『ブレイク!!!」
機械音と共に黒いエネルギー波がカイを中心に放たれ、煙が晴れるとカイの前に歯車が象られた掌に収まる機械が浮いていた。
その機械は周りは銀色の歯車のような突起物が付いており、真ん中には何かの仮面が描かれていた。
「なんだ、これ?」
戸惑いながら、手を差し伸べると機械は手に収まり光も収まった。
「あれは……!」
ハリーがカイの掌にある機械を見て驚くのと同時にまたキャリーバッグから機械が飛び出した。
それはカイの腰に巻きついた。
『ギアロードドライバー!!!』
巻きついたなはベルトの様だがバックルの部分は中央に何かを嵌める穴があり、横には小型のレバーが付いているゴテゴテした銀と黒の機械だった。
「はっ?えっ?何だこれ!?」
突然の怪物の登場、はなの変身、喋るハムスターと頭の許容量はとうに超えてしまいパニックを起こしてしまう。
「落ち着け!そのギアの歯車部分を回して、ギアロードドライバーに嵌め込むんや!」
「握る?」
カイは恐る恐る歯車と歯車の部分を親指で引っ掛けて回すと回転しながら起動音が響く。
『ブレイク!!!』
そしてギアをギアロードドライバーの穴に嵌め込むと、ブザー音の様な待機音が響く。
まるで危険な何かを呼び出す様な音が響き渡り、全員の動きが止まる。
カイを中心に風が立ち込め、不気味な雰囲気を醸し出すが、カイは何故か心の奥底で気分が高揚していき、この言葉を言わずにはいられなかった。
「変身ッ!!」
その言葉と同時にベルトの横に付いているレバーを下に下ろす。
ギアは高速回転し、軽快な音と共にギアから黒と銀の鉱石のようなものが飛び出してカイの体に纏わりつき、一つの塊となる。
そして激しい破壊音と共に鉱石は割れ、その姿が現れる。
『ブレイク!ブレイク!!ブレイクアウト!!!』
頭部に銀色のアンテナ2本が伸び、銀色に輝く目。
全身はグレーのアンダースーツに銀が基調のパーツと所々に黒と黄色のパーツがあるアーマースーツ。
破壊の戦士、仮面ライダーブレイクの誕生である。
「おお……!なんだか力が湧いてくる!」
カイはブレイクになった自分の姿を見て、気分がより高揚していく。
「嘘だろ!?なんでこの時代に仮面ライダーブレイクがいるんだよ!?こんなんじゃ計画が台無しだ〜!!」
チャラリートは悲鳴に似た叫び声を上げて消えてしまった。
「仮面ライダーブレイクか……いいな。その名前いただき!」
「不堂くん!その姿って……」
エールが変身したカイに近づく。
「エール、俺のことは仮面ライダーブレイクって呼んでくれ!」
「ブレイク……うん!わかったよ!」
近づいてくるオシマイダーに2人は共に対峙する。
「一緒に戦うぞ!」
「うん!」
オシマイダーが腕を振るい下ろすとブレイクはそれを殴り飛ばすとオシマイダーはその勢いで仰け反ってしまう。
そこにエールが飛び蹴りを放ち、オシマイダーを倒す。
それでも立ち上がってくるオシマイダーにブレイクは連続パンチを浴びせる。
一発一発をぶつける度にオシマイダーの体が浮かび上がる。
「凄い力……」
エールがブレイクの力に驚いていると、はぐたんを守っていたハリーが声を張り上げる。
「エール!最後はお前さんがやるんや!」
「え?どうして?」
「ブレイクじゃオシマイダーを根本的に倒すことはできへん!浄化できるのはプリキュアだけや!」
「わかった!」
オシマイダーを蹴り飛ばすブレイクにエールは駆け寄って声をかける。
「ブレイク!さっきの話聞いてた?」
「ああ!聞こえていた!俺がアイツの動きを止めるからエールは最後を頼むぞ!」
「うん!任せて!」
ブレイクは動きを止めるには大きな攻撃が必要だと思った瞬間、頭の中にギアロードドライバーの使い方が流れ込んできて、レバーを3回下ろす。
『マキシマムチャージ!!!』
ギアが高速で回転し、待機音と共に右足にエネルギーが溜まっていく。
エネルギーが溜まりきるとオシマイダーに向かって走る。
オシマイダーはあの攻撃が当たると危険だと察し、ブレイクに向かって両腕を振るって邪魔しようとするが、ブレイクはそれを避けるのと同時に高く跳び上がる。
空中で飛び蹴りの姿勢になるとオシマイダーに向かって銀と黒エナジーリングが順に連なってオシマイダーを捉え、身動きを取れなくする。
そして、エネルギーを帯びたライダーキックは真っ直ぐにオシマイダーに向かって放たれた。
『マキシマムブレイク!!!』
『オシマイダーー!!?』
オシマイダーはライダーキックの凄まじい威力で放たれた爆発に巻き込まれ、断末魔を上げて倒れた。
「エール!今だ!」
「うん!フレ!フレ!ハート・フォー・ユー!!」
エールの必殺技がオシマイダーを包み込んで浄化し、こうして戦いは終わった。
○
戦いの跡は光のエネルギーと共に綺麗さっぱりなくなり、学校の人たちも全員が怪我もなく無事だった。
そして、変身を解いたカイとはなははぐたん達を連れ、近くのベンチに座って訳を聞いた。
「なるほど、つまりお前らはそのクライアス社に狙われており、昨日空から降ってきたはぐたんと知り合ったはなは助けるためにプリキュアに覚醒した、と」
「まぁ、簡単に言えばそういうこっちゃな。信じられんか?」
「信じないって言っても俺も変身しちゃったからなぁ。信じるしかないよ。それで?なんでお前らはそのクライアス社に狙われてるんだ?」
「あっ!私も気になる!」
はぐたんを抱っこしていたはなも気になるのかカイと一緒に詰め寄る。
「うーん……それはなぁ……」
ハリーが言いにくそうにしていると突然はぐたんが泣き出した。
「はぎゅーーー!!」
「ええっ!?どうしたのはぐたん!?」
「お腹が空いたとか?」
カイがはぐたんを受け取るとハリーに渡された哺乳瓶でミルクをあげた。
「上手だね」
「ああ、俺もできて驚いた」
元気にミルクを飲むはぐたんを見て、カイは心が朗らかになる。
「みんな疲れてるやろうし。話の続きはまた今度や!近いうちに連絡するから予定空きときや!」
「そうだね。はぐたんも疲れてるだろうし」
ミルクを飲みながらウトウトしているはぐたんを見て、はなとカイも賛成した。
ハリー達と別れ、カイは家まで送る途中ではながカイに質問してきた。
「ねぇ、なんで校庭に戻ってきたの?危なかったのに」
「え?何でって……多分野乃さんと同じだと思う」
「同じ?」
カイの言葉に不思議そうにするはなにカイは少し照れて、頬を指で掻きながら答えた。
「野乃さんを放っておいて逃げるなんて、カッコ悪いと思ったから」
カイの言葉にはなは笑顔を浮かべて嬉しそうにした。
「そっか!あっ、そうだ!これからは一緒に戦っていくし、もう友達なんだから名前で呼び合おうよ!」
「え!?」
「……嫌、なの?」
女の子を名前呼びするのは健全な中学男子であるカイにとっては中々ハードルが高い。
しかし、はなの悲しそうな顔を見て慌てて否定する。
「いやいや!嫌じゃなくて、その……恥ずかしいというか」
「友達なんだから恥ずかしくないよ!リピートアフターミー!は・な!」
「はな……さん」
「さん付けはいらないよ!は・な!」
「……はな」
「うん!よろしくね!カイくん!」
カイに名前を呼ばれて嬉しそうにするはなを見て何故だか更に恥ずかしくなってしまうカイだった。
ブレイクの設定はいつか書こうと思います。