【完結】アリス·ギア·アイギス 〜空を目指す者〜 作:塊ロック
当然のようにアクトレスはついてきますよ?
隊長業務を始めてから結構日にちが経って。
成子坂もようやく建て直して。
俺もさ、よく頑張ったと思うんだよ。
だからさ…。
「休ませろ!!」
なんと五ヶ月連勤でござい。
しかも何がすごいってこれ緊急出動なの。
ぶっちゃけ成子坂で寝てる日数の方が多い。
余裕が出来てきたとは言え隊長が俺しかいないのがそもそも原因なのだが…。
「いい加減死ぬぞ俺…」
元々肉体派な仕事をしていたのである程度の激務には耐えられる。
ジニーの言ってた72時間とやらも割と付き合えるとは思う。
しかし、しかしだ。
「息抜きがしたい…」
この一言。
一日くらいなら予定は空く。
けど、それまでだ。
大半が寝て終わる。
こう、3日…ないし2日は欲しい。
「一泊ニ日で温泉とか行きてぇなぁ…」
「そうですねぇ、地方で地酒片手に夜景見たりして」
「あー、良いねぇ…露天もいいな」
「良いですねぇ…たーいちょ、行きません?」
「行きません」
「ちぇー」
事務所に一人だったのにいつの間にか話に入ってきていた四谷ゆみを追い払う。
年齢もタメなので割と気心のしれた仲である。
「そう言えば隊長さんも相当働き詰めですね」
「四谷さんには負けるさ」
「私は…まぁほら、半分自業自得みたいなもんだし」
「お身体に触らない程度に」
「…はーい」
「さてと、仕事仕事…」
どさどさどさ!!
書類の棚から何かが雪崩の様に落ちてきた。
…これは、温泉ガイドと観光地パンフ?
「これぞ、アーバン忍法ガイドの術!!」
「蛙坂!危ないから天井に潜むなって言ってるだろうが!!」
「とう!」
華麗に空中1回転を決めて着地する。
「どう、隊長。気になるところある?」
「全く…いやまぁ、気持ちは嬉しいよ。ありがとな」
「にへへ、どういたしまして」
蛙坂がはにかんだ。
やる事が突拍子も無いけど、基本的にこの子は誰かの為に行動できる良い子だ。
日向と並ぶと制御不能になるのが玉に瑕だが。
「ちょっと隊長さん?私ほっぽっといてJKと和まないでくれる?」
「すまんすまん…しかし、どっかで2日休めねぇかな…」
「え?隊長さん今週末休みですよ。2日」
「にゃーさん…?え、それマジで?」
事務所に入ってきた新谷さんにいきなりそう言われてしまった。
「…あっ、ほんまやん」
隊長、温泉旅行決定。
勿論、一人で。
「ちぇー」
―――――――――――
某観光シャード。
「ツーわけで来たぞ温泉街!!勿論一人でな!!」
シャード間プラットフォームから降りるなり叫ぶ。
通行人が訝しみながらこちらをみるが気にしない。
「さーて、まずは旅館に行く前に荷物預けて紅葉でも見に行くとしますかねぇ」
「Hi!ダーリンこっちこっち!」
「…………気にしない気にしない。俺は何も見てないし聞いてない…」
スゴい聞き覚えのある声が聞こえる。
しかもダーリンってお前、彼氏いたのかよ。
「もう!無視するなんてひどいよ!」
「あっくそそうきたか!!」
後ろから走って来て当然のように右腕絡めてきた。
右腕に柔らかい感触。
ちくせう、男のサガだこれ。
「ジニー…着いてきたのかよ」
そう、うちのブロンドアクトレスである、バージニア・グリーンベレーその人であった。
「ううん!観光で来たらたまたま隊長を見かけたんだ!」
「ダウト!」
「Doubt?NO!I'm seriously!」
「あーもうわかったわかった…トホホ」
まぁ、ジニーみたいな子と観光出来るなら役得か…。
「なんというか、その辺麻痺するよなこの仕事…」
「麻痺?そんなに酷かったの隊長!?」
「いや、気にすんな」
「大丈夫!隊長の次の仕事は私がペンタゴンで見つけてあげる!」
「話聞け」
…騒がしい観光になりそうだ。
「とりあえず旅館に荷物預けに行かないとな…ジニー、お前の宿泊先は?」
「えっとね、ここ!」
「…俺と同じとこやん」
「Wow!偶然だね!」
「あくまでしらを切るのか…」
この娘、やりおる…。
とりあえず、移動しよう。
「ふふふっ、マリ達に自慢しちゃお」
「…やめてくれよ」
それは心の底から勘弁願いたかった。
「それじゃ、どこから行く?」
「んー…そうだな」
「あら…隊長?」
「………うっそぉ」
………続く?