騒動の翌日は休日でカイとはなははぐたんを連れて少し離れた街にあるスイーツ店を目指していた。
「しかし、ハリーも勝手だよな。やることあるからはぐたんを預かってくれって言ってどっか行っちまうし」
「ハハハ…だよね〜」
「はぎゅ?」
はぐたんを抱っこ紐で抱っこしているカイと地図とにらめっこしているはなは苦笑いしながら答えた。
「てか、はぐたん達ってどこに住んでるんだ?」
「さあ?」
疑問が尽きない2人だが一先ずそのことは置いといて、3人は目的のスイーツ店を目指すことにしたが早速迷ってしまった。
「「あれ?」」
地図を見つめる2人だが両方とも目的の場所がわからない。
「おかしいな〜ここら辺にあるはずなのに〜」
「一旦来た道戻るか?」
「はぎゅ!は〜ぎゅ!」
突然はぐたんが後ろの方に興味を持ったように手を伸ばして騒ぎだし、カイとはなははぐたんの方を向く。
「どうした、はぐたん?」
「後ろに何かあるの?」
すると2人に話しかける人物が現れる。
「ねぇ。そのチラシ……」
話しかけて来たのは紫色の長髪を持つカイ達より少し年上のお姉さんだが、何故だか実際の年齢より年上に感じる雰囲気を放っている。
「え、何か知っているんですか?」
「ふふっ、私が案内するわ」
お姉さんの提案にカイ達は感謝した。
「あ、ありがとうございます……」
「わぁ!素敵なお姉様!お願いします!」
カイは大人に雰囲気を醸し出すお姉さんに少し緊張し、はなはテンションが高くなって頭を下げる。
2人の様子を見てお姉さんは微笑みを浮かべる。
「うふふ、いいのよ別に。私もそのお店に用があるから」
お姉さんの案内のおかげもあり2人は目的のスイーツ店、キラキラパティスリーを目指すことができた。
○
「ああ! ゆかりさんが帰ってきたよー!」
『おかえりなさい!』
「ゆかりさん! 会いたかったです!」
「ふふ、ほらほら皆。お客様よ」
店に入ると店員らしき女の子たちがカイ達を案内してくれたお姉さんを取り囲みだし、和気藹々とし始めたがお姉さん、ゆかりがカイ達の方を向くと店員達は挨拶をしてくれる。
「ようこそ!キラキラパティスリーへ!」
「わぁ…!ここの店員さんだったんだ」
「ここって本当にスイーツ屋さん?俺が知ってるスイーツ店と違い過ぎる……」
はなはゆかりが店員だったことに驚いているが、カイはパティスリーの内装に目を彼方此方に忙しなく向けていた。
一番目に付いたのがショーケースで、シャボン玉に包まれたスイーツが宙を浮いていた。
それをまじまじと眺めているとはぐたんがスイーツに向かって手を伸ばして、騒ぎ始めた。
「はぎゅぅ!はぎゅぅ!」
「はぐたん、どうした?欲しいのか?」
「さっきミルクあげたばかりなのにね」
すると、そこに明るい茶髪のツインテールをした店員が話しかけて来た。
「あの、もし良かったら赤ちゃん用のスイーツを作りましょうか?」
「そんなこともしてもらえるんですか?」
「はい!あっ、あとそんな敬語使わなくていいですよ。見たところ年齢も近いですし」
「じゃあ作ってもらおうか」
「そうだね!お願いします!」
注文をして暫くすると可愛らしい動物を模したスイーツが運ばれて来た。
「お待たせしました!ヒヨコのピュレーアニマルプレート。出来上がり!」
運ばれて来たスイーツを見てはなとはぐたんは目を輝かせ、カイも興味深々で覗き込む。
「素敵ぃ!」
「はぎゅぅ!」
「食べるのもったいなくなるなぁ」
はながはぐたんに食べさせるととても美味しいらしく、笑顔で顔を輝かせる。
「はぎゅ♪はぎゅ♪」
「そんなに美味しいのか?」
「じゃあ私も……」
「「いただきまーす!」」
はなとカイも同時に食べると満面の笑顔になる。
「美味しい!」
「美味いな、これ!」
3人の笑顔を見て、店員達も嬉しそうに笑顔になり、そこには暖かな雰囲気が満ち溢れていた。
○
3人はお土産用のスイーツを買って、来た道を戻っていた。
「美味しかったね〜。スイーツ」
「はぎゅ!」
「だな。俺も料理は得意だけどあぁいうスイーツは作ったことないからなぁ」
カイの言葉を聞いて、はなは驚いたように顔を向ける。
「え、カイくんって料理できるの?」
「家が定食屋だからさ。時々手伝いってやってたらいつの間にかできるようになってたんだ。ほら、この前俺があげた唐揚げあっただろ?アレも俺が作ったんだ」
「本当に!?すっごく美味しかったよ!今度、カイくんの料理食べてみたい!」
「いいぞ。店に来てくれたらサービスするよ」
2人で約束しているとはぐたんも食べたいと手を挙げる。
「はぎゅ!はぎゅ!」
「あはっ、はぐたんも食べたいって」
「はぐたんはもう少し大きくなってからな」
そんな他愛もない話をしていると何かが動く音が聞こえ、振り向いた瞬間、モコモコした何の物体がはな目掛けて襲いかかって来た。
「きゃあ!!」
「危ない!」
カイが咄嗟にはなを庇い、謎の物体を避けることができた。
「大丈夫か?」
「う、うん。ありがとう」
はなの安否を確認してから、襲いかかって来た謎の物体に目を向けるとそれは不気味なオーラを出しながら段々と大きくなり始める。
「あわわわ……大きくなり始めた……」
はなは目の前で段々と大きくなるのを見て、腰を抜かしてしまって動けない。
カイはそんなはなの両手をしっかり握って立ち上がらせる。
「逃げるぞ!」
「ふぇ?」
カイははなの手を引っ張って走り、被害が及ばない所まで逃げた。
「はぁ…はぁ…ここまで来たら大丈夫だろ」
遠くで暴れる怪物を見て、カイは一安心する。
「あ、あのカイくん……手を、その……」
はなが恥ずかしながらカイに話しかけ、手の方を見る。
カイが引っ張って逃げて来たので手を繋いだままだ。
「あっ、ごめん」
「う、うん」
手を離して、改めて怪物を見る。
「この前の怪物とは別のものっぽいな」
「だけど、放っておくことなんてできないよ!」
はなはプリハートを構え、カイも並んでスマッシュドライバーを腰に装着する。
「だよな!行くぞ!」
「うん!……あれ、あの光は?」
変身しようとしたが空に6つの光が煌めき、怪物に向かって飛んでいく。
そして怪物に攻撃し始めたのだ。
「味方なのか?」
「むむ……そうみたいだね」
カイは不思議そうに光を見つめ、はなは両手を双眼鏡のように丸めて光を見つめる。
「ぷいきゅあ〜!!」
すると、はぐたんが光に向かって手を伸ばしてはしゃぐ。
「ぷいきゅあ?プリキュアか?」
「えっ!?あれってプリキュアなの!?それよりプリキュアって他にもいたんだ!」
はなは驚くのと同時に嬉しそうに飛び跳ねる。
しかし、怪物と戦っていたプリキュア達は怪物の攻撃によって地面に叩きつけられてしまった。
「ヤバそうだな……」
「助けに行こう!」
するとそこにハリーが慌てた様子で現れた。
「おぅい!カイ!何やこの状況!?」
「丁度良かった。はぐたん頼むぞ」
カイははぐたんをハリーに渡して、プリキュア達の元に急いだ。
○
キラキラプリキュアアラモード達は長老ビブリーの体が心を持ち、暴走体となってしまった敵に苦戦してしまう。
そこに妖精達とプリキュアとなったペコリンが助けに行くが傘に捕らえられてしまった。
「ペコリン!」
キュアホイップが叫ぶのと同時にビブリーの足元にキュアエールが滑り込み、足を蹴ってビブリーを転がした。
「アナタ達、めっちゃイケてる!」
エールに倒されたビブリーの体は起き上がろうとして、さっきまで自分を倒そうとするキュアホイップが目に入り、傘を振り上げキュアホイップ目掛けて振り下ろす。
しかし、当たる直前にカイがホイップの前に立ち、ギアを回転させる。
『ブレイク!!!』
ギアからエネルギーが溢れ出し、攻撃を弾き返す。
「よお、大丈夫か?」
「えっと、貴方はさっきお店に来ていた……」
「え?お店?」
ホイップの言葉に疑問を浮かべ、ホイップの方を向いた隙にビブリーが反撃してくる。
それに気づいたホイップがカイに向かって叫ぶ。
「危ない!」
「おっと!」
カイも攻撃に気づき、ギアをギアロードドライバーにセットし、レバーを下ろす。
「変身ッ!!」
ギアから結晶エネルギーが溢れ出し、ビブリーの攻撃を防ぎながらカイの体を覆い尽くす。
『ブレイク!ブレイク!!ブレイクアウト!!!』
変身音と共に結晶は破壊され、中から仮面ライダーブレイクが姿を現わす。
突然の変身に呆然とするホイップはブレイクに声をかける。
「貴方は一体…?」
「俺か?俺は仮面ライダーブレイク。新参者のヒーローだよ」
『ジャァバァ〜〜〜!!!』
ビブリーは何度も攻撃を邪魔され怒り狂い、手に持つ傘を振り下ろすがそれより早くブレイクはベルトの赤いボタン『チャージスイッチ』を1回押し込む。
『1チャージ!!』
右手にエネルギーが集まり、拳を作ると振り下ろされた傘に向かって拳を振るう。
凄まじい衝撃波と共に拳と傘の間に火花が散る。
「オオオォォォッ!!」
ブレイクが雄叫びをあげ、更に力を入れるとビブリーの傘を押し返した。
『ジャバァ〜!?』
押し返された傘と共にビブリーを転倒させると、エールがホイップ達に向かって叫ぶ。
「今だよ!」
その合図と共にホイップ達は必殺技を繰り出し、ビブリーを浄化して一件落着した。
そしてカイとはなははぐたんとハリーを連れてはぐくみ町へと帰って行った。
「結局、あのプリキュア達には何も話さなくてよかったのか?」
「うん!またすぐに会えると思うしね!」