第四次聖杯戦争
それは極東の国日本の冬木市にて繰り広げられる、
万能の願望機とされる「聖杯」を奪い合う争いであり、この私の参加した戦争でもあった。
そう、「あった」。過去形だ。
私は「戦歴」という「箔」をつけるために戦争に参加し、
その中でアインツベルンの魔術師の卑怯な手により殺された、はず、だったのだ。
―――――
「令呪をもって命ず、自害せよランサー。」
自らの戦いに、終止符を打った。
「残る全ての令呪を費やして、サーヴァントを自決させる。確かに条件は満たされた。」
アインツベルンの魔術師がナニカ言っている・・・どうでもいいことだ。私の戦いはすでに終わり、
「ああぁぁぁぁあぁぁ・・・」
目の前では、自らの腹部に槍を刺したランサーがくず折れている。
「貴様らは・・・そんなにも、そんなにも勝ちたいか・・・そうまでして聖杯が欲しいか!?この俺が、たった一つ抱いた願いさえ踏みにじって・・・!!貴様らは!何一つ恥じることはないのか!?・・・許さん、断じて貴様らを許さん!!」
・・・?何を言っているのだ、ランサーは?たった一つの、願い?
「名利につかれ騎士の誇りを貶めた亡者ども!その夢を我が血で汚すがいい!」
まさか、本気だったというのか・・・?聖杯はいらぬというのは、騎士として
「聖杯に呪いあれ!その願望に災いあれ!いつか地獄の釜に落ちながら、このディルムッドの怒りを思い出せぇぇ!!」
ならば、ならば全て私の勘違いだったと・・・?思い込み、だったというのか・・・?なぜ、なぜもっと早く気がつけなかった?気がつけたはずだ、奴の伝説を考えれば・・・気づかなかったのは、私の・・・
ランサーが消えてゆく・・・血の涙を流しながら、血の慟哭を吐きながら・・・完全に消えてしまう前に、せめて、せめて
「・・・すまなかったな、ランサー、いやディルムッドよ・・・」
「あ、るじ・・・?」
「まだ、私をそう呼んでくれるか・・・私が、私が愚かだったのだ、ディルムッド・・・すまなかった・・・」
「いえ゛、そ゛んな゛・・・」
血を吐きながらしゃべるディルムッドの声はかすれている・・・
もう、肩まで消えている。時間は、ないか・・・
「大儀であった、我が槍よ。そなたは、勝利こそもたらすことはできなかったが、そなたの槍、武勲は私の誇りだ・・・我が騎士、ディルムッドよ・・・」
「―――――」
ランサーは何事かを口にしようとして・・・既に口の部分も消えかけているため言葉にすることはできず、消えていった。
だが、その顔は満足そうな顔をしていたと思う・・・
「これで、ギアスは成立・・・もう僕にはお前らを殺せない。」
タンッ タンッ タンッ タンッ タンッ
数発の弾丸が私の身体に叩き込まれ、その衝撃で私は後ろに倒れる。ソラウも放り出されてしまった。
「僕には、な・・・」
そうか、そういうことか・・・!!!
「き、さま・・・」
「悪いが、止めを刺すことはできない・・・そういう契約だからな・・・」
貴様という奴は、どこまで・・・!!!
するとセイバーがこちらに近づいてきて、剣を振り上げた。
ありがたい・・・
剣が振り下ろされ、私の意識は闇に落ちた。
これが、死、か・・・
存外、暖かいものなのだな・・・
ん?あれは、光か・・・?なにが、起こって・・・
そして、私は生まれた。
「おぎゃぁぁぁ(なんだこれはぁぁぁぁ)!!??」
わけがわからん。
シリアスは、続かない。
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