く嗤って躱した鬼は、しかし自らの頸から吹き出した血に目を見開いた。
「あれー、完全に避けたと思ったんだけど」
「ぐっ……」
ばさりと扇で少年の体を押しのけ、霧のような氷を浴びせながらも童磨は笑顔だ。炭治郎が凍結しそうな目元を覆って地面に転がる様を温度のない眼差しで追い、さらに斬撃を浴びせようとする。その刹那――
ガァンッ!!
目にも留まらぬ速さで童麿が扇で側頭部をかばい、何かが金属の表面を大きく歪ませながら弾かれた。その後も短く重たい轟きが二度続き、同じように弾かれたが、二度目で頑丈な鉄扇の上半分が吹き飛び、鬼の右頬も大きくえぐれた。
童磨の攻撃範囲から逃れ体勢を整えた炭治郎が見たのは、里長の館の屋根上で長い筒のようなもの構える玄弥だった。この距離からもわかる火薬の臭いで、今の攻撃は彼が発したものだと悟る。
「おお、もしかして銃かい? こんな威力が出るんだ、凄い凄い」
からからと笑う童磨はまるで動じず、顔の傷も見る間にふさがった。
「余所見してていいの?」
狙撃手を仰ぎ見る鬼に無一郎が挑み、邪魔になる氷の御子を蜜璃が切り払う。激しい威力の剣跋が粉凍りを寄せつけず、しかし全力の技をもってしても童磨の頸に刃を当てることができない。上弦の弐の膂力は狛治のそれに迫り、速度もほぼ同等なのだ。血鬼術に気を取られていると、まれに飛んでくる蹴りで体に風穴を開けられかねなかった。
上弦の鬼と柱二人が入り乱れるところに玄弥の追撃はない。目まぐるしく位置が入れ替わる中では狙撃できないのだ。
(鉄の銃弾じゃあ倒せない。いや、この臭い……)
炭治郎でなければ嗅ぎ分けられないほど薄く、けれど確かに香ったそれに、刀を握る手に力がこもる。玄弥の武器は日輪刀の材料と同じ鉱物から作られた銃弾だ。しかし今香ったのは、金属ではなくとも鬼を殺傷しうる別の何かだった。
「きゃあっ!!」
攻撃が掠めたのか、蜜璃のしなやかな体が家屋の壁に叩きつけられる。彼女は日輪刀を離さなかったが、肋が折れたのか、愛らしい口元から血反吐を吐きだした。
「このっ、あがッ……」
「人間って可哀想だねえ。すっかり毒が回って、どんどん動きが悪くなってるのわかるかい?」
無一郎の霞の呼吸の技がひとつ、またひとつと見切られ、ついに突きを誘われ胸を貫通した刃をそのまま封じられた。彼の長い髪を掴みあげた童磨が血の気が引いた顔を覗き込む。
「時透さん!!」
唯一動ける炭治郎の一閃が青黒い髪をばさりと切った。そのまま無一郎の腰に腕を回して後退った赫灼の剣士を氷の蔓が追う。そして、銃声が響いた。
ただの鉛玉だと甘くみた童磨は武器の損傷よりも攻撃を受けることを選んだ。脇腹に着弾しても意に介さず、少年らに氷柱を落とそうと手をかざしたところで、はたと銃弾が貫通していないことに気がつく。体内を探れば、先以外がギザギザとして貫通力を落とした弾が腸の合間に埋まっていた。そして、特殊な加工が施されたそれは童磨の腹の中で炸裂した。
「うぐっ……えげつないことするぜ」
内臓を内から爆散させられ、黒い徳利襟の衣服の腹辺りからぼとぼとと血が滴る。端正な口元からも幾筋も鮮血が溢れるが、この程度鬼ならば致命傷になりえない。さっさと治して止めを刺そうと力を回復に回そうとしたところで、ぐるりと視界が揺れて半分に狭まった。
「え……?」
炭治郎らにすぐ手が届く距離で童麿が止まる。その足元には、腐り落ちた虹色の左目が転がっていた。優しげな美貌は見る影もなく溶けはじめており、それを確かめようと頬に触れた右手も指が崩れてぽろりと落ちた。
「何が起きてるの」
「毒だよ。きっと銃弾に藤の毒が入ってたんだ。それも、藤襲山の狂い咲きより濃い臭いがするぐらいに」
無一郎のつぶやきに炭治郎が答え、少年二人の前に上弦の弐が膝をついたのだった。
※ ※ ※
鏡の中の光景に絶句する有一郎をよそに、巫女姿の平凡な少女が満足気に目を細める。この場に恋雪の姿はもうない。狛治がばらばらに刻まれる直前、まるで見計らったように金烏が彼女を使いに出したからだ。仮初の体しかもたない幽霊である彼女を、赤い糸の縁でつながった夫の近く、しかしやや座標をずらした里長の館の中へと直接飛ばしたのだ。
「ようやったぞ、恋雪。ライフルの出来も上々でなにより」
どろどろに崩れていく鬼は今までの戦いを見守っていた有一郎の目からしても強敵だ。厄介な分身と強力な血鬼術の組み合わせに、何度も無一郎のもとに飛んでいきたいと思ったのに、それが一発の弾丸で死に体になっている。
「あれ、藤の毒の弾じゃなかったんですか?」
「うむ、藤の毒の弾であるぞ」
「あの威力で?!」
藤の効果については、有一郎も狛治から聞いている。十二鬼月でもない鬼なら藤の香り袋で遠ざけることができるほど、鬼は藤を嫌っている。しかし強い鬼にはさほど効果は見込めないのだ。上弦の弐ならば、耐性も相当のもののはずである。腑に落ちない顔の少年に、金烏は通常装備の微笑みを返した。
「独逸の製薬会社に依頼したら、うまい具合に藤の成分を濃縮してくれてなあ。流石に鬼舞辻めには効かぬだろうが、そこいらの鬼の致死量の千倍はあるのではないか?」
金烏が恋雪に持たせた銃弾は十発だけだが、その作成にかかった金額は有一郎の想像が及ばない桁数に及ぶ。里の護衛につかせた狛治を介して鉄地河原鉄珍に依頼した改造ライフルの作成費も合わせると、やんごとなき八咫烏の家紋の一族といえど少々痛手に感じるほどの出費であった。
しかし、そんなことを金烏以外の誰も知ることはなく、ただ目の前の結果が全てだ。
「胡蝶しのぶから譲り受けた藤毒を最大限に強化してみたが、ふふっ、まるで腐死の呪いを見ているようだなぁ」
「……恋雪さんはどうするんです。あっちに送ったままですか」
「恋雪は戦士の妻であるぞ。狛治のことをいかに案じようとも、軽率に行動することはない。一瞬の隙が命取りであることも、己があやつの最大の弱点であることも、ちゃんと理解しておる」
「狛治さんのあの様子を見せたくないだけじゃ?」
「まぁ、それもあるなぁ」
戦場を見下ろす鏡には、上弦の壱に頭部を奪われたままの護鬼が映っている。四肢をつなげた体がまだ戦えるとばかりに立ち上がっているが、頭を取り返すよりも悪鬼が撤退を決め込むほうが速いだろう。
金烏は綺麗な姿勢で座したまま、すいと右手を鏡面へと向ける。
「案ずるな有一郎。真の切り札は別にあるのだ。このために狛治に幾重にも術をほどこしたのだからなぁ」
淡々と言う横顔は平凡な少女のそれだ。けれど有一郎は、その動じない横顔に小さく震えた。
「惡鬼滅殺!」
金烏がひとことだけ発した直後、目を眩ませる赤い光が鏡面から祈祷の間いっぱいまで溢れ出す。その様は太陽を地上に引きずり下ろしたようで、ただ恐ろしく、そしてひたすらに美しかった。
【登場人物紹介】
狛治/猗窩座
主人公。勝てなくても諦めない。冷静な判断で剣士たちを童磨にあてたが、誰か戦死するのではないかと内心ハラハラ。ライフルは金烏の命で鉄珍に依頼したが、弾丸のことは聞いていない。童磨がやられたのを見て大変満足。なお、頭部が捕まってもめげずに体だけで戦おうとしていたが、金烏の切り札その2発動でそれどころではなくなった。惡鬼滅殺!!
恋雪
ヒロイン。留守番組からかわゆい配達担当にジョブチェンジした。ただいま里長の館で待機中。持ってきた弾丸は金烏の指示どおり玄弥に渡し、普通の弾をいくつか打ってから使うよう伝言も伝えた。戦いの様子がわからず不安だが、それを吹き飛ばす赤い光に目が丸くなった。惡鬼滅殺、です!
金烏
脱ラスボスルート済巫女さん。5話目で胡蝶しのぶから譲り受けた藤毒の伏線をやっと回収した。独逸の製薬会社に支払った額は頭がおかしいが、お陰様で毒の濃度も頭がおかしいレベルに達したので満足。なお、本命の切り札の方もだいぶ頭がおかしい。この防衛戦のために布石を頑張りすぎたのは、きっと愛と正義()に目覚めたせい。惡鬼滅殺!!
竈門炭治郎
原作主人公。姉弟子と一緒に上弦の参を撃破した。上弦の弐との連戦でも果敢に挑んだが、純粋に力及ばず攻めきれなかった。嗅覚のおかげで粉凍りを吸わず、普通と毒の弾丸の違いも気づくことができた。実は狛治が猗窩座と呼ばれたことが気になって仕方がない。全身毒に侵されており要入院レベル。
甘露寺蜜璃
痣者になった恋柱。弟弟子と一緒に上弦の参を撃破した。上弦の弐との連戦では、じろじろ舐めるように見られて大変憤慨していた。主に結晶ノ御子を潰す役割を担った。粉凍りは斬撃の風圧で吹き飛ばしていた。全身毒に侵されており要入院レベル。実はかなりヤバい。服装はさらにヤバい。
時透無一郎
痣者になった霞柱。玄弥と一緒に上弦の肆を撃破した。上弦の弐との連戦では接近戦を担当した。粉凍りを吸わないよう、肺にためた酸素で技を出し、息継ぎのため距離をとるのを繰り返していた。全身毒に侵されて要入院だが、先に兄さんに会いたいし誘拐犯は許さない。短髪も似合う美少年。
不死川玄弥
無一郎と一緒に上弦の肆を撃破した。無傷で体力も温存しているが直接戦闘には力不足のため、館に向かうよう言われた。いつかの切り札にと金烏が特注してあったライフルを早速使用することになる。上弦の弐戦の立役者。
黒死牟&童磨
飛んで火にいる増援組。どちらも恐ろしく強く、事実童磨は柱二人+炭治郎相手に遊んでいたが、原作知識と財力と呪術チートは無情である。しのぶが藤の毒を摂取しないルートに進んだことにより金烏が気を利かせた結果、童麿が散々なことになった。黒死牟は狛治を圧倒して任務完了を確信していたが、そうは問屋がおろさない模様。