【完結】アリス·ギア·アイギス 〜空を目指す者〜   作:塊ロック

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アクトレスと戯れるシリーズ、遂に登場絶対零度の生徒会長。
ちょっとポンコツっぽいのはわざとです。
つまりはシュミッ!


絶対零度を溶かすのは

 

 

「隊長、ごきげんよう」

「え?あ、おう?おはよう…紺堂!?」

 

午前8時、土曜の成子坂製作所。

アクトレスはほとんど居ないこの時間帯に、何故かアマ女のアクトレス、紺堂地衛理が居た。

 

「何故ここに?」

「今、私達聖アマルテア女学院は貴方の指揮下にあります。特に驚く事は無いかと?」

「指揮下?うーん、どちらかも言うとアライアンスだし対等だと思うんだが」

 

あくまで傘下に入れる訳ではなく対等な連携契約。

それに、成子坂としては一度アマ女に敗北しているのでなんとなく居心地が悪いのも否めない。

 

「ですが、貴方はアライアンスの総司令官です。私達アクトレスが貴方の指示を受け戦うのですよ」

「…」

 

今思うと、相当話が大きくなっている。

零細企業であった成子坂に赴任し、明日存続させるために必死で戦ってきた。

 

それが今や、東京シャードの中小企業アクトレス部門総括、総司令官として今自分はここにいる。

 

「それで、要件は?」

 

なんだか壮大な話で流されそうだったが、肝心な紺堂地衛理がここにいる理由を聞いてはいなかった。

 

「貴方と話しに来ました」

「話?何を?」

「何と言われても…話をするのでは?」

「いやだから、話って何さ」

「話です」

 

???

なんだ、このイマイチ噛み合っていない遣り取りは。

 

「…もしかして、俺と?」

「はい、隊長と話がしたいと思いまして」

 

なるほど、そういうことね…今完全に理解したわ。

 

「吾妻とか呼ぶけど?」

「結構です。今、隊長と二人で話したく思っていますので」

 

そう言われて、ちょっとドキリとする。

自分より年下だが、美人オーラ全開の美少女と二人で話すのだ。

緊張しない方がおかしい。

 

「以前、隊長に譲渡したギアですが」

「ああ、アイツか?」

 

先日、アマ女へ行った際に再会した相棒。

その件では紺堂に感謝してもしきれない部分がある。

 

「アレは…どういう物なのか、お聞きしても?」

「…それは、北条の人として聞いてるのか?」

 

一瞬だけ、ハッとした顔をする。

…割と貴重な物を見れた気がする。

 

写真が取れていれば結構儲かりそうだな、とどうでもいい事を考えていた。

 

 

北条。

アマ女のスポンサーにして支配者であり、シャードの実権を握ろうと暗躍している。

 

そいつらにとって、相棒の存在は許されるものでは無い。

 

「…これは、私個人の疑問です。北条は関係ありません」

 

すぐに毅然としたいつものアブソリュート生徒会長に戻る。

こういう所は流石だ。

 

「そっか。アレはな…男性用のパワードスーツだ」

「はい」

「終わり」

「…はい?」

 

今度は、口を開けてぽかんとした。

 

なんだ、かわいい顔も出来るじゃないか。

 

「アレは、兵器なのでは?」

「大気圏内で飛ぶことしか出来ないけど」

「ですが、」

「ひとつ言っておく」

 

またしゃべる前に、自分の言いたい事を告げる。

 

「アイツは、俺達の夢だ。それ以外の何物でもない。誰にも邪魔はさせない、到達点だ」

 

これだけはハッキリとさせておくべきもの。

男の矜持だ。

 

「…ふふっ、やはり貴方は面白い方ですね」

 

今度は、柔らかく笑った。

なんとなく、距離が縮まった感じがする。

こちらの意図がちゃんと伝わったのだろうか。

 

「夢、夢ですか…良いものですね」

「ああ」

「うちのメイドが話しているのを小耳に挟んだのですが」

「え?」

「夢を追い掛けている男性は素敵ですね、と」

「は、はぁ?」

 

突然何を言い出すのか。

と言うか貴女のお家はメイドさんいらっしゃるんですね…ちょっと見てみた、ゲフンゲフン。

 

「私も素敵だと思います」

「えっ」

「あなたの様な人が、やはり私の指揮官に相応しい」

「待て待て、過大評価だ」

 

私事の為に隊長になった自分に、相応しいと言ってくれた少女。

 

「隊長、以前お話しましたよね。私は戦場でしか自由を感じれないと」

 

忘れもしない。

目の前の少女と交わした約束。

 

「貴方の自由は、何処にありますか?」

 

自由。

目の前の哀しい少女に、俺はどう答えるべきか。

 

はぐらかしてはいけない。

自分を認めてくれている相手に、不誠実だ。

 

 

俺の自由。

 

それは、

 

 

「俺の自由は、空にある」

「空…それは、シャードの外の宇宙と言うことですか?」

「違う。どこまでも、無限に続く青い空」

 

失われた地球の空。

シャードで産まれた自分には、もう見ることの出来ない絶景。

 

「なら、私の自由の先に貴方はいるのですね」

 

紺堂地衛理の自由。

戦いの先。

 

「…かもな」

「ふふ…素敵ですね」

「やめろって。照れるだろうが」

「良いではないですか。貴方はいつもポーカーフェイスを気取っている。たまには優位に立たせてもらいたいものです」

「解っててやってるのか、たち悪い」

 

彼女とは、気難しい関係でしかなかったけれど、今なら、一緒に戦っていける気がしてきた。

 

「隊長、私と、踊っていただけて?」

「ダンスは、苦手だな」

 

この遣り取りも、板に付いてきた。

 

 

 




アマ女ガチ勢に怒られそうだけど、私がやりたかったので許してください。
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